2022/03/14(月) - 13:29
イタリアで7日間に渡り開催されたティレーノ〜アドリアティコ。最終スプリントでフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が勝利し、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が2年連続で総合優勝を手にした。
前日の勝利で2年連続の総合優勝をほぼ手中に収めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
前日に山岳決戦を終えたティレーノ〜アドリアティコの最終日は、スプリンターのための平坦レイアウト。アドリア海に面した港湾都市サン・ベネデット・デル・トロントを発着点に前半の山岳地帯を越え、レース後半は1度フィニッシュラインを通過してから市内を一周する159kmだ。
カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)など有力スプリンターが既にレースを去っているこの日、スタート直後に優勝候補のオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)やマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)を巻き込む落車が発生。コルトは再スタートしたものの鎖骨骨折により棄権している。
前日に35歳の誕生日を迎えたマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナカザフスタン)を含む3名によって構成された逃げグループは、メイン集団から2分45秒のリードを奪うことに成功。しかしステージ前半をグルパマ・エフデジとアルペシン・フェニックス、後半をユンボ・ヴィズマとチームDSMが牽引するプロトンは逃げを射程圏内に置き続けた。
アドリア海沿岸を南に進むプロトン photo:CorVosphoto:CorVos
風邪で体調を崩して以降、調子の上がらないマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)はこの日も勝負に絡めなかった photo:CorVos
スプリンターチームの牽引によって逃げグループとのタイム差は残り8km地点でゼロとなり、選手たちはハイスピードで細かく狭いコーナーの多いサン・ベネデット・デル・トロントの街中になだれ込んだ。
フラムルージュ(残り1km)から主導権を握ったのはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)を擁するイスラエル・プレミアテック。狭くタイトなSコーナーを先頭で抜け、最終ストレートでアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が真っ先にスプリントを開始する。ニッツォーロはクリストフ追撃を試みたものの、リードアウトを終えたチームメイトのリック・ツァベル(ドイツ)に進路を阻まれた。
先頭に立つも伸び悩むクリストフを再加速したニッツォーロが追い抜いていく。しかし更にその後方から遅れて加速したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭の選手たちをまとめてかわしてフィニッシュへ。勝利の雄叫びを上げた。
先頭の選手たちを抜き去ったフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
スプリントを制したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
「チームとして素晴らしい一週間だった。残り1kmで単独となってしまったので、完璧なスプリントのタイミングを待っていた。僕にとってとても嬉しく価値の大きな勝利だ」とチームにワールドツアー初勝利をもたらしたバウハウスは喜んだ。
総合上位陣は同タイムの集団内でフィニッシュし、ポガチャルが総合リードを守り抜いた。「フィニッシュラインを越えるまで集中して走り、今日のステージを楽しむことができた。素晴らしい一週間になったよ。今大会で挙げた2つの勝利は美しく、2度目のティレーノ~アドリアティコ総合優勝は喜びに満ちあふれている」とコメント。「この後は数日の間休息し、次の目標であるミラノ〜サンレモに向けて調整したい」と、大会2連覇の喜びと同時に、次戦への意欲を語った。
総合2位には今大会もその実力を見せたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が入り、ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が昨年同様の総合3位で表彰台に上がっている。ヴィンゲゴーは今シーズン同時期開催のパリ〜ニースで総合優勝を挙げたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と共にツール・ド・フランスに標準を合わせ、ランダはジロ・デ・イタリアとツールのダブルツールを予定している。
最終ステージを制したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
表彰台:2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)、1位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、3位ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
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前日に山岳決戦を終えたティレーノ〜アドリアティコの最終日は、スプリンターのための平坦レイアウト。アドリア海に面した港湾都市サン・ベネデット・デル・トロントを発着点に前半の山岳地帯を越え、レース後半は1度フィニッシュラインを通過してから市内を一周する159kmだ。
カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)など有力スプリンターが既にレースを去っているこの日、スタート直後に優勝候補のオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)やマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)を巻き込む落車が発生。コルトは再スタートしたものの鎖骨骨折により棄権している。
前日に35歳の誕生日を迎えたマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナカザフスタン)を含む3名によって構成された逃げグループは、メイン集団から2分45秒のリードを奪うことに成功。しかしステージ前半をグルパマ・エフデジとアルペシン・フェニックス、後半をユンボ・ヴィズマとチームDSMが牽引するプロトンは逃げを射程圏内に置き続けた。
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スプリンターチームの牽引によって逃げグループとのタイム差は残り8km地点でゼロとなり、選手たちはハイスピードで細かく狭いコーナーの多いサン・ベネデット・デル・トロントの街中になだれ込んだ。
フラムルージュ(残り1km)から主導権を握ったのはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)を擁するイスラエル・プレミアテック。狭くタイトなSコーナーを先頭で抜け、最終ストレートでアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が真っ先にスプリントを開始する。ニッツォーロはクリストフ追撃を試みたものの、リードアウトを終えたチームメイトのリック・ツァベル(ドイツ)に進路を阻まれた。
先頭に立つも伸び悩むクリストフを再加速したニッツォーロが追い抜いていく。しかし更にその後方から遅れて加速したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭の選手たちをまとめてかわしてフィニッシュへ。勝利の雄叫びを上げた。
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「チームとして素晴らしい一週間だった。残り1kmで単独となってしまったので、完璧なスプリントのタイミングを待っていた。僕にとってとても嬉しく価値の大きな勝利だ」とチームにワールドツアー初勝利をもたらしたバウハウスは喜んだ。
総合上位陣は同タイムの集団内でフィニッシュし、ポガチャルが総合リードを守り抜いた。「フィニッシュラインを越えるまで集中して走り、今日のステージを楽しむことができた。素晴らしい一週間になったよ。今大会で挙げた2つの勝利は美しく、2度目のティレーノ~アドリアティコ総合優勝は喜びに満ちあふれている」とコメント。「この後は数日の間休息し、次の目標であるミラノ〜サンレモに向けて調整したい」と、大会2連覇の喜びと同時に、次戦への意欲を語った。
総合2位には今大会もその実力を見せたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が入り、ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が昨年同様の総合3位で表彰台に上がっている。ヴィンゲゴーは今シーズン同時期開催のパリ〜ニースで総合優勝を挙げたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と共にツール・ド・フランスに標準を合わせ、ランダはジロ・デ・イタリアとツールのダブルツールを予定している。
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ティレーノ〜アドリアティコ2022第7ステージ結果
1位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:39:58 |
2位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
4位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、コフィディス) | |
5位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM) | |
6位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
7位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー) | |
8位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) | |
10位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 27:25:53 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 1:52 |
3位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 2:33 |
4位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 2:44 |
5位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:05 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | 3:16 |
7位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:20 |
8位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) | 3:37 |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:51 |
10位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 4:03 |
その他の特別賞
ポイント賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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