栃木県那須町をはじめとする県北部エリアを本拠地とする那須ブラーゼンが3月26日、2022シーズンのスターティングパーティーを開催した。



パーティー会場の入口には選手ののぼりとバイクが置かれるパーティー会場の入口には選手ののぼりとバイクが置かれる photo:Nobumichi Komori会場の一角には過去9年のジャージとシーズンを象徴する写真が飾られていた会場の一角には過去9年のジャージとシーズンを象徴する写真が飾られていた photo:Nobumichi Komori

宇都宮ブリッツェンに次いで国内、そして栃木県内2チーム目の地域密着型チームとして2012年に創設された那須ブラーゼン。今シーズンは創設10周年の節目の1年となる。

昨年は新リーグとして開幕したJCL(ジャパンサイクルリーグ)の第8戦「湧水の郷しおやクリテリウム」で金子大介がゴールスプリントを制し優勝。その他のレースでも谷順成や西尾憲人が表彰台を獲得するなど、シーズンを通して積極的にレースに絡む姿勢を見せた。

那須ブラーゼン2022メンバーと、サポートを受ける石原悠希が登壇那須ブラーゼン2022メンバーと、サポートを受ける石原悠希が登壇 photo:Nobumichi Komori
この日のパーティーには、U23ナショナルチームの海外遠征中で欠席となった新加入の川野碧己を除く選手8名が出席。地元栃木県出身で国内でのレース活動のサポートを受ける石原悠希はUCI登録されるジャバ・キウィ・アトランティコのジャージでの登壇となった。

創設10周年を迎えた那須ブラーゼンのポジションについて熱く語る若杉厚仁代表取締役創設10周年を迎えた那須ブラーゼンのポジションについて熱く語る若杉厚仁代表取締役 photo:Nobumichi Komori
パーティー冒頭の挨拶で登壇した運営会社であるNASPO株式会社の若杉厚仁代表取締役は「10周年を迎えるにあたり、那須ブラーゼンというチームの在り方をあらためて考える部分がありました。その中で3つの柱、ポジションがあると考えています。ひとつ目は、地元地域に応援していただくプロスポーツチームとしてのポジション。全国、そして世界を舞台にレースを戦う姿を、もっと多くの地元住民の皆さんに応援いただけるチームに成長していきたいと考えています。

ふたつ目は、野球やサッカー、バスケットボールに続くメジャースポーツにサイクルロードレースをするというポジション。那須ブラーゼンは宇都宮ブリッツェンに次いで国内2チーム目の地域密着型チームとして誕生しました。昨年、ジャパンサイクルリーグというリーグが立ち上がりましたが、この2チームがファーストランナーとしてその流れをけん引してきたと自負しています。

最後の3つ目は、地域に根差したベンチャー企業というポジションです。選手、スタッフ15名の若者たちで構成されているのが那須ブラーゼンという組織。この15名の平均年齢は25歳にも満たない組織で、そのほとんどが県外から移住してきて若いエネルギーを発揮しています。まだまだビジネスモデルが確立されていない国内サイクルロードレース業界ですが、我々がトップランナーとしてビジネスモデルを確立していきたい。

この3つの柱、ポジションがある那須ブラーゼンがこの先10年、20年と活躍し続けていくためには、今日この場にお集まりいただいた皆さんのお力添えが不可欠。引き続きの応援をお願いいたします」と、チームが目指していく方向性と役割を熱く語った。

挨拶をするキャプテンの谷順成挨拶をするキャプテンの谷順成 photo:Nobumichi Komori「今年は勝つ」と決意を口にした西尾憲人「今年は勝つ」と決意を口にした西尾憲人 photo:Nobumichi Komori

来賓の祝辞の後は、選手が1人ずつ会場に駆けつけたファン、スポンサーへ挨拶を行った。キャプテンの谷は「強いチーム、選手だから地域の皆さんに応援されるとは限りません。でも逆に、地域の皆さんに応援されているチーム、選手は強いと感じています。だからこそ、今年も那須地域を盛り上げて恩返しができればと思っていますし、皆さんの応援をレースでの力に変えていきたいと思いますので応援よろしくお願いします」とコメント。

昨年のJCL第9戦「大田原ロードレース」で2位表彰台を獲得した西尾憲人は「2位になってもっと嬉しい気持ちになるのかなと思っていましたが、日に日に悔しい気持ちが大きくなりました。優勝と2位にはこんなにも差があるのだと痛感したので、このオフは妥協せずに勝つためにトレーニングを積み重ねてきました。今年は自信がありますし、勝ちます。そのためにも皆さん、背中を押してください」と決意を口にした。

歓談タイムにファンと談笑する金子大介歓談タイムにファンと談笑する金子大介 photo:Nobumichi Komoriキッズとの撮影に笑顔で応える竹村拓キッズとの撮影に笑顔で応える竹村拓 photo:Nobumichi Komori

原点回帰の意味も込め創設初年度のデザインが意識された今シーズンのジャージを着用して選手たちは戦う原点回帰の意味も込め創設初年度のデザインが意識された今シーズンのジャージを着用して選手たちは戦う photo:Nobumichi Komori10周年の記念ロゴ制作の経緯も語られた10周年の記念ロゴ制作の経緯も語られた photo:Nobumichi Komori

選手たちの挨拶に続いて乾杯の発声がされると、その後は和やかな歓談タイム。栃木県にも発令されていたまん延防止等重点措置が解除されたこともあり、選手たちもステージを降りてファンとの交流を楽しむ姿が見られた。また、歓談中に再登壇した若杉社長からは10周年記念ロゴ、今シーズンのジャージやチームカーのデザインに込められた想いなどが語られた。

最後は選手を囲んで全員で記念撮影を行い、和やかな雰囲気のままパーティーは終了した。

全員で記念撮影をしてパーティーはお開きとなった全員で記念撮影をしてパーティーはお開きとなった photo:Nobumichi Komori

text&photo:Nobumichi Komori