2020/08/04(火) - 10:28
コロナ禍により自転車が見直されている今、サイクリングバッグを活用した自転車通勤・通学スタイルを紹介しよう。ドイツのオルトリーブが得意とする防水パニアバッグならビジネスシーンにも違和感なく、ストレスが少ないサイクルコミューティングが可能だ。
そこで考えたいのが、どんなスタイルで自転車通勤するかということ。大手自転車販売チェーン店の行ったSNSアンケートでは、圧倒的にバックパック(リュック)の利用者が多い(75%以上)という集計結果もあるが、バックパックを使った自転車通勤で気になるのは、バッグを背負う背中に汗をかくということ。夏季に一度でもバックパック通勤した人なら体験しているはずだが、シャツの背中はびしょ濡れ状態で、そのシャツでそのまま仕事にかかることはほとんど不可能だ。
バックパックは自転車のセットアップが必要なく、手軽さで選ばれているのが理由だろう。しかし背中に通気性を確保するための機能を搭載したバッグでさえ汗の問題はクリアしきれず、バイク用のメッセンジャーバッグでさえ肩のベルト部の裏が汗でびっしょりになるため快適とは言いにくい。
編集部でもサドルバッグ、バイクパッキング用バッグ、前カゴ+バッグ、リアキャリア+かばんをゴムベルトで固定するなど、あらゆるパターンの積載方法を検討してみたが、荷物はなるべく自転車に取り付け、背中(や身体)はフリーにしておくことが快適に通勤通学するコツだと言えそうだ。安定した状態で荷物をバイクに取り付けたほうが快適で、ひいては安全でもある。
編集部で様々な方法からベストを選んだ結果、安定的に荷物を積むにはキャリア+アタッチメント式バッグの組み合わせがもっとも優れているのではないかという結論に達した。その方式のなかでもっとも安定して荷物を積むことができる、バッグとセットで開発されたオルトリーブ製のパニアバッグ2タイプと専用キャリアを紹介します。なおこの製品は編集部で購入し、実際に通勤ライドで使ってテストしています。
オルトリーブのパニアバッグ ダウンタウン2 QL3.1
独自の素材と溶接製法により防水バッグのリーダー的存在となっているドイツのオルトリーブ社。機能性と耐久性に高い防水性をプラスした同社のサイクリングバッグ類は世界のサイクリストに愛される逸品になっている。
独自のコーティングを施した防水性ファブリックを、3D溶接と呼ぶ同社オリジナルの工法で溶着、曲面を持ちながらも高い防水性を実現しているオルトリーブのバッグ類。今回紹介するのはパニアバッグのカテゴリーの、ビジネスシーンでも活躍するスタイリッシュさをもつ「ダウンタウン2」というモデル。
ワンタッチでキャリアに取り付け・取り外しができるQL3.1システムを搭載しており、ビジネスや学校の場でも違和感のないデザインに仕上げられているため、通勤通学シーンで使い勝手が良いスタイリッシュなバッグだ。
バッグ内部はパソコンを収納できるパッド入りのコンパートメントや、書類、ペン類、小物を収容するポケットが備わっており、ビジネスに必要な書類や文具類をスマートに持ち運べる。容量は20Lで、教科書やランチボックス、着替えなど荷物の多い学生でもじゅうぶんこと足りる容量だろう。
バッグの表面仕上げはコーデュラとPVC素材の2モデルがあり、フラップ(ふた)の金具は1つでスライド式によるため開閉も素早くスムーズだ。また付属のショルダーストラップを用いればバッグを肩から下げることができる。バッグの前後には再帰反射プリントによる大きなリフレクターも備えている。
オルトリーブ社オリジナルの「QL(クイック・ロック)システム」。なかでもビジネスユースなどライフスタイルシーンに特化した最新の「QL3.1システム」は、キャリア側に搭載されるアタッチメントによりバッグ脱着が簡単に行えるシステムだ。下部のポイントを起点にアタッチメントの位置を合わせ、スライドさせるアクションだけで脱着が完了する。
