2019/01/15(火) - 15:25
アデレード近郊が気温40度の熱波に包まれた1月15日、サントス・ツアー・ダウンアンダー第1ステージでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がスプリント勝利。昨シーズン18勝のイタリアンチャンピオンが白星スタートを切った。
南オーストラリア州を包む熱波によってアデレードの気温は41度まで上昇。内陸のある街では47度という記録的な気温まで観測され、ブッシュファイヤー(山火事)に対する警報が発令されるほどの暑さの中、2019年のUCIワールドツアー初戦サントス・ツアー・ダウンアンダーが開幕した。
あまりの暑さと予想された強風を考慮して、選手代表のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・スーダル)らと協議したレース主催者はレースの短縮を決定。とはいえ、フィニッシュ手前の3.4km周回コースがカットされるという、あまり効果を感じられない変更が加えられた。レース距離は132.4kmから129kmに。獲得標高差は1,800mを超えるもののピュアスプリンター向き。近年山岳ステージの比率が上がっているダウンアンダーにおいては貴重なスプリンターのチャンスだ。
パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)、マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)、アルチョム・ザハロフ(カザフスタン、アスタナ)、ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)という4名がスタート直後に飛び出したものの思うようにタイム差を広げることができない。4分差まで広がったリードはロット・スーダルによるコントロールによって2分台を推移した。この日唯一のKOMでリーに先頭通過を許したザハロフは集団に戻ることを選択している。
2つのスプリントポイント(ベヴィンとストーラーが先頭通過)を終え、レースが丘陵地帯から平野部に向かうと、フィニッシュまで38kmを残して早くも逃げグループは吸収される。そこからフィニッシュ地点ポートアデレードまではほぼ真正面から強い風が吹く幹線道路。風向きの変化に警戒しながら、ほぼ全てと言っていい多くのチームが隊列を組んで道幅いっぱいに広がった。
動きが生まれないまま残り20km、残り15km、残り10kmと距離表示だけが減りゆき、徐々にスプリントに向けてスピードアップしながら残り5km。スプリンターチームと総合系チームが入り混じる集団が向かい風の中を50km/h以上のスピードで駆け抜ける。残り2kmを切り、幹線道路の下り区間でミッチェルトン・スコットが一気にペースを上げた。
どのチームも理想的なトレインを組めないまま集団は残り1.3kmから始まる2箇所の直角コーナーを抜け、唯一リードアウト要員を残したユンボ・ヴィズマがダニー・ファンポッペル(オランダ)を発射。2日前のクリテリウムを制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)ははるか後方に沈んでしまう。フィニッシュまでおよそ250mを残して、ファンポッペルの後ろから同時に加速を開始したマックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)が完全に抜け出した。
しかし向かい風で徐々にヴァルシャイドはスピードを失い、その後ろでもがくフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)とフェンスとの間をすり抜けたヴィヴィアーニが勢いよく迫る。スピード差をつけてヴァルシャイドを追い抜いたヴィヴィアーニ。同じく後方から追い上げたイタリアンスプリンターのヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)を振り切って、ヴィヴィアーニがフィニッシュラインで喜びを爆発させた。
ヴィヴィアーニにとって、そしてドゥクーニンク・クイックステップにとって今シーズン初勝利。「向かい風が吹いていたので混沌としたスプリントになったけど、チームのおかげでポジションをキープして、少しタイミングを遅らせてスプリントしたんだ。結果的に正しい判断だった」。幸先の良い勝利を飾り、イタリアチャンピオンジャージの上にオークル色(赤褐色)のリーダージャージを着たヴィヴィアーニは語る。
「実は、昨シーズン1回も落車しなかった自分が日曜日に落車してしまったので、このまま悪い流れにはまってしまうんじゃないかと不安になっていた。昨シーズンの出来があまりにもよかったのでプレッシャーを感じていただけに、この勝利で少しリラックスできる。明日もスプリンター向きのステージであり、残るチャンスをしっかりとものにしたい」。ヴィヴィアーニは2003年のファビオ・サッキ以来、16年ぶりにダウンアンダーでリーダージャージを着用したイタリア人選手となった。
何名かのスプリンターがフェンスと接触する荒々しいフィナーレとなったが、スプリント中の落車選手はゼロ。新城幸也(バーレーン・メリダ)は74位で第1ステージを終えている。「最後はシーベルグが1人でポジションを守って、バウハウスをスプリントに連れて行った。だから自分はできることをしながら、逆に邪魔にならないように2人に任せました」と、チームが木陰に用意した椅子に座って一息ついた新城は語る。木陰とはいえ気温が高いため体温は下がらず、足早に10kmほど離れた宿泊ホテルまで自走で戻って行った。
南オーストラリア州を包む熱波によってアデレードの気温は41度まで上昇。内陸のある街では47度という記録的な気温まで観測され、ブッシュファイヤー(山火事)に対する警報が発令されるほどの暑さの中、2019年のUCIワールドツアー初戦サントス・ツアー・ダウンアンダーが開幕した。
あまりの暑さと予想された強風を考慮して、選手代表のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・スーダル)らと協議したレース主催者はレースの短縮を決定。とはいえ、フィニッシュ手前の3.4km周回コースがカットされるという、あまり効果を感じられない変更が加えられた。レース距離は132.4kmから129kmに。獲得標高差は1,800mを超えるもののピュアスプリンター向き。近年山岳ステージの比率が上がっているダウンアンダーにおいては貴重なスプリンターのチャンスだ。
パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)、マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)、アルチョム・ザハロフ(カザフスタン、アスタナ)、ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)という4名がスタート直後に飛び出したものの思うようにタイム差を広げることができない。4分差まで広がったリードはロット・スーダルによるコントロールによって2分台を推移した。この日唯一のKOMでリーに先頭通過を許したザハロフは集団に戻ることを選択している。
