2020/10/23(金) - 07:47
獲得標高差5,600mのクイーンステージでマリアローザ争いに激震走る。標高2,758mのステルヴィオ峠でアルメイダが脱落し、テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ)とともに先行したジェイ・ヒンドレー(サンウェブ)が勝利。チームメイトのウィルコ・ケルデルマンがマリアローザを獲得し、サンウェブが総合ワンツー体制を築いた。
標高2,758mのステルヴィオ峠を越える、獲得標高差5,600mのクイーンステージ。ピンツォーロから2級山岳カンポ・カルロマーニョと1級山岳カストリン峠(全長8.8km・平均9.1%)を越えて、目指すは『チーマコッピ(大会最高地点)』に指定されたステルヴィオ峠(全長24.7km・平均7.5%)。東側から延々と続くスイッチバックをこなして頂上にたどり着くと、休むまもなく高低差1,500mをダウンヒルをこなし、ジロ初登場となる1級山岳ラーギ・ディ・カンカノ(全長8.7km・平均6.8%)を経てフィニッシュを迎える。
10月下旬というタイミングだけに積雪や低温によるコース変更も噂されたが、天候が味方したため主催者はステルヴィオ峠の通過にGOサイン。路面は概ねドライな状態が保たれたものの、標高2,758mの峠は氷点下近くまで冷え込んだ。
合計4つのカテゴリー山岳で獲得できるのは最大148ポイント。マリアアッズーラ争いが佳境を迎えながらも、この日は山岳賞2位のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM)がスタートしなかった。第20ステージのコース変更と合わせてルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)の最終的な山岳賞がグッと近づいたが、それでも「ステルヴィオ先頭通過が夢」だと語っていたポルトガル生まれのクライマーが逃げる。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)らとともに前半の2級山岳カンポ・カルロマーニョと1級山岳カストリン峠で激しくアタック合戦を繰り返した結果、レース開始から2時間近く経ってようやく先頭グループとメイン集団のタイム差が広がり始めた。
逃げグループを形成した15名
ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)総合36分58秒遅れ
フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
ベン・オコーナー(オーストラリア、NTTプロサイクリング)総合50分59秒遅れ
ルイス・メインチェス(南アフリカ、NTTプロサイクリング)
ファビオ・フェリーネ(イタリア、アスタナ)総合58分50秒遅れ
ダリオ・カタルド(イタリア、モビスター)
アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)
セルジオ・サミティエル(スペイン、モビスター)
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
マシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)
ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)山岳賞1位
アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)
ステファヌ・ロセット(フランス、コフィディス)
ダニエル・ナバーロ(スペイン、イスラエル・スタートアップネイション)
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ)
ゲレイロやデヘントの他、前日のステージ優勝者ベン・オコーナー(オーストラリア、NTTプロサイクリング)や今大会2勝の世界TT王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)といった『前待ち作戦』の選手を含む15名の逃げは、ドゥクーニンク・クイックステップではなくサンウェブが牽引するメイン集団から3分のリードで『チーマコッピ』ステルヴィオ峠の麓に到着。登坂距離が24.7kmにおよぶ長い長い登りが始まると、サンウェブの集団ペースアップが始まった。
ステージ前半から長時間集団牽引したニコ・デンツ(ドイツ、サンウェブ)が下がると、チャド・ハガ(アメリカ)とマーティン・トゥスフェルト(オランダ)、サム・オーメン(オランダ)が順番に力尽きるまでペースを上げる。先頭では逃げグループからオコーナーがアタックを仕掛けて先行。しかしその2分後方のメイン集団では、オコーナーのチームメイトである総合8位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)が総合上位陣の中で一番早く脱落した。
クリス・ハミルトン(オーストラリア、サンウェブ)の集団牽引が始まるとついにマリアローザのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)までもが脱落。総合10位のファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサポート役に徹したが、イネオス・グレナディアーズの牽引に切り替わったメイン集団の背中が離れていく。ここからローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)の献身的な走りが光る。
デニスのペースに対応できたのは総合4位テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と総合3位ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ)、総合2位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)の3名だけ。イネオス2名とサンウェブ2名が精鋭グループを形成して、総合5位のペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)や総合6位ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、総合7位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)、総合12位ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)らを引き離していく。
