2021/04/01(木) - 17:05
ドワーズ・ドール・フラーンデレン女子レースは勝ちパターンに持ち込んだアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が勝利。低迷していたモビスターにチーム創設以来初となる石畳クラシック優勝をもたらした。與那嶺恵理(チームティブコSVB)は勝負を前にメカトラで遅れ、悔しい一日に。
3人のナショナルチャンピオンを揃えたトレック・セガフレード (c)CorVos
女子シクロクロスのトップ選手ばかりで構成されたプラントゥール (c)CorVos
トレック・セガフレードやモビスターが人数を集めて石畳を登る (c)CorVos
男子レースと並行して催されたドワーズ・ドール・フラーンデレン女子レースは、ワレヘムを発着する122.2km。7箇所の石畳とクルイスベルグ、ノケレベルグといった急坂が詰め込まれ、週末に迫ったロンド・ファン・フレーンデレンの予行練習としても重要視された。
女子プロトンを席巻するSDワークスは不参加だが、トレック・セガフレードやチームDSM、キャニオン・スラム、そしてモビスターなどは一軍メンバーを多くラインナップ。コンディション向上に努めている與那嶺恵理(チームティブコSVB)もワレヘムのスタート地点に顔を揃えた。
レースが大きく動いたのは、集団ひと塊りのまま突入した残り61km地点の石畳「マリア・ボーレストラート(距離2400m)」だった。トレック・セガフレードの猛烈なペースアップを行い、ここからアタック合戦が激化する。集団がいくつものグループに割れる中、20kmに渡るアタックと吸収の末にオードリー・コルドンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)やリア・トーマス(アメリカ、モビスター)を含む6名が先行した。
ディフェンディングチャンピオンとして臨んだエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)とカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)が協調して逃げる (c)CorVos
しかしそれも束の間、フィニッシュまで37kmを残したクノクテベルグ(登坂距離1,900m/平均勾配4.9%/最大勾配11.8%)でメイン集団からアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)がアタック。高地トレーニングキャンプを経て徐々にコンディションを上げるヨーロッパチャンピオンのアタックに食らいついたのは、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)ただ一人だった。
ファンフルーテンはニエウィアドマと逃げることを決め、トレック・セガフレードが必死に追うグループとの差を15秒、20秒と広げていく。フィニッシュまで40km弱という長丁場のエスケープだったが、元TT世界王者は持ち味のスピードを遺憾なく発揮して逃げ続けた。
フィニッシュまで10kmを切った石畳を抜けてもタイム差は変わらず、先頭2人は20秒差でフラムルージュを通過する。残り300m手前の最終コーナーを抜け、先行するファンフルーテンがロングスプリントで加速すると、ニエウィアドマに対抗する術は残っていなかった。
ロングスプリントで勝利したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) (c)CorVos
ドワーズ・ドール・フラーンデレン2021女子表彰台 (c)CorVos
体力を搾り尽くすようなダンシングで先頭を守ったファンフルーテンが今季初勝利。男女合わせて0勝が続いていたモビスターに待望の1勝をもたらした。
「シーズン開幕からずっと仕事を担ってくれたチームに初勝利を届けることができて嬉しい。最強の選手のうち数人が不在だったけれど、今日のようなレースを走るたびに自信を高めてこれた」と語るファンフルーテン。今季は初戦のオンループで21位に沈みながら、ストラーデビアンケで4位、そして3戦目のこの日優勝とコンディションを上げている。また、モビスターにとっては1980年のチーム創設以降初となるベルギーの石畳クラシック制覇となった。
勝負所を前にメカトラで遅れた與那嶺恵理(チームティブコSVB) (c)CorVos
また與那嶺は最初の石畳区間でチェーントラブルに見舞われ、そのままレース先頭に戻ることなく52位でレース終了に。「良い位置取りでしたが、一番大事なタイミングでトラブル。審判カーの後ろまで下がってしまいました。そこから復帰を目指しましたが、当然戻ることはできませんでした」と、苦い表情で悔しいレースを振り返っている。
コンディションを上げつつもなお、トラブルに悩まされる全日本王者の復調が待たれる。
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男子レースと並行して催されたドワーズ・ドール・フラーンデレン女子レースは、ワレヘムを発着する122.2km。7箇所の石畳とクルイスベルグ、ノケレベルグといった急坂が詰め込まれ、週末に迫ったロンド・ファン・フレーンデレンの予行練習としても重要視された。
