2022/03/31(木) - 02:00
ベルギーのヘルメットブランド、レイザーが新たなプロテクションテクノロジー"KinetiCore"を発表した。あらゆる角度の衝撃から脳を守るための独自の構造体であり、通気性、軽量性を維持できる新技術だ。ユンボ・ヴィスマも着用するセミエアロの新作Ventoなどが並べられたラインアップとともに紹介しよう。
ユンボ・ヴィスマが使用する新たなセミエアロヘルメットのVento KCがデビュー (c)シマノ
ワウト・ファンアールトらユンボ・ヴィスマの選手がフランドルクラシックから着用を開始する新型のセミエアロヘルメット「Vento KC」がデビュー。開閉式のベンチレーションプレートにプロ選手らがネームステッカーをあしらい、レイザーのレーシングヘルメットのアイコニックな存在となっていたBullet2.0のポジションを受け継ぐ次世代のフラッグシップモデルがお披露目された。
Vento KCの紹介に移る前に、レイザーの新テクノロジーについて説明しなければならない。モデル名に加えられたKCというのは、KinetiCore(キネティコア)の略称だ。そして、このKinetiCoreこそがこれからのレイザーの安全技術の中核となる革新的なテクノロジーだと同社は胸を張る。
新作のコアテクノロジーは安全技術のKinetiCoreだ (c)シマノ
現在、ヘルメットのトレンドの一つとして回転衝撃への対処が挙げられる。なぜ、回転衝撃の吸収が重要視されているのか? それは、実際の落車では頭部に対して斜め方向からの衝撃が加わり、脳を激しく揺らすことで脳震盪など重大な損傷を与える危険性があるからだ。そのため頭を回転させるような力を吸収させるため、様々なアプローチが開発されてきた。
その中でも最もポピュラーな存在が多くのブランドに採用されるスリップシート技術のMIPSであり、ボントレガーのWAVECELのような独自の衝撃吸収素材を開発したブランドもあり、それぞれのアプローチで脳へのダメージを低減させる取り組みを行っている。これまでMIPSを採用してきたレイザーもまた独自の安全技術開発に乗り出しており、長い年月をかけてついにKinetiCoreの発表に至った。
ブロックが潰れることでヘルメットに加わったエネルギーを吸収する 写真はJackal KC
KinetiCoreの核となるのが、シェルの内側に設けられたクランプルゾーンという衝撃吸収層だ。縦方向だけでなく横方向にもEPSフォームが潰れるように、頭と接する部分のインナーシェルをブロック状に配置した設計がクランプルゾーンの特徴だ。
頭を打ち付けた際には垂直方向と斜め方向どちらからの衝撃に対しても、クランプルゾーンの対応するエリアが潰れることでエネルギーを吸収し、脳をダメージから保護してくれるという。
レイザーが独自開発した安全技術のKinetiCore
パッドはブロックに直接貼り付ける方式だ
また、クランプルゾーンは衝撃吸収のためにヘルメットに追加する構造物ではなく、インナーシェルそのものであることもポイントだ。
そのメリットとして、ヘルメットの通気性と軽量性を損なわず、安全性を向上させられる点が挙げられるだろう。レイザーの設計意図を損なうことなくヘルメットに反映させることができるため、KinetiCoreが採用されたヘルメットは優れた性能を期待できそうだ。保護性能に関しては、バージニア工科大学が実施しているテストを経て、最高ランクの5つ星を獲得しているという。
レイザーが満を持してリリースした安全技術のKinetiCore、そのファーストプロダクトラインアップのなかでもプロユースモデルとなるのが、冒頭でも触れたロード用のセミエアロモデル"Vento"だ。他にもオールラウンドのミドルグレードStrada、MTB用のJackal、シティ用のCity Zenと様々な用途をカバーする計4種類で国内展開が始まる。
帽体を形作る部分とクランプルゾーンで構成されるインナーシェル
VentoとStradaについてはアジアンフィットモデルが展開され、JackalとCity Zenの2モデルグローバルフィットのみの展開。時期はいずれも6月ごろを予定しているとのこと。それでは各モデルについて、簡単に紹介しよう。
レイザー Vento KC AF
レイザー Vento KC AF(レッド) (c)シマノ
Ventoは冒頭でも触れたようにBullet2.0と置き換わるセミエアロロードヘルメット。KinetiCore搭載で安全性が向上していることはもちろん軽量にもなっている。Bullet 2.0 MIPSのMサイズと比較すると90g、MIPS無しモデルと比較しても70gのダイエットに成功した(ヨーロッパモデル)。アジアンフィットモデルはSサイズは280g、Mは300g、Lは330gとなっている。
安全性、軽量性に加えて、エアロダイナミクスの向上も果たされている。Ventoは15度の前傾姿勢時に前方投影面積が小さくなるように設計されており、Bullet2.0と比較し2.3%のエアロダイナミクス向上を実現したという。