延々と続くスイッチバックをこなしながら標高2,000mを超え、壮大な雪景色が広がる頃、暫定マリアローザの座についていたケルデルマンまでもが脱落してしまう。強力なペースを刻むデニス、ゲイガンハート、ヒンドレーの3名は、ステージ2連勝に向けて独走を続けていたオコーナーを残り45km地点で追い抜いて先頭に。大失速というわけではなく自分のテンポに切り替えたケルデルマンに45秒差をつけて、ビルバオとフルサングに1分45秒差、ニバリに2分30秒差、マリアローザのアルメイダに3分45秒差をつけて、先頭3名はステルヴィオ峠の頂上にたどり着いた。
ジャケットを着込んで気温1〜2度のステルヴィオ峠を下った先頭3名は、デニスの尽力によってケルデルマンに1分45秒差をつけて最後の1級山岳ラーギ・ディ・カンカノの登坂を開始する。残り10km地点でデニスが仕事を終了すると、そこから先は25歳ゲイガンハートと24歳ヒンドレーの一騎打ちに。単独追走を続けていたケルデルマンはビルバオとフルサンに追い抜かれたものの、暫定マリアローザをキープするペースを保ち続けた(総合でケルデルマンとヒンドレーは2分41秒差、ゲイガンハートは2分42秒差)。
21箇所のヘアピンコーナーがあり、『ミニチュア・ラルプデュエズ』の異名を持つ1級山岳ラーギ・ディ・カンカノを先頭でクリアしたゲイガンハートとヒンドレー。ケルデルマンを待つという名目のヒンドレーは協力せず、ほぼゲイガンハートが先頭固定でフィニッシュへと向かい、力を残していたヒンドレーがマッチスプリントで勝利した。
2番手ビルバオが46秒、フルサンが1分25秒、ケルデルマンが2分18秒、そしてここまで15日間マリアローザを着続けたアルメイダが4分51秒遅れてフィニッシュ。ボーナスタイムを獲得したヒンドレーとゲイガンハートに12秒差と15秒差をつけて、ケルデルマンが総合首位に浮上した。
「今日のような勝利をずっと夢見てきた。ジロのクイーンステージで両手を上げてフィニッシュしたことはキャリアにおいて大きな意味を持つ。まだ信じることができないけど、これが序章になることを願っているよ」と、UCIワールドツアーレース初勝利を飾ったヒンドレー。これまでの成績を見ると、2019年ツール・ド・ポローニュを総合2位で終え、今年2月のジェイコ・ヘラルドサンツアーで総合優勝を飾っている。
前日のオコーナーに続くオーストラリア人選手の勝利。しかもパース出身者が2日連続でステージ優勝を飾ったことになる。「今日はチームの指示でテイオ(ゲイガンハート)をマークする走りに徹した。自分らしいレースだったとは言えないけど。これはプロフェッショナルなロードレース。あくまでもウィルコ(ケルデルマン)のサポート役であり、マリアローザを獲得した彼を最後までサポートしたい」と、自身も総合2位に浮上したヒンドレーは語る。
マリアローザに袖を通したケルデルマンは「チームの作戦通りアルメイダをステルヴィオ峠でふるい落とすことに成功。でもイネオス・グレナディアーズのペースに対応できなかった。ジェイ(ヒンドレー)が待つべきだとも思ったけど、チーム首脳陣は違った考えを持っていたようだった。これまで怪我続きだった自分がマリアローザ獲得。このレベルまで戻ってきたことを嬉しく思う」と語っている。総合上位陣の中では最も個人タイムトライアル能力の高いケルデルマン。2014年ジロ総合7位、2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位の成績を残す29歳がグランツール初制覇に駒を進めた。
総合1位から3位までのタイム差はわずかに15秒。閉幕まで3日を残したタイミングでこれほどまでに小さいタイム差は1996年ジロ以来となる。当時は総合1位トンコフ、総合2位オラーノ、総合3位ベルズィンが14秒差にひしめきあい、最終的にトンコフが総合優勝に輝いている。
翌日は今大会最長の平坦ステージが設定されているためマリアローザ争いは一旦お休み。フランス入国を回避するため難易度が下がる第20ステージを経て、最終日のミラノ個人タイムトライアルでマリアローザ争いは決着する。
標高2,758mのステルヴィオ峠を越える、獲得標高差5,600mのクイーンステージ。ピンツォーロから2級山岳カンポ・カルロマーニョと1級山岳カストリン峠(全長8.8km・平均9.1%)を越えて、目指すは『チーマコッピ(大会最高地点)』に指定されたステルヴィオ峠(全長24.7km・平均7.5%)。東側から延々と続くスイッチバックをこなして頂上にたどり着くと、休むまもなく高低差1,500mをダウンヒルをこなし、ジロ初登場となる1級山岳ラーギ・ディ・カンカノ(全長8.7km・平均6.8%)を経てフィニッシュを迎える。
10月下旬というタイミングだけに積雪や低温によるコース変更も噂されたが、天候が味方したため主催者はステルヴィオ峠の通過にGOサイン。路面は概ねドライな状態が保たれたものの、標高2,758mの峠は氷点下近くまで冷え込んだ。
合計4つのカテゴリー山岳で獲得できるのは最大148ポイント。マリアアッズーラ争いが佳境を迎えながらも、この日は山岳賞2位のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM)がスタートしなかった。第20ステージのコース変更と合わせてルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)の最終的な山岳賞がグッと近づいたが、それでも「ステルヴィオ先頭通過が夢」だと語っていたポルトガル生まれのクライマーが逃げる。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)らとともに前半の2級山岳カンポ・カルロマーニョと1級山岳カストリン峠で激しくアタック合戦を繰り返した結果、レース開始から2時間近く経ってようやく先頭グループとメイン集団のタイム差が広がり始めた。
逃げグループを形成した15名
ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)総合36分58秒遅れ
フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
ベン・オコーナー(オーストラリア、NTTプロサイクリング)総合50分59秒遅れ
ルイス・メインチェス(南アフリカ、NTTプロサイクリング)
