2019/08/25(日) - 09:01
8月24日にスペイン南東部バレンシア州で開幕した第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ。初日のチームタイムトライアルは、優勝候補のユンボ・ヴィズマが落車で失速する中、最速タイムを記録したアスタナがミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)をマイヨロホ着用へと導いた。
ブエルタ初日は地中海に面した観光地トレビエハを駆け抜ける13.4kmのチームタイムトライアル(チームTT)。2018年は9年ぶりにチームTTではなく個人TTで開幕したが、2019年は再びチームメンバー8名が一斉に走り、4番目にフィニッシュした選手のタイムがチームの成績に反映されるチーム戦に戻された。
午後6時56分、太陽がすっかりと西に傾き、影が横に長く伸びる夕刻のトレビエハを4分ごとに22チームがスタートしていく。名産品の塩が積み上げられた塩山の間を駆け出し、トレビエハ市内を駆け抜けて海に突き出た港にフィニッシュする13.4kmコース。ステージ高低図は真っ平らに見えるが、実際には高低差30mほどの登りが3ヶ所ある。
前半スタートのEFエデュケーションファーストが暫定トップタイムを出し、これをサンウェブが更新してレースは後半へ。中間計測ポイントでトップタイムをマークした16番手スタートのアスタナは、後半にかけてもペースを落とすことなく6名でフィニッシュラインに到着した。最後はミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が単独で飛び出す形でフィニッシュすると、タイム掲示は14分51秒で止まった。
どのチームもアスタナのタイムを更新できない状況が続く中、ツール・ド・フランスのチームTTを制し、TTを得意とするオールラウンダーをずらりと揃えた優勝候補のユンボ・ヴィズマが20番手でスタートを切る。しかしオランダチームは前半からメカトラでセップ・クス(アメリカ)を失い、さらにコース中盤の左コーナーで隊列の前方を走る4名がスリップダウン。落車によって破れたビブショーツから血がにじむプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)を含むメンバーでフィニッシュまで走りきったが、アスタナから40秒遅れのステージ18位という結果に終わった。
21番手スタートのドゥクーニンク・クイックステップは後半にかけて大きくペースを上げる走りを見せたが、落車した選手をケアするためにコース上に止まっていた前走者ユンボ・ヴィズマのチームカーを避けなければならないトラブルもあり、最終的にアスタナに2秒届かずステージ2位に。最終走者モビスターが16秒差のステージ7位でレースを終えたところで、平均スピード54.141km/hで13.4kmコースを駆け抜けたアスタナのステージ優勝ならびにロペスのマイヨロホ獲得が決まった。
モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が公開しているデータを見ると、平均スピードは52.5km/hで最高スピードは72.7km/h(後半の下り&追い風区間で記録)。平均出力は386Wだった(体重61kg)。
「チーム全体に感謝したい。メンバー全員の努力が勝利につながった。誰が先頭でフィニッシュするかは決めていなかったけど、最終コーナーを抜けたところで前を走るゴルカ(イサギレ)が交代したので自分が先頭に出た。チームとして過去数年間TTの走りの改善に努めてきたので、この勝利を喜びたい」と、自身初のマイヨロホでブエルタをスタートさせたロペス。ヤングライダー賞候補でもある25歳のロペスはこれまで5回グランツールに出場し、2017年ブエルタ総合8位、2018年ジロ・デ・イタリア総合3位、同年ブエルタ総合3位、2019年ジロ総合7位という成績を残している。
ロペスはツール・ド・スイスやボルタ・ア・カタルーニャでの総合優勝経験はあるが、グランツールでリーダージャージに袖を通すのはこれが初めて。「マイヨロホが早速手に入ったけど、冷静さを保ちながら走り続けたい。アスタナにはサポート力抜群のアシスト陣が揃っている」と、ロペスは最終的な総合優勝を見据えている。
落車しながらも遅れを40秒に抑え込んだユンボ・ヴィズマを含め、20チームがタイム差1分以内でフィニッシュした。ユンボ・ヴィズマと同じコーナーでメンバー全員が落車したUAEチームエミレーツは初日から1分07秒の遅れを被っている。
ブエルタ初日は地中海に面した観光地トレビエハを駆け抜ける13.4kmのチームタイムトライアル(チームTT)。2018年は9年ぶりにチームTTではなく個人TTで開幕したが、2019年は再びチームメンバー8名が一斉に走り、4番目にフィニッシュした選手のタイムがチームの成績に反映されるチーム戦に戻された。
午後6時56分、太陽がすっかりと西に傾き、影が横に長く伸びる夕刻のトレビエハを4分ごとに22チームがスタートしていく。名産品の塩が積み上げられた塩山の間を駆け出し、トレビエハ市内を駆け抜けて海に突き出た港にフィニッシュする13.4kmコース。ステージ高低図は真っ平らに見えるが、実際には高低差30mほどの登りが3ヶ所ある。
前半スタートのEFエデュケーションファーストが暫定トップタイムを出し、これをサンウェブが更新してレースは後半へ。中間計測ポイントでトップタイムをマークした16番手スタートのアスタナは、後半にかけてもペースを落とすことなく6名でフィニッシュラインに到着した。最後はミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が単独で飛び出す形でフィニッシュすると、タイム掲示は14分51秒で止まった。
どのチームもアスタナのタイムを更新できない状況が続く中、ツール・ド・フランスのチームTTを制し、TTを得意とするオールラウンダーをずらりと揃えた優勝候補のユンボ・ヴィズマが20番手でスタートを切る。しかしオランダチームは前半からメカトラでセップ・クス(アメリカ)を失い、さらにコース中盤の左コーナーで隊列の前方を走る4名がスリップダウン。落車によって破れたビブショーツから血がにじむプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)を含むメンバーでフィニッシュまで走りきったが、アスタナから40秒遅れのステージ18位という結果に終わった。