前頭部には大きなベンチレーションホールが2つ備えられた(Vento KC) (c)シマノ
頭頂部のベンチレーションホールからも風が入り込むという(Vento KC) (c)シマノ
それだけではなくベンチュリー・ベンチレーション・システムと呼ばれる通気口設計によってクーリング効果もBullet2.0 MIPS比で5.4%向上したとのことだ。側頭部のベンチレーションホールはアイウェアポートになっており、TPUのパッドがアイウェアをホールドしてくれる。
さらに今作ではフィッティングシステムが、ScrollSys(スクロールシス)という新モデルへと改良された。これまでのRollSysは頭頂部に設けられたダイヤルで締め付け具合を調整していたが、今作では後頭部に設けられたトレッドミルのようなベルトで行うこととなり、グローブをつけた状態でも調整しやすくなった。カラーはマットブラック、ホワイト、レッドの3色で、価格は31,900円(税込)。
レイザー Strada KC AF
レイザー Strada KC AF(マットダークグレーフラッシュイエロー) (c)シマノ
レイザー Strada KC AF(マットチタニウム) (c)シマノ
レイザー Strada KC AF(レッド) (c)シマノ
レイザー Strada KC AF(ホワイト) (c)シマノ
StradaはKinetiCoreを搭載した新型オールラウンド・ミドルグレード。GenesisとVentoを掛け合わせたような洗練されたルックスに仕上げられている。また、同じミドルグレードに位置するBlade+MIPSと比較し通気性と軽量性が向上していることがポイントだ。
またVentoと同じようにTPUのアイウェアパッドやScrollSysが搭載されている。カラーはフルマットブラック、ホワイト、レッド、マットチタニウム、マットグリーン、マットダークグレーフラッシュイエローという展開。価格は13,200円(税込)。
レイザー Jackal KC
レイザー Jackal KC (c)シマノ
バイザーは無段階で調整が行える(Jackal KC) (c)シマノ
バイザーを考慮した通気性の設計が行われている(Jackal KC) (c)シマノ
MTBヘルメットとなるJackalは、バイザーとゴーグル装着を考慮したベンチレーション設計が行われていることが特徴のトレイルモデル。KinetiCore化を果たすことで、MIPSモデルと比較して5.2%のクーリング効果向上、Mサイズで50gの軽量化を果たしているという。
ゴーグルのストラップをホールドするエリアやアイウェアポート、3段階調整のバイザーを採用するなど使い勝手が良さそうだ。こちらのモデルはユニバーサルフィットのみの展開。価格は23,100円(税込)。
レイザー City Zen KC
レイザー City Zen KC(マットリラ) (c)シマノ
ダイヤモンド型のベンチレーションホールが備えられた(CityZen KC) (c)シマノ
そして、アーバンライド向けのCityZenも用意されている。シェル一体型のKinetiCoreがアーバンモデルに採用されたことで、より多くのサイクリストが優れたプロテクション性能の恩恵を受けられそうだ。価格は6,050円(税込)。
今回のKinetiCoreモデルは全て専用の赤色LEDの搭載が可能となっている。またKinetiCoreモデルはプラスチック使用量の削減も達成しているという。販売用の箱なども環境に配慮したものが採用されており、レイザーの姿勢が窺える。
また、KinetiCoreのプロダクトは今週末開催のサイクルモード東京のシマノブースで展示予定のため、ぜひチェックしてもらいたい。シクロワイアードでもVentoなどのインプレッションを後日お届けする予定だ。
フラッグシップのVento KC(左)だけではなく、ミドルグレードのStrada KC(右)も同時に登場する (c)シマノ
MTBモデルのJackalもKinetiCoreモデルとなった (c)シマノ
アーバン向けのCityZenにもKinetiCoreが搭載されたことで、非常に多くのサイクリストが恩恵を受けられるようになった (c)シマノ
レイザー Vento KC AF KCはKinetiCore、AFはAsian Fitを示す
カラー:マットブラック、ホワイト、レッド
サイズ(重量):S(280g)、M(300g)、L(330g)
価格:31,900円(税込)
レイザー Strada KC AF
カラー:フルマットブラック、ホワイト、レッド、マットチタニウム、マットグリーン、マットダークグレーフラッシュイエロー
サイズ(重量):S(290g)、M(300g)、L(330g) ※一部カラーでは2サイズ展開
価格:13,200円(税込)
