2019/05/22(水) - 19:21
ツアー・オブ・ジャパン第4ステージが、岐阜県美濃市で行われ、集団スプリントを制したレイモンド・クレダー(チーム右京)が優勝。窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が2位に入った。個人総合首位はベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)が維持した。
ツアー・オブ・ジャパンの前半戦を締めくくる第4ステージは、岐阜県美濃市。江戸時代から明治にかけて造られた商家が軒を連ねる「うだつの上がる町並み」をパレードスタートし、長良川沿いに設定された1周21.3kmの周回コースを6周する139.4kmのレースだ。
山岳賞ポイントは1ヶ所だけあるものの、全体的に平坦基調なコースゆえ、毎年集団でのスプリント勝負となる。アップダウンのコースが多いツアー・オブ・ジャパンの中では、ある意味異色のステージと言える。
朝から青空が広がり、28.2℃の最高気温を記録した美濃市。軽く日焼けをするほどの陽射しに暑さを感じるものの、湿度が低いためか、木陰は過ごしやすい気候の1日。パレードスタート前には子供達のダンスや神輿などのパフォーマンスが披露され、和やかな雰囲気の中スタートした。
リアルスタート直後に3名の逃げが容認される。メンバーは、ホアン・ボウ・カンパニー(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、フローリアン・オードリー(インタープロサイクリングアカデミー)、デニス・マリアン・ヴァルカン(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)。メイン集団との差は3分まで開く。リーダージャージのベンジャミン・ヒルを擁するリュブリャナ・グスト・サンティックを先頭に、各チーム色分けをしたかのように整列して進む。
レースが後半に入ると、メイン集団ではチーム右京とチームブリヂストンサイクリングが1人ずつ出してリュブリャナ・グスト・サンティックと共にコントロール。逃げる3人との差を徐々に詰め、40秒差となって最終周回に入る。その後逃げは吸収され、集団はスプリント勝負モードへ。
残り1kmの長いストレートに入って最後の勝負が始まり、愛三工業レーシングチームが先導するようにして残り500mへ。イメリオ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)の背後からレイモンド・クレダー(チーム右京)が前に出る。さらに反対サイドからはポイント賞ジャージを着る窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が出て並びかけ、横一線のハンドルの投げ合いを制したクレダーが優勝した。
「チームの作戦は自分をスプリントで勝たせることだったので、序盤から3人が逃げる展開は好都合だった。最後のスプリントはカオスだったけれど、チームメイトが良い位置に引き上げてくれたおかげで力を発揮することが出来た」とレースを振り返るクレダー。
「ツール・ド・とちぎで優勝した後ツール・ド・ランカウィに出場したが、そこで落車して怪我をしてしまい、2週間自転車に乗れなかった。治療のおかげで怪我は治ったけれど、ツアー・オブ・ジャパンが始まって最初の2日くらいはナーバスになっていた。でも今日勝って調子の良さを実感することが出来た。」と、コメントした。
惜しくも2位の窪木は、ポイント賞ジャージを維持。「リーダーチームがコントロールするとレース前に聞いて、僕達もスプリント勝負にしたかったので協力した。最後の局面は、コントロールするチームが無いまま残り1kmに入り、スピードが緩んだところで各チームが前に上がってきたが、5番手くらいを維持するようにしていた。(進行方向の)右前からの風向きだったので左に位置し、クレダー選手の後ろにつけて飛び出すタイミングを見計らっていた。そして愛三(工業レーシングチーム)が行ったところにクレダー選手が乗っていき、それをまくりに行ったがまくり切れなかった」と、最後のスプリントを振り返った。
「明日の飯田(南信州ステージ)は、昨年も最後まで残っているし、明日こそステージ優勝したい。チームとしては石橋(学)選手の個人総合上位を目指しているので、しっかり良い位置で走ってもらえるようにサポートしたい」と、意気込みを語った。
リーダーチームがきっちりコントロールしたことで同調するチームも現れ、秩序ある展開となったこともあり、例年通り「集団スプリント勝負で個人総合順位に大きな変動なし」の美濃ステージとなった。横一線のスプリント勝負が見られる唯一のステージではあるが、最後に落車が起きてしまったのは残念。
ツアー・オブ・ジャパンは後半戦へ。南信州、富士山、伊豆と、ハードな決戦ステージが続く。クイーンステージの富士山を前に、明日の南信州ステージは個人総合争いの「ふるい」となるか?
