2009/03/15(日) - 09:50
2009年3月14日、激坂モンテルポーネにゴールするティレーノ〜アドリアティコ第4ステージが行なわれ、最大勾配21%の上りで飛び出したホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ)が2年連続のステージ優勝を飾った。ロドリゲスは総合リーダージャージ獲得。
晴れ渡る空の下、激坂モンテルポーネに向かう photo:Cor Vos内陸部のフォリーニョからアドリア海近くのモンテルポーネまでの171kmで行なわれた第4ステージ。前半に標高813mのコルネッロ峠を通過し、大会の目玉である激坂モンテルポーネに向かう。
昨年初登場し、歩いて上る選手もいたほどのモンテルポーネは、最大勾配21%。ラスト800mにかけてコンスタントに17.4%の勾配を刻むまさに「壁」だ。157km地点でこの壁を乗り越えると、14kmの周回コースを回って再び壁に激突し、ようやくゴールに辿り着く。
集団内に発生した大規模な落車 photo:Cor Vos好天続きのティレーノ〜アドリアティコ。この日はジュセッペ・パルンボ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)や前日も逃げていたマルチン・サパ(ポーランド、ランプレ)ら5名が序盤から逃げる展開。この5名は最大4分30秒のリードを稼ぎ出した。
メイン集団はLPRブレークスとケースデパーニュがコントロールを分担し、モンテルポーネに向けてタイム差は詰めていく。そんな中、ラスト25kmで集団内では大規模な落車が発生し、マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)やロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)が激しくクラッシュ。幸い大怪我を負う選手はいなかった。
シモーニとスカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)が先頭をひいてモンテルポーネを通過 photo:Cor Vosポイント賞ジャージを着るアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)も集団牽引に加わり、結局逃げグループはラスト20kmで吸収。ここから主導権を握ったのはディキジョヴァンニだ。
ジルベルト・シモーニ(イタリア)とミケーレ・スカルポーニ(イタリア)のディキジョヴァンニコンビが先頭を引く形でモンテルポーネに突入すると、集団は一気に縮小する。1回目の激坂でアタックはかからなかったが、早くも集団は25名ほどに絞られた。
力強い走りで先頭に出るホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Cor Vos一旦下って平坦区間に出ると、ラスト7kmでフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)がアタック。これにダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレークス)とフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、サイレンス・ロット)が合流。しかしシモーニ率いるメイン集団がこれを封じ込めた。
最後のモンテルポーネはチームコロンビアを先頭に突入した。ロヴクヴィストのためにジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)が先頭を牽き、ラスト1kmでロヴクヴィストが前に出る。勾配が20%に達する急勾配区間で今度はディキジョヴァンニ勢が主導権を握ると、爆発的に加速する選手が現れた。昨年モンテルポーネを制したロドリゲスだ。
モンテルポーネを2番手でクリアしたダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ) photo:Cor Vosロドリゲスは勾配に苦しむ選手たちを尻目に、力強いダンシングで激坂を走破。後方からダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)とロヴクヴィストが追走したが届かず、ロドリゲスがそのままVサインでゴールに飛び込んだ。
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)やステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が上位に入る一方で、クライミング能力に秀でたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)は11位(32秒遅れ)、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)が24位(1分02秒遅れ)と出遅れた。
ガッツポーズでゴールに飛び込むホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Cor Vosレース後バッソが「これは上りじゃなくて壁だ」と語ったように、モンテルポーネでは登坂力のあるクライマーではなく、パンチ力のあるクラシックレーサーに分があったようだ。クライマーとして知られるロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)も32位(1分36秒)に沈んだ。
総合首位のジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)は、スプリンターながらステージ6位に食い込む健闘を見せたが、ロドリゲスにリーダージャージを明け渡す結果に。
総合争いではレベッリンが3位、ロヴクヴィストが4位、ディルーカが5位につける。総合上位陣のタイム差は小さく、リーダージャージのロドリゲスは個人タイムトライアルが苦手。となればまだまだ総合争いの行方は分からない。レベッリンらは総合優勝を狙う絶好の位置につける。
ティレーノ〜アドリアティコ第4ステージ結果
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ)4h08'35"
2位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)+06"
3位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+10"
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)+15"
5位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)+21"
6位 ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン)
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ)16h09'10"
2位 ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)+06"
3位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)+10"
4位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+16"
5位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)+24"
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+31"
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン)
8位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
9位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)
10位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
ポイント賞
ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
山岳賞
エルマーノ・カペッリ(イタリア、フジ・セルヴェット)
新人賞
ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
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昨年初登場し、歩いて上る選手もいたほどのモンテルポーネは、最大勾配21%。ラスト800mにかけてコンスタントに17.4%の勾配を刻むまさに「壁」だ。157km地点でこの壁を乗り越えると、14kmの周回コースを回って再び壁に激突し、ようやくゴールに辿り着く。
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メイン集団はLPRブレークスとケースデパーニュがコントロールを分担し、モンテルポーネに向けてタイム差は詰めていく。そんな中、ラスト25kmで集団内では大規模な落車が発生し、マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)やロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)が激しくクラッシュ。幸い大怪我を負う選手はいなかった。
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ジルベルト・シモーニ(イタリア)とミケーレ・スカルポーニ(イタリア)のディキジョヴァンニコンビが先頭を引く形でモンテルポーネに突入すると、集団は一気に縮小する。1回目の激坂でアタックはかからなかったが、早くも集団は25名ほどに絞られた。
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最後のモンテルポーネはチームコロンビアを先頭に突入した。ロヴクヴィストのためにジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)が先頭を牽き、ラスト1kmでロヴクヴィストが前に出る。勾配が20%に達する急勾配区間で今度はディキジョヴァンニ勢が主導権を握ると、爆発的に加速する選手が現れた。昨年モンテルポーネを制したロドリゲスだ。
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ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)やステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が上位に入る一方で、クライミング能力に秀でたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)は11位(32秒遅れ)、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)が24位(1分02秒遅れ)と出遅れた。
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総合首位のジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)は、スプリンターながらステージ6位に食い込む健闘を見せたが、ロドリゲスにリーダージャージを明け渡す結果に。
総合争いではレベッリンが3位、ロヴクヴィストが4位、ディルーカが5位につける。総合上位陣のタイム差は小さく、リーダージャージのロドリゲスは個人タイムトライアルが苦手。となればまだまだ総合争いの行方は分からない。レベッリンらは総合優勝を狙う絶好の位置につける。
ティレーノ〜アドリアティコ第4ステージ結果
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ)4h08'35"
2位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)+06"
3位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+10"
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)+15"
5位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)+21"
6位 ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン)
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ)16h09'10"
2位 ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)+06"
3位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、ディキジョヴァンニ)+10"
4位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+16"
5位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)+24"
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+31"
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン)
8位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
9位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)
10位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
ポイント賞
ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
山岳賞
エルマーノ・カペッリ(イタリア、フジ・セルヴェット)
新人賞
ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
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