2010/04/18(日) - 15:47
2010年4月17日に行なわれたツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)第7ステージは、ラスト1kmで大落車が発生。チームHTC・コロンビアの選手たちが地面に投げ出される中、落車を免れた選手によるスプリントに持ち込まれ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス)が接戦を制して優勝した。
前半に2級山岳が1つ設定されただけの、比較的難易度の低いコースで行なわれた第7ステージ。コース全長は今大会最短の114km。今大会4回目の集団スプリントに注目が集まった。
レース序盤に形成されたジ・チェン(中国、スキル・シマノ)やアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ)ら5名の逃げは、レース中盤の50km地点で最大2分30秒のリード。一つにまとまったまま2級山岳をクリアしたメイン集団は、コルナゴ・CSFイノックスが積極的に牽引した。
やがてタイム差が1分まで縮まると、ゴールまで20kmを残して、ジ・チェンがアタック。ここで逃げグループの協調体制は崩れ、互いにアタックを繰り返しながらゴールに向かった。
スプリンターチームが牽引するメイン集団は、ゴールまで4kmを残して逃げグループをキャッチ。ここからチームHTC・コロンビアがメンバー全員を集団先頭に集め、主導権を握ってスプリント勝負に挑んだ。
しかしラスト1kmを切ると、90度の右コーナーでトレインの先頭走者が落車。連鎖的に後続の選手が突っ込み、HTCコロンビアトレインが完全に崩壊。コルナゴ・CSFイノックスの選手も大きく遅れ、落車を免れた選手たちが一目散にゴールに向かった。
先行したジョルジョ・ブランビーラ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)の番手を取ったヴィヴィアーニがラスト200mでスプリントを開始すると、その後方からリーダージャージのジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)が対抗。しかしヴィヴィアーニが何とか先頭を守り切ってゴールに飛び込んだ。
ヴィスコンティはヴィヴィアーニの進路妨害を訴えながらゴールしたが、審判団はその訴えを認めず。ヴィヴィアーニのステージ優勝が決まった。ヴィスコンティは僅差でステージ優勝を逃したが、ボーナスタイム6秒を獲得して総合リードを広げた。
ヴィヴィアーニは今年リクイガスでプロデビューした21歳で、これがプロ2勝目。ジュニア時代からトラック競技で成績を残すスピード走行に長けた選手だ。今後、チーム内ではエーススプリンターの発射台を担う存在になるだろう。
落車を免れてスプリントに絡んだ土井雪広(日本、スキル・シマノ)は7位に。自身のブログで土井は「落車をすり抜けるのにちょっと時間がかかって、ヴィスコンティに追いつくまでに皆がトップスピードに乗っていたので、ステージ優勝には一歩届かなかった」と振り返る。
ツアー・オブ・ターキーは翌4月18日で閉幕。最後の第7ステージは山岳が設定されない平坦な166kmで行なわれる。総合6位につけている土井は「明日は最終日オールフラットの166キロ。山でチームメイトのサポートに結果で応えて、ここまで自分を追い込んで追い込んで本当に辛かったけど、その結果、本当に楽しかったと言える1週間だった!明日はこの1週間を思い返しながら、精一杯楽しみたいと思う!」と語った。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ツアー・オブ・ターキー2010第7ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス) 2h52'24"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
3位 アンドレア・グレンデネ(イタリア、ランプレ)
4位 クレメンス・ファンクハウザー(オーストリア、フォアアールベルク・コラテック)
5位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)
6位 ハン・フェン(中国、スキル・シマノ)
7位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
8位 アンドレア・トンティ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)
9位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
10位 ジョルジョ・ブランビーラ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
個人総合成績
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) 20h00'48"
2位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +29"
3位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) +33"
4位 ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、フットオン・セルヴェット) +54"
5位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック) +1'48"
6位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) +2'52"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ) +3'48"
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) +4'26"
9位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) +5'05"
10位 クリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス) +5'13"
ポイント賞
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) 61pts
11位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 21pts
山岳賞
1位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) 21pts
5位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 10pts
