ウェーグマンが大会2連覇を達成　4度目の出場の土井雪広はDNF

2010年5月1日、ドイツで第48回エシュボルン・フランクフルト（UCI1.HC）が開催され、地元ドイツチーム所属のドイツ人選手ファビアン・ウェーグマン（チームミルラム）が優勝。見事大会2連覇を達成した。4度目の出場となった土井雪広（日本、スキル・シマノ）はアシストとして力を尽くし、DNFに終わった。

献身的に集団のペースを上げるニキ・テルプストラ（オランダ、チームミルラム） photo:Cor Vosエシュボルン・フランクフルトは、その名の通りドイツ西部のフランクフルト近郊で行なわれるワンディレース。201kmのコースには合計10カ所の上りが設定されている。中でも名物なのが、合計2回通過する激坂マンモルスハイン（最大勾配26%）だ。

レースは序盤から地元ドイツのコンチネンタルチーム所属選手が積極的に逃げ、一時的に6名が4分のリード。しかしレース中盤に逃げグループは吸収されてしまい、ここから再びアタック合戦開始。幾つもの上りを進むにつれて、集団は徐々に人数を減らした。

上りでアタックするファビアン・ウェーグマン（ドイツ、チームミルラム） photo:Cor Vosマッテーオ・カラーラ（イタリア、ヴァカンソレイユ）やエフゲニー・ペトロフ（ロシア、カチューシャ）がアタックを仕掛けたが逃げ切れず。やがて先頭では14名のグループが形成され、遅れて集団から飛び出したウェーグマンらがこれに合流。メイン集団の選手たちはタイムオーバーで失格となった。

最後はこの小集団でのスプリント勝負に持ち込まれ、ディフェンディングチャンピオンのウェーグマンが先頭でフィニッシュ。持ち前の登坂力とスプリント力を活かし、大会連覇を達成した。

Vサインでゴールするファビアン・ウェーグマン（ドイツ、チームミルラム） photo:Cor Vos「これ以上の喜びは無いよ。昨年の大会で優勝したのはまるで夢のようだった。そして今年再び優勝。本当に信じられない気分だ。チームメイトのおかげで有利な展開に持ち込めたんだ。ニキ・テルプストラとクリスティアン・クネースは自らを犠牲にする走りで僕の優勝に貢献してくれた。スプリントに向けて好位置をキープ出来たのは彼らのおかげだ」。表彰台で歓喜の表情を浮かべるウェーグマンはそう語った。

ウェーグマンは今シーズン初勝利。スポンサー撤退が決まっているチームにとって、このドイツレースでの勝利は大きな意味があるはず。チームマネージャーのゲリー・ファンヘルヴェン氏は「これはチームにとって非常に重要な大会連覇だ。彼らの走りは本当に素晴らしかった」とメンバーの走りを讃えた。

2年連続で表彰台の頂点に立ったファビアン・ウェーグマン（ドイツ、チームミルラム） photo:Cor Vosこの日の完走者は僅かに28名。レース前半からアシストとしてチームの走りに貢献した土井雪広（スキル・シマノ）は、ウェーグマンらのアタックに反応出来ず。フィリッポ・ポッツァート（イタリア、カチューシャ）やトニ・マルティン（ドイツ、チームHTC・コロンビア）とともにタイムオーバーでリタイアとなった。

土井は自身のブログの中で「今日は前半動いて疲れはあるのだけど、結果的には全然出し切れずに終わってしまった。チームとしてはエースのシモン（ゲスク）が10位に入って結果的には大成功。でも僕も最後まで出し切りたかったって言うのが本音です」と語っている。

シーズン前半を闘い終えた土井は、しばらくの休養期間に入る。5月下旬に再び動き始め、6月22日に帰国してロード全日本選手権に出場する予定だ。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはチーム公式サイトより。

エシュボルン・フランクフルト2010結果
1位　ファビアン・ウェーグマン（ドイツ、チームミルラム）　　　　　　4h53'22"
2位　ヘールト・フェルヘーイェン（ベルギー、ランドバウクレジット）
3位　バート・シェイリンクス（ベルギー、ランドバウクレジット）
4位　マルコ・マルカート（イタリア、ヴァカンソレイユ）
5位　ルーカ・マッツァンティ（イタリア、カチューシャ）
6位　ギヨーム・ルヴァルレ（フランス、ソール・ソジャサン）
7位　カルロ・スコニャミッリオ（イタリア、ISD・ネーリ）
8位　ディルク・ベレマケルス（オランダ、ランドバウクレジット）
9位　ワウテル・ポエルス（オランダ、 ヴァカンソレイユ）
10位　サイモン・ゲスク（ドイツ、スキル・シマノ）
DNF　土井雪広（日本、スキル・シマノ）

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos