2019/02/09(土) - 18:20
長年にわたりワールドチームと緊密な協力関係を築くフランスの総合バイクブランド、ラピエール。多くのレースで選手の走りを支えるオールラウンドバイクのフラッグシップモデル「XELIUS SL」がモデルチェンジを果たした。細部を改良し、完成の域へ至った名作をインプレッション。
世界最高のステージレース”ツール・ド・フランス”、北の地獄”パリ~ルーベ”など、数多あるレースの中で最も栄光に満ちたレースを育んできた自転車大国フランス。ロードレースに関する長い歴史と熱い情熱を持つフランスの中でも、トップレベルのチーム力を誇るのがグルパマFDJだ。
いくつものチームが現れては消えていく中で、長年に渡り安定した活動を続けるFDJを共に支え続けてきたのが、同郷のバイクブランド・ラピエール。チームと長期間にわたって密接な関係を築き上げ、トップレベルのレースを戦う選手からのフィードバックを受け続けることで、ラピエールは常にレーシングバイクの最前線に立ち続けてきた。
レーシングブランドらしく、オールラウンダー、エアロロード、エンデュランスの3モデルが揃うラピエールのロードバイクラインアップ。その中でもグルパマFDJの選手たちの使用率が高く、勝負所となる山岳ステージでフランス期待の星であるティボー・ピノの走りを支える中核モデルとなるのが、オールラウンドレーサーのXELIUS SLだ。
贅肉を削ぎ落すことで軽く強くなってきたレーシングバイクは、解析技術の発達とカーボンへの理解が深まったことで、競合ブランドであってもどこか似通った形状に収束してきた。高性能化と引き換えに外見的な個性を失ってきたのがレースバイクの歴史だとも言えよう。しかし、XELIUSはそういった流れに一石を投じるようなデザイン性を与えつつ、一方でトップレーサーを満足させる走行性能を実現してきた。
2016年にデビューしたXELIUS SLは、一目でライバルたちと見分けがつくシルエットを持っていた。シートチューブへと接続されるはずのシートステーがトップチューブに接続され、ヘッドチューブへ向けてさながら大きなアーチを描くようなフレームワークはXELIUSを唯一無二たらしめている。
もちろん、決してデザインのためのデザインではなく、シートステーを延長することによるフレキシビリティの向上、接続部の面積増大による捻じれ剛性の強化など、複数の目的を満たす構造は、まさに機能美というよりない。
ユニークな設計によって高い評価を獲得し、レースにおいても実績を残してきたXELIUS SLだったが、2019モデルでモデルチェンジを果たす。とはいえ、基本的な設計やコンセプト部分はほぼ受け継ぎ、各部に最新のトレンドに合わせたアップデートを施すことでより完成度を高めた。
一つのキーワードとなるのが、エアロダイナミクスだ。オールラウンドバイクにも空力性能が求められる昨今、ラピエールは同社のエアロロードであるAIRCODEのエッセンスをXELIUSへと導入した。空力向上のために手が加えられたのはダウンチューブ、そしてヘッドチューブの2箇所だ。
ダウンチューブはホイールとのクリアランスを狭める方向へと再設計され、ホイール周りで発生した空気の乱れを整える作用を果たす。ヘッドチューブはより短いデザインとなり、トップチューブから1段ドロップするようなデザインに。よりアグレッシブなポジションが可能なコックピットを実現し、ライダーとバイクトータルでの空力向上を狙う。
一方、エンデュランスバイクのPULSIUMからもXELIUSはフィードバックを受けている。BB付近のシートチューブを前後方向に薄い扁平断面とすることで、突き上げを緩和する衝撃吸収性を向上させつつ、左右方向へのねじれはしっかりと受け止める造形に。
また、ワイドタイヤへと対応するためにフロントフォークも新設計に。よりフォークブレード間の距離が広げられ、前方から見ると樽型の形状となっている。ホイールとのクリアランスも広がり、空気抜けも良くなることでエアロダイナミクスにも貢献しそうな設計だ。
バイク重量はほぼ変わらない一方で、ダウンチューブやチェーンステーといった、駆動力の伝達に重要な役割を果たすボトムラインのカーボンレイアップは再設計され、より「進む」バイクへと正統進化を遂げているとも。
シートクランプの設計にも手が加えられ、シンプルで信頼性の高い設計に。臼式シートクランプを採用するのは前作同様だが、クランプ位置をシートポストの後ろから前へと移動。ライダーの荷重が集中するシートチューブの後部をシンプルな構造とすることで、強度を高めトラブルを減らすと共に、スマートなルックスを実現した。
