2019/10/09(水) - 18:58
MTBプレ五輪のプロバイク特集第2弾。今回は女子レースで圧勝したヨランダ・ネフ(スイス)のトレック Supercaliberや、女子世界王者ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)のキャニオン LUX CF SLXなど5台を取り上げます。
ヨランダ・ネフ(スイス):トレック Supercaliber
ヨランダ・ネフ(スイス)のトレック Supercaliber photo:So.Isobe
男子選手顔負けのテクニックを武器に、女子レースで圧勝したヨランダ・ネフ(スイス)。元世界王者にして現欧州王者が駆るのは、自身がPVにも登場した、フレームと一体化した60mmストロークのリアサスシステムが目を引くトレックのSupercaliber。ネフは今シーズン途中からリアユニットに目隠しをした状態でレース投入し、世界選手権で実機を披露するなど注目を集めていた。
トレックファクトリーレーシングのチームカラーにペイントされたフレームに組み合わせるのはスラムのXX1 Eagle AXS。市販品とは異なる削り出しのチェーンリング歯数は32Tで、クォークのパワーメーターをセットしている。MRPのチェーンガイドを取り付けていることもポイントだ。
コンポーネントはスラムのXX1 Eagle AXS photo:So.Isobe
チェーンリング歯数は32T。他選手も使う一般未発売品だ photo:So.Isobe
各種ボルトはチタン製。オイルスリックカラーが目を引く
AXSのバッテリーにはネームシールが貼られていた photo:So.Isobe
ホイールはボントレガーのKOVEE XXX。タイヤはXR3(前)とXR1(後)を組み合わせていた photo:So.Isobe
先述の通りリアのIsoStrut(アイソストラット)は60mmで、フォーク(ロックショックスのSID Ultimate)は100mm。同じくロックショックスの電動ドロッパーシートポスト(Reverb AXS)を使用し、ほとんどの下りセクションで活用していた。
ホイールはボントレガーのKOVEE XXXで、タイヤはフロントがトレイルライド用のXR3 Team Issue TLRで、リアがXCレース用のXR1 Team Issue TLR(前後共2.20インチ)という変則的な組み合わせを用いていた。ペダルはクランクブラザースのEggbeater 11で、グリップはESIのChunky。ハンドル周りやブレーキキャリパーにオイルスリックカラーのチタンボルトを使っている点も印象的だった。
ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス):キャニオン LUX CF SLX
ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)のキャニオン LUX CF SLX photo:So.Isobe
1周目の落車で鼻を折るという災難に見舞われたものの、世界王者としての存在感を十分に披露したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)。バイクはキャニオンのフルサスモデル「LUX CF SLX」で、アルカンシエルカラーの記念バイクは今回のプレ大会が初披露となった。
コンポーネントはスラムのXX1 Eagle AXS。タイムのATAC XC 12ペダルを使う photo:So.Isobe
チェーンリングの歯数はネフと同じく32T photo:So.Isobe
タイヤはシュワルベのRACING RALPH photo:So.Isobe
アルカンシエルカラーのフレームはプレ大会が初披露の場となった photo:So.Isobe
コンポーネントはスラムのXX1 Eagle AXSで、32Tのチェーンリングとクォークのパワーメーターを組み合わせている。フォークはロックショックスのSID Ultimate(100mm)、ショックはSuper Deluxe RL、ネフと同じく電動ドロッパーシートポスト(Reverb AXS)を使用し、サドルはエルゴン。
ホイールはフレンチブランドの「デュークレーシングホイール」が手がけるアルミリム「LUCKY STAR HD 6TERS」を使用しており、タイヤはシュワルベのRACING RALPH。ペダルはタイムのATAC XC 12だ。
マキシム・マロット(フランス):キャノンデール SCALPEL-SI HI-MOD
マキシム・マロット(フランス)のキャノンデール SCALPEL-SI HI-MOD photo:So.Isobe
ハンドル位置を下げるためにトップキャップは使用しない。ベアリングはむき出し状態だ photo:So.Isobe
ハンドル周りはエンヴィ。プロロゴのグリップを使用する photo:So.Isobe
