2019/07/05(金) - 19:14
将来のマイヨジョーヌ候補たちが争う、25歳以下の選手を対象にしたマイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)。22歳のエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)を筆頭に、注目の若手選手たちをチェックしておこう。
1994年1月1日以降の選手が対象のヤングライダー賞
1975年のツール・ド・フランスで初めて導入されたマイヨブランは、将来のマイヨジョーヌ候補がしのぎを削るもう一つの総合争い。現在マイヨブランを争っているメンバーが5年後、10年後にマイヨジョーヌを巡って競り合うことになる。ジャージスポンサーは眼鏡販売会社のクリス社。
日本語で「新人賞」と訳されがちだが、マイヨブランの対象となるのはプロ1年目の新人やツール初出場の選手だけではなく、誕生日が1994年1月1日以降の選手。つまり正確には「ヤングライダー賞」であり、25歳以下の選手が対象となる。
ヤングライダー賞対象選手が総合優勝に輝いたのは過去に数例ある。1983年にローラン・フィニョン(フランス)、1997年にヤン・ウルリッヒ(ドイツ)、2007年にアルベルト・コンタドール(スペイン)が、マイヨジョーヌとマイヨブランを同時に獲得している。2010年に総合2位でフィニッシュしたアンディ・シュレク(ルクセンブルク)は3度目のヤングライダー賞を獲得。総合優勝したコンタドールがその後のドーピング違反発覚で失格になったことで、史上4例目のヤングライダー賞対象選手による総合優勝が決まった。
マイヨブラン本命はベルナル 対抗馬はマスやゴデュ
2019年ツールにおけるヤングライダー賞対象選手は28名。その中でもやはりマイヨブランの最有力候補として注目されるのが、マイヨジョーヌ候補でもあるエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)だ。ベルナルは最年少21歳ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)に次いで2番目に若い22歳と174日で2度目のツールに挑む。
2018年のツールでベルナルはトーマスとフルームのアシストに徹しながら総合13位。自身の成績を追い求めることができなかったため、マイヨブランを5分39秒差でピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)に譲っている。2019年はパリ〜ニースとツール・ド・スイスの総合優勝を引っさげて、ベルナルはトーマスとダブルエース体制でマイヨジョーヌ獲得に挑む。その過程で自然とマイヨブランも手にすることになりそうだ。
ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)やローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)がそれぞれピノとクライスヴァイクのアシストに徹しなければならない一方で、2018年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)はエースとして総合成績を狙う。ツール・ド・スイスを総合7位で終えたティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)や、ドイツ選手権を制したばかりのマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)もヤングライダー賞上位に絡むと予想される。
最終的なマイヨブラン争いには加わらないが、前半ステージでは前述のフィリプセンやカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)らが真っ白なジャージを着ることになるだろう。パリ〜ルーベ2位のニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)やロンド・ファン・フラーンデレン2位のカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)もマイヨブラン対象選手だ。
歴代のマイヨブラン獲得者(同年の総合成績)
2018年 ピエール・ラトゥール(フランス) 総合13位
2017年 サイモン・イェーツ(イギリス) 総合7位
2016年 アダム・イェーツ(イギリス) 総合4位
2015年 ナイロ・キンタナ(コロンビア) 総合2位
2014年 ティボー・ピノ(フランス) 総合3位
2013年 ナイロ・キンタナ(コロンビア) 総合2位
2012年 ティージェイ・ヴァンガーデレン) 総合5位
2011年 ピエール・ロラン(フランス) 総合10位
2010年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合1位
2009年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合2位
2008年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合12位
2007年 アルベルト・コンタドール(スペイン) 総合1位
2006年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア) 総合12位
2005年 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ) 総合12位
2004年 ウラディミール・カルペツ(ロシア) 総合13位
2003年 デニス・メンショフ(ロシア) 総合11位
2002年 イヴァン・バッソ(イタリア) 総合11位
2001年 オスカル・セビリャ(スペイン) 総合7位
2000年 フランシスコ・マンセーボ(スペイン) 総合9位
1999年 ブノワ・サルモン(フランス) 総合16位
1998年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1997年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合1位
1996年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1995年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合13位
1994年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合3位
1993年 アントニオ・マルティン・ベラスコ(スペイン) 総合12位
