2021/02/09(火) - 12:28
"Cycling is an Art"というコンセプトを掲げるイタリアンサドルブランドのレペンテ。サドルのクッション部が取り外すことができるというユニークな構造のサドルをピックアップして紹介しよう。
サドル中央部に溝や穴が設けられたり、ショートノーズ化したりと、進化を遂げているスポーツ自転車用サドル。近年はクッションの固定方法も、クッションを包むように表皮をベースの裏側まで引っ張る方法から、ベースの上に接着するだけという方法がポピュラーになってきた。
そんなサドル界隈にイタリアの新進気鋭ブランドが新しい発想を持ち込んだ。RLS(Repente Locking System)という名前のテクノロジーは、サドルベースとサドルトップを別体とし、ベースをシートポストに固定したまま、サドルトップを替えることを可能としたシステムのことだ。
今回はこのシステムとテストサドルとして借り受けたSPYD 2.0を中心に、Prime 2.0、Prime、Aleena 4.0に着目したい。
まずはRLSから触れていこう。公式のYouTube動画を確認いただければわかるが、別体となっているサドルとベースを固定するのは3つのスナップリングのみ。特別な機構が組み込まれているわけではなく、サドルから伸びるピンをベースに開けられたホールに通し、スナップリングで留めるだけ。
非常にシンプルなホールド方法だが、実際に手にしてみると予想以上の固定力を実感できるため、自然に脱落することはなさそうな印象だ。指先の力だけでも外すことができ、作業に困ることは無さそうだが、何度も付け外しを行っていると樹脂製のリングに馴染みが出てくるため、長期間に渡って使い続ける時は気をつけたいポイントとなりそうだ。
リングを外した後に、ベースからサドルトップが自然落下するように全体を上下反転させて、少し揺すってみたが、サドルトップが落下する気配は無かった。ライド中にスナップリングが脱落しても簡単にはサドルトップが飛んでいってしまう心配は少なそうだ。
自然脱落しないのは若干の角度がついた取り付けピンとホールと設計寸法の影響だろう。サドルを外す時はすんなりと作業ができるのだが、装着する時は「ノーズのピンを先に入れてから、後方のピンを入れる」といった大したことのないコツを掴む必要がある。これが自然脱落しないホールド力となっているのだろう。
今回幾つかのモデルを借りてみて気がついたのは、RLS採用のサドルベースがモデルごとに違う点。スペックを確認してみると、確かに素材などが異なっている。SPYD 2.0とPRIME 2.0は同一。PrimeはTEPEXというカーボンが露出したベース、Aleena 4.0はUDのT700カーボンが採用されているのが、見た目からもわかる。
サイズは同一だが、それぞれのベースで厚みや手でたわませた時の硬さ、重量が異なっている。Aleena 4.0のベースは明らかに薄手で、3種類の中でも最軽量。サドル中央部は素材の薄さもあり若干しなるものの、ウィング部は非常に硬い作りとなっている。対して、PrimeのTEPEXベースは中央部も固く作られているようだ。サイズは同じだが、細部の形状も異なっている。
サドル中央部に溝や穴が設けられたり、ショートノーズ化したりと、進化を遂げているスポーツ自転車用サドル。近年はクッションの固定方法も、クッションを包むように表皮をベースの裏側まで引っ張る方法から、ベースの上に接着するだけという方法がポピュラーになってきた。
そんなサドル界隈にイタリアの新進気鋭ブランドが新しい発想を持ち込んだ。RLS(Repente Locking System)という名前のテクノロジーは、サドルベースとサドルトップを別体とし、ベースをシートポストに固定したまま、サドルトップを替えることを可能としたシステムのことだ。
今回はこのシステムとテストサドルとして借り受けたSPYD 2.0を中心に、Prime 2.0、Prime、Aleena 4.0に着目したい。
まずはRLSから触れていこう。公式のYouTube動画を確認いただければわかるが、別体となっているサドルとベースを固定するのは3つのスナップリングのみ。特別な機構が組み込まれているわけではなく、サドルから伸びるピンをベースに開けられたホールに通し、スナップリングで留めるだけ。
非常にシンプルなホールド方法だが、実際に手にしてみると予想以上の固定力を実感できるため、自然に脱落することはなさそうな印象だ。指先の力だけでも外すことができ、作業に困ることは無さそうだが、何度も付け外しを行っていると樹脂製のリングに馴染みが出てくるため、長期間に渡って使い続ける時は気をつけたいポイントとなりそうだ。
リングを外した後に、ベースからサドルトップが自然落下するように全体を上下反転させて、少し揺すってみたが、サドルトップが落下する気配は無かった。ライド中にスナップリングが脱落しても簡単にはサドルトップが飛んでいってしまう心配は少なそうだ。