女子プロトンを席巻するSDワークスは不参加だが、トレック・セガフレードやチームDSM、キャニオン・スラム、そしてモビスターなどは一軍メンバーを多くラインナップ。コンディション向上に努めている與那嶺恵理(チームティブコSVB)もワレヘムのスタート地点に顔を揃えた。
レースが大きく動いたのは、集団ひと塊りのまま突入した残り61km地点の石畳「マリア・ボーレストラート(距離2400m)」だった。トレック・セガフレードの猛烈なペースアップを行い、ここからアタック合戦が激化する。集団がいくつものグループに割れる中、20kmに渡るアタックと吸収の末にオードリー・コルドンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)やリア・トーマス(アメリカ、モビスター)を含む6名が先行した。
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しかしそれも束の間、フィニッシュまで37kmを残したクノクテベルグ(登坂距離1,900m/平均勾配4.9%/最大勾配11.8%)でメイン集団からアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)がアタック。高地トレーニングキャンプを経て徐々にコンディションを上げるヨーロッパチャンピオンのアタックに食らいついたのは、カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)ただ一人だった。
ファンフルーテンはニエウィアドマと逃げることを決め、トレック・セガフレードが必死に追うグループとの差を15秒、20秒と広げていく。フィニッシュまで40km弱という長丁場のエスケープだったが、元TT世界王者は持ち味のスピードを遺憾なく発揮して逃げ続けた。
フィニッシュまで10kmを切った石畳を抜けてもタイム差は変わらず、先頭2人は20秒差でフラムルージュを通過する。残り300m手前の最終コーナーを抜け、先行するファンフルーテンがロングスプリントで加速すると、ニエウィアドマに対抗する術は残っていなかった。
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体力を搾り尽くすようなダンシングで先頭を守ったファンフルーテンが今季初勝利。男女合わせて0勝が続いていたモビスターに待望の1勝をもたらした。
「シーズン開幕からずっと仕事を担ってくれたチームに初勝利を届けることができて嬉しい。最強の選手のうち数人が不在だったけれど、今日のようなレースを走るたびに自信を高めてこれた」と語るファンフルーテン。今季は初戦のオンループで21位に沈みながら、ストラーデビアンケで4位、そして3戦目のこの日優勝とコンディションを上げている。また、モビスターにとっては1980年のチーム創設以降初となるベルギーの石畳クラシック制覇となった。
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また與那嶺は最初の石畳区間でチェーントラブルに見舞われ、そのままレース先頭に戻ることなく52位でレース終了に。「良い位置取りでしたが、一番大事なタイミングでトラブル。審判カーの後ろまで下がってしまいました。そこから復帰を目指しましたが、当然戻ることはできませんでした」と、苦い表情で悔しいレースを振り返っている。
コンディションを上げつつもなお、トラブルに悩まされる全日本王者の復調が待たれる。
ドワーズ・ドール・フラーンデレン2021女子結果
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 3:04:04 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
3位 | アレクシス・ライアン(アメリカ、キャニオン・スラム) | 0:19 |
4位 | ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | |
5位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、リブレーシング) | |
6位 | グレース・ブラウン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
7位 | フローイチェ・マッカイ(オランダ、チームDSM) | |
8位 | エウジェニア・ブヤーク(スロベニア、アレBTCリュブリャナ) | |
9位 | エレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード) | |
10位 | スティーヌ・ボーグリ(ノルウェー、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | |
52位 | 與那嶺恵理(チームティブコSVB) | 7:41 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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