イタリアで開催された雨のワンデーレース「グラントリティコ・ロンバルド」で、最終周回の登坂区間で仕掛けたゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)が独走勝利。追走集団先頭も獲ったアスタナ勢がワンツーフィニッシュを決めた。
ストラーデビアンケの落車で腕を痛めていたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック、セガフレード)が出場 (c)CorVos
ストラーデビアンケ転戦組のグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) (c)CorVos
逃げるオスカル・リースベーク(ベルギー、アルペシン・フェニックス)ら (c)CorVos
8月3日に開催されたグラントリティコ・ロンバルド(UCI1.Pro)は、新型コロナウイルスにより開催中止に追い込まれたロンバルディア州の伝統ある3レース、コッパ・ベルノッキ、コッパ・アゴスティーニ、そしてトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネの代替として初開催されたワンデーレース。パンデミック初期に猛烈な感染者数を出したロンバルディア州だが、現在感染第二波も抑えこみ国際レースを開催するまでに至った。
ベルノッキが開催されるレニャーノを出発し、アゴスティーニが開催されるリッソーネを経由し、ヴァレジーネが開催されるヴァレーゼを目指す200kmコースは、後半に登場するヴァレーゼのアップダウン周回コース(4周半)が鍵となる。なおレース名を意訳すれば「ロンバルディアの偉大な3部作」という意味を持つ。
フランスでエガン・ベルナル(コロンビア)、クリス・フルーム(イギリス、共にチームイネオス)ら総合勢が出場しているルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)が開催されているため、このグラントリティコ・ロンバルドにはグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)やジャンニ・モスコン(イタリア)&ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、共にチームイネオス)、落車で腕を痛めていたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック、セガフレード)といったストラーデビアンケからの転戦組が多く集結。UCIワールドチームとUCIプロチーム7チームずつを含む、合計21チームがレニャーノのスタート地点に顔を揃えた。
序盤には滝のような雨が降り注いだ (c)CorVos
周回をこなすヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック、セガフレード) (c)CorVos
濡れた市街地のコーナーを先頭で走るグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) (c)CorVos
この日はトップシクロクロス選手の一人でもあるクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)を含む5名が飛び出し、最大9分差でCCCチーム率いるメイン集団から逃げる展開で進んだ。灼熱のストラーデビアンケと打って変わって激しく雨が降る中、後半のアップダウンコースに向けて距離を消化していった。
トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネの名物周回コース(高低差100mの上りを含む13km)に入るとチームイネオスやトレック・セガフレードがペースアップを行い、終盤に逃げを吸収すると共にメイン集団は崩壊。ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)らを振り落としながら、30名程度の先頭グループがアタックと吸収を繰り返しながら突き進んだ。
先行グループに乗るミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス)ら (c)CorVos
精鋭グループを牽引するゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) (c)CorVos
最後から2番目の登坂区間でアタックを成功させたゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) (c)CorVos
強豪勢が揃った先頭グループから、最後から2番目の登坂で抜け出したのはゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)だった。「頂上を越えた後のダウンヒル区間は追走が難しいことを知っていたのでアタック。最後の坂だけ乗り切れば勝機があると思っていた」と言うイサギレが先行。イサギレは狙い通り後続の追随を許さず独走フィニッシュし、後方ではチームメイトのアレックス・アランブル(スペイン)が先着。アスタナがワンツーフィニッシュを成功させた。
「タフで難しい、雨に濡れたレースは決して心地良いものではなかった。最後の小集団には僕とアレックスが入り、ワンツーフィニッシュ。僕たちの結果にチーム全体が喜んでくれると思う。何人かが落車してしまったけれど、素晴らしい仕事をしてくれて、全員無事。厳しい1日の最後に、そして長く苦しい期間の後に勝利を収めることができて本当に嬉しい。土曜日にはストラーデビアンケを走り、今日はチームが与えてくれたチャンスに報いることができた。チームに感謝したい」とイサギレは語っている。
歓喜の表情でフィニッシュするゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) (c)CorVos
スプリントでファンアーヴェルマートを下したアレックス・アランブル(スペイン、アスタナ)が2位 (c)CorVos
表彰を受けるゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) (c)CorVos
「ゴルカと僕はバスクの同じサイクリングクラブ出身だ。だから僕にとって、彼と一緒に表彰台に上るのはとても特別なことなんだ。彼がアタックした後は冷静に状況を見ていたよ。ゴール勝負のために脚を貯めて2位を獲れた。最高の気分だ」と、8歳年下の"後輩"アランブルは振り返っている。