レイザー CityZen KC
カラー:マットブラック、マットホワイト、マットリラ、マットリビド
サイズ(重量):M(420g)、L(450g)
価格:6,050円(税込)
レイザー Jackal KC
カラー:マットブラック、マットホワイトブラック、マットライトブルー
サイズ(重量):M(350g)、L(390g)
価格:23,100円(税込)
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ワウト・ファンアールトらユンボ・ヴィスマの選手がフランドルクラシックから着用を開始する新型のセミエアロヘルメット「Vento KC」がデビュー。開閉式のベンチレーションプレートにプロ選手らがネームステッカーをあしらい、レイザーのレーシングヘルメットのアイコニックな存在となっていたBullet2.0のポジションを受け継ぐ次世代のフラッグシップモデルがお披露目された。
Vento KCの紹介に移る前に、レイザーの新テクノロジーについて説明しなければならない。モデル名に加えられたKCというのは、KinetiCore(キネティコア)の略称だ。そして、このKinetiCoreこそがこれからのレイザーの安全技術の中核となる革新的なテクノロジーだと同社は胸を張る。
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現在、ヘルメットのトレンドの一つとして回転衝撃への対処が挙げられる。なぜ、回転衝撃の吸収が重要視されているのか? それは、実際の落車では頭部に対して斜め方向からの衝撃が加わり、脳を激しく揺らすことで脳震盪など重大な損傷を与える危険性があるからだ。そのため頭を回転させるような力を吸収させるため、様々なアプローチが開発されてきた。
その中でも最もポピュラーな存在が多くのブランドに採用されるスリップシート技術のMIPSであり、ボントレガーのWAVECELのような独自の衝撃吸収素材を開発したブランドもあり、それぞれのアプローチで脳へのダメージを低減させる取り組みを行っている。これまでMIPSを採用してきたレイザーもまた独自の安全技術開発に乗り出しており、長い年月をかけてついにKinetiCoreの発表に至った。
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KinetiCoreの核となるのが、シェルの内側に設けられたクランプルゾーンという衝撃吸収層だ。縦方向だけでなく横方向にもEPSフォームが潰れるように、頭と接する部分のインナーシェルをブロック状に配置した設計がクランプルゾーンの特徴だ。
頭を打ち付けた際には垂直方向と斜め方向どちらからの衝撃に対しても、クランプルゾーンの対応するエリアが潰れることでエネルギーを吸収し、脳をダメージから保護してくれるという。
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また、クランプルゾーンは衝撃吸収のためにヘルメットに追加する構造物ではなく、インナーシェルそのものであることもポイントだ。
そのメリットとして、ヘルメットの通気性と軽量性を損なわず、安全性を向上させられる点が挙げられるだろう。レイザーの設計意図を損なうことなくヘルメットに反映させることができるため、KinetiCoreが採用されたヘルメットは優れた性能を期待できそうだ。保護性能に関しては、バージニア工科大学が実施しているテストを経て、最高ランクの5つ星を獲得しているという。
レイザーが満を持してリリースした安全技術のKinetiCore、そのファーストプロダクトラインアップのなかでもプロユースモデルとなるのが、冒頭でも触れたロード用のセミエアロモデル"Vento"だ。他にもオールラウンドのミドルグレードStrada、MTB用のJackal、シティ用のCity Zenと様々な用途をカバーする計4種類で国内展開が始まる。
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VentoとStradaについてはアジアンフィットモデルが展開され、JackalとCity Zenの2モデルグローバルフィットのみの展開。時期はいずれも6月ごろを予定しているとのこと。それでは各モデルについて、簡単に紹介しよう。
レイザー Vento KC AF
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Ventoは冒頭でも触れたようにBullet2.0と置き換わるセミエアロロードヘルメット。KinetiCore搭載で安全性が向上していることはもちろん軽量にもなっている。Bullet 2.0 MIPSのMサイズと比較すると90g、MIPS無しモデルと比較しても70gのダイエットに成功した(ヨーロッパモデル)。アジアンフィットモデルはSサイズは280g、Mは300g、Lは330gとなっている。