自然脱落しないのは若干の角度がついた取り付けピンとホールと設計寸法の影響だろう。サドルを外す時はすんなりと作業ができるのだが、装着する時は「ノーズのピンを先に入れてから、後方のピンを入れる」といった大したことのないコツを掴む必要がある。これが自然脱落しないホールド力となっているのだろう。
今回幾つかのモデルを借りてみて気がついたのは、RLS採用のサドルベースがモデルごとに違う点。スペックを確認してみると、確かに素材などが異なっている。SPYD 2.0とPRIME 2.0は同一。PrimeはTEPEXというカーボンが露出したベース、Aleena 4.0はUDのT700カーボンが採用されているのが、見た目からもわかる。
サイズは同一だが、それぞれのベースで厚みや手でたわませた時の硬さ、重量が異なっている。Aleena 4.0のベースは明らかに薄手で、3種類の中でも最軽量。サドル中央部は素材の薄さもあり若干しなるものの、ウィング部は非常に硬い作りとなっている。対して、PrimeのTEPEXベースは中央部も固く作られているようだ。サイズは同じだが、細部の形状も異なっている。
全体重量 | トップ重量 | ベース重量 | ベースタイプ | |
---|---|---|---|---|
SPYD 2.0 | 167 | 79 | 88 | |
Prime 2.0 | 159 | 71 | 87 | |
Prime | 162 | 72 | 90 | TEPEX |
Aleena 4.0 | 136 | 58 | 78 | T700 |
各モデルのカバーを様々なベースに付け替えられるかどうか試した所、ほぼほぼ可能。唯一Aleena 4.0の座面だけは、固定用ピンの頭がホールから露出しきらずに、スナップリングで留めることができないことがあった。
これはAleena 4.0のサドルトップの補強にT700の高弾性カーボンを使用しているからだろう。このサドルトップは他のモデルとは異なり、手で曲げにくさを感じるほど固く、ピンの頭を押し出そうと思っても難しいところがある。もちろんこれだけではなく、ベース形状がT700ベースと異なることも起因となっているはずだ。
サドルトップは各モデルともに非常に似ているデザインだが、細部は異なるため、フィットするものとしないものが出てくるはず。最もパッドが薄いのは最軽量のAleena 4.0。中央部には溝が設けられているが、Primeと比較すると控えめ。坐骨が乗る部分はクビレており、着座位置がフィットすれば快適に走れそう。
Primeシリーズは形状は同じだが、パッドの量が若干異なりそう。手で触ってみた感じではPRIME 2.0の方が薄手の座面となっており、ウィング部の曲線がはっきりとわかる。対してPrimeのウィング部の曲線はなだらかで、フィット感が異なると予想される。共通するのは全体的にラウンド形状であること。
SPYD 2.0については使用可能なテストサドルをお借りできてたので、使用感とともにお届けしよう。手で触った感覚ではパッドが薄く、どのモデルよりも硬質な印象を受けた。サドル中央部は穴ではなく、溝となっていることも他モデルとの違いだ。
今回SPYD 2.0を使用したのは、セッレイタリアではSP-01もしくはSLRのSサイズがフィットし、普段はファブリックのScoop Radiusを使用するCW編集部員・藤原。サドルは若干ラウンドしているものが好みで、鞍のようなラウンド形状、フラットでワイドな座面は苦手。
SPYD 2.0は後端部がフラットのように見えるが、ウィング部はラウンドしており、そのギャップで生じるクビレが着座位置をはっきりと指定しているような形状。いざ試乗してみるとSPYD 2.0が促す着座位置にすんなりと自分の腰が落ち着いてしまった。坐骨とサドルが点で接触して発生する痛みもなく、いわゆるフィットするサドルであるようだ。
サドル幅は他のモデルと同一だが、SPYD 2.0はウィングからノーズにかけての絞り込みが他のモデルよりも緩め。そのため座面が広く見え、ペダリング中の太ももがサドルと干渉するかのように思えたが、実際はペダリングで引っかかりを感じることは無い。
また、今回撮影したサドルの中で唯一の穴なしモデルということで、手で押した時に感じる座面の剛性感は最も固め。着座した時もベースがたわむ感じがなく、サドルが腰を支えてくれる感覚を覚える。パッドも薄めのため、クッションで快適性を確保するサドルとは違うようだ。
フラットなショートノーズサドルが数多くリリースされる近年において、ロングノーズでセミラウンドという伝統的な形状を採用したSPYD 2.0。イタリアのレーシングサドルの系譜をそのまま引き継ぎ、167gという軽量性を実現しながら、価格が14,000円(税抜)というのは非常に魅力的なサドルだ。また、RLSシステムによる拡張性にも期待が持てそうだ。
レペンテ SPYD 2.0