アタッチメントはロック機能を備えており、振動や軽い衝撃程度ではバッグは脱落することがなく、ふらつきを防ぎ、安定した走行を可能にする。また、アタッチメントは様々なキャリアとの互換性を持ちあわせていて、フックの位置も細かく調整できることも特長だ。また、バッグを斜めに装着することでペダルとの距離を離し、ヒールクリアランスを確保することが可能。バッグをリリースする際はケーブルを引き上げてバッグを斜めにずらすだけで簡単に取り外すことができる。
QL3/3.1システムは、アタッチメント自体をキャリア側に搭載することでバッグ背面がフラットになり、バッグを持ち歩く際の身体への接触を軽減することに成功している。脱着の素速さとあいまってショッピングなどの日常使いやビジネス用のバッグに最適。なおQL3/3.1アタッチメントはバッグに付属品として含まれている。そして以下で紹介するRACK3キャリアをバイク側に用いれば、この付属アタッチメントは不要となる。
バイクラックRACK3(キャリア)と組み合わせる
QL3/3.1システムを搭載したアルミニウム素材のキャリアが「バイクラックRACK3」だ。QL3/3.1システム用のアタッチメント(ポッドのみ)を備え、安定したバッグの取り付けが可能になる。バッグとセットでこのキャリアを使えば、よりシンプルな構成となるためバッグの横への張り出し量が最小となり、安全性を高めることができる。
なおアタッチメントのポッドは取り外すこともでき、下で紹介するQL2/2.1システムのバッグや一般のバッグも取付けることが可能だ。
RACK3のフレームへの取り付けは4点式。フレーム側にダボ(ネジ穴/アイレット)が必要で、取り付けアームの自由度が非常に高く、ダボのあるフレームなら確実な固定が可能だ。後部にはリフレクターおよびリアライト取り付けプレートも装備している。アルミパイプによるシンプルな溶接構造で、重量は700g。
オルトリーブのQL3.1対応のパニアバッグとRACK3キャリアをセットで使えば、雨の日も安心で、バッグの安定性が高く、安全で、素速いバッグの脱着によりスマートな通勤・通学が可能になる。これからのサイクルコミューティングにもっとも勧められるセットアップだ。
”ジテツー”にはパニアバッグがオススメ
今や毎日の暮らしにおいて新型コロナウィルス感染のリスクをどう避けるかが大きな関心ごとだ。都市圏に住む人にとって、感染リスクの高い満員電車やバスなどの公共交通機関を避けることができる通勤手段として自転車の人気がどんどん高まりつつある。梅雨明けから自転車通勤の人気は一気に高まるだろう。そこで考えたいのが、どんなスタイルで自転車通勤するかということ。大手自転車販売チェーン店の行ったSNSアンケートでは、圧倒的にバックパック(リュック)の利用者が多い(75%以上)という集計結果もあるが、バックパックを使った自転車通勤で気になるのは、バッグを背負う背中に汗をかくということ。夏季に一度でもバックパック通勤した人なら体験しているはずだが、シャツの背中はびしょ濡れ状態で、そのシャツでそのまま仕事にかかることはほとんど不可能だ。
バックパックは自転車のセットアップが必要なく、手軽さで選ばれているのが理由だろう。しかし背中に通気性を確保するための機能を搭載したバッグでさえ汗の問題はクリアしきれず、バイク用のメッセンジャーバッグでさえ肩のベルト部の裏が汗でびっしょりになるため快適とは言いにくい。
編集部でもサドルバッグ、バイクパッキング用バッグ、前カゴ+バッグ、リアキャリア+かばんをゴムベルトで固定するなど、あらゆるパターンの積載方法を検討してみたが、荷物はなるべく自転車に取り付け、背中(や身体)はフリーにしておくことが快適に通勤通学するコツだと言えそうだ。安定した状態で荷物をバイクに取り付けたほうが快適で、ひいては安全でもある。
