2019/09/16(月) - 05:40
第74回ブエルタ・ア・エスパーニャが終着地マドリードに到着。新城幸也(バーレーン・メリダ)が15位に入った最終スプリントでファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が2勝目を飾り、プリモシュ・ログリッチェ(ユンボ・ヴィズマ)が総合優勝に輝いた。
3週間にわたるマイヨロホ争いを終えた153名の選手たち(完走率87%)がマドリード郊外のフエンラブラダに集まり、終着地マドリードに向かってパレード走行を開始したのは午後5時すぎ。プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)をはじめとする各賞ジャージ着用者たちが乾杯しながら、互いの健闘を祝福しながらゆったりとマドリードを目指した。レース中にプロポーズしたヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH)はチームカーに乗る彼女から良い返事をもらっている。
ユンボ・ヴィズマを先頭に恒例のマドリード市街地周回コースに入るとアタックの号砲が鳴る。そこから選手たちはシベレス広場を中心にした5.8kmのT字型周回コースを9周。ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)とディエゴ・ルビオ(スペイン、ブルゴスBH)の2人がメイン集団から20秒程度のリードを得て逃げたが、3週間の戦いを勝利で締めくくりたいスプリンターチームの集団牽引によってタイム差は広がらなかった。
ボーラ・ハンスグローエ、ドゥクーニンク・クイックステップ、UAEチームエミレーツを中心にした牽引によって最終周回を前にメイン集団は逃げをキャッチ。3つのUターンコーナーを含むにもかかわらず、スプリンターチーム率いるメイン集団は平均スピード53km/hで最終周回を駆け抜けている。
80km/h近いスピードで位置どりしたメイン集団が残り1kmアーチ手前の最終Uターンを曲がって最終ストレートへ。先頭に立ったトレック・セガフレードからドゥクーニンク・クイックステップが主導権を奪い返し、ゼネク・スティバル(チェコ)、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)の順でファビオ・ヤコブセン(オランダ)を解き放った。
先頭でスプリントに持ち込んだヤコブセンに対し、番手につけていたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)は塞がれる形でスプリント開始が出遅れた。残り100mからベネットが加速してヤコブセンに並び、両者揃ってハンドルを投げ込んでフィニッシュ。僅差でヤコブセンが先着した。
「今日は自分でスプリントする予定でした」という新城幸也(バーレーン・メリダ)はマックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)の番手からスプリントに持ち込んだ。しかし「勝利を狙うのは久々でした。でも最後は残り50mを踏み抜けなかった」と語る新城は16番手でフィニッシュラインを切った。その後、リケーゼが降格処分を受けたため新城のリザルトはステージ15位に訂正されている。
「残り1kmからのポジション争いは壮絶だった。残り700mでトレックが先頭に立って、その後ろにマックス(リケーゼ)が入り、振り返るとサム・ベネットがそこにいた。彼の最後の追い込みが鋭いことが分かっていたので、できるだけ長く待ってから全力でスプリントしたんだ」と、第4ステージに続く今大会2勝目を飾った23歳は語る。
ドゥクーニンク・クイックステップは今大会ステージ5勝目。初めて挑んだグランツールで成功を収めたヤコブセンは「マドリードにたどり着けるかどうかも自信がなかった。初めてのグランツールであり、とても苦しんだよ。気持ちを和らげてくれたステージ1勝目に続く2勝目で月にも昇る気分。夢が叶ったよ。この勝利で世界トップ10のスプリンターに仲間入りしてもいいんじゃないかと思う」と語っている。
そして総合優勝のタイトルはログリッチェの手に。チームメイトたちと勝利を喜びながらフィニッシュしたログリッチェは「ブエルタを制することができて最高の気持ち。しかも同じスロベニア出身者と一緒に総合表彰台に上るなんて。この勝利で歴史に名前を刻むことができたと思う」とコメント。暮れ行くマドリードの空に、グランツール史上初めてスロベニア国歌が響き渡った。
ログリッチェは総合優勝だけでなくポイント賞も獲得。山岳賞はジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)、ヤングライダー賞は総合3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の手に渡っている。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)を総合2位に導きながらも総合優勝を逃したモビスターはジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに続くチーム総合成績トップ。後半の山岳ステージで連日アタックしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)は総合敢闘賞を獲得している。
3週間にわたるマイヨロホ争いを終えた153名の選手たち(完走率87%)がマドリード郊外のフエンラブラダに集まり、終着地マドリードに向かってパレード走行を開始したのは午後5時すぎ。プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)をはじめとする各賞ジャージ着用者たちが乾杯しながら、互いの健闘を祝福しながらゆったりとマドリードを目指した。レース中にプロポーズしたヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH)はチームカーに乗る彼女から良い返事をもらっている。
ユンボ・ヴィズマを先頭に恒例のマドリード市街地周回コースに入るとアタックの号砲が鳴る。そこから選手たちはシベレス広場を中心にした5.8kmのT字型周回コースを9周。ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)とディエゴ・ルビオ(スペイン、ブルゴスBH)の2人がメイン集団から20秒程度のリードを得て逃げたが、3週間の戦いを勝利で締めくくりたいスプリンターチームの集団牽引によってタイム差は広がらなかった。
ボーラ・ハンスグローエ、ドゥクーニンク・クイックステップ、UAEチームエミレーツを中心にした牽引によって最終周回を前にメイン集団は逃げをキャッチ。3つのUターンコーナーを含むにもかかわらず、スプリンターチーム率いるメイン集団は平均スピード53km/hで最終周回を駆け抜けている。
80km/h近いスピードで位置どりしたメイン集団が残り1kmアーチ手前の最終Uターンを曲がって最終ストレートへ。先頭に立ったトレック・セガフレードからドゥクーニンク・クイックステップが主導権を奪い返し、ゼネク・スティバル(チェコ)、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)の順でファビオ・ヤコブセン(オランダ)を解き放った。