ファビオ・フェリーネ(イタリア、アスタナ)総合58分50秒遅れ
ダリオ・カタルド(イタリア、モビスター)
アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター)
セルジオ・サミティエル(スペイン、モビスター)
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
マシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)
ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)山岳賞1位
アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)
ステファヌ・ロセット(フランス、コフィディス)
ダニエル・ナバーロ(スペイン、イスラエル・スタートアップネイション)
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、UAEチームエミレーツ)
ゲレイロやデヘントの他、前日のステージ優勝者ベン・オコーナー(オーストラリア、NTTプロサイクリング)や今大会2勝の世界TT王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)といった『前待ち作戦』の選手を含む15名の逃げは、ドゥクーニンク・クイックステップではなくサンウェブが牽引するメイン集団から3分のリードで『チーマコッピ』ステルヴィオ峠の麓に到着。登坂距離が24.7kmにおよぶ長い長い登りが始まると、サンウェブの集団ペースアップが始まった。
ステージ前半から長時間集団牽引したニコ・デンツ(ドイツ、サンウェブ)が下がると、チャド・ハガ(アメリカ)とマーティン・トゥスフェルト(オランダ)、サム・オーメン(オランダ)が順番に力尽きるまでペースを上げる。先頭では逃げグループからオコーナーがアタックを仕掛けて先行。しかしその2分後方のメイン集団では、オコーナーのチームメイトである総合8位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)が総合上位陣の中で一番早く脱落した。
クリス・ハミルトン(オーストラリア、サンウェブ)の集団牽引が始まるとついにマリアローザのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)までもが脱落。総合10位のファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサポート役に徹したが、イネオス・グレナディアーズの牽引に切り替わったメイン集団の背中が離れていく。ここからローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)の献身的な走りが光る。
デニスのペースに対応できたのは総合4位テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と総合3位ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ)、総合2位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)の3名だけ。イネオス2名とサンウェブ2名が精鋭グループを形成して、総合5位のペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)や総合6位ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、総合7位ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)、総合12位ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)らを引き離していく。
延々と続くスイッチバックをこなしながら標高2,000mを超え、壮大な雪景色が広がる頃、暫定マリアローザの座についていたケルデルマンまでもが脱落してしまう。強力なペースを刻むデニス、ゲイガンハート、ヒンドレーの3名は、ステージ2連勝に向けて独走を続けていたオコーナーを残り45km地点で追い抜いて先頭に。大失速というわけではなく自分のテンポに切り替えたケルデルマンに45秒差をつけて、ビルバオとフルサングに1分45秒差、ニバリに2分30秒差、マリアローザのアルメイダに3分45秒差をつけて、先頭3名はステルヴィオ峠の頂上にたどり着いた。
ジャケットを着込んで気温1〜2度のステルヴィオ峠を下った先頭3名は、デニスの尽力によってケルデルマンに1分45秒差をつけて最後の1級山岳ラーギ・ディ・カンカノの登坂を開始する。残り10km地点でデニスが仕事を終了すると、そこから先は25歳ゲイガンハートと24歳ヒンドレーの一騎打ちに。単独追走を続けていたケルデルマンはビルバオとフルサンに追い抜かれたものの、暫定マリアローザをキープするペースを保ち続けた(総合でケルデルマンとヒンドレーは2分41秒差、ゲイガンハートは2分42秒差)。
21箇所のヘアピンコーナーがあり、『ミニチュア・ラルプデュエズ』の異名を持つ1級山岳ラーギ・ディ・カンカノを先頭でクリアしたゲイガンハートとヒンドレー。ケルデルマンを待つという名目のヒンドレーは協力せず、ほぼゲイガンハートが先頭固定でフィニッシュへと向かい、力を残していたヒンドレーがマッチスプリントで勝利した。
2番手ビルバオが46秒、フルサンが1分25秒、ケルデルマンが2分18秒、そしてここまで15日間マリアローザを着続けたアルメイダが4分51秒遅れてフィニッシュ。ボーナスタイムを獲得したヒンドレーとゲイガンハートに12秒差と15秒差をつけて、ケルデルマンが総合首位に浮上した。
「今日のような勝利をずっと夢見てきた。ジロのクイーンステージで両手を上げてフィニッシュしたことはキャリアにおいて大きな意味を持つ。まだ信じることができないけど、これが序章になることを願っているよ」と、UCIワールドツアーレース初勝利を飾ったヒンドレー。これまでの成績を見ると、2019年ツール・ド・ポローニュを総合2位で終え、今年2月のジェイコ・ヘラルドサンツアーで総合優勝を飾っている。
前日のオコーナーに続くオーストラリア人選手の勝利。しかもパース出身者が2日連続でステージ優勝を飾ったことになる。「今日はチームの指示でテイオ(ゲイガンハート)をマークする走りに徹した。自分らしいレースだったとは言えないけど。これはプロフェッショナルなロードレース。あくまでもウィルコ(ケルデルマン)のサポート役であり、マリアローザを獲得した彼を最後までサポートしたい」と、自身も総合2位に浮上したヒンドレーは語る。