存在感のあるフレームワークはそのままに、空力性能と快適性を強化することに成功した新型XELIUS SL。今回はトップモデルXELIUS SL ULTIMATEを機械式ULTEGRAで組んだ試乗車にてテストした。フレームは爽やかなブルーが人気のティボー・ピノカラーだ。ワイドタイヤへの対応やシートクランプの改良など細部のアップデートも抜かりなく行われ、画竜点睛へと至った名車を二人はどう評するのか。それではインプレッションへと移ろう。
― インプレッション
「レーシングバイクらしい高めの剛性と軽快な登りが特徴的」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
ラピエールのフラッグシップとして、レーシングバイクらしい高めの剛性が特徴的なバイクです。一見、弓なりのフレーム形状や独特なシートチューブ付近の造形など、柔軟性がありそうに見えますが、そんなことはないですね。フレームがしっかりしているので、登りでも平坦でもパワーをかけた分だけグイグイ進んでいく感覚が楽しめます。
中でも登りの性能は抜群に良いですね。軽い車体を活かして、シッティングでペダルを小刻みに回してくような走り方をすると軽快に進んでくれました。フレームが硬めで少しリズムの速い反発があるため、ケイデンスは高めがマッチします。ダンシングする場合はゆっくりなケイデンスだと違和感を感じますが、ちょうどいいリズムにハマった時の加速は目を見張るものがありますね。
対してスプリントなど大きなパワーをかけていくような走り方でも、スピードが伸びていく感覚が強いです。短時間に大きな出力で加速するようなシーンではアドバンテージになってくれると思います。一方、高速巡航など長時間に渡ってトルクをかけ続けるようなシーンでは、フレームの硬さもあってそれなりに高い脚力を必要としてくる踏み味かなと。
ここまで生粋のレーシングバイクといった印象でしたが、ハンドリングに関してはクイックという感覚は受けませんでした。あくまで扱いやすさに舵を振ったニュートラルな印象ですね。フロントフォークもしっかりと剛性があるので、コーナリングの安定感も高いです。ただ、ブレーキはフロントがダイレクトマウントなのに対しリアがノーマルなため、前後でフィーリングの違いがあります。
またノーマルのシートポストを使用している点も評価できますね。昨今のハイエンドロードバイクは専用シートポストを使用しているバイクが多いですが、レースの現場ではトラブルはつきものですし、代替えがすぐ用意出来るのは安心感があります。そういった実戦派のライダーにとってもありがたい仕様だと思います。
高い走行性能を有しているので、実業団レースやヒルクライムレースで結果を出していきたい、自己ベストを更新していきたいというストイックな方に良い相棒になってくれると思います。ロングレースで使用するとなるとそれなりに脚は必要になってきそうですが、扱い慣れれば結果がついてくるハイパフォーマンスな1台ですね。
「群馬CSCや修善寺などのアップダウンとテクニカルダウンヒルに最適」宗吉貞幸(SPORTS CYCLE SHOP Swacchi)
レーシングバイクとしての完成度が高く、加減速に即座に対応してくれますし、ハンドリングもコントローラルブルで扱いやすいのが特徴です。特にフレームの下部に当たるフロントフォークからBB周り、チェーンステーの剛性が高いため、入力したパワーに対しての反応が良く、スピードを出していきやすいバイクです。
フレーム剛性の高さはこのバイクの特徴の1つだと思います。フレームにしなやかな遊びの部分というのがあまりなく、硬くねじれない高剛性が印象的です。そのため、力を掛けるとダイレクトに加速してくれます。一方、脚への反発は多少ありますが、このクラスのレーシングバイクとしては許容範囲内と言えるでしょう。
登坂性能に関しては車重の軽さも相まって非常に高いと思いました。軽めのギアを回してケイデンス高めで登っていくような状況でも、アタックをかけてライバルとせめぎ合うような走りでも総合的に対応することができますね。
また、平坦でも巡航と高速域からの再加速もお手の物ですね。特に高速域からの再加速はパワーをロスしない高いフレーム剛性が寄与していると思います。登りも平坦もしっかりこなせるオールラウンドさで、自転車文化が根付くフレンチブランドらしい質実剛健なレーシングバイクだと思いました。
