ツアー・コロンビアの最終クイーンスージで、今一度EFプロサイクリングの若手コロンビア勢が躍進。エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)を破ってダニエル・マルティネスがステージ優勝を飾り、区間2位のセルジオ・イギータが総合優勝。EFプロサイクリングは総合でも表彰台を独占した。
クイーンステージに向かうエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) (c)CorVos
リーダージャージを着用したセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)が登場 (c)CorVos
ツアー・コロンビア2.1 2020 第6ステージコースプロフィール (c)tourcolombiauci.comロードレースに熱狂するコロンビアを舞台に開催されてきたツアー・コロンビア2.1もいよいよ最終日。後半に標高3016mの3級山岳を越え、ダウンヒルを経て標高3290mの2級山岳頂上を目指すクイーンステージで、日曜日ということも重なりグランツールを凌ぐほどの熱狂的なファンが沿道を埋め尽くした。
レース序盤はアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)や、モビスターに唯一所属するアメリカ人選手マッテオ・ヨルゲンソンらが含まれた14名のエスケープが先行する。初日のチームタイムトライアルで圧勝しリーダーチームとなったEFプロサイクリングが集団コントロールを行い、後半の3級山岳が近くと総合4位エガン・ベルナル(コロンビア)をエースに据えるチームイネオスに取って代わった。
集団前方を固めるチームイネオスは散発的なアタックを封じ込めながら3級山岳をクリアする。最後の2級山岳に入るとセカンドエースのリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)がパンクして遅れたものの、数kmに渡る追走の末合流に成功する。合流を確認したチームイネオスが再度コントロールを始めると集団は20名以下まで絞り込まれた。
大観衆が集まった市街地をチームイネオス率いる集団が駆け抜けていく (c)CorVos
ウイリーで観客を沸かせるアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)tourcolombiauci.com
ジロ・デ・イタリア覇者カラパスがツール・ド・フランス覇者ベルナルを率いてペースメイク。ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)とロビンソン・チャラプド(コロンビア、チームメデジン)が残り5km地点から飛び出したものの強豪勢は静観し、残り3kmでのカラパス離脱を機にベルナルが加速した。
ベルナルは一瞬のうちにチャラプドらを捉えて先頭に立ったが、その後ろをEFプロサイクリングの3名(マルティネス、イギータ、カイセド)ががっちりとマークする。最終盤に入ってエクアドル王者カイセドが千切れたものの、フィニッシュ手前の緩斜面はスプリント力に秀でるイギータとマルティネスに味方した。
コロンビアンクライマーの活躍に沸く大観衆の前で、繰り下がりのヤングライダーリーダージャージを着る総合2位マルティネスがスプリントを開始する。総合首位のイギータは千切れたベルナルを確認してマルティネスを先行させ、地鳴りのような声援が響く中、EFプロサイクリングのマルティネスとイギータがワンツーフィニッシュを成し遂げた。
最終ステージを制したダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) (c)tourcolombiauci.com
2位セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)が総合優勝を決める (c)tourcolombiauci.com
ステージ2位のイギータが総合優勝を射止め、ステージ勝者マルティネスは総合2位を、14秒遅れたカイセドも総合3位をキープ。チーム内のクライマーをフルラインナップして臨んだEFプロサイクリングが初日に稼いだチームタイムトライアルのリードを削られることなく総合表彰台を独占することとなった。
「ステージレースで初めての総合優勝。全て上手くいったことを神に感謝したい。それからずっと側でサポートしてくれた家族に、従兄弟に、そしてガールフレンドにも。彼らに対して最高の恩返しになったと思う。チームはずっと僕ら3人(マルティネス、イギータ、カイセド)を信じて仕事をしてくれた。その3人が総合表彰台を独占して、チームで区間3勝もできただなんてこれ以上ない結末だ。選手の質、経験、そして若さと完璧なチーム構成で臨み、それら全てが上手く噛み合ったんだ。今日はエガンがアタックすることは目に見えていたし、彼の後ろについてステージ優勝を狙う作戦だった。ダニエルを勝たせるためのチームプレーも完璧だったよ」とワールドチーム2年目のイギータは言う。
このクイーンステージではトップ10を南米勢が独占し、区間5位のカイセド(エクアドル)以外は全てコロンビア人選手。総合成績でもカイセドと9位トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)を除く8名のコロンビア人選手がトップ10入りを果たしている。
EFプロサイクリングの若手南米クライマーが総合表彰台を独占。 (c)CorVos
総合優勝を射止めたセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) (c)tourcolombiauci.com
ベルナルのアタックにも動じず、スプリントで先行したマルティネスとイギータ、そして大会を湧かせたリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)は共に今年のツール・ド・フランスに出場予定。ツール連覇を目指てコンディションを上げていくベルナルも含め、今夏は例年にも増してコロンビア旋風が巻き起こりそうだ。