過去2度フランスナショナル王者に輝き、2016年のリオ五輪では4位に入っているマキシム・マロット(フランス)。普段はキャノンデール・ファクトリーレーシングに所属し、バイクは同フルサスモデルのSCALPEL-SI HI-MOD。先の世界選手権と翌週のワールドカップ最終戦ではフランスカラーのスペシャルバイクに乗っていたが、今回はシーズン中長く使用したホワイト+ブラックのバイクを使用した。
コンポーネントはワールドカッパーの中では少数派のシマノXTR(機械式)。フロントチェーンリングは34Tで、ステージスのパワーメーター(左側計測タイプ)を組み合わせている。フォークは100mmトラベルのLefty Ocho Carbonで、ショックはフォックスのFloat Factory DPS EVOL(100mm)。
マロットはドロッパーポストを使用する一人。バイクヨークのDIVINE SLがセットされていた photo:So.Isobe
キャノンデールのオリジナリティ溢れるLefty Ocho Carbon photo:So.Isobe
コンポーネントはシマノXTR M9100。チェーンリング歯数は34T photo:So.Isobe
ステージスのパワーメーターをセットしたXTRの左クランク photo:So.Isobe
エンヴィがサプライヤーを務めており、リムとハンドル、ステムは同ブランドで固められている。M525カーボンリムにはLefty専用品(前)とDTスイスのハブを組み合わせていた。ヘッドのトップキャップを取り外してハンドル位置を下げているのはいかにもプロ選手らしいポイントだ。
ドロッパーポストはバイクヨークのDIVINE SLで、サドルとグリップはプロロゴ。タイヤはシュワルベで、プレ五輪ではTHUNDER BURTをセットしていた。
クロエ・ウッドラフ(アメリカ):ピボット MACH 4 SL
クロエ・ウッドラフ(アメリカ)のピボット MACH 4 SL photo:So.Isobe
コンポーネントはシマノXTR M9100シリーズ photo:So.Isobe
スタンズのPODIUM SRDホイールにマキシスのASPEN(2.25インチ)をセット photo:So.Isobe
現全米女子王者であり、2016年のリオ五輪では11位に入ったクロエ・ウッドラフ(アメリカ)。バイクはピボットのフルサスモデル「MACH 4 SL」で、フォックスの電子制御サスペンションシステム「Live Valve」を取り付けていることが一番の特徴だ。
2018年にデビューしたLive Valveシステムは、フォークとリアアームに取り付けたリアクションセンサーから得た情報をコントローラーが解析し、フォークとショックの微調整を行うシステム。ピボットのファクトリーチームがLive Valveの開発に携わっている模様で、2020の完成車にも搭載されている。
フォックスの電子制御サスペンションシステム「Live Valve」を実戦投入している photo:So.Isobe
ドロッパーシートポストはフォックスのTransfer photo:So.Isobe
ハンドル周りはPROのTHARSISシリーズで統一 photo:So.Isobe
コンポーネントはクランクやペダルも含めてシマノXTR M9100シリーズ(機械式)で統一され、チェーンリングの歯数は32T。フォックスのTransferドロッパーシートポストを使用している。ホイールはスタンズのPODIUM SRDで、タイヤはマキシス。取材時には前後にASPENをセットしていた。ハンドルやステム、サドルはPRO。
エリン・ハック(アメリカ):スコット SPARK RC
エリン・ハック(アメリカ)のスコット SPARK RC photo:So.Isobe
フォークはフォックスの32 Float SC Factory。ホイールはスタンズのPODIUM SRDだ photo:So.Isobe
チームカラーのファブリック SCOOPサドルを使用する。ドロッパーシートポストはフォックスのTransferだ photo:So.Isobe
2016年の全米王者であり、2017年にはパンアメリカ王者に輝いた経歴を持つベテラン、エリン・ハック(アメリカ)。バイクはスコットのSPARK RCで、コンポーネントはシマノXTR M9100シリーズ(機械式)。ただしクランクのみ、M9100クランクの生産体制が追いつかなかった時期に現れたFC-MT900をセットしていた。
フォークはフォックスの32 Float SC Factoryで、ショックは同Float DPS Factory。フォックスのドロッパーシートポスト(Transfer)を使用し、チームカラーのロゴをあしらったファブリック SCOOPサドルを取り付けている。ホイールはスタンズのPODIUM SRDで、タイヤはマキシス。取材時には前にASPEN、後にIKONという組み合わせを用いてた。
コンポーネントはシマノXTR M9100シリーズ photo:So.Isobe
クランクセットはFC-MT900を使用していた photo:So.Isobe
FC-MT900の左クランクにはステージスのパワーメーターがセットされていた photo:So.Isobe
text:So.Isobe
ヨランダ・ネフ(スイス):トレック Supercaliber