チーム総合成績
ISD・ネーリ
text:Kei Tsuji
photo:www.tourofturkey.org
前半に2級山岳が1つ設定されただけの、比較的難易度の低いコースで行なわれた第7ステージ。コース全長は今大会最短の114km。今大会4回目の集団スプリントに注目が集まった。
レース序盤に形成されたジ・チェン(中国、スキル・シマノ)やアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ)ら5名の逃げは、レース中盤の50km地点で最大2分30秒のリード。一つにまとまったまま2級山岳をクリアしたメイン集団は、コルナゴ・CSFイノックスが積極的に牽引した。
やがてタイム差が1分まで縮まると、ゴールまで20kmを残して、ジ・チェンがアタック。ここで逃げグループの協調体制は崩れ、互いにアタックを繰り返しながらゴールに向かった。
スプリンターチームが牽引するメイン集団は、ゴールまで4kmを残して逃げグループをキャッチ。ここからチームHTC・コロンビアがメンバー全員を集団先頭に集め、主導権を握ってスプリント勝負に挑んだ。
しかしラスト1kmを切ると、90度の右コーナーでトレインの先頭走者が落車。連鎖的に後続の選手が突っ込み、HTCコロンビアトレインが完全に崩壊。コルナゴ・CSFイノックスの選手も大きく遅れ、落車を免れた選手たちが一目散にゴールに向かった。
先行したジョルジョ・ブランビーラ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)の番手を取ったヴィヴィアーニがラスト200mでスプリントを開始すると、その後方からリーダージャージのジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)が対抗。しかしヴィヴィアーニが何とか先頭を守り切ってゴールに飛び込んだ。
ヴィスコンティはヴィヴィアーニの進路妨害を訴えながらゴールしたが、審判団はその訴えを認めず。ヴィヴィアーニのステージ優勝が決まった。ヴィスコンティは僅差でステージ優勝を逃したが、ボーナスタイム6秒を獲得して総合リードを広げた。
ヴィヴィアーニは今年リクイガスでプロデビューした21歳で、これがプロ2勝目。ジュニア時代からトラック競技で成績を残すスピード走行に長けた選手だ。今後、チーム内ではエーススプリンターの発射台を担う存在になるだろう。
落車を免れてスプリントに絡んだ土井雪広(日本、スキル・シマノ)は7位に。自身のブログで土井は「落車をすり抜けるのにちょっと時間がかかって、ヴィスコンティに追いつくまでに皆がトップスピードに乗っていたので、ステージ優勝には一歩届かなかった」と振り返る。
ツアー・オブ・ターキーは翌4月18日で閉幕。最後の第7ステージは山岳が設定されない平坦な166kmで行なわれる。総合6位につけている土井は「明日は最終日オールフラットの166キロ。山でチームメイトのサポートに結果で応えて、ここまで自分を追い込んで追い込んで本当に辛かったけど、その結果、本当に楽しかったと言える1週間だった!明日はこの1週間を思い返しながら、精一杯楽しみたいと思う!」と語った。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ツアー・オブ・ターキー2010第7ステージ
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス) 2h52'24"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
3位 アンドレア・グレンデネ(イタリア、ランプレ)
4位 クレメンス・ファンクハウザー(オーストリア、フォアアールベルク・コラテック)
5位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)
6位 ハン・フェン(中国、スキル・シマノ)
7位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
8位 アンドレア・トンティ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)
9位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
10位 ジョルジョ・ブランビーラ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
個人総合成績
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) 20h00'48"
2位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +29"
3位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) +33"
4位 ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、フットオン・セルヴェット) +54"
5位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック) +1'48"
6位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) +2'52"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ) +3'48"
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) +4'26"
9位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) +5'05"
10位 クリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス) +5'13"
ポイント賞
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) 61pts
11位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 21pts
山岳賞
1位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) 21pts
5位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 10pts
チーム総合成績
ISD・ネーリ
text:Kei Tsuji
photo:www.tourofturkey.org
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