レース序盤はアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)や、モビスターに唯一所属するアメリカ人選手マッテオ・ヨルゲンソンらが含まれた14名のエスケープが先行する。初日のチームタイムトライアルで圧勝しリーダーチームとなったEFプロサイクリングが集団コントロールを行い、後半の3級山岳が近くと総合4位エガン・ベルナル(コロンビア)をエースに据えるチームイネオスに取って代わった。
集団前方を固めるチームイネオスは散発的なアタックを封じ込めながら3級山岳をクリアする。最後の2級山岳に入るとセカンドエースのリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)がパンクして遅れたものの、数kmに渡る追走の末合流に成功する。合流を確認したチームイネオスが再度コントロールを始めると集団は20名以下まで絞り込まれた。


ジロ・デ・イタリア覇者カラパスがツール・ド・フランス覇者ベルナルを率いてペースメイク。ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)とロビンソン・チャラプド(コロンビア、チームメデジン)が残り5km地点から飛び出したものの強豪勢は静観し、残り3kmでのカラパス離脱を機にベルナルが加速した。
ベルナルは一瞬のうちにチャラプドらを捉えて先頭に立ったが、その後ろをEFプロサイクリングの3名(マルティネス、イギータ、カイセド)ががっちりとマークする。最終盤に入ってエクアドル王者カイセドが千切れたものの、フィニッシュ手前の緩斜面はスプリント力に秀でるイギータとマルティネスに味方した。
コロンビアンクライマーの活躍に沸く大観衆の前で、繰り下がりのヤングライダーリーダージャージを着る総合2位マルティネスがスプリントを開始する。総合首位のイギータは千切れたベルナルを確認してマルティネスを先行させ、地鳴りのような声援が響く中、EFプロサイクリングのマルティネスとイギータがワンツーフィニッシュを成し遂げた。


ステージ2位のイギータが総合優勝を射止め、ステージ勝者マルティネスは総合2位を、14秒遅れたカイセドも総合3位をキープ。チーム内のクライマーをフルラインナップして臨んだEFプロサイクリングが初日に稼いだチームタイムトライアルのリードを削られることなく総合表彰台を独占することとなった。
「ステージレースで初めての総合優勝。全て上手くいったことを神に感謝したい。それからずっと側でサポートしてくれた家族に、従兄弟に、そしてガールフレンドにも。彼らに対して最高の恩返しになったと思う。チームはずっと僕ら3人(マルティネス、イギータ、カイセド)を信じて仕事をしてくれた。その3人が総合表彰台を独占して、チームで区間3勝もできただなんてこれ以上ない結末だ。選手の質、経験、そして若さと完璧なチーム構成で臨み、それら全てが上手く噛み合ったんだ。今日はエガンがアタックすることは目に見えていたし、彼の後ろについてステージ優勝を狙う作戦だった。ダニエルを勝たせるためのチームプレーも完璧だったよ」とワールドチーム2年目のイギータは言う。
このクイーンステージではトップ10を南米勢が独占し、区間5位のカイセド(エクアドル)以外は全てコロンビア人選手。総合成績でもカイセドと9位トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム)を除く8名のコロンビア人選手がトップ10入りを果たしている。


ベルナルのアタックにも動じず、スプリントで先行したマルティネスとイギータ、そして大会を湧かせたリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)は共に今年のツール・ド・フランスに出場予定。ツール連覇を目指てコンディションを上げていくベルナルも含め、今夏は例年にも増してコロンビア旋風が巻き起こりそうだ。
ツアー・コロンビア2.1 2020 第6ステージ結果
1位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | 4:24:09 |
2位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | 0:01 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:03 |
4位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 0:09 |
5位 | ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) | 0:14 |
6位 | ロビンソン・チャラプド(コロンビア、チームメデジン) | 0:52 |
7位 | ヘルナン・アギーレ(コロンビア、コロンビア・ティエラ・デ・アトレタス・GWビチクレタス) | 1:08 |
8位 | ディエゴ・カマルゴ(コロンビア、コロンビア・ティエラ・デ・アトレタス・GWビチクレタス) | 1:16 |
9位 | フレディ・モンターニャ(コロンビア、EPMスコット) | |
10位 | エステバン・チャベス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム) |
個人総合成績
1位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | 19:55:51 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | 0:07 |
3位 | ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) | 0:33 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:54 |
5位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 2:00 |
6位 | フレディ・モンターニャ(コロンビア、EPMスコット) | 2:35 |
7位 | エステバン・チャベス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム) | 3:08 |
8位 | ヘルナン・アギーレ(コロンビア、コロンビア・ティエラ・デ・アトレタス・GWビチクレタス) | 3:14 |
9位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム) | 3:18 |
10位 | セルジオ・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 3:21 |
その他の特別賞
ポイント賞 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、チームメデジン) |
ヤングライダー賞 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) |
チーム総合成績 | EFプロサイクリング |
text:So.Isobe
photo:CorVos,tourcolombiauci.com
photo:CorVos,tourcolombiauci.com
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