2021/07/11(日) - 21:42
JCLプロロードレースツアーの第4戦広島クリテリウムが広島県広島市の西区商工センターで開催され、エーススプリンター同士の争いを制した沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)が優勝。チームにJCL初勝利をもたらした。
序盤にできた3人の逃げが終盤まで逃げ続ける展開に
スピード系チームとして勝利を狙うスパークルおおいたレーシングチームがチーム紹介で登壇する photo:Nobumichi Komori
各賞ジャージ着用選手を先頭に選手たちが整列する photo:Nobumichi Komori
アタック合戦を繰り広げる集団が180度コーナーを過ぎる photo:Nobumichi Komori
JCLプロロードレースツアー広島2連戦の2日目は、広島市の西区商工センターに設定された1周1.7kmの公道周回コースを30周する51kmで争われる広島クリテリウム。各賞のリーダージャージを着用する選手を先頭にスタートラインに整列した選手は、前日同様の53人。オンタイムの13時にスタートが切られた。
1周のローリングの後に正式スタートが切られたレースは、いきなり激しいアタック合戦に。数人の選手が飛び出しては集団が吸収する状態がしばらく続いたが、7周目に小石祐馬(チーム右京相模原)、西尾勇人(那須ブラーゼン)、本多晴飛(VC福岡)の3人が集団からリードを奪うと、メイン集団もこれを容認し3人の逃げ集団が形成された。メイン集団は集団でのゴールスプリント勝負に持ち込みたい宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームが選手を出し合ってコントロールを開始。レースはこのまま終盤まで落ち着いた状態で進んだ。
小石祐馬(チーム右京相模原)、西尾勇人(那須ブラーゼン)、本多晴飛(VC福岡)の3人が逃げ集団を形成 photo:Nobumichi Komori
宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームが選手を出し合いメイン集団のコントロールを開始する photo:Nobumichi Komori
阿蘇圭佑(ヴィクトワール広島)の走りに応援団も熱視線を送る photo:Nobumichi Komori
キナンの攻撃でスプリンターチームの隊列が崩壊、勝負はエース同士のスプリントに
この日3回設定されていた中間スプリント地点を仲良く分け合った3人の逃げ集団だったが、24周目の最後の中間スプリント地点を過ぎると西尾がドロップし逃げは2人に。時をほぼ同じくして、宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームが中心にコントロールするメイン集団は少しずつペースアップを始め、逃げ集団を射程圏内に捉える状態になった。
するとここで、これまでなりを潜めていたキナンサイクリングチーム勢がメイン集団からアタックを仕掛けて攻撃を開始。「純粋なゴールスプリント勝負になる前に攻撃を仕掛けて、スプリントチームのアシストを削りたかった」と石田哲也監督がレース後にコメントした通り、隊列勝負を目論んでいた宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームは攻撃に対応するためにアシストの人数を減らすことに。特に、宇都宮ブリッツェンは17人の先頭集団にエースの小野寺玲が残るのみと完全に丸裸の状態にされてしまった。
ジワジワと逃げ集団とのタイム差を縮めていくメイン集団 photo:Nobumichi Komori
西尾勇人(那須ブラーゼン)がドロップし、逃げ集団は小石祐馬(チーム右京相模原)と本多晴飛(VC福岡)の2人に photo:Nobumichi Komori
攻撃を仕掛けて抜け出したキナンサイクリングチームの追走で他チームのアシスト陣は脚を使い切ることに photo:Nobumichi Komori
ほとんどのチームのエーススプリンターが単騎で残るのみとなった先頭集団が最終周に入ると、最初の180度コーナーで小野寺が小山智也(チーム右京相模原)を巻き込みながら落車し勝負から脱落してしまう。残る選手たちはその後何事もなく二つの180度コーナーを過ぎ、ホームストレートへ。それぞれがベストと思うタイミングでスプリントを開始する中、「このタイミングであれば勝てる」と表彰式で語った沢田が伸びのあるスプリントを見せて優勝を飾った。
第2戦宇都宮清原クリテリウムでは残り2周の最終コーナーで落車してしまい、戦わずして敗北を味わった沢田だったが、この日はチームメートのアシストにきっちりと応えるばかりでなく、自身の実力をきっちりと示してチームにJCL初勝利をもたらした。「次戦はチームの地元である大分県でのレースなので、しっかり準備をして再びチームで勝利を狙いたい」と表彰式でも次を見据えるコメントを残した。
自身のタイミングでスプリントを開始した沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)圧倒的な加速で優勝を飾った photo:Nobumichi Komori
この結果、年間ランキング争いに大きな変動はなく、マイヨブリヤンとマイヨラファールは新城雄大(キナンサイクリングチーム)、マイヨフイユルージュは山本元喜(キナンサイクリングチーム)がそれぞれキープ。23歳以下のランキングトップの選手が着用するマイヨエスポワールは、3人の逃げ集団で果敢な走りを見せた本多が、前日に奪われた宇賀隆貴(チーム右京相模原)からの奪還に成功している。
