2019/05/21(火) - 19:41
ツアー・オブ・ジャパン第3ステージが三重県いなべ市で行われ、最終周回に飛び出したベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)が優勝し、個人総合首位。4位に入った窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)がポイント賞を獲得した。
ツアー・オブ・ジャパン3日目の舞台は、三重県いなべ市。日本では数少ないナローゲージ鉄道の三岐鉄道北勢線の阿下喜駅前からパレードスタートし、いなべ市梅林公園周辺に設定された14.8kmの周回コースを8周する127kmのレースだ。「いなベルグ」と名付けられた登りや、山岳ポイント手前1kmから始まる登りなど、距離は短いものの斜度が急激に立ち上がる登り区間がある一方、田園地帯を抜ける平坦ストレート区間は、このコースを特徴づける部分。この平坦区間が一番きついと言う選手の声もある。
前日までの天気予報では雨となっていたが、奇跡的にも朝までに雨雲は抜け、パレードスタートが始まる午前9時過ぎには路面はほぼ乾いた状態となった。レース後半には太陽と青空が戻ったものの、終始強い風が吹き続ける中でのレースとなった。
リアルスタート直後、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)ら3人が絡む落車が発生。2人は再スタートしたものの、佐野はリタイアを選択することになってしまった。昨年も新城幸也(バーレーン・メリダ)を含む落車が同じようなタイミングで起きており、2年連続の「鬼門」となってしまった。
レースは何度かアタックと吸収が繰り返されたのち、3周目にエミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が単独先行。約1分遅れてペア・クリスティアン・ミュンスターマン(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)が追走する。メイン集団との差は最大で4分30秒まで開く。
5周目に入ると、いなべステージのホームチーム・キナンサイクリングチームが中心となってペースアップし、タイム差を縮めていく。6周目にはディマにミュンスターマンが追いついて2人で逃げ続けるが、差は1分30秒まで縮まる。残り2周となる7周目、ミュンスターマンが遅れてディマ1人で逃げ続けるが、メイン集団との差は1分を切り、最終周回の8周目に入ったところで吸収される。
その後、ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)と、アダム・トーパリック(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)の2人が抜け出し、20秒前後の差をつけて先行。集団が追走するものの捕まえきれないまま残り1kmを過ぎる。最後は2人のスプリント勝負となり、ヒルがトーパリックを下していなべステージを制した。
メイン集団は13秒遅れでフィニッシュしたが、リーダージャージを着たエイデン・トゥーペイ(チーム・ブリッジレーン)は中切れした集団後方でフィニッシュしたため16秒遅れ。この結果、25秒遅れだったヒルがボーナスタイム10秒と合わせてトゥーペイを1秒上回り、個人総合首位となった。
「スタート直後トラブルがあってバイク交換をしたが、チームメイトのものだったので合わず、もう一度交換することになった。その時点で今日は終わったと思ったけれど、集団復帰が良いウォーミングアップになって調子が良くなってきた。今日勝てたのはチームメイトのアシストのおかげ」と、レースを振り返るヒル。
2017年のツール・ド・とちぎでは個人総合優勝しているが、日本のレースとの相性を聞かれると「小集団に持ち込む自分のレーススタイルと、日本のレースコースの特徴が自分に合っているのだと思う。相性は良いと思っている」とコメントした。
ポイント賞は、この日4位の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が獲得した。
「チームの作戦は自分のスプリントで勝負だったが、最終周回の平坦区間で2人がアタックし、コントロールするチームがなくて逃げ切りを許してしまった。結果としてポイント賞を獲得出来てホッとしているが、勝ちたかった。日本人が結果を残さねばならないと思うし、このジャージを東京までキープしていきたい。明日の美濃ステージは、自分も狙ってはいるが、チームとしては黒枝士揮選手でも勝てるようにしていきたい」と、コメントした。
リーダーチームのチーム・ブリッジレーンが集団コントロールをしなかったこともあり、再びリーダージャージが入れ替わる結果となった。明日の第4ステージ・美濃は、例年スプリンターステージとなるため、よほどのことが無ければ個人総合に変動は起きないはず。それも、明日のリーダーチーム次第か。
ツアー・オブ・ジャパン3日目の舞台は、三重県いなべ市。日本では数少ないナローゲージ鉄道の三岐鉄道北勢線の阿下喜駅前からパレードスタートし、いなべ市梅林公園周辺に設定された14.8kmの周回コースを8周する127kmのレースだ。「いなベルグ」と名付けられた登りや、山岳ポイント手前1kmから始まる登りなど、距離は短いものの斜度が急激に立ち上がる登り区間がある一方、田園地帯を抜ける平坦ストレート区間は、このコースを特徴づける部分。この平坦区間が一番きついと言う選手の声もある。
前日までの天気予報では雨となっていたが、奇跡的にも朝までに雨雲は抜け、パレードスタートが始まる午前9時過ぎには路面はほぼ乾いた状態となった。レース後半には太陽と青空が戻ったものの、終始強い風が吹き続ける中でのレースとなった。
リアルスタート直後、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)ら3人が絡む落車が発生。2人は再スタートしたものの、佐野はリタイアを選択することになってしまった。昨年も新城幸也(バーレーン・メリダ)を含む落車が同じようなタイミングで起きており、2年連続の「鬼門」となってしまった。
レースは何度かアタックと吸収が繰り返されたのち、3周目にエミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が単独先行。約1分遅れてペア・クリスティアン・ミュンスターマン(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)が追走する。メイン集団との差は最大で4分30秒まで開く。