1992年 エディ・ボウマンス(オランダ) 総合14位
1991年 アルバロ・メヒア(コロンビア) 総合19位
1990年 ジル・ドリオン(フランス) 総合15位
text:Kei Tsuji in Brussels, Belgium
1994年1月1日以降の選手が対象のヤングライダー賞
1975年のツール・ド・フランスで初めて導入されたマイヨブランは、将来のマイヨジョーヌ候補がしのぎを削るもう一つの総合争い。現在マイヨブランを争っているメンバーが5年後、10年後にマイヨジョーヌを巡って競り合うことになる。ジャージスポンサーは眼鏡販売会社のクリス社。
日本語で「新人賞」と訳されがちだが、マイヨブランの対象となるのはプロ1年目の新人やツール初出場の選手だけではなく、誕生日が1994年1月1日以降の選手。つまり正確には「ヤングライダー賞」であり、25歳以下の選手が対象となる。
ヤングライダー賞対象選手が総合優勝に輝いたのは過去に数例ある。1983年にローラン・フィニョン(フランス)、1997年にヤン・ウルリッヒ(ドイツ)、2007年にアルベルト・コンタドール(スペイン)が、マイヨジョーヌとマイヨブランを同時に獲得している。2010年に総合2位でフィニッシュしたアンディ・シュレク(ルクセンブルク)は3度目のヤングライダー賞を獲得。総合優勝したコンタドールがその後のドーピング違反発覚で失格になったことで、史上4例目のヤングライダー賞対象選手による総合優勝が決まった。
マイヨブラン本命はベルナル 対抗馬はマスやゴデュ
2019年ツールにおけるヤングライダー賞対象選手は28名。その中でもやはりマイヨブランの最有力候補として注目されるのが、マイヨジョーヌ候補でもあるエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)だ。ベルナルは最年少21歳ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)に次いで2番目に若い22歳と174日で2度目のツールに挑む。
2018年のツールでベルナルはトーマスとフルームのアシストに徹しながら総合13位。自身の成績を追い求めることができなかったため、マイヨブランを5分39秒差でピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)に譲っている。2019年はパリ〜ニースとツール・ド・スイスの総合優勝を引っさげて、ベルナルはトーマスとダブルエース体制でマイヨジョーヌ獲得に挑む。その過程で自然とマイヨブランも手にすることになりそうだ。
ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)やローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)がそれぞれピノとクライスヴァイクのアシストに徹しなければならない一方で、2018年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)はエースとして総合成績を狙う。ツール・ド・スイスを総合7位で終えたティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)や、ドイツ選手権を制したばかりのマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)もヤングライダー賞上位に絡むと予想される。
最終的なマイヨブラン争いには加わらないが、前半ステージでは前述のフィリプセンやカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)らが真っ白なジャージを着ることになるだろう。パリ〜ルーベ2位のニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)やロンド・ファン・フラーンデレン2位のカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)もマイヨブラン対象選手だ。
歴代のマイヨブラン獲得者(同年の総合成績)
2018年 ピエール・ラトゥール(フランス) 総合13位
2017年 サイモン・イェーツ(イギリス) 総合7位
2016年 アダム・イェーツ(イギリス) 総合4位
2015年 ナイロ・キンタナ(コロンビア) 総合2位
2014年 ティボー・ピノ(フランス) 総合3位
2013年 ナイロ・キンタナ(コロンビア) 総合2位
2012年 ティージェイ・ヴァンガーデレン) 総合5位
2011年 ピエール・ロラン(フランス) 総合10位
2010年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合1位
2009年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合2位
2008年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク) 総合12位
2007年 アルベルト・コンタドール(スペイン) 総合1位
2006年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア) 総合12位
2005年 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ) 総合12位
2004年 ウラディミール・カルペツ(ロシア) 総合13位
2003年 デニス・メンショフ(ロシア) 総合11位
2002年 イヴァン・バッソ(イタリア) 総合11位
2001年 オスカル・セビリャ(スペイン) 総合7位
2000年 フランシスコ・マンセーボ(スペイン) 総合9位
1999年 ブノワ・サルモン(フランス) 総合16位
1998年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1997年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合1位
1996年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ) 総合2位
1995年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合13位
1994年 マルコ・パンターニ(イタリア) 総合3位
1993年 アントニオ・マルティン・ベラスコ(スペイン) 総合12位
1992年 エディ・ボウマンス(オランダ) 総合14位
1991年 アルバロ・メヒア(コロンビア) 総合19位
1990年 ジル・ドリオン(フランス) 総合15位
text:Kei Tsuji in Brussels, Belgium
Amazon.co.jp