2020/02/02(日) - 08:31
シクロクロス世界選手権男子U23レースで、先頭集団に3名を送り込んだオランダ勢の中からライアン・カンプ(オランダ)が独走。カテゴリー2年目にしてキャリア初のアルカンシエルを射止めた。不調に苦しんだ織田聖は44位完走に終わった。
チームテントでウォーミングアップを行う織田聖(日本) (c)Nobuhiko.Tanabe
スタートライン最前列で集中するアントワン・ブノワ(フランス) (c)Nobuhiko.Tanabe
男子U23レースがスタート。各選手横一列で第一コーナーに突入する (c)Nobuhiko.Tanabe
上空は白い雲に覆われたものの、依然として気温13℃という暖かさの中開催された男子U23レースに出場したのは63名。日本からは今年も世界選手権に向け、厳しい欧州サーキットに身を置いてきた織田聖がU23カテゴリー最後のスタートラインに並んだ。
昨年までU23世代を支配してきたトーマス・ピッドコック(イギリス)とエリ・イゼルビッド(ベルギー)がエリートカテゴリーに移り、今まで以上に各選手の実力が拮抗しているのを象徴するかのようにレース先頭では複数名による先頭集団が形成される。スイスの大声援を味方につけるケヴィン・クーンとロリス・ルイエ(スイス)、勝率でライバルを上回るライアン・カンプ(オランダ)、アントワン・ブノワ(フランス)ら、7名が数珠繋ぎとなって進んだ。
スイスの大声援を受けるケヴィン・クーン(スイス)が先頭集団をリード (c)Nobuhiko.Tanabe
ハイペースで先頭を行くライアン・カンプ(オランダ)とアントワン・ブノワ(フランス) (c)Nobuhiko.Tanabe
スイス国旗がはためく中ケヴィン・クーン(スイス)が先頭を走る (c)Nobuhiko.Tanabe
肩に落車の痕を残す織田聖(日本) (c)Nobuhiko.Tanabe
その中で攻めの姿勢を見せたのはオランダ勢だった。カンプとピム・ロンハールがペースアップを図り、ここにスイスのクーンも加わる。この動きで数名が遅れたものの、4周目には追走していたメース・ヘンドリクス(オランダ)が追いつき、合計3名でのチームプレーが可能となったオランダが更に優位に立った。
すると、高低差のあるフライオーバーを利用してカンプがアタックする。普段パウェルズサウゼン・ビンゴールに所属し、2020年に入ってからのU23レースで5戦4勝とコンディションを上げていたU23オランダ王者が後続を振り切り独走体制に持ち込んだ。
僅か数秒後ろからはクーンが単独追走したものの、ゆっくりと、しかし着実にカンプとの差は開いていく。今シーズン何度も勝負を繰り広げてきた2人の後方では、やはりオランダのヘンドリクスとアントワン・ブノワ(フランス)が銅メダルを争った。
独走に持ち込んだライアン・カンプ(オランダ)。このフライオーバーでのアタックが勝利を分けた (c)Nobuhiko.Tanabe
単独2番手を行くケヴィン・クーン(スイス)。先頭カンプとの差は開いていった (c)Nobuhiko.Tanabe
銅メダル争いを繰り広げるメース・ヘンドリクス(オランダ)とアントワン・ブノワ(フランス) (c)Nobuhiko.Tanabe
感極まった表情でフィニッシュラインに向かうライアン・カンプ(オランダ) (c)Nobuhiko.Tanabe
最終的に、2番手クーンとの差を40秒弱まで広げたカンプ。オランダの大応援団の声援に応えつつ、涙に顔を赤らめながらフィニッシュラインへと辿り着いた。2位はクーン、3位は最終周回にブノワを切り離したヘンドリクスが入り、オランダはワンスリーフィニッシュに成功している。
「スイスとフランスが序盤から全速力でレースを進めたので本当にキツかった。その後はオランダの素晴らしいチームプレーを展開できたけれど、自分がアタックした時ですら足の感覚はなかった。オランダファンの声援にも後押しされたし、ただただ信じられない気分。U23カテゴリー2年目にも関わらず勝てたのはとても嬉しいこと」と、女子ジュニアに続く2枚目のアルカンシエルをもたらしたカンプは振り返っている。
キャリア初のアルカンシエルを射止めたライアン・カンプ(オランダ) (c)Nobuhiko.Tanabe
2列目スタートだったものの、序盤にスリップダウンを喫すなどリズムを掴めなかった織田は、トップから約7分半遅れの44位でU23最後の世界選手権を終えることとなった。
「ただただキツかった。1周目から3周目まで踏めずにズブズブと沈んでしまいました。何が原因かはよく分からないのですが、それ以降はなんとか持ち直すことができて後方でレースをできた。こちら(ベルギー)の練習環境は良いのですが、どうしても拠点が日本とフランスにあるので、準備が完璧かといえばそうではありませんでしたが、それでも現状出来ることは全てやってきました。悔しいですが終わってしまったことで、次のロードシーズンに向けて集中していきたいですね」と織田は語っている。
