2021/07/12(月) - 11:12
Jプロツアーの「石川サイクルロードレース」が福島県石川町で開催され、残り1kmを前に逃げを吸収した集団でのスプリント勝負を今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が制して優勝した。五輪代表の金子広美が出場した女子は、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が今季初優勝を挙げた。
昨年はコロナ禍により中止となったため、2年ぶりの開催となった石川サイクルロードレース。今年19回目を数える伝統の大会は、登りと下りしかないと評される1周13.6kmのコースが舞台となる。これまでは石川町内の学法石川高校から周回コースまでパレード走行が行われたが、今年はパレード無しの周回コースのみでのレースとされた。
例年であれば梅雨開け前後の気温も湿度も高い時季の開催となるため、コースのハードさに暑さが追い討ちをかけることが多い石川サイクルロードレース。この日は体感的にはそれほど暑くならなかったものの、断続的に雨がふり続ける中でのレースとなった。
レースは8周108.8km。スタート直後からのアタック合戦によりハイペースで進行したのち、3周目に5名の先頭集団が形成される。メンバーは、安原大貴(マトリックスパワータグ)、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)、木村圭佑(シマノレーシング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
メイン集団はリーダーチームのマトリックスパワータグがコントロールに入り、一気に3分まで差が開く。レース後半に入ると愛三工業レーシングチームが集団コントロールを代わり、最終周回までに1分未満まで差を詰める。
先頭集団では入部がアタックを試みる場面もあったが、バラけることなく最終周回に入る。残り4kmに差しかかかると、チームブリヂストンサイクリングも加勢して一気にペースアップした集団が20秒ほど後方に迫る。吸収を嫌って入部と木村が飛び出すものの、残り1kmを前に吸収。勝負はスプリントに持ち込まれた。
最終コーナー直前まで引いてもらったという今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が、フィニッシュまで残り100mの登りに先頭で現れる。岡本隼(愛三工業レーシングチーム)とホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が追うも届かず、今村が2019年以来となるJプロツアー優勝を決めた。
今村は、「誰か逃げに乗らないとと思っていたところに(沢田)時さんが行ってくれた。マスドスタートのレースではMTBやシクロクロスをやってる時さんは最初から反応出来るので、さすがだなと思った。おかげで脚をためることが出来て後半の良い展開につながった。
いつも他チームに任せていることが多かったので、今日は自分達で積極的に前を吸収していこうという作戦だった。最後にタイム差が縮まると判断してからは、下りを得意とするチームメンバーが攻めて一気に詰めた。最後は直前まで引いてもらったので、ゴールまで踏むだけだった」と、久々の勝利を振り返る。
今シーズンは開幕以降マトリックスパワータグとチームブリヂストンサイクリングが交互に勝ってきたが、前日の石川クリテリウムまでマトリックスパワータグが3連勝。それを止めたのはやはりチームブリヂストンサイクリングだった。
「オリンピックに出る(橋本)英也さんや競輪に出ている窪木(一茂)さんがいなくても勝てることを証明したかったので、力があるところを見せられて良かったと思う。次のレースまで間隔が開くので、またしっかりトレーニングしてチーム力を高め、マトリックスに太刀打ち出来るようにしていきたい」と、コメントした。
次回Jプロツアーは、東京五輪終了後の9月に再開予定。しかし渡良瀬遊水地で予定されていたタイムトライアルチャンピオンシップの中止が発表されており、主催するJBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)は代替大会の開催を調整中としている。
昨年はコロナ禍により中止となったため、2年ぶりの開催となった石川サイクルロードレース。今年19回目を数える伝統の大会は、登りと下りしかないと評される1周13.6kmのコースが舞台となる。これまでは石川町内の学法石川高校から周回コースまでパレード走行が行われたが、今年はパレード無しの周回コースのみでのレースとされた。
例年であれば梅雨開け前後の気温も湿度も高い時季の開催となるため、コースのハードさに暑さが追い討ちをかけることが多い石川サイクルロードレース。この日は体感的にはそれほど暑くならなかったものの、断続的に雨がふり続ける中でのレースとなった。
レースは8周108.8km。スタート直後からのアタック合戦によりハイペースで進行したのち、3周目に5名の先頭集団が形成される。メンバーは、安原大貴(マトリックスパワータグ)、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)、木村圭佑(シマノレーシング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
メイン集団はリーダーチームのマトリックスパワータグがコントロールに入り、一気に3分まで差が開く。レース後半に入ると愛三工業レーシングチームが集団コントロールを代わり、最終周回までに1分未満まで差を詰める。
