南仏を舞台にした4日間の「ツール・ド・ラ・プロヴァンス」。ワールドチームが多数揃う中、モンヴァントゥーステージを制したナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)が総合優勝を飾った。
シーズン初戦に臨んだアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) (c)CorVos
今季欧州初レースに臨んだナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック) (c)CorVos
プロヴァンス内陸の山岳地帯を駆け抜ける (c)CorVos
NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスのお膝元である南仏プロヴァンスで開催されたツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)。2016年の初回から数えて5回目の開催ながら、地中海に面した温暖な気候や、マルセイユを囲う山岳地帯といった好条件が揃うため、春先の調整レースとして多くのプロチームが参加する地位を確立している。
初年度と2年目は3日間、2018年からは4日間日程で開催されており、今年は“南仏の巨人”モンヴァントゥーも登場。総勢14のワールドチームと、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスを筆頭に5のプロチームを含む合計21チームが集結。ティボー・ピノとダヴィ・ゴデュ(共にフランス、グルパマFDJ)やワレン・バルギル(フランス、チーム アルケア・サムシック)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)らがシーズンインしたほか、パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)やナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)ら登坂力に秀でる選手たちが顔を揃えた。
第1ステージ 集団スプリントを制したナセル・ブアニ(フランス、チーム アルケア・サムシック) (c)CorVos
第2ステージ 残り2kmから独走したアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) (c)CorVos
開幕ステージは横風分断の危険をはらみながらも集団スプリントに持ち込まれ、早駆けしたヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)を交わしたナセル・ブアニ(フランス、チーム アルケア・サムシック)が今季2勝目をマーク。終盤に3級山岳を超え、続けざまに距離2.4km/平均勾配8%/獲得標高340mの登坂フィニッシュが用意された第2ステージでは、残り2kmでアタックしたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ)が集団を振り切って勝利。アスタナに新加入した23歳のロシア王者が総合首位に立ち、翌日のモンヴァントゥーに挑むこととなった。
迎えたモンヴァントゥーステージ。フィニッシュラインは頂上の天文観測塔下ではなく山頂から6km下の中腹に敷かれたが、14.6kmで平均7.6%という高い難易度は変わらない。キンタナをエースに据えるアルケア・サムシックがメンバー総出でペースメイクを行い、最終アシストが外れた残り7.3km地点でキンタナが動いた。
軽やかなダンシングを続けるキンタナは一瞬のうちにリードを奪い、総合首位ウラソフやルツェンコ、ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング)らを約1分半突き放してステージ優勝。コロンビアナショナル選手権の個人タイムトライアルで2位、ロードレースで4位に入っていたキンタナが、好調ぶりをアピールすると同時に総合優勝を王手を掛けた。
第3ステージ モンヴァントゥー中腹にフィニッシュするクイーンステージでナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)が勝利 (c)CorVos
第4ステージ 序盤のエスケープが6秒差で逃げ切り。オウェイン・ドゥール(イギリス、チームイネオス)がゴール勝負を制した (c)CorVos
日曜日に開催された最終ステージはパンチャーによる小集団スプリントが見込まれていたが、前半から逃げたイアン・ガリソン(アメリカ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、オウェイン・ドゥール(イギリス、チームイネオス)、マティアス・ブランドル(オーストリア、イスラエル・スタートアップネイション)、そしてロマン・コンボー(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)がメイン集団から6秒差で逃げ切り。4名のスプリント勝負を制したドゥールがチームイネオスにシーズン初勝利をもたらし、40名ほどの集団内で危なげなくフィニッシュしたキンタナが総合優勝を挙げた。
他のコロンビアンクライマーが軒並みツアー・コロンビア2.1に出場する中、フランスチームの一員としてフランスレースに挑んだキンタナが文句なしの総合優勝。「身体も良い状態。次戦に向けてもこのままコンディションを高めていけると思う。ステージ優勝と総合優勝は自分だけではなくチームにとっても大きな意味がある。開幕ステージにはナセル(ブアニ)が勝てたことはチームとして高いレベルにある証拠だ」と、フランスチームのエースとして7度目のツール・ド・フランスに挑むキンタナは語っている。
総合優勝を射止めたナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック) (c)CorVos
総合2位は積極性が光ったウラソフ。ヴァントゥーでカーシーらクライマーと共に渡り合ったカザフスタンチャンピオンのルツェンコが総合3位に入っており、層の厚さを誇るアスタナはチーム総合成績でも最上位となった。



NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスのお膝元である南仏プロヴァンスで開催されたツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)。2016年の初回から数えて5回目の開催ながら、地中海に面した温暖な気候や、マルセイユを囲う山岳地帯といった好条件が揃うため、春先の調整レースとして多くのプロチームが参加する地位を確立している。
初年度と2年目は3日間、2018年からは4日間日程で開催されており、今年は“南仏の巨人”モンヴァントゥーも登場。総勢14のワールドチームと、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスを筆頭に5のプロチームを含む合計21チームが集結。ティボー・ピノとダヴィ・ゴデュ(共にフランス、グルパマFDJ)やワレン・バルギル(フランス、チーム アルケア・サムシック)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)らがシーズンインしたほか、パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)やナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック)ら登坂力に秀でる選手たちが顔を揃えた。


開幕ステージは横風分断の危険をはらみながらも集団スプリントに持ち込まれ、早駆けしたヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)を交わしたナセル・ブアニ(フランス、チーム アルケア・サムシック)が今季2勝目をマーク。終盤に3級山岳を超え、続けざまに距離2.4km/平均勾配8%/獲得標高340mの登坂フィニッシュが用意された第2ステージでは、残り2kmでアタックしたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ)が集団を振り切って勝利。アスタナに新加入した23歳のロシア王者が総合首位に立ち、翌日のモンヴァントゥーに挑むこととなった。
迎えたモンヴァントゥーステージ。フィニッシュラインは頂上の天文観測塔下ではなく山頂から6km下の中腹に敷かれたが、14.6kmで平均7.6%という高い難易度は変わらない。キンタナをエースに据えるアルケア・サムシックがメンバー総出でペースメイクを行い、最終アシストが外れた残り7.3km地点でキンタナが動いた。
軽やかなダンシングを続けるキンタナは一瞬のうちにリードを奪い、総合首位ウラソフやルツェンコ、ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング)らを約1分半突き放してステージ優勝。コロンビアナショナル選手権の個人タイムトライアルで2位、ロードレースで4位に入っていたキンタナが、好調ぶりをアピールすると同時に総合優勝を王手を掛けた。


日曜日に開催された最終ステージはパンチャーによる小集団スプリントが見込まれていたが、前半から逃げたイアン・ガリソン(アメリカ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、オウェイン・ドゥール(イギリス、チームイネオス)、マティアス・ブランドル(オーストリア、イスラエル・スタートアップネイション)、そしてロマン・コンボー(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)がメイン集団から6秒差で逃げ切り。4名のスプリント勝負を制したドゥールがチームイネオスにシーズン初勝利をもたらし、40名ほどの集団内で危なげなくフィニッシュしたキンタナが総合優勝を挙げた。
他のコロンビアンクライマーが軒並みツアー・コロンビア2.1に出場する中、フランスチームの一員としてフランスレースに挑んだキンタナが文句なしの総合優勝。「身体も良い状態。次戦に向けてもこのままコンディションを高めていけると思う。ステージ優勝と総合優勝は自分だけではなくチームにとっても大きな意味がある。開幕ステージにはナセル(ブアニ)が勝てたことはチームとして高いレベルにある証拠だ」と、フランスチームのエースとして7度目のツール・ド・フランスに挑むキンタナは語っている。

総合2位は積極性が光ったウラソフ。ヴァントゥーでカーシーらクライマーと共に渡り合ったカザフスタンチャンピオンのルツェンコが総合3位に入っており、層の厚さを誇るアスタナはチーム総合成績でも最上位となった。
2月13日(木) 第1ステージ シャトールナール〜サント=マリー=ド=ラ=メール(149.5km)
1位 | ナセル・ブアニ(フランス、チーム アルケア・サムシック) | 3:16:35 |
2位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) | |
4位 | ピエール・バルビエ(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
5位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) |
2月14日(金) 第2ステージ オバーニュ〜ラ・シオタ(174.9km)
1位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) | 4:30:57 |
2位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:24 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | |
4位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング) | |
5位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
2月15日(土) 第3ステージ イストル〜モンヴァントゥー/シャレーレイナード(140.2km)
1位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック) | 3:36:26 |
2位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 1:28 |
3位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング) | |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) | |
5位 | エディ・ダンバー(アイルランド、チームイネオス) | 2:11 |
2月16日(日) 第4ステージ アヴィニョン〜エクサン・プロバンス((170.5km)
1位 | オウェイン・ドゥール(イギリス、チームイネオス) | 4:07:32 |
2位 | マティアス・ブランドル(オーストリア、イスラエル・スタートアップネイション) | |
3位 | イアン・ガリソン(アメリカ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:02 |
4位 | ロマン・コンボー(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
5位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:06 |
個人総合成績
1位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、チーム アルケア・サムシック) | 15:31:50 |
2位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) | 1:04 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 1:28 |
4位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング) | 1:38 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 2:16 |
その他の特別賞
ポイント賞 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) |
山岳賞 | ヨナス・コッホ(ドイツ、CCCチーム) |
ヤングライダー賞 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) |
チーム総合成績 | アスタナ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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