ツール・ド・フランスでステージ4勝を挙げ、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)を総合2位に押し上げたユンボ・ヴィスマのバイクにフォーカス。チームカラーに塗られたサーヴェロのR5、S5、そしてP5を紹介する。



平坦ステージで使われたサーヴェロ S5平坦ステージで使われたサーヴェロ S5 photo:Makoto Ayano
エースを務めるはずだったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)のリタイアを意に介さず、ワウト・ファンアールト(ベルギー)が山岳ステージと個人タイムトライアル、そして最終パリ・シャンゼリゼフィニッシュと合計3勝、ピレネーでセップ・クス(アメリカ)が1勝、そしてヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が躍進の総合2位と大成功のツール・ド・フランスを過ごしたユンボ・ヴィズマ。

ご存知の通り今季はビアンキからサーヴェロに機材をスイッチしており、ほぼ全メンバーが平坦ステージでエアロモデルのS5、山岳ステージで軽量モデルのR5と2つのディスクブレーキモデルを乗り分け、屈指のチーム力でツールのプロトンを牛耳った。バイクは全て黒と黄色のスポンサーカラーに塗られているが、S5がグロス(艶あり)塗装であるのに対し、R5はおそらく軽さを重視したマット(艶なし)塗装と仕上げの差が見て取れる。

プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)のサーヴェロ R5プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)のサーヴェロ R5 photo:Makoto Ayano
ログリッチのサドルはフィジークのカスタムと思われる特別モデルログリッチのサドルはフィジークのカスタムと思われる特別モデル photo:Makoto AyanoログリッチはヴィジョンのMETRON 5Dハンドルを使用ログリッチはヴィジョンのMETRON 5Dハンドルを使用 photo:Makoto Ayano

こちらはファンアールトのR5。選手供給用のステムでハンドル位置を下げているが、フル内装化されていることに注目こちらはファンアールトのR5。選手供給用のステムでハンドル位置を下げているが、フル内装化されていることに注目 photo:Makoto AyanoヴィンゲゴーのR5はFSAのACRハンドル+ステムを使用ヴィンゲゴーのR5はFSAのACRハンドル+ステムを使用 photo:Makoto Ayano


コンポーネントはシマノの電動DURA-ACEだが、ブレーキローターもバイクによって選択が異なっていたことに注目。S5がDURA-ACEのSM-RT900(フィン付き)で、R5はMTB用であるXTRグレードのRT-MT900を組み合わせていた。両者は160mm径で9gの差(MT900が軽い:シマノ資料の平均重量による)があるため、空力や重量などバイク選択に合わせたチョイスだろう。

ノーロゴのヴィジョンのMETRON 45 SLホイール。主に山岳ステージで使用されたノーロゴのヴィジョンのMETRON 45 SLホイール。主に山岳ステージで使用された photo:Makoto Ayano
ハブにはヴィジョンのロゴが残るハブにはヴィジョンのロゴが残る photo:Makoto Ayanoボッシュの電動工具で空気圧を調整するメカニックボッシュの電動工具で空気圧を調整するメカニック photo:Makoto Ayano

TTステージで使われたP5。ファンアールトが第20ステージで勝利を挙げたTTステージで使われたP5。ファンアールトが第20ステージで勝利を挙げた photo:Makoto Ayano
1本足のTTハンドルが目立つ。ハンドルはヴィジョン製だ1本足のTTハンドルが目立つ。ハンドルはヴィジョン製だ photo:Makoto Ayanoシマノのプロトタイプと思われるディスクホイールシマノのプロトタイプと思われるディスクホイール photo:Makoto Ayano


ホイールもDURA-ACEであり、S5にはWH-R9170-C60-TU(チューブラー)が組み合わせられたものの、主に山岳ステージではノーロゴのディープリムホイールがS5と共に使用されていた。ハブを見れば判別できるが、これはヴィジョンのMETRON 45 SLホイールだ。セット1,299gという重量アドバンテージ(シマノC40は1,384g)を採ったためと思われる。なおTTステージではノーロゴの超ディープリムホイールと、シマノロゴだけが入ったディスクホイールが使われていた。

タイヤはヴィットリアのCORSAチューブラー。注目を集めたブルータイヤも実戦使用されたタイヤはヴィットリアのCORSAチューブラー。注目を集めたブルータイヤも実戦使用された photo:Makoto Ayano
パワーメーター一体型のFC-R9100-Pを使用。ボトムブラケットはFSAだパワーメーター一体型のFC-R9100-Pを使用。ボトムブラケットはFSAだ photo:Makoto Ayanoファンアールト(前TTナショナルチャンピオン)のスペアTTバイクはベルギーカラー。使われることはなかったファンアールト(前TTナショナルチャンピオン)のスペアTTバイクはベルギーカラー。使われることはなかった photo:Makoto Ayano


タイヤはヴィットリアのCORSAで、開幕時のプレゼンテーションで目を引いたブルータイヤ(オランダでマンスリーレンタサイクルサービスを展開するSwapfietsのプロモーション)もいくつかのステージで使用されていた。R5のハンドルは周りはヴィジョンの5D(ログリッチ)や6D、FSAのK-FORCE(ファンアールト)など、選手の好みで選択が分かれている。コンピューターはガーミンのEDGE 830で、オランダのClose The Gap社製マウントを介してハンドルに取り付けられる。

その他ボトルやボトルケージはタックスで、サドルはフィジーク。バーテープはFSAだ。

text:So Isobe

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