左から2位の中島康晴(キナンサイクリングチーム)、優勝した沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)、3位の金子大介(那須ブラーゼン) photo:Nobumichi Komori
個人賞ジャージを獲得した選手たちがメディアとファンの撮影に応える photo:Nobumichi Komori
序盤にできた3人の逃げが終盤まで逃げ続ける展開に
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JCLプロロードレースツアー広島2連戦の2日目は、広島市の西区商工センターに設定された1周1.7kmの公道周回コースを30周する51kmで争われる広島クリテリウム。各賞のリーダージャージを着用する選手を先頭にスタートラインに整列した選手は、前日同様の53人。オンタイムの13時にスタートが切られた。
1周のローリングの後に正式スタートが切られたレースは、いきなり激しいアタック合戦に。数人の選手が飛び出しては集団が吸収する状態がしばらく続いたが、7周目に小石祐馬(チーム右京相模原)、西尾勇人(那須ブラーゼン)、本多晴飛(VC福岡)の3人が集団からリードを奪うと、メイン集団もこれを容認し3人の逃げ集団が形成された。メイン集団は集団でのゴールスプリント勝負に持ち込みたい宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームが選手を出し合ってコントロールを開始。レースはこのまま終盤まで落ち着いた状態で進んだ。
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キナンの攻撃でスプリンターチームの隊列が崩壊、勝負はエース同士のスプリントに
この日3回設定されていた中間スプリント地点を仲良く分け合った3人の逃げ集団だったが、24周目の最後の中間スプリント地点を過ぎると西尾がドロップし逃げは2人に。時をほぼ同じくして、宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームが中心にコントロールするメイン集団は少しずつペースアップを始め、逃げ集団を射程圏内に捉える状態になった。
するとここで、これまでなりを潜めていたキナンサイクリングチーム勢がメイン集団からアタックを仕掛けて攻撃を開始。「純粋なゴールスプリント勝負になる前に攻撃を仕掛けて、スプリントチームのアシストを削りたかった」と石田哲也監督がレース後にコメントした通り、隊列勝負を目論んでいた宇都宮ブリッツェンとスパークルおおいたレーシングチームは攻撃に対応するためにアシストの人数を減らすことに。特に、宇都宮ブリッツェンは17人の先頭集団にエースの小野寺玲が残るのみと完全に丸裸の状態にされてしまった。
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第2戦宇都宮清原クリテリウムでは残り2周の最終コーナーで落車してしまい、戦わずして敗北を味わった沢田だったが、この日はチームメートのアシストにきっちりと応えるばかりでなく、自身の実力をきっちりと示してチームにJCL初勝利をもたらした。「次戦はチームの地元である大分県でのレースなので、しっかり準備をして再びチームで勝利を狙いたい」と表彰式でも次を見据えるコメントを残した。
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この結果、年間ランキング争いに大きな変動はなく、マイヨブリヤンとマイヨラファールは新城雄大(キナンサイクリングチーム)、マイヨフイユルージュは山本元喜(キナンサイクリングチーム)がそれぞれキープ。23歳以下のランキングトップの選手が着用するマイヨエスポワールは、3人の逃げ集団で果敢な走りを見せた本多が、前日に奪われた宇賀隆貴(チーム右京相模原)からの奪還に成功している。
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JCLプロロードレースツアー 第4戦広島トヨタ広島クリテリウム 51km 結果
1位 | 沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム) | 1時間22分25秒 |
2位 | 中島康晴(キナンサイクリングチーム) | +1秒 |
3位 | 金子大介(那須ブラーゼン) | |
4位 | 鈴木龍(レバンテフジ静岡) | +2秒 |
5位 | 新城雄大(キナンサイクリングチーム) | |
6位 | 石原悠希(チーム右京相模原) | +3秒 |
中間スプリント賞
小石祐馬(チーム右京相模原) |
本多晴飛(VC福岡) |
西尾勇人(那須ブラーゼン) |
敢闘賞
小石祐馬(チーム右京相模原) |
年間総合成績
マイヨブリヤン(個人総合) | 新城雄大(キナンサイクリングチーム) |
マイヨラファール(ポイント賞) | 新城雄大(キナンサイクリングチーム) |
マイヨフイユルージュ(山岳賞) | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) |
マイヨエスポワール(新人賞) | 本多晴飛(VC福岡) |
text&photo:Nobumichi Komori
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