2020/10/06(火) - 09:45
雨のエトナ山頂フィニッシュを制したエクアドルチャンピオンのヨナタン・カイセド(EFプロサイクリング)は「夢を叶えることができた。早くも目標を達成できて本当に嬉しい」とコメント。大会最初の難関山岳が登場したジロ・デ・イタリア第3ステージを走り終えた選手たちのコメントを紹介します。
1位 ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング)
まだこの勝利を信じることができない。夢を叶えることができたよ。今朝起きた時点で、逃げに乗ってステージ優勝を狙う気持ちが固まっていた。経験豊かなヴィスコンティと飛び出してから、最後はスピード差をつけてアタック。出し切ってしまわないことを心がけながらフィニッシュまで独走した。
チームはステージ優勝を目標に立ててこのジロに出場している。早くもその目標を達成できて本当に嬉しい。フィニッシュが近づくと、苦しみと嬉しい気持ち、痛みが入り混じった。プロ2年目で大きな勝利を掴むことができた。総合でもジャンプアップできたので、できる限りこの順位を守りたい。
独走でエトナ山を駆け上がるヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) photo:CorVos
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM)
ファンのためにもチームのためにも、エトナ山で勝つのが夢だった。だから最初から逃げに乗って、ステージ優勝を狙っていた。3〜4回アタックしたけど(カイセドを)引き離すことができず、逆にカウンターアタックで引き離されてしまった。思うような結果を残せなかったものの、今日の走りで調子の良さを実感できたので、残りのステージで引き続き良い結果を狙っていく。
ステージ優勝争いを繰り広げるヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング)とジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM) photo:CorVos
3位 ハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)
調子が良いことはわかっていたけど、こんなにも良い結果を出せるとは想像していなかった。飛び出したカストロビエホに誰も反応しないのを見て、誰もが限界だったと思った。だからチャンスがあると判断してアタックしたんだ。カストロビエホは協力的ではなかったので、燃え尽きない程度の自分のペースで走ることにした。プロ入りから2年間、結果を出せなかった自分に批判的な声が上がっていたけど、自分を信じ続けた。まだ総合成績を詳しく見ていないけど、マリアビアンカを狙うことができるかもしれない。
メイン集団から飛び出したハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)とジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
スタートからずっと調子が良かった。平野部は汗ばむ陽気だったのに、登りに入ると雨が降って寒かった。この天候が身体に少なからず影響したと思う。登りで完全にレースをコントロールするチームがいなかったので、様子を見るためにアタックしたんだ。その判断は正しかった。まだジロは始まったばかりで、最終週はとても厳しい。総合争いを語るのは時期尚早だけど、良いスタートが切れたことは間違いない。
メイン集団から飛び出したウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)とジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
5位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)
開幕から2日連続で不運(ロペスとウラソフのリタイア)が続いたけど、今日は良い1日だった。今日はチームメイトたち、特にマヌエーレ・ボアーロが素晴らしい働きでサポートしてくれた。終盤にかけてアタックが連発する展開になったものの、すべてのアタックに対応できた。ゲラント・トーマスが落車してこんなにも早い段階で総合争いから脱落するのは残念だ。
雨のエトナ山を登るヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)やヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
6位 ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
大会最初の山頂フィニッシュで、自分の脚を試す絶好の機会だった。チームの働きは抜群で、マッテオ・ファッブロとパウェル・ポリャンスキーが登りで強力なペースを作ってくれた。このジロはエトナ山での高地トレーニングを終えてから最初のレースで、調子が上がっていることを感じる。明日以降も調子が上向きになることを願っているよ。
7位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)
グランツールでは毎日何かが起こる。予想外の事態が発生してレース状況がガラッと変わることもあるんだ。トーマスの落車を目の前で見たけど、集団に復帰してからは何も影響がないように見えた。正直言ってそこまで大きな怪我を負っているように見えなかった。
前半は暑くて湿度が高かったのに、エトナ山は寒く、風も強く、雨が降っていた。大会1週目の山頂フィニッシュで大きなタイム差が生まれたことに驚いていない。自分の走りには満足しているし、今日の結果は安心感を与えてくれるけど、これからも地に足をつけて走り続けることが大事。繰り返しになるけど、まだ大会3日目だから。
ライバルたちとともに51秒遅れでフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)
石畳が敷かれた街をいくつも抜けるハードなステージだった。石畳の衝撃が腕の怪我に響いたけど、コースをよく知っていたし、集団内のポジションを落とさずに走ることができた。そしてチームメイトのおかげで集団前方をキープしたまま最後の登りに突入したんだ。調子が良かったものの向かい風が強くて飛び出せず。風が弱まったところでアタックしたけど失敗に終わった。とにかく総合争いに絡んでいることに満足している。
10位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
