欧州のステージレース開幕を告げる「エトワール・ド・ベセージュ(UCI2.1)」がスタート。横風分断で先頭集団に残ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が急勾配フィニッシュでライバルを圧倒した。
スイスとの国境に近いベルガルド=シュル=ヴァルスリーヌを周る第1ステージ photo:CorVos
スイス・ジュネーブにも程近いフランス東部の街ベルガルドを舞台に、2月2日〜6日の5日間で争われるステージレース「エトワール・ド・ベセージュ(UCI2.1)」が開幕。同日に開幕したボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)と共にUCI1クラス(上から3番目)ではあるものの、欧州ステージレースの本格的な開幕戦に豪華な面々が集った。
第1ステージは頂上にフィニッシュが設定された急勾配を3度登り、横風による集団分断の危険をはらむ区間を含む160kmの丘陵コース。ベルガルドのスタート地点にはエガン・ベルナル(コロンビア) とブランドン・リベラ(コロンビア)が負傷したコロンビア合宿から欧州入りしたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)や、個人TT世界王者フィリッポ・ガンナ(イタリア)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)などあらゆる脚質の選手たちが顔を揃えた。
リンゼイ・デヴィルデル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)による1人逃げが決まったため、プロトンは序盤から和やかなムードに包まれた。最大3分30秒ついた差は1度目のフィニッシュラインで早くもゼロになって以降、しばらくは集団一つのまま進んだ。
3度通過するフィニッシュラインに続く急勾配で待ち受ける観客たち photo:CorVos
横風分断を警戒し集団内の位置取り争いが激しさを増すプロトン photo:CorVos
静寂から一転、各チームの監督からエシュロン(横風分断)への注意喚起が選手たちに伝えられると位置取り争いが活発になり、残り70km地点でで落車が発生する。巻き込まれたのはパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)を含め数名。道を取り囲む木々が消え風向きが変わると、メイン集団前方でエシュロンが形成され、集団は2つに分裂した。
先頭集団ではガンナを中心にアルケア・サムシックやトタルエネルジーなどが牽引し、総合優勝を目指すカラパスやマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)やファンアーヴェルマートによる27人だけに絞り込まれる。一方、45秒前後の差を追う後続集団にはピノやディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が取り残され、ウノエックス・プロサイクリングチームが必死に追走するも差は埋まらなかった。
先頭ではガンナやトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)がそれぞれのエースのために牽引し、40秒リードを保ったままフィニッシュラインに続くラスト1kmの登坂に突入。勝負は20名前後の第1グループに委ねられた。
トタルエネルジーのトレインから飛び出すマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
激坂スプリントを制したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
序盤区間ではボアッソンハーゲ擁するトタルエネルジーがトレインを組んだものの、先頭で踏むクリス・ローレス(イギリス)と2番手のマチュー・ビュルゴドー(フランス)の間に滑り込んだピーダスンが、残り500mで一気に加速する。元世界選手権王者の登坂スピードは全員を圧倒し、そのままフィニッシュラインを1番に通過した。
「最後は勾配の厳しいスーパーハードな登りだったが、僕の力が発揮できる地形だと思っていた。登り始めで前に出たトタルに必死に食らいつき、残り500mからは少し早いかとも思ったが、1位でフィニッシュラインを駆け抜けることができた」と勝因を語るピーダスン。
勝負の分かれ目になった横風分断については「準備していた場所とは違う区間で発生したんだ。僕の前で分断が起こりそうになったが、懸命に踏んで前に追いついた。1日を通して僕をアシストしてくれたトムス(スクインシュ)とともに入ることができて幸運だったね」と説明している。
ボーナスタイムも獲得し総合リーダージャージを獲得したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
翌日はコース中盤とフィニッシュに2級山岳が登場するものの、それ以外は起伏の少ない156kmの丘陵ステージ。クライマーにはではなく、爆発力を備えたパンチャー向きのレイアウトになっている。

