2010/04/06(火) - 19:45
2010年4月5日、ドイツ伝統のワンディレース、第94回ルント・ウム・ケルン(UCI1.HC)が開催された。幾つもの急坂を越えた集団によるスプリント勝負で、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)が自身2度目の優勝。4度目の出場となる土井雪広(スキル・シマノ)は37位で初完走した。
ルント・ウム・ケルンは1908年に第1回大会が開催された由緒正しきドイツのワンディレース。2007年以降はUCI(国際自転車競技連合)のHC(超級)レースとして開催されている。
「ケルン一周レース」という名前が示す通り、レース会場はドイツ西部の街ケルン。同市近郊の丘陵地帯を縫うように走る197.9kmのコースは起伏に富んでおり、カテゴリーが設定された短い上りが合計11カ所登場する。石畳に覆われた激坂も有りだ。
レースは序盤からオスカル・プヨル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)ら5名が逃げたが、タイム差は5分に抑え込まれる。5名の逃げグループは結局120km地点で吸収。ゴールまで距離を残しての逃げ吸収だったため、集団ではアタック合戦が再燃した。
エリック・ベルトゥ(フランス、カルミオオーロ・NGC)の単独アタックは短命に終わり、続いて飛び出したマッズ・クリステンセン(デンマーク、グルド&マルストランド)とヴィタリー・ポプコフ(ウクライナ、チームISD)の2人が最大37秒リードしてエスケープ。
しかしチームHTC・コロンビアを始めとするスプリンターチームの勢いを振り切ることは出来ず、クリステンセンとポプコフはゴール4km手前で吸収された。
ゴールスプリントで積極的に集団を率いたのはラボバンクとチームミルラム。最終ストレートでラボバンクがグレーム・ブラウン(オーストラリア)を発射したものの、ほぼ同時にスプリントを開始したアエドが先頭へ。アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)の追撃は届かず、アエドが先頭を守ってゴールに飛び込んだ。
2007年にも優勝しているアエドは大会2勝目を現すVサインでゴール。アエドは3月28日に行なわれたボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャの最終ステージでも優勝を飾っており、出場レース2連勝だ。
サクソバンクのブラドリー・マックギー監督は、チーム公式サイトの中で「JJ(アエド)のスプリントは素晴らしかった。あのグライペルでさえも、アエドのリアホイールから前に出ることが出来なかったぐらいだ。今年のJJは今までと違うレベルにある」とアエドの走りを賞賛。チームとしては、4月4日に開催されたロンド・ファン・フラーンデレンでのファビアン・カンチェラーラ(スイス)の勝利に続く勝ち星。今シーズンの勝利数を8に伸ばした。
レース後半のアタック合戦に加わり、ゴール手前ではエーススプリンターのロビン・シェニョー(オランダ)の牽引役を担った土井雪広は、先頭集団内の37位でゴール。4回目の出場で初完走を果たした。
土井は自身のブログの中で「190人出走で相当集団がアコーディオンだったけど、落車もせず、アタックのタイミングや様々な事を再確認できたレースでした。このレース、数年前は一瞬でリタイアに追い込まれてただけに、僕はどれだけ弱かったんだろうと思い返していました。次はトルコ。僕の挑戦は続きます」と語っている。土井の次戦は4月11日から18日までトルコで開催されるツアー・オブ・ターキー(UCI2.1)だ。
レース展開はレース公式サイトより。
ルント・ウム・ケルン2010結果
1位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) 4h56'08"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
3位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
4位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
5位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
6位 レネ・ウェイジンガー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)
7位 ユーレ・コチャン(スロベニア、カルミオオーロ・NGC)
8位 ティム・メルテンス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
9位 ドミニク・クレンメ(ドイツ、サクソバンク)
10位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
37位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
ルント・ウム・ケルンは1908年に第1回大会が開催された由緒正しきドイツのワンディレース。2007年以降はUCI(国際自転車競技連合)のHC(超級)レースとして開催されている。
「ケルン一周レース」という名前が示す通り、レース会場はドイツ西部の街ケルン。同市近郊の丘陵地帯を縫うように走る197.9kmのコースは起伏に富んでおり、カテゴリーが設定された短い上りが合計11カ所登場する。石畳に覆われた激坂も有りだ。
レースは序盤からオスカル・プヨル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)ら5名が逃げたが、タイム差は5分に抑え込まれる。5名の逃げグループは結局120km地点で吸収。ゴールまで距離を残しての逃げ吸収だったため、集団ではアタック合戦が再燃した。
エリック・ベルトゥ(フランス、カルミオオーロ・NGC)の単独アタックは短命に終わり、続いて飛び出したマッズ・クリステンセン(デンマーク、グルド&マルストランド)とヴィタリー・ポプコフ(ウクライナ、チームISD)の2人が最大37秒リードしてエスケープ。
しかしチームHTC・コロンビアを始めとするスプリンターチームの勢いを振り切ることは出来ず、クリステンセンとポプコフはゴール4km手前で吸収された。
ゴールスプリントで積極的に集団を率いたのはラボバンクとチームミルラム。最終ストレートでラボバンクがグレーム・ブラウン(オーストラリア)を発射したものの、ほぼ同時にスプリントを開始したアエドが先頭へ。アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)の追撃は届かず、アエドが先頭を守ってゴールに飛び込んだ。
2007年にも優勝しているアエドは大会2勝目を現すVサインでゴール。アエドは3月28日に行なわれたボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャの最終ステージでも優勝を飾っており、出場レース2連勝だ。
サクソバンクのブラドリー・マックギー監督は、チーム公式サイトの中で「JJ(アエド)のスプリントは素晴らしかった。あのグライペルでさえも、アエドのリアホイールから前に出ることが出来なかったぐらいだ。今年のJJは今までと違うレベルにある」とアエドの走りを賞賛。チームとしては、4月4日に開催されたロンド・ファン・フラーンデレンでのファビアン・カンチェラーラ(スイス)の勝利に続く勝ち星。今シーズンの勝利数を8に伸ばした。
レース後半のアタック合戦に加わり、ゴール手前ではエーススプリンターのロビン・シェニョー(オランダ)の牽引役を担った土井雪広は、先頭集団内の37位でゴール。4回目の出場で初完走を果たした。
土井は自身のブログの中で「190人出走で相当集団がアコーディオンだったけど、落車もせず、アタックのタイミングや様々な事を再確認できたレースでした。このレース、数年前は一瞬でリタイアに追い込まれてただけに、僕はどれだけ弱かったんだろうと思い返していました。次はトルコ。僕の挑戦は続きます」と語っている。土井の次戦は4月11日から18日までトルコで開催されるツアー・オブ・ターキー(UCI2.1)だ。
レース展開はレース公式サイトより。
ルント・ウム・ケルン2010結果
1位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) 4h56'08"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
3位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
4位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
5位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
6位 レネ・ウェイジンガー(ドイツ、フォアアールベルク・コラテック)
7位 ユーレ・コチャン(スロベニア、カルミオオーロ・NGC)
8位 ティム・メルテンス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
9位 ドミニク・クレンメ(ドイツ、サクソバンク)
10位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
37位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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