5周目に入ると、いなべステージのホームチーム・キナンサイクリングチームが中心となってペースアップし、タイム差を縮めていく。6周目にはディマにミュンスターマンが追いついて2人で逃げ続けるが、差は1分30秒まで縮まる。残り2周となる7周目、ミュンスターマンが遅れてディマ1人で逃げ続けるが、メイン集団との差は1分を切り、最終周回の8周目に入ったところで吸収される。
その後、ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)と、アダム・トーパリック(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)の2人が抜け出し、20秒前後の差をつけて先行。集団が追走するものの捕まえきれないまま残り1kmを過ぎる。最後は2人のスプリント勝負となり、ヒルがトーパリックを下していなべステージを制した。
メイン集団は13秒遅れでフィニッシュしたが、リーダージャージを着たエイデン・トゥーペイ(チーム・ブリッジレーン)は中切れした集団後方でフィニッシュしたため16秒遅れ。この結果、25秒遅れだったヒルがボーナスタイム10秒と合わせてトゥーペイを1秒上回り、個人総合首位となった。
「スタート直後トラブルがあってバイク交換をしたが、チームメイトのものだったので合わず、もう一度交換することになった。その時点で今日は終わったと思ったけれど、集団復帰が良いウォーミングアップになって調子が良くなってきた。今日勝てたのはチームメイトのアシストのおかげ」と、レースを振り返るヒル。
2017年のツール・ド・とちぎでは個人総合優勝しているが、日本のレースとの相性を聞かれると「小集団に持ち込む自分のレーススタイルと、日本のレースコースの特徴が自分に合っているのだと思う。相性は良いと思っている」とコメントした。
ポイント賞は、この日4位の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が獲得した。
「チームの作戦は自分のスプリントで勝負だったが、最終周回の平坦区間で2人がアタックし、コントロールするチームがなくて逃げ切りを許してしまった。結果としてポイント賞を獲得出来てホッとしているが、勝ちたかった。日本人が結果を残さねばならないと思うし、このジャージを東京までキープしていきたい。明日の美濃ステージは、自分も狙ってはいるが、チームとしては黒枝士揮選手でも勝てるようにしていきたい」と、コメントした。
リーダーチームのチーム・ブリッジレーンが集団コントロールをしなかったこともあり、再びリーダージャージが入れ替わる結果となった。明日の第4ステージ・美濃は、例年スプリンターステージとなるため、よほどのことが無ければ個人総合に変動は起きないはず。それも、明日のリーダーチーム次第か。
第3ステージ:いなべ 結果(阿下喜駅前→いなべ市梅林公園周回コース 127km)
1位 | ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック) | 3時間18分34秒 |
2位 | アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) | +0秒 |
3位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | +13秒 |
4位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | |
5位 | ベンジャミン・プラデス・レヴェルテル(スペイン、チーム右京) | |
6位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | |
7位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(スペイン、マトリックスパワータグ) | |
8位 | サム・クローム(オーストラリア、チーム右京) | +16秒 |
9位 | 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
10位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) |
個人総合成績(第3ステージ:いなべ 終了時)
1位 | ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック) | 6時間3分10秒 |
2位 | エイデン・トゥーペイ(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) | +1秒 |
3位 | アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) | +2秒 |
4位 | 入部正太朗(シマノレーシングチーム) | +9秒 |
5位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | +15秒 |
6位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | +18秒 |
ポイント賞(第3ステージ:いなべ 終了時)
1位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | 35p |
2位 | エイデン・トゥーペイ(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) | 33p |
3位 | アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) | 31p |
山岳賞(第3ステージ:いなべ 終了時)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 16p |
2位 | アドリアン・ギロネット(フランス、インタープロサイクリングアカデミー) | 7p |
3位 | エミール・ディマ(ルーマニア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | 5p |
チーム総合(第3ステージ:いなべ 終了時)
1位 | チーム・ブリッジレーン | 18時間10分34秒 |
2位 | リュブリャナ・グスト・サンティック | +3秒 |
3位 | チーム右京 | +10秒 |
text&photo:Satoru Kato in Inabe-city
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