スペインの歴史深いステージレース「第73回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)」が開幕。残り4.5kmからの単独アタックを成功させ、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利した。
このレースが2022年シーズンの開幕戦となった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
地中海に面するスペイン東部バレンシアナ州で第73回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)が開幕。昨年はコロナ禍によって主要レースが重なる4月に行われたが、今年は例年通りの2月となったためワールドチームの出場数は昨年の4から14に戻った。
1929年に初開催された歴史ある5日間のステージレースには、モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)やエンリク・マス(スペイン)をはじめ、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)、ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)といった面々が集結。第1ステージは中盤から4つのカテゴリー山岳が登場する166.7kmの丘陵コースで、フィニッシュ手前4km地点で頂上を越える2級山岳トッラルバ・デ・ピナルが最大の難所だ。
ブルゴスBHなどスペインのプロチーム勢に加え、ラリーサイクリングから名称変更したヒューマンパワードヘルスのベン・キング(アメリカ)ら5名によって逃げ集団が形成される。一方のメイン集団は、マヨルカで早くも1勝を挙げたバルベルデ擁するモビスターやクイックステップ・アルファヴィニルがコントロールし、1分20秒差で残り50km地点を通過した。
逃げ集団を形成したダビ・ゴンザレス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)たち photo:CorVos
落車しバイク交換するマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
やがて、フィニッシュに向け連続する3級、2級山岳を前に各チームによるポジション争いが激化した。そんな状況下の残り30kmで逃げを吸収し、UAEチームエミレーツのマルク・ソレル(スペイン)やマッテオ・トレンティン(イタリア)が巻き込まれる小規模落車を尻目に、モビスターを先頭に最終山岳に突入した。
勾配とハイスピード牽引によって20人ほどに絞られた集団では、バルベルデのアシスト役を務めるマスが先頭に出る。しかし残り5kmのゲートをくぐり周りの出方を伺うマスは踏むのを止め、集団全体のスピードが緩むとアントワン・トールク(オランダ、トレック・セガフレード)とヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)が加速した。これにカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)がブリッジをかけて引き戻すと、その後ろで脚を溜めていたエヴェネプールが飛び出した。
アタックに協調できる選手がいないと判断したエヴェネプールは、そのスピードを緩めることなく頂上を通過する。フィニッシュラインまでの平坦を得意のタイムトライアルポジションで突き進み、単独追走するウラソフを振り切って、エヴェネプールが悠々とフィニッシュラインでポーズを決めた。
ハートを作り余裕の表情でフィニッシュするレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
「良い形でシーズンをスタートすることができ、またチームメイトの頑張りにも報いることができて嬉しいよ。コース終盤が難しいレイアウトだ言うことはわかっていたので、アタックした後も後ろは振り向かなかった。僕にとってこのリーダージャージはボーナスみたいなものだね」と今年初レースで勝利を掴んだエヴェネプールは話している。
2位にはウラソフが入り、モビスターはマスが4位、バルベルデは32秒遅れの7位と出遅れた。また5位のルイスレオン・サンチェス(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)をアシストした新城幸也は6分57秒遅れの76位でフィニッシュしている。

地中海に面するスペイン東部バレンシアナ州で第73回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)が開幕。昨年はコロナ禍によって主要レースが重なる4月に行われたが、今年は例年通りの2月となったためワールドチームの出場数は昨年の4から14に戻った。
1929年に初開催された歴史ある5日間のステージレースには、モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)やエンリク・マス(スペイン)をはじめ、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)、ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)といった面々が集結。第1ステージは中盤から4つのカテゴリー山岳が登場する166.7kmの丘陵コースで、フィニッシュ手前4km地点で頂上を越える2級山岳トッラルバ・デ・ピナルが最大の難所だ。
ブルゴスBHなどスペインのプロチーム勢に加え、ラリーサイクリングから名称変更したヒューマンパワードヘルスのベン・キング(アメリカ)ら5名によって逃げ集団が形成される。一方のメイン集団は、マヨルカで早くも1勝を挙げたバルベルデ擁するモビスターやクイックステップ・アルファヴィニルがコントロールし、1分20秒差で残り50km地点を通過した。


やがて、フィニッシュに向け連続する3級、2級山岳を前に各チームによるポジション争いが激化した。そんな状況下の残り30kmで逃げを吸収し、UAEチームエミレーツのマルク・ソレル(スペイン)やマッテオ・トレンティン(イタリア)が巻き込まれる小規模落車を尻目に、モビスターを先頭に最終山岳に突入した。
勾配とハイスピード牽引によって20人ほどに絞られた集団では、バルベルデのアシスト役を務めるマスが先頭に出る。しかし残り5kmのゲートをくぐり周りの出方を伺うマスは踏むのを止め、集団全体のスピードが緩むとアントワン・トールク(オランダ、トレック・セガフレード)とヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)が加速した。これにカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)がブリッジをかけて引き戻すと、その後ろで脚を溜めていたエヴェネプールが飛び出した。
アタックに協調できる選手がいないと判断したエヴェネプールは、そのスピードを緩めることなく頂上を通過する。フィニッシュラインまでの平坦を得意のタイムトライアルポジションで突き進み、単独追走するウラソフを振り切って、エヴェネプールが悠々とフィニッシュラインでポーズを決めた。

「良い形でシーズンをスタートすることができ、またチームメイトの頑張りにも報いることができて嬉しいよ。コース終盤が難しいレイアウトだ言うことはわかっていたので、アタックした後も後ろは振り向かなかった。僕にとってこのリーダージャージはボーナスみたいなものだね」と今年初レースで勝利を掴んだエヴェネプールは話している。
2位にはウラソフが入り、モビスターはマスが4位、バルベルデは32秒遅れの7位と出遅れた。また5位のルイスレオン・サンチェス(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)をアシストした新城幸也は6分57秒遅れの76位でフィニッシュしている。
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2022第1ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:16:32 |
2位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:16 |
3位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +0:31 |
4位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:32 |
5位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | アントワン・トールク(オランダ、トレック・セガフレード) | |
7位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
8位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:42 |
10位 | ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナ・カザフスタン) | +0:53 |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:16:22 |
2位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:19 |
3位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +0:37 |
4位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:42 |
5位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | アントワン・トールク(オランダ、トレック・セガフレード) | |
7位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
8位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:48 |
10位 | ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナ・カザフスタン) | +1:03 |
その他の特別賞
山岳賞 | ベンジャミン・キング(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス) |
ポイント賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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