2021/06/07(月) - 11:36
超級山岳ジュ・プラーヌ峠を越えるドーフィネ最終日で、前日勝者マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス)が逃げ切り勝利。過去に総合2位を2度経験した36歳リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)が念願の総合優勝に輝いた。
アルプスの山岳地帯を走るメイン集団 photo:CorVos
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2021第8ステージ photo:A.S.O.8日間の大会を締めくくるクリテリウム・デュ・ドーフィネ第8ステージは、距離が147kmと短い中に6つのカテゴリー山岳が詰め込まれているタフなレイアウト。スタート直後の4級から、2級、2級、1級と立て続けに越え、最後は超級山岳ジュ・プラーヌ峠(距離11.7km/平均8.5%)にアタック。10kmに及ぶ下りをクリアしてノンカテゴリーのレ・ジェ(距離2.4km/平均4.6%)にフィニッシュする。
この日も激しいアタック合戦の末、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)、ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM)など強力な19人の逃げグループが形成される。この中に入った前日勝者マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス)は、メイン集団に残る山岳賞トップのローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)とのポイント差を詰めていった。
プロトンはリーダージャージのイネオス・グレナディアーズが、最大5分差まで広げた逃げ集団とのタイム差を徐々に縮めながら牽引。序盤から積極的に動き役割を果たした中根英登 (EFエデュケーションNIPPO)が残り78km地点でレースを終えると、超級山岳ジュ・プラーヌ峠から逃げとメイン集団の両方でアタック合戦が始まった。
19名によって形成された逃げグループ photo:CorVos
牛と並走するメイン集団 photo:CorVos
超級山岳でアタックするナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)とベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション) photo:CorVos
全長11.7kmの登坂が始まると、ともに先行集団から飛び出したマルタンとパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)からパデュンが1人ペースを上げ、昨日の調子をそのままに重たいギヤで後方との差を広げ始める。パデュンはそのままメイン集団に3分18秒の差をつけ超級山岳の頂上を通過し、15ポイントを加算し山岳賞ジャージを確定させた。
モビスターとイネオス・グレナディアーズが先頭に人数を揃えるプロトンでは、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)や、今大会では精彩を欠くナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が次々に飛び出すものの早々に吸収。連日献身的な動き見せているテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の引きに代わると、38秒遅れの総合6位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)によるアタックもペース走法で捉え、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に先頭を託しながらメイン集団も山頂を越えた。
頂上直前に飛び出したジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)に、10kmの下りでブリッジをかけたトーマスがコーナーで落車する。それにより周りにチームメイトのいなくなったリッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)は孤軍奮闘。1分差以内の総合上位勢に囲まれる展開のなか、38秒遅れのヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)や33秒遅れのウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)によるアタックに、ポート自ら反応しなければならない窮地に立たされる。
逃げ集団から追走するヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)に約1分30秒差でパデュンが残り1kmアーチを切ると、そのまま昨日のクイーンステージに続き超級山岳の難関ステージで2日連続の勝利を挙げた。「夢の中にいるようだ。昨日の勝利でも信じられなかったのに。今朝、あまりの幸福感が大きすぎて目が覚めたぐらいだ。でも今日は昨日のことを忘れ集中しようと思った」と語り、パデュンは山岳賞も獲得している。
その2分後方のメイン集団では、アタックの連続で脚を使った選手たちによるお見合いでペースが緩むと、残り4kmでトーマスが懸命の追走で合流する。そして9人の集団はトーマスが先頭でフィニッシュラインにし、ポートが初となる総合優勝を決めた。
重たいギヤでペースを刻むマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
ジロとツールの総合優勝者のアシストを受けるリッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
昨日に続きトップでフィニッシュ山頂にやってきたマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
「今日は逃げに乗り、最後の登りまで前に残っていればジャック(ヘイグ)のアシストをしようと思っていた。その後チームカーから山岳賞ジャージを狙えると聞き、それも手に入れることができた。最終山岳では2分のリードがあったので、もしかしたらいけるのではないかと思った。今日は何もかもが思い通りに進み、信じられない気持ちだよ」とパデュンは昨日に続くサプライズを喜んだ。
2013年、2017年と逃した総合優勝はポートの手に。「ここでは総合2位に2度なっており、(2017年は)残り数kmで失っていた。ついに優勝することができ天にも昇る心地だよ。妻や2人の子どもと離れるという犠牲に見合った結果だ」と語り、「ツールでの自分の役割について勘違いはしない。このレースで勝つ意味は非常に大きく、常に楽しんで走ってきたレースだ。36歳にして勝てたことは最高の瞬間だ」と、6月26日に開幕するツール・ド・フランスに向けて意気込みを語った。
ポイント賞は第3ステージで勝利し、3度の2位に入った好調ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がキープに成功。ヤングライダー賞には先月のトレーニング中に事故に見舞われた総合9位のダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が獲得した。
総合2位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)、総合1位リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)、総合3位ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
山岳賞も獲得したマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