編集部で様々な方法からベストを選んだ結果、安定的に荷物を積むにはキャリア+アタッチメント式バッグの組み合わせがもっとも優れているのではないかという結論に達した。その方式のなかでもっとも安定して荷物を積むことができる、バッグとセットで開発されたオルトリーブ製のパニアバッグ2タイプと専用キャリアを紹介します。なおこの製品は編集部で購入し、実際に通勤ライドで使ってテストしています。
オルトリーブのパニアバッグ ダウンタウン2 QL3.1
独自の素材と溶接製法により防水バッグのリーダー的存在となっているドイツのオルトリーブ社。機能性と耐久性に高い防水性をプラスした同社のサイクリングバッグ類は世界のサイクリストに愛される逸品になっている。
独自のコーティングを施した防水性ファブリックを、3D溶接と呼ぶ同社オリジナルの工法で溶着、曲面を持ちながらも高い防水性を実現しているオルトリーブのバッグ類。今回紹介するのはパニアバッグのカテゴリーの、ビジネスシーンでも活躍するスタイリッシュさをもつ「ダウンタウン2」というモデル。
ワンタッチでキャリアに取り付け・取り外しができるQL3.1システムを搭載しており、ビジネスや学校の場でも違和感のないデザインに仕上げられているため、通勤通学シーンで使い勝手が良いスタイリッシュなバッグだ。
バッグ内部はパソコンを収納できるパッド入りのコンパートメントや、書類、ペン類、小物を収容するポケットが備わっており、ビジネスに必要な書類や文具類をスマートに持ち運べる。容量は20Lで、教科書やランチボックス、着替えなど荷物の多い学生でもじゅうぶんこと足りる容量だろう。
バッグの表面仕上げはコーデュラとPVC素材の2モデルがあり、フラップ(ふた)の金具は1つでスライド式によるため開閉も素早くスムーズだ。また付属のショルダーストラップを用いればバッグを肩から下げることができる。バッグの前後には再帰反射プリントによる大きなリフレクターも備えている。
オルトリーブ社オリジナルの「QL(クイック・ロック)システム」。なかでもビジネスユースなどライフスタイルシーンに特化した最新の「QL3.1システム」は、キャリア側に搭載されるアタッチメントによりバッグ脱着が簡単に行えるシステムだ。下部のポイントを起点にアタッチメントの位置を合わせ、スライドさせるアクションだけで脱着が完了する。
アタッチメントはロック機能を備えており、振動や軽い衝撃程度ではバッグは脱落することがなく、ふらつきを防ぎ、安定した走行を可能にする。また、アタッチメントは様々なキャリアとの互換性を持ちあわせていて、フックの位置も細かく調整できることも特長だ。また、バッグを斜めに装着することでペダルとの距離を離し、ヒールクリアランスを確保することが可能。バッグをリリースする際はケーブルを引き上げてバッグを斜めにずらすだけで簡単に取り外すことができる。
QL3/3.1システムは、アタッチメント自体をキャリア側に搭載することでバッグ背面がフラットになり、バッグを持ち歩く際の身体への接触を軽減することに成功している。脱着の素速さとあいまってショッピングなどの日常使いやビジネス用のバッグに最適。なおQL3/3.1アタッチメントはバッグに付属品として含まれている。そして以下で紹介するRACK3キャリアをバイク側に用いれば、この付属アタッチメントは不要となる。
バイクラックRACK3(キャリア)と組み合わせる
QL3/3.1システムを搭載したアルミニウム素材のキャリアが「バイクラックRACK3」だ。QL3/3.1システム用のアタッチメント(ポッドのみ)を備え、安定したバッグの取り付けが可能になる。バッグとセットでこのキャリアを使えば、よりシンプルな構成となるためバッグの横への張り出し量が最小となり、安全性を高めることができる。
なおアタッチメントのポッドは取り外すこともでき、下で紹介するQL2/2.1システムのバッグや一般のバッグも取付けることが可能だ。