8月3日に開催されたグラントリティコ・ロンバルド(UCI1.Pro)は、新型コロナウイルスにより開催中止に追い込まれたロンバルディア州の伝統ある3レース、コッパ・ベルノッキ、コッパ・アゴスティーニ、そしてトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネの代替として初開催されたワンデーレース。パンデミック初期に猛烈な感染者数を出したロンバルディア州だが、現在感染第二波も抑えこみ国際レースを開催するまでに至った。
ベルノッキが開催されるレニャーノを出発し、アゴスティーニが開催されるリッソーネを経由し、ヴァレジーネが開催されるヴァレーゼを目指す200kmコースは、後半に登場するヴァレーゼのアップダウン周回コース(4周半)が鍵となる。なおレース名を意訳すれば「ロンバルディアの偉大な3部作」という意味を持つ。
フランスでエガン・ベルナル(コロンビア)、クリス・フルーム(イギリス、共にチームイネオス)ら総合勢が出場しているルート・ド・オクシタニー(UCI2.1)が開催されているため、このグラントリティコ・ロンバルドにはグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)やジャンニ・モスコン(イタリア)&ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、共にチームイネオス)、落車で腕を痛めていたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック、セガフレード)といったストラーデビアンケからの転戦組が多く集結。UCIワールドチームとUCIプロチーム7チームずつを含む、合計21チームがレニャーノのスタート地点に顔を揃えた。



この日はトップシクロクロス選手の一人でもあるクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)を含む5名が飛び出し、最大9分差でCCCチーム率いるメイン集団から逃げる展開で進んだ。灼熱のストラーデビアンケと打って変わって激しく雨が降る中、後半のアップダウンコースに向けて距離を消化していった。
トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネの名物周回コース(高低差100mの上りを含む13km)に入るとチームイネオスやトレック・セガフレードがペースアップを行い、終盤に逃げを吸収すると共にメイン集団は崩壊。ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)らを振り落としながら、30名程度の先頭グループがアタックと吸収を繰り返しながら突き進んだ。



強豪勢が揃った先頭グループから、最後から2番目の登坂で抜け出したのはゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)だった。「頂上を越えた後のダウンヒル区間は追走が難しいことを知っていたのでアタック。最後の坂だけ乗り切れば勝機があると思っていた」と言うイサギレが先行。イサギレは狙い通り後続の追随を許さず独走フィニッシュし、後方ではチームメイトのアレックス・アランブル(スペイン)が先着。アスタナがワンツーフィニッシュを成功させた。
「タフで難しい、雨に濡れたレースは決して心地良いものではなかった。最後の小集団には僕とアレックスが入り、ワンツーフィニッシュ。僕たちの結果にチーム全体が喜んでくれると思う。何人かが落車してしまったけれど、素晴らしい仕事をしてくれて、全員無事。厳しい1日の最後に、そして長く苦しい期間の後に勝利を収めることができて本当に嬉しい。土曜日にはストラーデビアンケを走り、今日はチームが与えてくれたチャンスに報いることができた。チームに感謝したい」とイサギレは語っている。



「ゴルカと僕はバスクの同じサイクリングクラブ出身だ。だから僕にとって、彼と一緒に表彰台に上るのはとても特別なことなんだ。彼がアタックした後は冷静に状況を見ていたよ。ゴール勝負のために脚を貯めて2位を獲れた。最高の気分だ」と、8歳年下の"後輩"アランブルは振り返っている。
グラントリティコ・ロンバルド2020結果
1位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 4:41:02 |
2位 | アレックス・アランブル(スペイン、アスタナ) | 0:27 |
3位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) | |
4位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス) | |
5位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
6位 | ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ニコラ・バジョーリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
8位 | ルイス・フェルファーク(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 0:28 |
9位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) | 0:30 |
10位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームイネオス) | 1:01 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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