21番手スタートのドゥクーニンク・クイックステップは後半にかけて大きくペースを上げる走りを見せたが、落車した選手をケアするためにコース上に止まっていた前走者ユンボ・ヴィズマのチームカーを避けなければならないトラブルもあり、最終的にアスタナに2秒届かずステージ2位に。最終走者モビスターが16秒差のステージ7位でレースを終えたところで、平均スピード54.141km/hで13.4kmコースを駆け抜けたアスタナのステージ優勝ならびにロペスのマイヨロホ獲得が決まった。
モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が公開しているデータを見ると、平均スピードは52.5km/hで最高スピードは72.7km/h(後半の下り&追い風区間で記録)。平均出力は386Wだった(体重61kg)。
「チーム全体に感謝したい。メンバー全員の努力が勝利につながった。誰が先頭でフィニッシュするかは決めていなかったけど、最終コーナーを抜けたところで前を走るゴルカ(イサギレ)が交代したので自分が先頭に出た。チームとして過去数年間TTの走りの改善に努めてきたので、この勝利を喜びたい」と、自身初のマイヨロホでブエルタをスタートさせたロペス。ヤングライダー賞候補でもある25歳のロペスはこれまで5回グランツールに出場し、2017年ブエルタ総合8位、2018年ジロ・デ・イタリア総合3位、同年ブエルタ総合3位、2019年ジロ総合7位という成績を残している。
ロペスはツール・ド・スイスやボルタ・ア・カタルーニャでの総合優勝経験はあるが、グランツールでリーダージャージに袖を通すのはこれが初めて。「マイヨロホが早速手に入ったけど、冷静さを保ちながら走り続けたい。アスタナにはサポート力抜群のアシスト陣が揃っている」と、ロペスは最終的な総合優勝を見据えている。
落車しながらも遅れを40秒に抑え込んだユンボ・ヴィズマを含め、20チームがタイム差1分以内でフィニッシュした。ユンボ・ヴィズマと同じコーナーでメンバー全員が落車したUAEチームエミレーツは初日から1分07秒の遅れを被っている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第1ステージ結果
1位 | アスタナ | 0:14:51 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:00:02 |
3位 | サンウェブ | 0:00:05 |
4位 | EFエデュケーションファースト | 0:00:07 |
5位 | ボーラ・ハンスグローエ | 0:00:13 |
6位 | CCCチーム | 0:00:15 |
7位 | モビスター | 0:00:16 |
8位 | グルパマFDJ | |
9位 | ミッチェルトン・スコット | 0:00:18 |
10位 | ロット・スーダル | 0:00:19 |
11位 | チームイネオス | 0:00:25 |
12位 | バーレーン・メリダ | 0:00:26 |
13位 | カチューシャ・アルペシン | 0:00:33 |
14位 | ディメンションデータ | 0:00:34 |
15位 | トレック・セガフレード | 0:00:35 |
16位 | カハルラル・セグロスRGA | 0:00:37 |
17位 | アージェードゥーゼール | |
18位 | ユンボ・ヴィズマ | 0:00:40 |
19位 | コフィディス | 0:00:43 |
20位 | エウスカディ・ムリアス | 0:00:46 |
21位 | UAEチームエミレーツ | 0:01:07 |
22位 | ブルゴスBH | 0:01:22 |
個人総合成績
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:14:51 |
2位 | ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ) | |
3位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
4位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
5位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | |
6位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
7位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:02 |
8位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
10位 | マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
ヤングライダー賞
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:14:51 |
2位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:02 |
3位 | ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 0:14:51 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:00:02 |
3位 | サンウェブ | 0:00:05 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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