ツアー・オブ・ジャパンの前半戦を締めくくる第4ステージは、岐阜県美濃市。江戸時代から明治にかけて造られた商家が軒を連ねる「うだつの上がる町並み」をパレードスタートし、長良川沿いに設定された1周21.3kmの周回コースを6周する139.4kmのレースだ。
山岳賞ポイントは1ヶ所だけあるものの、全体的に平坦基調なコースゆえ、毎年集団でのスプリント勝負となる。アップダウンのコースが多いツアー・オブ・ジャパンの中では、ある意味異色のステージと言える。
朝から青空が広がり、28.2℃の最高気温を記録した美濃市。軽く日焼けをするほどの陽射しに暑さを感じるものの、湿度が低いためか、木陰は過ごしやすい気候の1日。パレードスタート前には子供達のダンスや神輿などのパフォーマンスが披露され、和やかな雰囲気の中スタートした。
リアルスタート直後に3名の逃げが容認される。メンバーは、ホアン・ボウ・カンパニー(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、フローリアン・オードリー(インタープロサイクリングアカデミー)、デニス・マリアン・ヴァルカン(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)。メイン集団との差は3分まで開く。リーダージャージのベンジャミン・ヒルを擁するリュブリャナ・グスト・サンティックを先頭に、各チーム色分けをしたかのように整列して進む。
レースが後半に入ると、メイン集団ではチーム右京とチームブリヂストンサイクリングが1人ずつ出してリュブリャナ・グスト・サンティックと共にコントロール。逃げる3人との差を徐々に詰め、40秒差となって最終周回に入る。その後逃げは吸収され、集団はスプリント勝負モードへ。
残り1kmの長いストレートに入って最後の勝負が始まり、愛三工業レーシングチームが先導するようにして残り500mへ。イメリオ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)の背後からレイモンド・クレダー(チーム右京)が前に出る。さらに反対サイドからはポイント賞ジャージを着る窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が出て並びかけ、横一線のハンドルの投げ合いを制したクレダーが優勝した。
「チームの作戦は自分をスプリントで勝たせることだったので、序盤から3人が逃げる展開は好都合だった。最後のスプリントはカオスだったけれど、チームメイトが良い位置に引き上げてくれたおかげで力を発揮することが出来た」とレースを振り返るクレダー。
「ツール・ド・とちぎで優勝した後ツール・ド・ランカウィに出場したが、そこで落車して怪我をしてしまい、2週間自転車に乗れなかった。治療のおかげで怪我は治ったけれど、ツアー・オブ・ジャパンが始まって最初の2日くらいはナーバスになっていた。でも今日勝って調子の良さを実感することが出来た。」と、コメントした。
惜しくも2位の窪木は、ポイント賞ジャージを維持。「リーダーチームがコントロールするとレース前に聞いて、僕達もスプリント勝負にしたかったので協力した。最後の局面は、コントロールするチームが無いまま残り1kmに入り、スピードが緩んだところで各チームが前に上がってきたが、5番手くらいを維持するようにしていた。(進行方向の)右前からの風向きだったので左に位置し、クレダー選手の後ろにつけて飛び出すタイミングを見計らっていた。そして愛三(工業レーシングチーム)が行ったところにクレダー選手が乗っていき、それをまくりに行ったがまくり切れなかった」と、最後のスプリントを振り返った。
「明日の飯田(南信州ステージ)は、昨年も最後まで残っているし、明日こそステージ優勝したい。チームとしては石橋(学)選手の個人総合上位を目指しているので、しっかり良い位置で走ってもらえるようにサポートしたい」と、意気込みを語った。
リーダーチームがきっちりコントロールしたことで同調するチームも現れ、秩序ある展開となったこともあり、例年通り「集団スプリント勝負で個人総合順位に大きな変動なし」の美濃ステージとなった。横一線のスプリント勝負が見られる唯一のステージではあるが、最後に落車が起きてしまったのは残念。
ツアー・オブ・ジャパンは後半戦へ。南信州、富士山、伊豆と、ハードな決戦ステージが続く。クイーンステージの富士山を前に、明日の南信州ステージは個人総合争いの「ふるい」となるか?
第4ステージ:美濃 結果(旧今井家住宅前→美濃和紙の里会館前周回コース 139.4km)
1位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) | 3時間14分20秒 |
2位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | +0秒 |
3位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | |
4位 | イメリオ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
5位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | |
6位 | リカルド・スタキオッティ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | |
7位 | 黒枝咲哉(シマノレーシングチーム) | |
8位 | 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) | |
9位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | |
10位 | 吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) |
個人総合成績(第4ステージ:美濃 終了時)
1位 | ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック) | 9時間17分30秒 |
2位 | エイデン・トゥーペイ(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) | +1秒 |
3位 | アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) | +2秒 |
4位 | 入部正太朗(シマノレーシングチーム) | +9秒 |
5位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | +11秒 |
6位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | +12秒 |
ポイント賞(第4ステージ:美濃 終了時)
1位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | 55p |
2位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) | 47p |
3位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | 42p |
山岳賞(第4ステージ:美濃 終了時)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 16p |
2位 | ホアン・ポウ・カンパニー(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 10p |
3位 | アドリアン・ギロネット(フランス、インタープロサイクリングアカデミー) | 7p |
チーム総合(第4ステージ:美濃 終了時)
1位 | チーム・ブリッジレーン | 27時間53分34秒 |
2位 | リュブリャナ・グスト・サンティック | +3秒 |
3位 | チーム右京 | +10秒 |
text&photo:Satoru Kato
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