別府史之(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)も出場したピレネー山岳レース、ルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)が閉幕。圧倒的なチーム力を得てクイーンステージを制したエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)が総合優勝を飾った。
第4ステージ バーレーン・マクラーレンやチームイネオスが集団を牽引 (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
3つの1級山岳が詰め込まれた第3ステージ (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
丘の上の街ロカマドゥールへフィニッシュする最終ステージ (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
フランス南部のオクシタニー地域圏を舞台に、8月1日〜4日までの4日間開催された「ルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)」は、フランス南部、ピレネー山脈の山岳コースを組み込んだ本格的なステージレース。ロックダウンを経て4ヶ月半、140日ぶりに開催されるフランス国内最初のシーズン再開レースだ。
1977年に初開催を迎えたこのレースは、2017年まで「ルート・ドゥ・スッド」という名称で呼ばれてきた。毎年ツール・ド・フランス直前に開催される重要な前哨戦として知られ、伝統的にフランス勢が活躍してきた。
それゆえ今年もツール2連覇を狙うエガン・ベルナル(コロンビア)とクリス・フルーム(イギリス)のチームイネオスコンビや、ロマン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、リッチー・ポート(オーストラリア)とバウケ・モレマ(オランダ)のトレック・セガフレードコンビ、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)といったメンバーが集結。本拠地が近いNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスからは好調レミ・ロシャス(フランス)や別府史之(日本)もメンバーリストに名を連ねた。
集団内で走るティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
シーズン再開後初戦を走るクリス・フルーム(イギリス、チームイネオス) (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
第1ステージ ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)がエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)を下す (c)CorVos
第2ステージ 別府史之(日本、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)がエスケープ (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
第2ステージ 優勝したソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
サンタフリクからカズール=レ=ベジエを目指す187kmの開幕ステージは、最終盤の落車から生き残った15名弱によるゴールスプリント勝負に持ち込まれ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)を交わしたブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)が勝利。ボーナスタイムを得てリーダージャージを手に入れた。
第2ステージは2009年大会でステージ2位に入った経験を持つ別府が逃げた。山岳ポイントとスプリントポイントを積極的に確保した別府らは終盤に入り活性化した集団に捕まり、そのままなだれ込んだ登坂スプリントでソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン)が先着している。
第3ステージ 曇り空の1級山岳を走る (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
第3ステージ ステージ前半からチームイネオスが集団をコントロール (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
第3ステージ ベルナルのアシストを務めるクリス・フルーム(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
第3ステージ 山頂フィニッシュを制したエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) (c)Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
ツール第8ステージと同じルートで1級山岳バレ峠と1級山岳ペイルスルド峠を越え、さらに登坂距離10.9km/平均勾配7.2%を誇る1級山岳バレード峠山頂を目指す過酷なクイーンステージではチームイネオスがレースを掌握した。
イネオスは徹底的なペースメイクで逃げグループを捉えると、最終登坂でジョナタン・カストロビエホ(スペイン)やフルームを使ってベルナルのためにペースメイク。これによってバルデやピノら他チームのエースが軒並み脱落し、最後まで残ったアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ)もベルナルの凄まじいアタックの前に後退してしまう。圧倒的な登坂力を見せつけたベルナルが今季初優勝を挙げ、最後までアシストを務めたパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)が2位。グランツールチームとしての強さを今一度披露する結果となった。
第4ステージ フィニッシュ手前の急勾配区間で仕掛けるブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール) (c)CorVos
総合優勝を飾ったエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) (c)CorVos
丘の上の街ロカマドゥールに至る最終ステージでは、最後の急勾配でアスタナ勢がオマル・フライレ(スペイン)を発射したものの、タイミングを見て勢いよく仕掛けたブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)がパスし、フィニッシュまで逃げ切り。モレマやピノらと共に2秒遅れのステージ4位に入ったベルナルが総合優勝を射止めた。
「この結果にとても満足しているよ。レースで勝つことはチームにとっても、そしてロックダウン明けのモチベーションにも重要なことだと思う。そして一番はとても体調が良いこと。確実に準備を重ねられていることを確認できたので嬉しい」と、今一度最強クライマーであることを証明したベルナルは語っている。
また、クイーンステージでベルナルのアシストを務めたフルームは、総合37位で「ツール前哨戦」を終えている。「再びレースを走ることができて本当に、本当に嬉しい。本格的な登りレースは今年初めてだったので、少しの間きっちり踏み込むことができたことも良いテストになった。エガン、そしてパヴェルの二人が素晴らしい結果をもたらしたことも良かった。久しぶりのレースを走りきれたことは素晴らしいこと。ツールに向けてレベルアップするために役立ってくれると思う」と、ベルナル、そしてゲラント・トーマス(イギリス)との3本柱でツール参戦することとなるフルームは話している。