マリアローザに袖を通したケルデルマンは「チームの作戦通りアルメイダをステルヴィオ峠でふるい落とすことに成功。でもイネオス・グレナディアーズのペースに対応できなかった。ジェイ(ヒンドレー)が待つべきだとも思ったけど、チーム首脳陣は違った考えを持っていたようだった。これまで怪我続きだった自分がマリアローザ獲得。このレベルまで戻ってきたことを嬉しく思う」と語っている。総合上位陣の中では最も個人タイムトライアル能力の高いケルデルマン。2014年ジロ総合7位、2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位の成績を残す29歳がグランツール初制覇に駒を進めた。
総合1位から3位までのタイム差はわずかに15秒。閉幕まで3日を残したタイミングでこれほどまでに小さいタイム差は1996年ジロ以来となる。当時は総合1位トンコフ、総合2位オラーノ、総合3位ベルズィンが14秒差にひしめきあい、最終的にトンコフが総合優勝に輝いている。
翌日は今大会最長の平坦ステージが設定されているためマリアローザ争いは一旦お休み。フランス入国を回避するため難易度が下がる第20ステージを経て、最終日のミラノ個人タイムトライアルでマリアローザ争いは決着する。
ジロ・デ・イタリア2020第18ステージ結果
1位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 6:03:03 |
2位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | 0:00:46 |
4位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 0:01:25 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:02:18 |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:04:04 |
7位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:04:51 |
8位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・マクラーレン) | |
10位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:04:55 |
11位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:06:43 |
13位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング) | 0:08:17 |
86位 | 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) | 0:49:03 |
DNF | マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ) | |
DNS | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 77:46:56 |
2位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 0:00:12 |
3位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:15 |
4位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | 0:01:19 |
5位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:02:16 |
6位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 0:03:59 |
7位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:05:40 |
8位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:05:47 |
9位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:06:46 |
10位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:07:28 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 221pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 184pts |
3位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 94pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) | 234pts |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 122pts |
3位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 115pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 77:47:08 |
2位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:03 |
3位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:02:04 |
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 233:28:48 |
2位 | バーレーン・マクラーレン | 0:28:01 |
3位 | サンウェブ | 0:28:37 |
text:Kei Tsuji
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