スイス・ジュネーブにも程近いフランス東部の街ベルガルドを舞台に、2月2日〜6日の5日間で争われるステージレース「エトワール・ド・ベセージュ(UCI2.1)」が開幕。同日に開幕したボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)と共にUCI1クラス(上から3番目)ではあるものの、欧州ステージレースの本格的な開幕戦に豪華な面々が集った。
第1ステージは頂上にフィニッシュが設定された急勾配を3度登り、横風による集団分断の危険をはらむ区間を含む160kmの丘陵コース。ベルガルドのスタート地点にはエガン・ベルナル(コロンビア) とブランドン・リベラ(コロンビア)が負傷したコロンビア合宿から欧州入りしたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)や、個人TT世界王者フィリッポ・ガンナ(イタリア)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)などあらゆる脚質の選手たちが顔を揃えた。
リンゼイ・デヴィルデル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)による1人逃げが決まったため、プロトンは序盤から和やかなムードに包まれた。最大3分30秒ついた差は1度目のフィニッシュラインで早くもゼロになって以降、しばらくは集団一つのまま進んだ。


静寂から一転、各チームの監督からエシュロン(横風分断)への注意喚起が選手たちに伝えられると位置取り争いが活発になり、残り70km地点でで落車が発生する。巻き込まれたのはパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)を含め数名。道を取り囲む木々が消え風向きが変わると、メイン集団前方でエシュロンが形成され、集団は2つに分裂した。
先頭集団ではガンナを中心にアルケア・サムシックやトタルエネルジーなどが牽引し、総合優勝を目指すカラパスやマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)やファンアーヴェルマートによる27人だけに絞り込まれる。一方、45秒前後の差を追う後続集団にはピノやディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が取り残され、ウノエックス・プロサイクリングチームが必死に追走するも差は埋まらなかった。
先頭ではガンナやトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)がそれぞれのエースのために牽引し、40秒リードを保ったままフィニッシュラインに続くラスト1kmの登坂に突入。勝負は20名前後の第1グループに委ねられた。


序盤区間ではボアッソンハーゲ擁するトタルエネルジーがトレインを組んだものの、先頭で踏むクリス・ローレス(イギリス)と2番手のマチュー・ビュルゴドー(フランス)の間に滑り込んだピーダスンが、残り500mで一気に加速する。元世界選手権王者の登坂スピードは全員を圧倒し、そのままフィニッシュラインを1番に通過した。
「最後は勾配の厳しいスーパーハードな登りだったが、僕の力が発揮できる地形だと思っていた。登り始めで前に出たトタルに必死に食らいつき、残り500mからは少し早いかとも思ったが、1位でフィニッシュラインを駆け抜けることができた」と勝因を語るピーダスン。
勝負の分かれ目になった横風分断については「準備していた場所とは違う区間で発生したんだ。僕の前で分断が起こりそうになったが、懸命に踏んで前に追いついた。1日を通して僕をアシストしてくれたトムス(スクインシュ)とともに入ることができて幸運だったね」と説明している。

翌日はコース中盤とフィニッシュに2級山岳が登場するものの、それ以外は起伏の少ない156kmの丘陵ステージ。クライマーにはではなく、爆発力を備えたパンチャー向きのレイアウトになっている。
エトワール・ド・ベセージュ2022第1ステージ結果
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 3:32:47 |
2位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック) | +0:01 |
3位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー) | |
4位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
5位 | マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー) | |
6位 | クリス・ローレス(イギリス、トタルエネルジー) | +0:04 |
7位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:07 |
8位 | バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス) | |
9位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
10位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | +0:11 |
個人総合成績
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 3:32:37 |
2位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック) | +0:05 |
3位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー) | +0:07 |
4位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:11 |
5位 | マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー) | |
6位 | クリス・ローレス(イギリス、トタルエネルジー) | +0:14 |
7位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:17 |
8位 | バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス) | |
9位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
10位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | +0:21 |
その他の特別賞
山岳賞 | マティス・ルーヴェル(フランス、アルケア・サムシック) |
ポイント賞 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | アルネ・マリット(スポートフラーンデレン・バロワーズ) |
チーム総合成績 | トタルエネルジー |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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