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上空は白い雲に覆われたものの、依然として気温13℃という暖かさの中開催された男子U23レースに出場したのは63名。日本からは今年も世界選手権に向け、厳しい欧州サーキットに身を置いてきた織田聖がU23カテゴリー最後のスタートラインに並んだ。
昨年までU23世代を支配してきたトーマス・ピッドコック(イギリス)とエリ・イゼルビッド(ベルギー)がエリートカテゴリーに移り、今まで以上に各選手の実力が拮抗しているのを象徴するかのようにレース先頭では複数名による先頭集団が形成される。スイスの大声援を味方につけるケヴィン・クーンとロリス・ルイエ(スイス)、勝率でライバルを上回るライアン・カンプ(オランダ)、アントワン・ブノワ(フランス)ら、7名が数珠繋ぎとなって進んだ。
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その中で攻めの姿勢を見せたのはオランダ勢だった。カンプとピム・ロンハールがペースアップを図り、ここにスイスのクーンも加わる。この動きで数名が遅れたものの、4周目には追走していたメース・ヘンドリクス(オランダ)が追いつき、合計3名でのチームプレーが可能となったオランダが更に優位に立った。
すると、高低差のあるフライオーバーを利用してカンプがアタックする。普段パウェルズサウゼン・ビンゴールに所属し、2020年に入ってからのU23レースで5戦4勝とコンディションを上げていたU23オランダ王者が後続を振り切り独走体制に持ち込んだ。
僅か数秒後ろからはクーンが単独追走したものの、ゆっくりと、しかし着実にカンプとの差は開いていく。今シーズン何度も勝負を繰り広げてきた2人の後方では、やはりオランダのヘンドリクスとアントワン・ブノワ(フランス)が銅メダルを争った。
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最終的に、2番手クーンとの差を40秒弱まで広げたカンプ。オランダの大応援団の声援に応えつつ、涙に顔を赤らめながらフィニッシュラインへと辿り着いた。2位はクーン、3位は最終周回にブノワを切り離したヘンドリクスが入り、オランダはワンスリーフィニッシュに成功している。
「スイスとフランスが序盤から全速力でレースを進めたので本当にキツかった。その後はオランダの素晴らしいチームプレーを展開できたけれど、自分がアタックした時ですら足の感覚はなかった。オランダファンの声援にも後押しされたし、ただただ信じられない気分。U23カテゴリー2年目にも関わらず勝てたのはとても嬉しいこと」と、女子ジュニアに続く2枚目のアルカンシエルをもたらしたカンプは振り返っている。
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2列目スタートだったものの、序盤にスリップダウンを喫すなどリズムを掴めなかった織田は、トップから約7分半遅れの44位でU23最後の世界選手権を終えることとなった。
「ただただキツかった。1周目から3周目まで踏めずにズブズブと沈んでしまいました。何が原因かはよく分からないのですが、それ以降はなんとか持ち直すことができて後方でレースをできた。こちら(ベルギー)の練習環境は良いのですが、どうしても拠点が日本とフランスにあるので、準備が完璧かといえばそうではありませんでしたが、それでも現状出来ることは全てやってきました。悔しいですが終わってしまったことで、次のロードシーズンに向けて集中していきたいですね」と織田は語っている。
シクロクロス世界選手権2020 男子U23結果
1位 | ライアン・カンプ(オランダ) | 47:53 |
2位 | ケヴィン・クーン(スイス) | 0:36 |
3位 | メース・ヘンドリクス(オランダ) | 0:52 |
4位 | アントワン・ブノワ(フランス) | 1:16 |
5位 | ピム・ロンハール(オランダ) | 1:19 |
6位 | イバン・フェイホー(スペイン) | 1:32 |
7位 | ニールス・ファンデプッテ(ベルギー) | 1:36 |
8位 | キャメロン・メイソン(イギリス) | 1:44 |
9位 | イェーレ・カンプス(ベルギー) | 2:15 |
10位 | イェントル・バカールト(ベルギー) | 2:36 |
44位 | 織田聖(日本) | 7:25 |
Text:So.Isobe
Photo:Nobuhiko.Tanabe
Photo:Nobuhiko.Tanabe
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