男子選手顔負けのテクニックを武器に、女子レースで圧勝したヨランダ・ネフ(スイス)。元世界王者にして現欧州王者が駆るのは、自身がPVにも登場した、フレームと一体化した60mmストロークのリアサスシステムが目を引くトレックのSupercaliber。ネフは今シーズン途中からリアユニットに目隠しをした状態でレース投入し、世界選手権で実機を披露するなど注目を集めていた。
トレックファクトリーレーシングのチームカラーにペイントされたフレームに組み合わせるのはスラムのXX1 Eagle AXS。市販品とは異なる削り出しのチェーンリング歯数は32Tで、クォークのパワーメーターをセットしている。MRPのチェーンガイドを取り付けていることもポイントだ。





先述の通りリアのIsoStrut(アイソストラット)は60mmで、フォーク(ロックショックスのSID Ultimate)は100mm。同じくロックショックスの電動ドロッパーシートポスト(Reverb AXS)を使用し、ほとんどの下りセクションで活用していた。
ホイールはボントレガーのKOVEE XXXで、タイヤはフロントがトレイルライド用のXR3 Team Issue TLRで、リアがXCレース用のXR1 Team Issue TLR(前後共2.20インチ)という変則的な組み合わせを用いていた。ペダルはクランクブラザースのEggbeater 11で、グリップはESIのChunky。ハンドル周りやブレーキキャリパーにオイルスリックカラーのチタンボルトを使っている点も印象的だった。
ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス):キャニオン LUX CF SLX

1周目の落車で鼻を折るという災難に見舞われたものの、世界王者としての存在感を十分に披露したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)。バイクはキャニオンのフルサスモデル「LUX CF SLX」で、アルカンシエルカラーの記念バイクは今回のプレ大会が初披露となった。




コンポーネントはスラムのXX1 Eagle AXSで、32Tのチェーンリングとクォークのパワーメーターを組み合わせている。フォークはロックショックスのSID Ultimate(100mm)、ショックはSuper Deluxe RL、ネフと同じく電動ドロッパーシートポスト(Reverb AXS)を使用し、サドルはエルゴン。
ホイールはフレンチブランドの「デュークレーシングホイール」が手がけるアルミリム「LUCKY STAR HD 6TERS」を使用しており、タイヤはシュワルベのRACING RALPH。ペダルはタイムのATAC XC 12だ。
マキシム・マロット(フランス):キャノンデール SCALPEL-SI HI-MOD



過去2度フランスナショナル王者に輝き、2016年のリオ五輪では4位に入っているマキシム・マロット(フランス)。普段はキャノンデール・ファクトリーレーシングに所属し、バイクは同フルサスモデルのSCALPEL-SI HI-MOD。先の世界選手権と翌週のワールドカップ最終戦ではフランスカラーのスペシャルバイクに乗っていたが、今回はシーズン中長く使用したホワイト+ブラックのバイクを使用した。
コンポーネントはワールドカッパーの中では少数派のシマノXTR(機械式)。フロントチェーンリングは34Tで、ステージスのパワーメーター(左側計測タイプ)を組み合わせている。フォークは100mmトラベルのLefty Ocho Carbonで、ショックはフォックスのFloat Factory DPS EVOL(100mm)。




エンヴィがサプライヤーを務めており、リムとハンドル、ステムは同ブランドで固められている。M525カーボンリムにはLefty専用品(前)とDTスイスのハブを組み合わせていた。ヘッドのトップキャップを取り外してハンドル位置を下げているのはいかにもプロ選手らしいポイントだ。
ドロッパーポストはバイクヨークのDIVINE SLで、サドルとグリップはプロロゴ。タイヤはシュワルベで、プレ五輪ではTHUNDER BURTをセットしていた。
クロエ・ウッドラフ(アメリカ):ピボット MACH 4 SL



現全米女子王者であり、2016年のリオ五輪では11位に入ったクロエ・ウッドラフ(アメリカ)。バイクはピボットのフルサスモデル「MACH 4 SL」で、フォックスの電子制御サスペンションシステム「Live Valve」を取り付けていることが一番の特徴だ。
2018年にデビューしたLive Valveシステムは、フォークとリアアームに取り付けたリアクションセンサーから得た情報をコントローラーが解析し、フォークとショックの微調整を行うシステム。ピボットのファクトリーチームがLive Valveの開発に携わっている模様で、2020の完成車にも搭載されている。



コンポーネントはクランクやペダルも含めてシマノXTR M9100シリーズ(機械式)で統一され、チェーンリングの歯数は32T。フォックスのTransferドロッパーシートポストを使用している。ホイールはスタンズのPODIUM SRDで、タイヤはマキシス。取材時には前後にASPENをセットしていた。ハンドルやステム、サドルはPRO。
エリン・ハック(アメリカ):スコット SPARK RC



2016年の全米王者であり、2017年にはパンアメリカ王者に輝いた経歴を持つベテラン、エリン・ハック(アメリカ)。バイクはスコットのSPARK RCで、コンポーネントはシマノXTR M9100シリーズ(機械式)。ただしクランクのみ、M9100クランクの生産体制が追いつかなかった時期に現れたFC-MT900をセットしていた。
フォークはフォックスの32 Float SC Factoryで、ショックは同Float DPS Factory。フォックスのドロッパーシートポスト(Transfer)を使用し、チームカラーのロゴをあしらったファブリック SCOOPサドルを取り付けている。ホイールはスタンズのPODIUM SRDで、タイヤはマキシス。取材時には前にASPEN、後にIKONという組み合わせを用いてた。



text:So.Isobe
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