2020/10/11(日) - 09:54
イスラエル・スタートアップネイションがグランツール初勝利を飾ったジロ・デ・イタリア第8ステージ。「来年1月に子供が生まれるのに来年の契約が決まっていない自分にとって、この勝利は必要不可欠だった」と語るステージ優勝者アレックス・ドーセットの他、翌日の山岳を見据える選手たちのコメントを紹介します。
ステージ優勝 アレックス・ドーセット(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)
イスラエル・スタートアップネイションがUCIワールドチームに昇格してからというもの、ずっとこの勝利に向けて戦い続けていた。今日はチームとして逃げでステージ優勝を狙う作戦で、勝つのはマティアス・ブランドルでも自分でもどちらでも良かった。大きな勝利を成し遂げてホッとしている。
何を話せばいいのかわからないぐらい、この勝利をどれだけ求めていたのかを言葉で表現しにくい。来年1月に子供が生まれるのに来年の契約が決まっていない自分にとって、この勝利は必要不可欠だった。この不確実性に溢れた2020年の後も、バイクレーサーとして活動したい。仕事とは呼べない職種かもしれないけど、ロードレースは自分が求めるものであり、自分が得意とするものなんだ。でも来年子供が生まれた時はきっと、この勝利よりも感情的になると思う。
チームにワールドツアーレース初勝利をもたらしたアレックス・ドーセット(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション) photo:LaPresse
ステージ2位 サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
逃げに乗ることができ、身体の調子もすこぶる良かった。逃げながら他の選手たちの様子を観察して、彼らのペダリングをチェックしていた。その中で一番怖かったのは、メンバー2人を乗せていたイスラエル・スタートアップネイションだった。ドーセットの最初のアタックに即反応して、逆に登りでペースを上げてイスラエルの2人をふるい落とすことに成功したけど、結局は彼らに追いつかれて、そこからチーム戦略を見せつけられた。
この4日間で2回目の逃げ。ステージ2位は悪くない結果だけど、チームに勝利をもたらしたかっただけに残念な気持ち。まだ逃げで優勝を狙えるステージが10ステージほど残っているので、再び挑戦したい。
最大17%の急坂でアタックするサルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)とマシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル) photo:CorVos
ステージ4位 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)
これまで勝ち逃げに乗ったことがなかったから、まずは今日の逃げに乗ることができて良かった。すでに開幕から1週間ほど経っているので脚に疲労を感じていて、登りでは毎回2人(プッチョとホームズ)に置いていかれながらも何とか合流。最後は良い戦略を立ててタイミング良くカードを切ったイスラエル・スタートアップネイションの2人(ドーセットとブランドル)にやられてしまった。
せめてステージのトップスリーに入りたいと思ってスプリントしたものの、もう脚に力は残っていなかった。ステージ4位という結果は今後のアグレッシブな走りに繋がると思う。これからも逃げにチャンスがあるステージを見極めたい。
マリアローザ ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)
明日はこのマリアローザを今後も着続けることができるかどうかを占う上で重要な日になる。チームはここまでジャージキープのために素晴らしい走りを見せてくれているし、全力を尽くしたい。ロッカラーゾは長い登りであり、険しい戦いになると思う。
2013年の世界選手権でルイ・コスタが優勝してからというもの、ポルトガルではロードレースが注目の存在になっているんだ。もちろんジロもポルトガルで注目のイベントになっている。
第3ステージからマリアローザを着続けるホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:LaPresse
総合7位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)
大きくレースが動く日ではなかった。逃げが先行する展開で、メイン集団の選手たちにとってはイージーな1日。2級山岳を下り始めてすぐにパンクして、さらにメイン集団は下り区間で分裂。でも問題なく復帰することができたし、アスタナにとってはイージーな1日だった。明日はタフな戦いになる。
チャド・ハガ(アメリカ、サンウェブ)
今日はすべての総合系チームが明日に向けて体力を温存したがっていた。スプリンターチームもステージ優勝に興味を示さなかったので、とにかくトラブルに巻き込まれず、無駄な体力を使わないように心がけた。チームとしてうまく走ることができたと思うし、明日の山岳ステージに向けて準備は整っている。
新城幸也(バーレーン・マクラーレン)
今日は少しストレスのかかったレースとなった。昨日よりは疲労はないが、一時休戦とまではいかなかった。何故なら、風もあり、下りでトレックがペースアップしたし、もしかしたら最後の道の狭い周回でどこかのチームがペースアップするかもしれない、などと気を付けなければならないことが多かったので、常に集団の前に位置している必要があった。
チームとしては明日が勝負のステージなので、今日で疲労することを避けて、皆で集団で過ごす事を選んだ。また明日は獲得標高4000m超のステージ。明後日は休息日なので1日中、全速力だろうね(苦笑)どこまでビルバオの側に居れるかわからないけど、山岳でも出来る限りのサポートをしてきたい。
