2021/08/12(木) - 10:01
テクニカルなラスト1kmがトップスプリンターたちの地力を顕にしたツール・ド・ポローニュ第3ステージ。最終盤でライバルたちを上手く利用したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が、今シーズン初勝利を挙げた。
快晴と沿道に多く集まった観客のなか進むプロトン photo:CorVos
ツール・ド・ポローニュ2021 第3ステージ コースプロフィール (c)Tour de Pologneウクライナやスロバキアとの国境とも近いサノクから、大会に幾度となく登場してきたジェシュフまでの226kmを走る第3ステージ。2級、3級、2級とカテゴリー山岳が連続するが、残り60kmからフィニッシュまで平坦が続くため、集団スプリントに持ち込みたいチームにとって危険は少ない。
前日も逃げたタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)や、総合で1分59秒遅れのフィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル)を含む10名がエスケープ。それに対してバーレーン・ヴィクトリアスやUAEチームエミレーツがメイン集団を牽引し、タイム差を3分以内に収めるタイトなコントロールを見せた。
この日3つのカテゴリー山岳を連続して先頭通過したのはアルケア・サムシック所属のルーカス・オウシアン(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)。合計13ポイントを獲得し、山岳賞ジャージはミハウ・パルタ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)からオウシアンの手に移っている。
メイン集団の牽引にドゥクーニンク・クイックステップも加わり、タイム差は一気に1分まで縮まる。少ない可能性に望みをかけるべく逃げ集団からファンデルホールンがアタックし、サイモン・クラーク(オーストラリア、クベカ・アソス)とライオネル・タミニオー(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が同調。先頭3人で残り16kmを通過した。
タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)ら10名による逃げ集団 photo:CorVos
メイン集団はUAEチームエミレーツが中心にコントロール (c)Tour de Pologne
残り10kmを切っても30秒差と踏み続けた先頭3名だったが、ジェシュフの市街地に入った残り2.6km地点でメイン集団に吸収。マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ)で勝負したいクベカ・ネクストハッシュがリードアウトを開始した。
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)に連れられ、好位置でフラムルージュ(残り1km)直後の右コーナーと残り500mの最終コーナーを抜けたフィル・バウハウス(ドイツ)。だがフィニッシュ手前300mでモホリッチが役目を終えると、別のラインからオラフ・クーイ(オランダ)を引き連れたダヴィド・デッケル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が追い上げた。
クーイがスプリントを開始すると、その後ろでバウハウスとマックス・カンター(ドイツ、チームDSM)が横並びに。しかし、リードアウトを失い自力でカンターの番手までポジションを上げたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が、残り50mから爆発的な加速で先頭3人を抜き去り勝利を決めた。
ハンドルを投げ勝利したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
集団スプリントを制したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
「今日はとてもスピードの速く、長い1日だった。大きな逃げ集団ができたが、チームが力を発揮すれば捕まえて勝利を争える確信があった。フィニッシュまでのコースがテクニカルだったのにもかかわらず、チームメイトは一塊になって僕を最高の位置まで運ぶ素晴らしい働きを見せてくれた。リケーゼとトロイアが僕の安全を守り、適切なラインへと導いてくれた。そのおかげもあり、求めていた勝利を掴むことができたんだ」。昨年2度のコロナ感染以来、ワールドツアーでの勝利が遠ざかっていたガビリアは語った。
リーダージャージは集団内でフィニッシュしたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ。テクニカルなラスト1kmでアシストを務めた総合2位のモホリッチは、着順でディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)に抜かれ、総合3位に順位を落としている。
2年振りのワールドツアーでの勝利となったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) (c)Tour de Pologne
![快晴と沿道に多く集まった観客のなか進むプロトン](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/corvos00033396-004.jpeg)
![ツール・ド・ポローニュ2021 第3ステージ コースプロフィール](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2021-08-12-83558.jpeg)
前日も逃げたタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)や、総合で1分59秒遅れのフィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル)を含む10名がエスケープ。それに対してバーレーン・ヴィクトリアスやUAEチームエミレーツがメイン集団を牽引し、タイム差を3分以内に収めるタイトなコントロールを見せた。
この日3つのカテゴリー山岳を連続して先頭通過したのはアルケア・サムシック所属のルーカス・オウシアン(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)。合計13ポイントを獲得し、山岳賞ジャージはミハウ・パルタ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)からオウシアンの手に移っている。
メイン集団の牽引にドゥクーニンク・クイックステップも加わり、タイム差は一気に1分まで縮まる。少ない可能性に望みをかけるべく逃げ集団からファンデルホールンがアタックし、サイモン・クラーク(オーストラリア、クベカ・アソス)とライオネル・タミニオー(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が同調。先頭3人で残り16kmを通過した。
![タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)ら10名による逃げ集団](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/corvos00033396-001.jpeg)
![メイン集団はUAEチームエミレーツが中心にコントロール](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2021-08-12-83442.jpeg)
残り10kmを切っても30秒差と踏み続けた先頭3名だったが、ジェシュフの市街地に入った残り2.6km地点でメイン集団に吸収。マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ)で勝負したいクベカ・ネクストハッシュがリードアウトを開始した。
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)に連れられ、好位置でフラムルージュ(残り1km)直後の右コーナーと残り500mの最終コーナーを抜けたフィル・バウハウス(ドイツ)。だがフィニッシュ手前300mでモホリッチが役目を終えると、別のラインからオラフ・クーイ(オランダ)を引き連れたダヴィド・デッケル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が追い上げた。
クーイがスプリントを開始すると、その後ろでバウハウスとマックス・カンター(ドイツ、チームDSM)が横並びに。しかし、リードアウトを失い自力でカンターの番手までポジションを上げたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が、残り50mから爆発的な加速で先頭3人を抜き去り勝利を決めた。
![ハンドルを投げ勝利したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/corvos00033396-051.jpeg)
![集団スプリントを制したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/corvos00033396-061.jpeg)
「今日はとてもスピードの速く、長い1日だった。大きな逃げ集団ができたが、チームが力を発揮すれば捕まえて勝利を争える確信があった。フィニッシュまでのコースがテクニカルだったのにもかかわらず、チームメイトは一塊になって僕を最高の位置まで運ぶ素晴らしい働きを見せてくれた。リケーゼとトロイアが僕の安全を守り、適切なラインへと導いてくれた。そのおかげもあり、求めていた勝利を掴むことができたんだ」。昨年2度のコロナ感染以来、ワールドツアーでの勝利が遠ざかっていたガビリアは語った。
リーダージャージは集団内でフィニッシュしたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ。テクニカルなラスト1kmでアシストを務めた総合2位のモホリッチは、着順でディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)に抜かれ、総合3位に順位を落としている。
![2年振りのワールドツアーでの勝利となったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2021/08/12/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2021-08-12-83301.jpeg)
ツール・ド・ポローニュ2021 第3ステージ結果
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 5:18:15 |
2位 | オラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
3位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | マックス・カンター(ドイツ、チームDSM) | |
5位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、クベカ・ネクストハッシュ) | |
6位 | ジョナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
7位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
8位 | ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル) | |
61位 | 別府史之(EFエデュケーション・NIPPO) |
個人総合成績
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 15:01:02 |
2位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:04 |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | 0:11 |
5位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:18 |
6位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:22 |
7位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
8位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストリア、チームDSM) | |
9位 | ジョヴァンニ・アレオッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | 0:26 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) |
山岳賞 | ルーカス・オウシアン(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) |
チーム総合成績 | アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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