フランス南部のオクシタニー地域圏を舞台に、8月1日〜4日までの4日間開催された「ルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)」は、フランス南部、ピレネー山脈の山岳コースを組み込んだ本格的なステージレース。ロックダウンを経て4ヶ月半、140日ぶりに開催されるフランス国内最初のシーズン再開レースだ。
1977年に初開催を迎えたこのレースは、2017年まで「ルート・ドゥ・スッド」という名称で呼ばれてきた。毎年ツール・ド・フランス直前に開催される重要な前哨戦として知られ、伝統的にフランス勢が活躍してきた。
それゆえ今年もツール2連覇を狙うエガン・ベルナル(コロンビア)とクリス・フルーム(イギリス)のチームイネオスコンビや、ロマン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、リッチー・ポート(オーストラリア)とバウケ・モレマ(オランダ)のトレック・セガフレードコンビ、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)といったメンバーが集結。本拠地が近いNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスからは好調レミ・ロシャス(フランス)や別府史之(日本)もメンバーリストに名を連ねた。





サンタフリクからカズール=レ=ベジエを目指す187kmの開幕ステージは、最終盤の落車から生き残った15名弱によるゴールスプリント勝負に持ち込まれ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)を交わしたブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)が勝利。ボーナスタイムを得てリーダージャージを手に入れた。
第2ステージは2009年大会でステージ2位に入った経験を持つ別府が逃げた。山岳ポイントとスプリントポイントを積極的に確保した別府らは終盤に入り活性化した集団に捕まり、そのままなだれ込んだ登坂スプリントでソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン)が先着している。




ツール第8ステージと同じルートで1級山岳バレ峠と1級山岳ペイルスルド峠を越え、さらに登坂距離10.9km/平均勾配7.2%を誇る1級山岳バレード峠山頂を目指す過酷なクイーンステージではチームイネオスがレースを掌握した。
イネオスは徹底的なペースメイクで逃げグループを捉えると、最終登坂でジョナタン・カストロビエホ(スペイン)やフルームを使ってベルナルのためにペースメイク。これによってバルデやピノら他チームのエースが軒並み脱落し、最後まで残ったアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ)もベルナルの凄まじいアタックの前に後退してしまう。圧倒的な登坂力を見せつけたベルナルが今季初優勝を挙げ、最後までアシストを務めたパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)が2位。グランツールチームとしての強さを今一度披露する結果となった。


丘の上の街ロカマドゥールに至る最終ステージでは、最後の急勾配でアスタナ勢がオマル・フライレ(スペイン)を発射したものの、タイミングを見て勢いよく仕掛けたブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)がパスし、フィニッシュまで逃げ切り。モレマやピノらと共に2秒遅れのステージ4位に入ったベルナルが総合優勝を射止めた。
「この結果にとても満足しているよ。レースで勝つことはチームにとっても、そしてロックダウン明けのモチベーションにも重要なことだと思う。そして一番はとても体調が良いこと。確実に準備を重ねられていることを確認できたので嬉しい」と、今一度最強クライマーであることを証明したベルナルは語っている。
また、クイーンステージでベルナルのアシストを務めたフルームは、総合37位で「ツール前哨戦」を終えている。「再びレースを走ることができて本当に、本当に嬉しい。本格的な登りレースは今年初めてだったので、少しの間きっちり踏み込むことができたことも良いテストになった。エガン、そしてパヴェルの二人が素晴らしい結果をもたらしたことも良かった。久しぶりのレースを走りきれたことは素晴らしいこと。ツールに向けてレベルアップするために役立ってくれると思う」と、ベルナル、そしてゲラント・トーマス(イギリス)との3本柱でツール参戦することとなるフルームは話している。
8月1日 第1ステージ サンタフリク〜カズール=レ=ベジエ(187km)
1位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) | 4:35:00 |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
3位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) | |
4位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、サーカス・ワンティゴベール) | |
5位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG"Rラモンディアール) |
8月2日 第2ステージ カルカッソンヌ〜カップ・デクーヴェルト(174.5km)
1位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) | 4:22:23 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) | |
3位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トタル・ディレクトエネルジー) | |
4位 | アーヴィッド・デクレイン(オランダ、リワル・レディーネス サイクリングチーム) | |
5位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rラモンディアール) |
8月3日 第3ステージ サン=ゴーダンス〜コル・ドゥ・バレード(163.5km)
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 4:36:44 |
2位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス) | 0:10 |
3位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) | 0:17 |
4位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:31 |
5位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 1:05 |
8月4日 第4ステージ レクトゥール〜ロカマドゥール(195km)
1位 | ブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール) | 4:23:28 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:02 |
3位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) |
個人総合成績
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 17:57:27 |
2位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス) | 0:19 |
3位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) | 0:23 |
4位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:37 |
5位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 1:09 |
その他の特別賞
山岳賞 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) |
ポイント賞 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) |
ヤングライダー賞 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) |
チーム総合成績 | トレック・セガフレード |
text:So.Isobe
photo:CorVos, Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
photo:CorVos, Route d'Occitanie - La Dépêche du Midi
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