ハンドリングはニュートラルな印象で、コーナーでも思い通りのラインをそのままトレースすることができる扱いやすさがあります。また快適性に関しては剛性の高いレーシングバイクらしい振動を感じますが、不快なほどではありません。
フレーム剛性が高く、激しい加速が連続するようなシーンで活きるバイクですので、日本の短めのホビーレースにはもってこいの性能になっています。群馬CSCや修善寺など細かいアップダウンとテクニカルな下りを含んだコースには最適な性能ですね。茂木や鈴鹿といった高速レースが展開されるサーキットコースでも持ち味を発揮してくれることと思います。
ラピエール XELIUS SL ULTIMATE
カラー:FDJ、PINOT、ブラック/ブルー
サイズ:46、49、52、55
税抜価格:389,000円(FDJ、PINOT)
379,000円(ブラック/ブルー)
インプレッションライダーのプロフィール
遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
新潟県長岡市に店舗を構えるサイクルワークス Fin’sの店長。学生時代にBMXから始まり、MTBやロードバイクまで幅広く自転車を楽しむバリバリの走れる系店長。2012年には全日本選手権ロードに出場した経験も。お店は完璧なメカニックサービスを提供するべく、クオリティの高い整備が評判だ。ショップ主催のサイクリングやレース活動に積極的で、初めての人から実業団レースで活躍したい人まで手厚いサポートを心がける。
CWレコメンドショップページ
サイクルワークス Fin’s HP
宗吉貞幸(SPORTS CYCLE SHOP Swacchi)
千葉県流山市にある「SPORTS CYCLE SHOP Swacchi」のスタッフ。自転車歴は95年からはじめて、2019年で25年目を迎える。レース活動も行っており、ニセコクラシックやツール・ド・おきなわ、実業団レースなどにも積極的に出場。日本体育協会自転車公認コーチの資格を有し、ロードバイクスクールの開催にも力を入れる。週末はショップライドをアテンドし、ショップのお客さんと一緒に自転車を楽しむことを重視している。
SPORTS CYCLE SHOP Swacchi HP
text:Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.AYANO
世界最高のステージレース”ツール・ド・フランス”、北の地獄”パリ~ルーベ”など、数多あるレースの中で最も栄光に満ちたレースを育んできた自転車大国フランス。ロードレースに関する長い歴史と熱い情熱を持つフランスの中でも、トップレベルのチーム力を誇るのがグルパマFDJだ。
いくつものチームが現れては消えていく中で、長年に渡り安定した活動を続けるFDJを共に支え続けてきたのが、同郷のバイクブランド・ラピエール。チームと長期間にわたって密接な関係を築き上げ、トップレベルのレースを戦う選手からのフィードバックを受け続けることで、ラピエールは常にレーシングバイクの最前線に立ち続けてきた。
レーシングブランドらしく、オールラウンダー、エアロロード、エンデュランスの3モデルが揃うラピエールのロードバイクラインアップ。その中でもグルパマFDJの選手たちの使用率が高く、勝負所となる山岳ステージでフランス期待の星であるティボー・ピノの走りを支える中核モデルとなるのが、オールラウンドレーサーのXELIUS SLだ。
贅肉を削ぎ落すことで軽く強くなってきたレーシングバイクは、解析技術の発達とカーボンへの理解が深まったことで、競合ブランドであってもどこか似通った形状に収束してきた。高性能化と引き換えに外見的な個性を失ってきたのがレースバイクの歴史だとも言えよう。しかし、XELIUSはそういった流れに一石を投じるようなデザイン性を与えつつ、一方でトップレーサーを満足させる走行性能を実現してきた。
2016年にデビューしたXELIUS SLは、一目でライバルたちと見分けがつくシルエットを持っていた。シートチューブへと接続されるはずのシートステーがトップチューブに接続され、ヘッドチューブへ向けてさながら大きなアーチを描くようなフレームワークはXELIUSを唯一無二たらしめている。
もちろん、決してデザインのためのデザインではなく、シートステーを延長することによるフレキシビリティの向上、接続部の面積増大による捻じれ剛性の強化など、複数の目的を満たす構造は、まさに機能美というよりない。
ユニークな設計によって高い評価を獲得し、レースにおいても実績を残してきたXELIUS SLだったが、2019モデルでモデルチェンジを果たす。とはいえ、基本的な設計やコンセプト部分はほぼ受け継ぎ、各部に最新のトレンドに合わせたアップデートを施すことでより完成度を高めた。
一つのキーワードとなるのが、エアロダイナミクスだ。オールラウンドバイクにも空力性能が求められる昨今、ラピエールは同社のエアロロードであるAIRCODEのエッセンスをXELIUSへと導入した。空力向上のために手が加えられたのはダウンチューブ、そしてヘッドチューブの2箇所だ。
ダウンチューブはホイールとのクリアランスを狭める方向へと再設計され、ホイール周りで発生した空気の乱れを整える作用を果たす。ヘッドチューブはより短いデザインとなり、トップチューブから1段ドロップするようなデザインに。よりアグレッシブなポジションが可能なコックピットを実現し、ライダーとバイクトータルでの空力向上を狙う。
一方、エンデュランスバイクのPULSIUMからもXELIUSはフィードバックを受けている。BB付近のシートチューブを前後方向に薄い扁平断面とすることで、突き上げを緩和する衝撃吸収性を向上させつつ、左右方向へのねじれはしっかりと受け止める造形に。
また、ワイドタイヤへと対応するためにフロントフォークも新設計に。よりフォークブレード間の距離が広げられ、前方から見ると樽型の形状となっている。ホイールとのクリアランスも広がり、空気抜けも良くなることでエアロダイナミクスにも貢献しそうな設計だ。
バイク重量はほぼ変わらない一方で、ダウンチューブやチェーンステーといった、駆動力の伝達に重要な役割を果たすボトムラインのカーボンレイアップは再設計され、より「進む」バイクへと正統進化を遂げているとも。
シートクランプの設計にも手が加えられ、シンプルで信頼性の高い設計に。臼式シートクランプを採用するのは前作同様だが、クランプ位置をシートポストの後ろから前へと移動。ライダーの荷重が集中するシートチューブの後部をシンプルな構造とすることで、強度を高めトラブルを減らすと共に、スマートなルックスを実現した。
存在感のあるフレームワークはそのままに、空力性能と快適性を強化することに成功した新型XELIUS SL。今回はトップモデルXELIUS SL ULTIMATEを機械式ULTEGRAで組んだ試乗車にてテストした。フレームは爽やかなブルーが人気のティボー・ピノカラーだ。ワイドタイヤへの対応やシートクランプの改良など細部のアップデートも抜かりなく行われ、画竜点睛へと至った名車を二人はどう評するのか。それではインプレッションへと移ろう。
― インプレッション
「レーシングバイクらしい高めの剛性と軽快な登りが特徴的」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
ラピエールのフラッグシップとして、レーシングバイクらしい高めの剛性が特徴的なバイクです。一見、弓なりのフレーム形状や独特なシートチューブ付近の造形など、柔軟性がありそうに見えますが、そんなことはないですね。フレームがしっかりしているので、登りでも平坦でもパワーをかけた分だけグイグイ進んでいく感覚が楽しめます。
中でも登りの性能は抜群に良いですね。軽い車体を活かして、シッティングでペダルを小刻みに回してくような走り方をすると軽快に進んでくれました。フレームが硬めで少しリズムの速い反発があるため、ケイデンスは高めがマッチします。ダンシングする場合はゆっくりなケイデンスだと違和感を感じますが、ちょうどいいリズムにハマった時の加速は目を見張るものがありますね。
対してスプリントなど大きなパワーをかけていくような走り方でも、スピードが伸びていく感覚が強いです。短時間に大きな出力で加速するようなシーンではアドバンテージになってくれると思います。一方、高速巡航など長時間に渡ってトルクをかけ続けるようなシーンでは、フレームの硬さもあってそれなりに高い脚力を必要としてくる踏み味かなと。
ここまで生粋のレーシングバイクといった印象でしたが、ハンドリングに関してはクイックという感覚は受けませんでした。あくまで扱いやすさに舵を振ったニュートラルな印象ですね。フロントフォークもしっかりと剛性があるので、コーナリングの安定感も高いです。ただ、ブレーキはフロントがダイレクトマウントなのに対しリアがノーマルなため、前後でフィーリングの違いがあります。