RACK3のフレームへの取り付けは4点式。フレーム側にダボ(ネジ穴/アイレット)が必要で、取り付けアームの自由度が非常に高く、ダボのあるフレームなら確実な固定が可能だ。後部にはリフレクターおよびリアライト取り付けプレートも装備している。アルミパイプによるシンプルな溶接構造で、重量は700g。
オルトリーブのQL3.1対応のパニアバッグとRACK3キャリアをセットで使えば、雨の日も安心で、バッグの安定性が高く、安全で、素速いバッグの脱着によりスマートな通勤・通学が可能になる。これからのサイクルコミューティングにもっとも勧められるセットアップだ。
オルトリーブ ダウンタウン2 QL3.1 PS36C(コーデュラ)※写真のモデル
サイズ:H31×W40×D14cm |
容量・重量:20L/1290g |
カラー:ブラック、スチールブルー |
価格:¥26,000 |
PD620(PVC製のモデル) |
容量・重量:20L/1430g |
カラー:ブラック |
価格:¥24,000 |
バイクラックRACK3(キャリア)
対応サイズ:26/28インチ兼用 |
素材:アルミニウム |
耐荷重:30kg |
カラー:ブラック |
価格:¥13,000 |
ツーリング用バッグを自転車通勤に流用するアイデア
オルトリーブ バックローラークラシック QL2.1追加して紹介したいのがツーリング用のパニアバッグ「バックローラークラシック QL2.1」だ。オルトリーブの創業時より作り続けられているQL2.1システムを搭載したパニアバッグで、おもにリアに用いるパニアバッグだ。
バックローラークラシックは本来サイクルツーリング用途のオルトリーブ製品を代表する存在のバッグだが、新製品としてタウン使い用のインナーバッグ「コミューターインサート」が発売されたことで、通勤通学の用途にも使いまわしが利くようになったのだ。
コミューターインサートをバッグ内部に装着すれば内部空間の「間仕切り」として機能し、パソコンや書類、ペンや小物を整理して収納できるようになる。サイクルボトルにちょうどの収容スペースもあり、水筒も自立して収容することができる。パニアバッグは左右セットで販売されているが、このインナーを使ってバッグ片側のみを通勤通学用途に流用しようというアイデアだ。
バッグ背面に取り付けられた「QL2.1システム」は、上部の一体成形のレールに取付けられたフックを6mmピッチで調整でき、またキャリア径に対応するスペーサーも3種類が付属。下部のフックの固定にも工具を必要としないためシンプルな調整が可能となっている。
バッグ内部の留具はフラットタイプで収納性が良く、コミューターインサートの装着はスムーズ。下部フックの樹脂はキャリア側とバッグ側で硬度の異なる樹脂を使い分けることでキャリアの損傷リスクを軽減している。QL2.1システムはパニアバッグやバイクパッキングバッグなどに多く採用され、より高負荷・重量に耐えるため、よりヘビーデューティなツーリングが可能だ。バッグのバリエーションも多いため、週末に活躍するサイクリングバッグ類を平日にも利用したいという場合(頻度)なら、この使い方はおおいに利用価値があるだろう。
オルトリーブ バックローラークラシック QL2.1 (ペア)
サイズ:H42xW23/32xD17cm |
容量・重量:40L(ペア)/1900g |
カラー:ペトロール(新色)、オリーブ(新色)、レッド、オレンジ、アスファルト、イエロー、ブラック |
価格:¥21,000 |
コミューターインサート
サイズ:H33xW23/32xD16cm | |
重量:500g | |
価格:¥6,500 |
ブッシュ&ミュラー サイクルスター 901/2
外径:Φ60mm |
対応ハンドルバー:内径17.2〜22mm |
価格:¥2,000 |
photo&text:Makoto.AYANO
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