先頭集団では入部がアタックを試みる場面もあったが、バラけることなく最終周回に入る。残り4kmに差しかかかると、チームブリヂストンサイクリングも加勢して一気にペースアップした集団が20秒ほど後方に迫る。吸収を嫌って入部と木村が飛び出すものの、残り1kmを前に吸収。勝負はスプリントに持ち込まれた。
最終コーナー直前まで引いてもらったという今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が、フィニッシュまで残り100mの登りに先頭で現れる。岡本隼(愛三工業レーシングチーム)とホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が追うも届かず、今村が2019年以来となるJプロツアー優勝を決めた。
今村は、「誰か逃げに乗らないとと思っていたところに(沢田)時さんが行ってくれた。マスドスタートのレースではMTBやシクロクロスをやってる時さんは最初から反応出来るので、さすがだなと思った。おかげで脚をためることが出来て後半の良い展開につながった。
いつも他チームに任せていることが多かったので、今日は自分達で積極的に前を吸収していこうという作戦だった。最後にタイム差が縮まると判断してからは、下りを得意とするチームメンバーが攻めて一気に詰めた。最後は直前まで引いてもらったので、ゴールまで踏むだけだった」と、久々の勝利を振り返る。
今シーズンは開幕以降マトリックスパワータグとチームブリヂストンサイクリングが交互に勝ってきたが、前日の石川クリテリウムまでマトリックスパワータグが3連勝。それを止めたのはやはりチームブリヂストンサイクリングだった。
「オリンピックに出る(橋本)英也さんや競輪に出ている窪木(一茂)さんがいなくても勝てることを証明したかったので、力があるところを見せられて良かったと思う。次のレースまで間隔が開くので、またしっかりトレーニングしてチーム力を高め、マトリックスに太刀打ち出来るようにしていきたい」と、コメントした。
次回Jプロツアーは、東京五輪終了後の9月に再開予定。しかし渡良瀬遊水地で予定されていたタイムトライアルチャンピオンシップの中止が発表されており、主催するJBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)は代替大会の開催を調整中としている。
石川サイクルロードレース 結果(108.8km)
1位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 2時間47分34秒 |
2位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | +0秒 |
3位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) | +1秒 |
4位 | 井上文成(弱虫ペダルサイクリングチーム) | |
5位 | 湊 諒(シマノレーシング) | +2秒 |
6位 | 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) |
敢闘賞 安原大貴(マトリックスパワータグ)
中間スプリント賞
1回目 石橋学(シエルブルー鹿屋)
2回目 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
3回目 安原大貴(マトリックスパワータグ)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
五輪代表の金子広美が出場した女子 唐見実世子が今季初優勝
女子のレースは4周54.4kmで行われる予定だったが、時差スタートの他のレースのアクシデントにより3周40.8kmに短縮された。
東京五輪に向け直前合宿を行っていた女子ロードレース代表の金子広美が、樫木祥子と共にJCF強化指定選抜チームとしてオープン参加。その樫木がレース序盤から単独先行して最終周回に入る。金子、植竹海貴(Y's Road)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)ら6名の集団が残り4kmで樫木を捕まえると、金子がアタックを繰り返す。しかし集団はバラけず、最後のスプリント勝負へ。望月美和子(ORCA CYCLING TEAM)に続いて2番手で最終コーナーをクリアした唐見が逆転して今季初優勝。植竹の連勝を止めた。
「植竹さんとの力の差が数値的にも雲泥の差があるのはわかっているので、今シーズン思っていたより早く勝てたという感想。今日は誰が勝ってもおかしくない展開になったので、一番経験がある私に分があって勝たせてもらったという感じ」と、植竹との力の差を認めつつ、今季初勝利のレースを振り返る唐見。
「ラスト1周で逃げていた樫木さんとの差が30秒くらいあったので、このままじゃ追いつかないから集団の全員に回そうと言って、ラスト4kmで捕まえた。そしたら金子さんが行くだろうなと思っていたらその通り仕掛けて、でも金子さんは1人で行きたかったと思うけれどそうならず、アタックを繰り返していたので脚を使っていたと思う。
最後の右コーナーを2番手で入って、望月(美和子)さんが相手なら自分が有利とわかっていたけれど、後ろから植竹さんに差されると思っていたら、こなかった。植竹さんも脚を使っていたのかなと思った。次まで1ヶ月ほど間があくので、植竹さんに少しでも近づけるようにしっかり練習して強化したい」と、コメントした。