ペースが速くてとてもタフなステージだった。最終的に集団が細分化する展開で、幸い有力選手たちのグループから大きく遅れることなくレースを終えることができた。決して悪い走りではなかったけど、まだ改善の余地はある。今日は数パーセントだけ力が足りなかった。大会最初のテストをクリアできたことを嬉しく思う。今日何人かのライバルたちが総合争いから脱落したように、まだまだ長いジロでは何が起こるかわからない。
マリアローザを獲得したホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マリアローザに袖を通したこの気持ちを何と表現したらいいのだろう。ゲラント・トーマスがまず脱落して、続いてサイモン・イェーツも脱落。自分なりにレースをコントロールできていた。向かい風が強く吹く登りではライバルたちに食らいついて、遅れてからも出来る限りの走りをして、苦しみながらもフィニッシュまで追い込んだ。
ジロの象徴であるマリアローザを誇りに思う。出来るだけ長くマリアローザをキープするために全力を尽くすことを約束する。
マリアローザを手にしたホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
114位 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン)
エトナは20kmの長い長い登り、特に最後の2kmは勾配もキツかった。残り4km切ってからは遮るものも少なくて、強烈な向かい風のにも苦しめられた。幸いにも!?登りの途中から軽い雨が振り出して、序盤の火照った身体をクールダウンしてくれて、気持ち良かった。
レースはビルバオが総合3位にジャンプアップ!!まだ、わからないが、このまま調子が良ければ、総合を狙って行くことになるだろう。先ずは1週間経って、どうなっているか!?ですね。
自分は自転車を乗り換えていたのが放送でも映ったみたいですが、転んではなくて、メカニカルトラブルでした。これから登りが始まる大事な時にメカニカルトラブルになってしまい、ビルバオを最後まで助ける事が出来なくて残念だったが、まだまだ、明日からも手伝うところはたくさんあるので、頑張ります。
集団内でエトナ山に向かう新城幸也(バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos
マッテオ・トザット監督(イネオス・グレナディアーズ)
ニュートラルスタートから1〜2km走ったところでG(トーマス)がボトルを踏んで落車。最初は痛みを訴えたものの、レースが進むと回復しているように見えた。しかし残り45kmを切ってペースが上がり、登り勾配がましたところで痛みが出てしまい、彼のペースでフィニッシュを目指すしかなかった。これから検査して、(第4ステージスタートの)判断をチームのメディカルスタッフに委ねたい。
まだまだジロは長い。フィリッポ(ガンナ)とローハン(デニス)には個人タイムトライアルでの活躍のチャンスがあるし、山岳ではカストロ(カストロビエホ)とテイオ(ゲイガンハート)が好走している。これからチームミーティングを開いて、チームとして何が出来るのかと話し合いたい。
12分19秒遅れたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
逃げに乗ったヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング)
タイム差が5分までしか広がらず、しかもエトナ山は向かい風だったので、逃げ切るには厳しい状況だった。逃げ切ったカイセドの走りは素晴らしかったと思う。今日は自分の存在をアピールするための逃げでもあった。逃げることで新しいチームとの契約につながればと。あとは初日のタイムトライアルの鬱憤を晴らすためでもあった。
text:Kei Tsuji
1位 ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング)
まだこの勝利を信じることができない。夢を叶えることができたよ。今朝起きた時点で、逃げに乗ってステージ優勝を狙う気持ちが固まっていた。経験豊かなヴィスコンティと飛び出してから、最後はスピード差をつけてアタック。出し切ってしまわないことを心がけながらフィニッシュまで独走した。
チームはステージ優勝を目標に立ててこのジロに出場している。早くもその目標を達成できて本当に嬉しい。フィニッシュが近づくと、苦しみと嬉しい気持ち、痛みが入り混じった。プロ2年目で大きな勝利を掴むことができた。総合でもジャンプアップできたので、できる限りこの順位を守りたい。
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2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM)
ファンのためにもチームのためにも、エトナ山で勝つのが夢だった。だから最初から逃げに乗って、ステージ優勝を狙っていた。3〜4回アタックしたけど(カイセドを)引き離すことができず、逆にカウンターアタックで引き離されてしまった。思うような結果を残せなかったものの、今日の走りで調子の良さを実感できたので、残りのステージで引き続き良い結果を狙っていく。
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3位 ハーム・ファンフック(ベルギー、ロット・スーダル)
調子が良いことはわかっていたけど、こんなにも良い結果を出せるとは想像していなかった。飛び出したカストロビエホに誰も反応しないのを見て、誰もが限界だったと思った。だからチャンスがあると判断してアタックしたんだ。カストロビエホは協力的ではなかったので、燃え尽きない程度の自分のペースで走ることにした。プロ入りから2年間、結果を出せなかった自分に批判的な声が上がっていたけど、自分を信じ続けた。まだ総合成績を詳しく見ていないけど、マリアビアンカを狙うことができるかもしれない。
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4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
スタートからずっと調子が良かった。平野部は汗ばむ陽気だったのに、登りに入ると雨が降って寒かった。この天候が身体に少なからず影響したと思う。登りで完全にレースをコントロールするチームがいなかったので、様子を見るためにアタックしたんだ。その判断は正しかった。まだジロは始まったばかりで、最終週はとても厳しい。総合争いを語るのは時期尚早だけど、良いスタートが切れたことは間違いない。