先頭でスプリントに持ち込んだヤコブセンに対し、番手につけていたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)は塞がれる形でスプリント開始が出遅れた。残り100mからベネットが加速してヤコブセンに並び、両者揃ってハンドルを投げ込んでフィニッシュ。僅差でヤコブセンが先着した。
「今日は自分でスプリントする予定でした」という新城幸也(バーレーン・メリダ)はマックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)の番手からスプリントに持ち込んだ。しかし「勝利を狙うのは久々でした。でも最後は残り50mを踏み抜けなかった」と語る新城は16番手でフィニッシュラインを切った。その後、リケーゼが降格処分を受けたため新城のリザルトはステージ15位に訂正されている。
「残り1kmからのポジション争いは壮絶だった。残り700mでトレックが先頭に立って、その後ろにマックス(リケーゼ)が入り、振り返るとサム・ベネットがそこにいた。彼の最後の追い込みが鋭いことが分かっていたので、できるだけ長く待ってから全力でスプリントしたんだ」と、第4ステージに続く今大会2勝目を飾った23歳は語る。
ドゥクーニンク・クイックステップは今大会ステージ5勝目。初めて挑んだグランツールで成功を収めたヤコブセンは「マドリードにたどり着けるかどうかも自信がなかった。初めてのグランツールであり、とても苦しんだよ。気持ちを和らげてくれたステージ1勝目に続く2勝目で月にも昇る気分。夢が叶ったよ。この勝利で世界トップ10のスプリンターに仲間入りしてもいいんじゃないかと思う」と語っている。
そして総合優勝のタイトルはログリッチェの手に。チームメイトたちと勝利を喜びながらフィニッシュしたログリッチェは「ブエルタを制することができて最高の気持ち。しかも同じスロベニア出身者と一緒に総合表彰台に上るなんて。この勝利で歴史に名前を刻むことができたと思う」とコメント。暮れ行くマドリードの空に、グランツール史上初めてスロベニア国歌が響き渡った。
ログリッチェは総合優勝だけでなくポイント賞も獲得。山岳賞はジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール)、ヤングライダー賞は総合3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の手に渡っている。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)を総合2位に導きながらも総合優勝を逃したモビスターはジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに続くチーム総合成績トップ。後半の山岳ステージで連日アタックしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)は総合敢闘賞を獲得している。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第21ステージ結果
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 2:48:20 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | シュモン・サイノク(ポーランド、CCCチーム) | |
4位 | ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | |
5位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
6位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
7位 | トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル) | |
8位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
9位 | マルク・サロー(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット) | |
15位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 83:07:31 |
2位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:02:16 |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:02:38 |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:03:29 |
5位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:04:31 |
6位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:07:16 |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:09:47 |
8位 | カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) | 0:12:54 |
9位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:22:10 |
10位 | ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) | 0:22:17 |
ポイント賞
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 155pts |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 136pts |
3位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 134pts |
山岳賞
1位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール) | 76pts |
2位 | アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH) | 44pts |
3位 | セルジオ・サミティエル(スペイン、エウスカディ・ムリアス) | 42pts |
ヤングライダー賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 83:10:09 |
2位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:01:53 |
3位 | ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:20:14 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 248:26:24 |
2位 | アスタナ | 0:51:38 |
3位 | ユンボ・ヴィズマ | 2:04:33 |
text:Kei Tsuji in Madrid, Spain
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