またノーマルのシートポストを使用している点も評価できますね。昨今のハイエンドロードバイクは専用シートポストを使用しているバイクが多いですが、レースの現場ではトラブルはつきものですし、代替えがすぐ用意出来るのは安心感があります。そういった実戦派のライダーにとってもありがたい仕様だと思います。
高い走行性能を有しているので、実業団レースやヒルクライムレースで結果を出していきたい、自己ベストを更新していきたいというストイックな方に良い相棒になってくれると思います。ロングレースで使用するとなるとそれなりに脚は必要になってきそうですが、扱い慣れれば結果がついてくるハイパフォーマンスな1台ですね。
「群馬CSCや修善寺などのアップダウンとテクニカルダウンヒルに最適」宗吉貞幸(SPORTS CYCLE SHOP Swacchi)
レーシングバイクとしての完成度が高く、加減速に即座に対応してくれますし、ハンドリングもコントローラルブルで扱いやすいのが特徴です。特にフレームの下部に当たるフロントフォークからBB周り、チェーンステーの剛性が高いため、入力したパワーに対しての反応が良く、スピードを出していきやすいバイクです。
フレーム剛性の高さはこのバイクの特徴の1つだと思います。フレームにしなやかな遊びの部分というのがあまりなく、硬くねじれない高剛性が印象的です。そのため、力を掛けるとダイレクトに加速してくれます。一方、脚への反発は多少ありますが、このクラスのレーシングバイクとしては許容範囲内と言えるでしょう。
登坂性能に関しては車重の軽さも相まって非常に高いと思いました。軽めのギアを回してケイデンス高めで登っていくような状況でも、アタックをかけてライバルとせめぎ合うような走りでも総合的に対応することができますね。
また、平坦でも巡航と高速域からの再加速もお手の物ですね。特に高速域からの再加速はパワーをロスしない高いフレーム剛性が寄与していると思います。登りも平坦もしっかりこなせるオールラウンドさで、自転車文化が根付くフレンチブランドらしい質実剛健なレーシングバイクだと思いました。
ハンドリングはニュートラルな印象で、コーナーでも思い通りのラインをそのままトレースすることができる扱いやすさがあります。また快適性に関しては剛性の高いレーシングバイクらしい振動を感じますが、不快なほどではありません。
フレーム剛性が高く、激しい加速が連続するようなシーンで活きるバイクですので、日本の短めのホビーレースにはもってこいの性能になっています。群馬CSCや修善寺など細かいアップダウンとテクニカルな下りを含んだコースには最適な性能ですね。茂木や鈴鹿といった高速レースが展開されるサーキットコースでも持ち味を発揮してくれることと思います。
ラピエール XELIUS SL ULTIMATE
カラー:FDJ、PINOT、ブラック/ブルー
サイズ:46、49、52、55
税抜価格:389,000円(FDJ、PINOT)
379,000円(ブラック/ブルー)
インプレッションライダーのプロフィール
遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
新潟県長岡市に店舗を構えるサイクルワークス Fin’sの店長。学生時代にBMXから始まり、MTBやロードバイクまで幅広く自転車を楽しむバリバリの走れる系店長。2012年には全日本選手権ロードに出場した経験も。お店は完璧なメカニックサービスを提供するべく、クオリティの高い整備が評判だ。ショップ主催のサイクリングやレース活動に積極的で、初めての人から実業団レースで活躍したい人まで手厚いサポートを心がける。
CWレコメンドショップページ
サイクルワークス Fin’s HP
宗吉貞幸(SPORTS CYCLE SHOP Swacchi)
千葉県流山市にある「SPORTS CYCLE SHOP Swacchi」のスタッフ。自転車歴は95年からはじめて、2019年で25年目を迎える。レース活動も行っており、ニセコクラシックやツール・ド・おきなわ、実業団レースなどにも積極的に出場。日本体育協会自転車公認コーチの資格を有し、ロードバイクスクールの開催にも力を入れる。週末はショップライドをアテンドし、ショップのお客さんと一緒に自転車を楽しむことを重視している。
SPORTS CYCLE SHOP Swacchi HP
text:Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.AYANO
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