2つのスプリントポイント(ベヴィンとストーラーが先頭通過)を終え、レースが丘陵地帯から平野部に向かうと、フィニッシュまで38kmを残して早くも逃げグループは吸収される。そこからフィニッシュ地点ポートアデレードまではほぼ真正面から強い風が吹く幹線道路。風向きの変化に警戒しながら、ほぼ全てと言っていい多くのチームが隊列を組んで道幅いっぱいに広がった。
動きが生まれないまま残り20km、残り15km、残り10kmと距離表示だけが減りゆき、徐々にスプリントに向けてスピードアップしながら残り5km。スプリンターチームと総合系チームが入り混じる集団が向かい風の中を50km/h以上のスピードで駆け抜ける。残り2kmを切り、幹線道路の下り区間でミッチェルトン・スコットが一気にペースを上げた。
どのチームも理想的なトレインを組めないまま集団は残り1.3kmから始まる2箇所の直角コーナーを抜け、唯一リードアウト要員を残したユンボ・ヴィズマがダニー・ファンポッペル(オランダ)を発射。2日前のクリテリウムを制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)ははるか後方に沈んでしまう。フィニッシュまでおよそ250mを残して、ファンポッペルの後ろから同時に加速を開始したマックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)が完全に抜け出した。
しかし向かい風で徐々にヴァルシャイドはスピードを失い、その後ろでもがくフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)とフェンスとの間をすり抜けたヴィヴィアーニが勢いよく迫る。スピード差をつけてヴァルシャイドを追い抜いたヴィヴィアーニ。同じく後方から追い上げたイタリアンスプリンターのヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)を振り切って、ヴィヴィアーニがフィニッシュラインで喜びを爆発させた。
ヴィヴィアーニにとって、そしてドゥクーニンク・クイックステップにとって今シーズン初勝利。「向かい風が吹いていたので混沌としたスプリントになったけど、チームのおかげでポジションをキープして、少しタイミングを遅らせてスプリントしたんだ。結果的に正しい判断だった」。幸先の良い勝利を飾り、イタリアチャンピオンジャージの上にオークル色(赤褐色)のリーダージャージを着たヴィヴィアーニは語る。
「実は、昨シーズン1回も落車しなかった自分が日曜日に落車してしまったので、このまま悪い流れにはまってしまうんじゃないかと不安になっていた。昨シーズンの出来があまりにもよかったのでプレッシャーを感じていただけに、この勝利で少しリラックスできる。明日もスプリンター向きのステージであり、残るチャンスをしっかりとものにしたい」。ヴィヴィアーニは2003年のファビオ・サッキ以来、16年ぶりにダウンアンダーでリーダージャージを着用したイタリア人選手となった。
何名かのスプリンターがフェンスと接触する荒々しいフィナーレとなったが、スプリント中の落車選手はゼロ。新城幸也(バーレーン・メリダ)は74位で第1ステージを終えている。「最後はシーベルグが1人でポジションを守って、バウハウスをスプリントに連れて行った。だから自分はできることをしながら、逆に邪魔にならないように2人に任せました」と、チームが木陰に用意した椅子に座って一息ついた新城は語る。木陰とはいえ気温が高いため体温は下がらず、足早に10kmほど離れた宿泊ホテルまで自走で戻って行った。
サントス・ツアー・ダウンアンダー2019第1ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:19:47 |
2位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | |
3位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ) | |
5位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
6位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ) | |
8位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
10位 | ダニエル・ホールゴール(ノルウェー、グルパマFDJ) | |
74位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:19:37 |
2位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | 0:00:04 |
3位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) | 0:00:05 |
4位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ) | |
5位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | 0:00:06 |
6位 | ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア) | 0:00:08 |
7位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ) | 0:00:10 |
8位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
9位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ) |
ポイント賞
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 15pts |
2位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | 14pts |
3位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | 13pts |
山岳賞
1位 | ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア) | 10pts |
2位 | アルチョム・ザハロフ(カザフスタン、アスタナ) | 6pts |
3位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) | 4pts |
ヤングライダー賞
1位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ) | 3:19:42 |
2位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | 0:00:01 |
3位 | ジェーソン・リー(オーストラリア、UniSAオーストラリア) | 0:00:03 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 9:59:21 |
2位 | カチューシャ・アルペシン | |
3位 | CCCチーム |
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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