サイズ:275x132mm
カーボンレール:9x7mm
重量:169g
色:黒
価格:14,000円(税抜)
レペンテ PRIME 2.0
サイズ:275x132mm
カーボンレール:9x7mm
重量:159g
色:黒
価格:14,000円(税抜)
レペンテ ALEENA 4.0
サイズ:275 mm x 132 mm
パッド:Super lightweight EVA
ベース:Unidirectional T700 – 1K
レール:カーボン
重量:136g
カラー:黒
価格:29,000円(税抜)
レペンテ Prime - 160g
サイズ:275 mm x 132 mm
パッド:ポリウレタンフォーム
ベース:Tepex®DYNALITEカーボン
レール:カーボン
重量:162g
カラー:黒
価格:22,000円(税抜)
これはAleena 4.0のサドルトップの補強にT700の高弾性カーボンを使用しているからだろう。このサドルトップは他のモデルとは異なり、手で曲げにくさを感じるほど固く、ピンの頭を押し出そうと思っても難しいところがある。もちろんこれだけではなく、ベース形状がT700ベースと異なることも起因となっているはずだ。
サドルトップは各モデルともに非常に似ているデザインだが、細部は異なるため、フィットするものとしないものが出てくるはず。最もパッドが薄いのは最軽量のAleena 4.0。中央部には溝が設けられているが、Primeと比較すると控えめ。坐骨が乗る部分はクビレており、着座位置がフィットすれば快適に走れそう。
Primeシリーズは形状は同じだが、パッドの量が若干異なりそう。手で触ってみた感じではPRIME 2.0の方が薄手の座面となっており、ウィング部の曲線がはっきりとわかる。対してPrimeのウィング部の曲線はなだらかで、フィット感が異なると予想される。共通するのは全体的にラウンド形状であること。
SPYD 2.0については使用可能なテストサドルをお借りできてたので、使用感とともにお届けしよう。手で触った感覚ではパッドが薄く、どのモデルよりも硬質な印象を受けた。サドル中央部は穴ではなく、溝となっていることも他モデルとの違いだ。
今回SPYD 2.0を使用したのは、セッレイタリアではSP-01もしくはSLRのSサイズがフィットし、普段はファブリックのScoop Radiusを使用するCW編集部員・藤原。サドルは若干ラウンドしているものが好みで、鞍のようなラウンド形状、フラットでワイドな座面は苦手。
SPYD 2.0は後端部がフラットのように見えるが、ウィング部はラウンドしており、そのギャップで生じるクビレが着座位置をはっきりと指定しているような形状。いざ試乗してみるとSPYD 2.0が促す着座位置にすんなりと自分の腰が落ち着いてしまった。坐骨とサドルが点で接触して発生する痛みもなく、いわゆるフィットするサドルであるようだ。
サドル幅は他のモデルと同一だが、SPYD 2.0はウィングからノーズにかけての絞り込みが他のモデルよりも緩め。そのため座面が広く見え、ペダリング中の太ももがサドルと干渉するかのように思えたが、実際はペダリングで引っかかりを感じることは無い。
また、今回撮影したサドルの中で唯一の穴なしモデルということで、手で押した時に感じる座面の剛性感は最も固め。着座した時もベースがたわむ感じがなく、サドルが腰を支えてくれる感覚を覚える。パッドも薄めのため、クッションで快適性を確保するサドルとは違うようだ。
フラットなショートノーズサドルが数多くリリースされる近年において、ロングノーズでセミラウンドという伝統的な形状を採用したSPYD 2.0。イタリアのレーシングサドルの系譜をそのまま引き継ぎ、167gという軽量性を実現しながら、価格が14,000円(税抜)というのは非常に魅力的なサドルだ。また、RLSシステムによる拡張性にも期待が持てそうだ。
レペンテ SPYD 2.0
サイズ:275x132mm
カーボンレール:9x7mm
重量:169g
色:黒
価格:14,000円(税抜)
レペンテ PRIME 2.0
サイズ:275x132mm
カーボンレール:9x7mm
重量:159g
色:黒
価格:14,000円(税抜)
レペンテ ALEENA 4.0
サイズ:275 mm x 132 mm
パッド:Super lightweight EVA
ベース:Unidirectional T700 – 1K
レール:カーボン
重量:136g
カラー:黒
価格:29,000円(税抜)
レペンテ Prime - 160g
サイズ:275 mm x 132 mm
パッド:ポリウレタンフォーム
ベース:Tepex®DYNALITEカーボン
レール:カーボン
重量:162g
カラー:黒
価格:22,000円(税抜)
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