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5位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)
開幕から2日連続で不運(ロペスとウラソフのリタイア)が続いたけど、今日は良い1日だった。今日はチームメイトたち、特にマヌエーレ・ボアーロが素晴らしい働きでサポートしてくれた。終盤にかけてアタックが連発する展開になったものの、すべてのアタックに対応できた。ゲラント・トーマスが落車してこんなにも早い段階で総合争いから脱落するのは残念だ。
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6位 ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
大会最初の山頂フィニッシュで、自分の脚を試す絶好の機会だった。チームの働きは抜群で、マッテオ・ファッブロとパウェル・ポリャンスキーが登りで強力なペースを作ってくれた。このジロはエトナ山での高地トレーニングを終えてから最初のレースで、調子が上がっていることを感じる。明日以降も調子が上向きになることを願っているよ。
7位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)
グランツールでは毎日何かが起こる。予想外の事態が発生してレース状況がガラッと変わることもあるんだ。トーマスの落車を目の前で見たけど、集団に復帰してからは何も影響がないように見えた。正直言ってそこまで大きな怪我を負っているように見えなかった。
前半は暑くて湿度が高かったのに、エトナ山は寒く、風も強く、雨が降っていた。大会1週目の山頂フィニッシュで大きなタイム差が生まれたことに驚いていない。自分の走りには満足しているし、今日の結果は安心感を与えてくれるけど、これからも地に足をつけて走り続けることが大事。繰り返しになるけど、まだ大会3日目だから。
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9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)
石畳が敷かれた街をいくつも抜けるハードなステージだった。石畳の衝撃が腕の怪我に響いたけど、コースをよく知っていたし、集団内のポジションを落とさずに走ることができた。そしてチームメイトのおかげで集団前方をキープしたまま最後の登りに突入したんだ。調子が良かったものの向かい風が強くて飛び出せず。風が弱まったところでアタックしたけど失敗に終わった。とにかく総合争いに絡んでいることに満足している。
10位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
ペースが速くてとてもタフなステージだった。最終的に集団が細分化する展開で、幸い有力選手たちのグループから大きく遅れることなくレースを終えることができた。決して悪い走りではなかったけど、まだ改善の余地はある。今日は数パーセントだけ力が足りなかった。大会最初のテストをクリアできたことを嬉しく思う。今日何人かのライバルたちが総合争いから脱落したように、まだまだ長いジロでは何が起こるかわからない。
マリアローザを獲得したホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マリアローザに袖を通したこの気持ちを何と表現したらいいのだろう。ゲラント・トーマスがまず脱落して、続いてサイモン・イェーツも脱落。自分なりにレースをコントロールできていた。向かい風が強く吹く登りではライバルたちに食らいついて、遅れてからも出来る限りの走りをして、苦しみながらもフィニッシュまで追い込んだ。
ジロの象徴であるマリアローザを誇りに思う。出来るだけ長くマリアローザをキープするために全力を尽くすことを約束する。
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114位 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン)
エトナは20kmの長い長い登り、特に最後の2kmは勾配もキツかった。残り4km切ってからは遮るものも少なくて、強烈な向かい風のにも苦しめられた。幸いにも!?登りの途中から軽い雨が振り出して、序盤の火照った身体をクールダウンしてくれて、気持ち良かった。
レースはビルバオが総合3位にジャンプアップ!!まだ、わからないが、このまま調子が良ければ、総合を狙って行くことになるだろう。先ずは1週間経って、どうなっているか!?ですね。
自分は自転車を乗り換えていたのが放送でも映ったみたいですが、転んではなくて、メカニカルトラブルでした。これから登りが始まる大事な時にメカニカルトラブルになってしまい、ビルバオを最後まで助ける事が出来なくて残念だったが、まだまだ、明日からも手伝うところはたくさんあるので、頑張ります。
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マッテオ・トザット監督(イネオス・グレナディアーズ)
ニュートラルスタートから1〜2km走ったところでG(トーマス)がボトルを踏んで落車。最初は痛みを訴えたものの、レースが進むと回復しているように見えた。しかし残り45kmを切ってペースが上がり、登り勾配がましたところで痛みが出てしまい、彼のペースでフィニッシュを目指すしかなかった。これから検査して、(第4ステージスタートの)判断をチームのメディカルスタッフに委ねたい。
まだまだジロは長い。フィリッポ(ガンナ)とローハン(デニス)には個人タイムトライアルでの活躍のチャンスがあるし、山岳ではカストロ(カストロビエホ)とテイオ(ゲイガンハート)が好走している。これからチームミーティングを開いて、チームとして何が出来るのかと話し合いたい。
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逃げに乗ったヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング)
タイム差が5分までしか広がらず、しかもエトナ山は向かい風だったので、逃げ切るには厳しい状況だった。逃げ切ったカイセドの走りは素晴らしかったと思う。今日は自分の存在をアピールするための逃げでもあった。逃げることで新しいチームとの契約につながればと。あとは初日のタイムトライアルの鬱憤を晴らすためでもあった。
text:Kei Tsuji
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