安全性、軽量性に加えて、エアロダイナミクスの向上も果たされている。Ventoは15度の前傾姿勢時に前方投影面積が小さくなるように設計されており、Bullet2.0と比較し2.3%のエアロダイナミクス向上を実現したという。
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それだけではなくベンチュリー・ベンチレーション・システムと呼ばれる通気口設計によってクーリング効果もBullet2.0 MIPS比で5.4%向上したとのことだ。側頭部のベンチレーションホールはアイウェアポートになっており、TPUのパッドがアイウェアをホールドしてくれる。
さらに今作ではフィッティングシステムが、ScrollSys(スクロールシス)という新モデルへと改良された。これまでのRollSysは頭頂部に設けられたダイヤルで締め付け具合を調整していたが、今作では後頭部に設けられたトレッドミルのようなベルトで行うこととなり、グローブをつけた状態でも調整しやすくなった。カラーはマットブラック、ホワイト、レッドの3色で、価格は31,900円(税込)。
レイザー Strada KC AF
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StradaはKinetiCoreを搭載した新型オールラウンド・ミドルグレード。GenesisとVentoを掛け合わせたような洗練されたルックスに仕上げられている。また、同じミドルグレードに位置するBlade+MIPSと比較し通気性と軽量性が向上していることがポイントだ。
またVentoと同じようにTPUのアイウェアパッドやScrollSysが搭載されている。カラーはフルマットブラック、ホワイト、レッド、マットチタニウム、マットグリーン、マットダークグレーフラッシュイエローという展開。価格は13,200円(税込)。
レイザー Jackal KC
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MTBヘルメットとなるJackalは、バイザーとゴーグル装着を考慮したベンチレーション設計が行われていることが特徴のトレイルモデル。KinetiCore化を果たすことで、MIPSモデルと比較して5.2%のクーリング効果向上、Mサイズで50gの軽量化を果たしているという。
ゴーグルのストラップをホールドするエリアやアイウェアポート、3段階調整のバイザーを採用するなど使い勝手が良さそうだ。こちらのモデルはユニバーサルフィットのみの展開。価格は23,100円(税込)。
レイザー City Zen KC
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そして、アーバンライド向けのCityZenも用意されている。シェル一体型のKinetiCoreがアーバンモデルに採用されたことで、より多くのサイクリストが優れたプロテクション性能の恩恵を受けられそうだ。価格は6,050円(税込)。
今回のKinetiCoreモデルは全て専用の赤色LEDの搭載が可能となっている。またKinetiCoreモデルはプラスチック使用量の削減も達成しているという。販売用の箱なども環境に配慮したものが採用されており、レイザーの姿勢が窺える。
また、KinetiCoreのプロダクトは今週末開催のサイクルモード東京のシマノブースで展示予定のため、ぜひチェックしてもらいたい。シクロワイアードでもVentoなどのインプレッションを後日お届けする予定だ。
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レイザー Vento KC AF KCはKinetiCore、AFはAsian Fitを示す
カラー:マットブラック、ホワイト、レッド
サイズ(重量):S(280g)、M(300g)、L(330g)
価格:31,900円(税込)
レイザー Strada KC AF
カラー:フルマットブラック、ホワイト、レッド、マットチタニウム、マットグリーン、マットダークグレーフラッシュイエロー
サイズ(重量):S(290g)、M(300g)、L(330g) ※一部カラーでは2サイズ展開
価格:13,200円(税込)
レイザー CityZen KC
カラー:マットブラック、マットホワイト、マットリラ、マットリビド
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価格:6,050円(税込)
レイザー Jackal KC
カラー:マットブラック、マットホワイトブラック、マットライトブルー
サイズ(重量):M(350g)、L(390g)
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