中間スプリント賞
1回目 石橋学(シエルブルー鹿屋)
2回目 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
3回目 安原大貴(マトリックスパワータグ)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
五輪代表の金子広美が出場した女子 唐見実世子が今季初優勝
女子のレースは4周54.4kmで行われる予定だったが、時差スタートの他のレースのアクシデントにより3周40.8kmに短縮された。
東京五輪に向け直前合宿を行っていた女子ロードレース代表の金子広美が、樫木祥子と共にJCF強化指定選抜チームとしてオープン参加。その樫木がレース序盤から単独先行して最終周回に入る。金子、植竹海貴(Y's Road)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)ら6名の集団が残り4kmで樫木を捕まえると、金子がアタックを繰り返す。しかし集団はバラけず、最後のスプリント勝負へ。望月美和子(ORCA CYCLING TEAM)に続いて2番手で最終コーナーをクリアした唐見が逆転して今季初優勝。植竹の連勝を止めた。
「植竹さんとの力の差が数値的にも雲泥の差があるのはわかっているので、今シーズン思っていたより早く勝てたという感想。今日は誰が勝ってもおかしくない展開になったので、一番経験がある私に分があって勝たせてもらったという感じ」と、植竹との力の差を認めつつ、今季初勝利のレースを振り返る唐見。
「ラスト1周で逃げていた樫木さんとの差が30秒くらいあったので、このままじゃ追いつかないから集団の全員に回そうと言って、ラスト4kmで捕まえた。そしたら金子さんが行くだろうなと思っていたらその通り仕掛けて、でも金子さんは1人で行きたかったと思うけれどそうならず、アタックを繰り返していたので脚を使っていたと思う。
最後の右コーナーを2番手で入って、望月(美和子)さんが相手なら自分が有利とわかっていたけれど、後ろから植竹さんに差されると思っていたら、こなかった。植竹さんも脚を使っていたのかなと思った。次まで1ヶ月ほど間があくので、植竹さんに少しでも近づけるようにしっかり練習して強化したい」と、コメントした。
女子 結果(40.8km)
1位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 1時間42分10秒 |
2位 | 望月美和子(ORCA CYCLING TEAM) | +0秒 |
3位 | 植竹海貴(Y's Road) |
E1 結果(68km)
1位 | 川勝敦嗣(MiNERVA-asahi) | 1時間44分57秒 |
2位 | 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) | +8秒 |
3位 | 福田圭晃(Team BFY Racing) | +11秒 |
4位 | 米谷隆志(たかだフレンドレーシング) | +12秒 |
5位 | 池川辰哉(VC VELOCE) | +12秒 |
6位 | 高岡亮寛(Roppongi Express) | +12秒 |
E2、E3 結果
E2(54.4km) | E3(54.4km) | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 細川健太(TEAM YOU CAN) | 1時間25分56秒 | 竹内 遼(FUKAYA RACING) | 1時間23分17秒 |
2位 | 馬場慶三郎(埼玉ユース自転車競技部) | +0秒 | 加藤 遼(東京工業大学) | +17秒 |
3位 | 初川弘浩(ORCA CYCLING TEAM) | +1秒 | 大山 慶(作新学院大学) | +24秒 |
4位 | 佐藤寛朗(AutoBahnGotemba) | +2秒 | 齊藤伸吾(エクストリームつくば) | +27秒 |
5位 | 日置江草太(サイクルフリーダム・レーシング) | +3秒 | 古川 修(矢板アローズCyclingTeam) | +28秒 |
6位 | 布田直也(MiNERVA-asahi) | +4秒 | 高橋海成(バルバレーシングクラブ) |
ジュニア男子、ユース(Yクラスタ) 結果
ジュニア男子(68km) | Y(40.8km) | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 菅野蒼羅(学法石川高校・オープン参加) | 1時間49分43秒 | 木綿崚介(ヴィファリスト) | 1時間6分5秒 |
2位 | 岩田聖矢(Avenir Yamanashi Yamanakako) | +0秒 | 関口拓真(深沢高等学校) | +0秒 |
3位 | 町田朝陽(学法石川高校・オープン参加) | 三浦一真(Team BFY Racing) | +1秒 | |
4位 | 林 伶音(横浜高校自転車競技部) | +1秒 | 松島煌和(COW GUMMA) | +5秒 |
5位 | 小森継心(保土ケ谷高校自転車競技部) | +2秒 | 岡崎一輝(Yamanakako Cycling Team) | +26秒 |
6位 | 渡辺悠太(川口市自転車競技連盟) | +4秒 | 大関 宙(郡山サイクルフレンズ) | +1分25秒 |
text&photo:Satoru Kato
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