「常に集団の前に位置している必要があった」と語る新城幸也(バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos
text:Kei Tsuji
ステージ優勝 アレックス・ドーセット(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)
イスラエル・スタートアップネイションがUCIワールドチームに昇格してからというもの、ずっとこの勝利に向けて戦い続けていた。今日はチームとして逃げでステージ優勝を狙う作戦で、勝つのはマティアス・ブランドルでも自分でもどちらでも良かった。大きな勝利を成し遂げてホッとしている。
何を話せばいいのかわからないぐらい、この勝利をどれだけ求めていたのかを言葉で表現しにくい。来年1月に子供が生まれるのに来年の契約が決まっていない自分にとって、この勝利は必要不可欠だった。この不確実性に溢れた2020年の後も、バイクレーサーとして活動したい。仕事とは呼べない職種かもしれないけど、ロードレースは自分が求めるものであり、自分が得意とするものなんだ。でも来年子供が生まれた時はきっと、この勝利よりも感情的になると思う。
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ステージ2位 サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
逃げに乗ることができ、身体の調子もすこぶる良かった。逃げながら他の選手たちの様子を観察して、彼らのペダリングをチェックしていた。その中で一番怖かったのは、メンバー2人を乗せていたイスラエル・スタートアップネイションだった。ドーセットの最初のアタックに即反応して、逆に登りでペースを上げてイスラエルの2人をふるい落とすことに成功したけど、結局は彼らに追いつかれて、そこからチーム戦略を見せつけられた。
この4日間で2回目の逃げ。ステージ2位は悪くない結果だけど、チームに勝利をもたらしたかっただけに残念な気持ち。まだ逃げで優勝を狙えるステージが10ステージほど残っているので、再び挑戦したい。
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ステージ4位 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)
これまで勝ち逃げに乗ったことがなかったから、まずは今日の逃げに乗ることができて良かった。すでに開幕から1週間ほど経っているので脚に疲労を感じていて、登りでは毎回2人(プッチョとホームズ)に置いていかれながらも何とか合流。最後は良い戦略を立ててタイミング良くカードを切ったイスラエル・スタートアップネイションの2人(ドーセットとブランドル)にやられてしまった。
せめてステージのトップスリーに入りたいと思ってスプリントしたものの、もう脚に力は残っていなかった。ステージ4位という結果は今後のアグレッシブな走りに繋がると思う。これからも逃げにチャンスがあるステージを見極めたい。
マリアローザ ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)
明日はこのマリアローザを今後も着続けることができるかどうかを占う上で重要な日になる。チームはここまでジャージキープのために素晴らしい走りを見せてくれているし、全力を尽くしたい。ロッカラーゾは長い登りであり、険しい戦いになると思う。
2013年の世界選手権でルイ・コスタが優勝してからというもの、ポルトガルではロードレースが注目の存在になっているんだ。もちろんジロもポルトガルで注目のイベントになっている。
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総合7位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)
大きくレースが動く日ではなかった。逃げが先行する展開で、メイン集団の選手たちにとってはイージーな1日。2級山岳を下り始めてすぐにパンクして、さらにメイン集団は下り区間で分裂。でも問題なく復帰することができたし、アスタナにとってはイージーな1日だった。明日はタフな戦いになる。
チャド・ハガ(アメリカ、サンウェブ)
今日はすべての総合系チームが明日に向けて体力を温存したがっていた。スプリンターチームもステージ優勝に興味を示さなかったので、とにかくトラブルに巻き込まれず、無駄な体力を使わないように心がけた。チームとしてうまく走ることができたと思うし、明日の山岳ステージに向けて準備は整っている。
新城幸也(バーレーン・マクラーレン)
今日は少しストレスのかかったレースとなった。昨日よりは疲労はないが、一時休戦とまではいかなかった。何故なら、風もあり、下りでトレックがペースアップしたし、もしかしたら最後の道の狭い周回でどこかのチームがペースアップするかもしれない、などと気を付けなければならないことが多かったので、常に集団の前に位置している必要があった。
チームとしては明日が勝負のステージなので、今日で疲労することを避けて、皆で集団で過ごす事を選んだ。また明日は獲得標高4000m超のステージ。明後日は休息日なので1日中、全速力だろうね(苦笑)どこまでビルバオの側に居れるかわからないけど、山岳でも出来る限りのサポートをしてきたい。
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text:Kei Tsuji
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