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この日も激しいアタック合戦の末、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)、ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ KTM)など強力な19人の逃げグループが形成される。この中に入った前日勝者マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス)は、メイン集団に残る山岳賞トップのローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)とのポイント差を詰めていった。
プロトンはリーダージャージのイネオス・グレナディアーズが、最大5分差まで広げた逃げ集団とのタイム差を徐々に縮めながら牽引。序盤から積極的に動き役割を果たした中根英登 (EFエデュケーションNIPPO)が残り78km地点でレースを終えると、超級山岳ジュ・プラーヌ峠から逃げとメイン集団の両方でアタック合戦が始まった。
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全長11.7kmの登坂が始まると、ともに先行集団から飛び出したマルタンとパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)からパデュンが1人ペースを上げ、昨日の調子をそのままに重たいギヤで後方との差を広げ始める。パデュンはそのままメイン集団に3分18秒の差をつけ超級山岳の頂上を通過し、15ポイントを加算し山岳賞ジャージを確定させた。
モビスターとイネオス・グレナディアーズが先頭に人数を揃えるプロトンでは、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)や、今大会では精彩を欠くナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が次々に飛び出すものの早々に吸収。連日献身的な動き見せているテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の引きに代わると、38秒遅れの総合6位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)によるアタックもペース走法で捉え、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に先頭を託しながらメイン集団も山頂を越えた。
頂上直前に飛び出したジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)に、10kmの下りでブリッジをかけたトーマスがコーナーで落車する。それにより周りにチームメイトのいなくなったリッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)は孤軍奮闘。1分差以内の総合上位勢に囲まれる展開のなか、38秒遅れのヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)や33秒遅れのウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)によるアタックに、ポート自ら反応しなければならない窮地に立たされる。
逃げ集団から追走するヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)に約1分30秒差でパデュンが残り1kmアーチを切ると、そのまま昨日のクイーンステージに続き超級山岳の難関ステージで2日連続の勝利を挙げた。「夢の中にいるようだ。昨日の勝利でも信じられなかったのに。今朝、あまりの幸福感が大きすぎて目が覚めたぐらいだ。でも今日は昨日のことを忘れ集中しようと思った」と語り、パデュンは山岳賞も獲得している。
その2分後方のメイン集団では、アタックの連続で脚を使った選手たちによるお見合いでペースが緩むと、残り4kmでトーマスが懸命の追走で合流する。そして9人の集団はトーマスが先頭でフィニッシュラインにし、ポートが初となる総合優勝を決めた。
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2013年、2017年と逃した総合優勝はポートの手に。「ここでは総合2位に2度なっており、(2017年は)残り数kmで失っていた。ついに優勝することができ天にも昇る心地だよ。妻や2人の子どもと離れるという犠牲に見合った結果だ」と語り、「ツールでの自分の役割について勘違いはしない。このレースで勝つ意味は非常に大きく、常に楽しんで走ってきたレースだ。36歳にして勝てたことは最高の瞬間だ」と、6月26日に開幕するツール・ド・フランスに向けて意気込みを語った。
ポイント賞は第3ステージで勝利し、3度の2位に入った好調ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がキープに成功。ヤングライダー賞には先月のトレーニング中に事故に見舞われた総合9位のダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が獲得した。
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クリテリウム・デュ・ドーフィネ2021第8ステージ結果
1位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 4:06:49 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 1:36 |
3位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | 1:57 |
5位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 2:10 |
6位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | |
8位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | |
DNF | 中根英登 (EFエデュケーションNIPPO) |
個人総合成績
1位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 29:37:05 |
2位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | 0:17 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:29 |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:33 |
5位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:34 |
6位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | 0:38 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | |
8位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | 0:47 |
9位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 1:12 |
10位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:57 |
その他の特別賞
山岳賞 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) |
ポイント賞 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
ヤングライダー賞 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos