2018/12/28(金) - 17:01
全3回に分けて2018年の国内レースシーンをプレーバック。Jプロツアー、全日本選手権、国内UCIレースなどを振り返ります。第1回は、沖縄で開幕したJプロツアーから、5月のツアー・オブ・ジャパンまでを見ていきます。
2月 Jプロツアー初の沖縄開幕 片山右京氏がJBCF理事長に就任
2月24日、Jプロツアーは初開催となる沖縄で開幕を迎えました。場所は、ツール・ド・おきなわのスタート地である名護市と那覇市のおよそ中間に位置する金武(きん)町。コースは金武ダム周辺の1周4.2kmの周回を使用して2日間のレースが開催されました。
この沖縄2日間を制したのは宇都宮ブリッツェンでした。初日は岡篤志、2日目は鈴木譲が優勝。一方で、今年からチームブリヂストンサイクリングに加入した窪木一茂が両日共に表彰台に乗り、リーダージャージを獲得しました。
開幕2連戦修了直後の2月28日、Jプロツアーを主催するJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)は、片山右京氏が新理事長に就任することを発表しました。併せて、今中大介氏や栗村修氏らが新理事に就任することが発表され、2021年の新プロリーグをスタートさせる構想が発表されました。
3月 早くも今年の行方が見えたJプロツアー 2回目開催のツール・ド・とちぎ
前年王者のマトリックスパワータグを含むほぼ全チームが揃ったJプロツアー第3戦・第4戦は修善寺の日本CSCで開催されました。日本CSCでのJプロツアー開催は2014年以来4年ぶりです。
第3戦は小集団のスプリント勝負に持ち込まれ、前年個人総合優勝のホセ・ビセンテ・トリビオが今季1勝目をマーク。僅差の2位には、今年シマノレーシングからプロデビューした黒枝咲哉が入りました。翌日の第4戦は、最終周回に抜け出した岡が優勝し、開幕戦に次ぐ今季2勝目を挙げました。開幕後4戦で3勝を挙げた宇都宮ブリッツェンは、この後もシーズンを席巻していくことになります。
3月23日からの3日間、栃木県内を舞台とするUCIステージレース「ツール・ド・とちぎ」が開催されました。2017年に続き2回目の開催となる今年は、渡良瀬遊水池での個人タイムトライアルでスタートし、栃木県を南北に往復するコース設定でレースが行われました。
個人総合優勝は、オーストラリアの若手マイケル・ポッター(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)でした。初日の個人タイムトライアル、翌日の第2ステージを連勝。第3ステージでは後方に取り残される場面もありましたが、首位を守って初優勝しました。
日本勢では、地元レースでの優勝を目指した宇都宮ブリッツェンの増田成幸の個人総合3位が最高位。チーム右京が団体総合で優勝しました。
4月 窪木一茂が強さを見せたJプロツアー
伝統の大会「チャレンジサイクルロードレース」が、4月7日と8日に修善寺の日本CSCで開催されました。8日に行われた男子エリートに相当するA-Eクラスでは、シマノレーシングの入部正太朗が優勝しました。入部は2日前まで「ツアー・オブ・タイランド」に出場し、前日朝に帰国して出場するというハードスケジュールでしたが、タイでステージ優勝した勢いそのままに優勝して見せました
4月29日と30日、Jプロツアー第5戦・第6戦は群馬CSCでの「東日本ロードクラシック」が開催されました。初日は窪木一茂が優勝し、新生チームブリヂストンサイクリングに1勝目をもたらしました。翌日はマトリックスパワータグのアイラン・フェルナンデスと窪木が写真判定になるほど僅差の勝負を演じ、アイランがJプロツアー初優勝を挙げました。惜しくも2連勝を逃した窪木でしたが、岡篤志に渡っていたリーダージャージを奪回しました。
5月 ブリッツェンの快進撃が続くJプロツアー マルコス・ガルシアがTOJ初優勝
Jプロツアー第7戦、第8戦の宇都宮2連戦は、地元チームの宇都宮ブリッツェンが完勝しました。初日のクリテリウムは、集団スプリントを制した小野寺玲、翌日ジャパンカップコースで行われたロードレースは増田成幸が優勝しました。増田は前年にバセドウ病を発病し、長期の戦線離脱を余儀なくされていましたが、このレースでの優勝が復帰後初優勝となりました。
5月20日、8日間764kmを走る日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」が開幕しました。
前年まで個人総合2連覇していたチーム右京のオスカル・プジョルが大会直前に欠場を発表しましたが、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニからダミアーノ・クネゴが初出場。さらにバーレーン・メリダから新城幸也が2年ぶりに出場し、注目を集めました。
その新城は、第3ステージのいなべで落車して負傷してしまいます。チームメイトのグレガ・ボーレのステージ優勝をアシストして完走しましたが、翌日の第4ステージはスタート前にリタイアを発表しました。リタイア発表の速報記事がアクセス数トップになってしまったのは何とも皮肉な結果となりました。
一方で、第2ステージの京都では雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)がステージ優勝。鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、小石祐馬(チーム右京)、草場啓吾(日本ナショナルチーム・日本大学)ら、日本人3人の争いとなった山岳賞は鈴木譲が獲得。中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が個人総合9位に入るなど、日本人の活躍が目立ちました。
個人総合は、キナンサイクリングチームのマルコス・ガルシアが初優勝しました。第5ステージの南信州でチームメイトのトマ・ルバが獲得したリーダージャージを翌第6ステージの富士山で受け継ぎ、最終日まで守りきりました。ガルシアにとっては前年のツール・ド・北海道に続く国内ステージレース2勝目となり、キナンサイクリングチームのアジアツアーでの躍進の原動力となりました。
第2回は6月のツール・ド・熊野、全日本選手権、7月のニセコクラシック、8月のインターハイ、インカレをプレーバックします。
text:Satoru Kato
2月 Jプロツアー初の沖縄開幕 片山右京氏がJBCF理事長に就任
2月24日、Jプロツアーは初開催となる沖縄で開幕を迎えました。場所は、ツール・ド・おきなわのスタート地である名護市と那覇市のおよそ中間に位置する金武(きん)町。コースは金武ダム周辺の1周4.2kmの周回を使用して2日間のレースが開催されました。
この沖縄2日間を制したのは宇都宮ブリッツェンでした。初日は岡篤志、2日目は鈴木譲が優勝。一方で、今年からチームブリヂストンサイクリングに加入した窪木一茂が両日共に表彰台に乗り、リーダージャージを獲得しました。
開幕2連戦修了直後の2月28日、Jプロツアーを主催するJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)は、片山右京氏が新理事長に就任することを発表しました。併せて、今中大介氏や栗村修氏らが新理事に就任することが発表され、2021年の新プロリーグをスタートさせる構想が発表されました。
3月 早くも今年の行方が見えたJプロツアー 2回目開催のツール・ド・とちぎ
前年王者のマトリックスパワータグを含むほぼ全チームが揃ったJプロツアー第3戦・第4戦は修善寺の日本CSCで開催されました。日本CSCでのJプロツアー開催は2014年以来4年ぶりです。
第3戦は小集団のスプリント勝負に持ち込まれ、前年個人総合優勝のホセ・ビセンテ・トリビオが今季1勝目をマーク。僅差の2位には、今年シマノレーシングからプロデビューした黒枝咲哉が入りました。翌日の第4戦は、最終周回に抜け出した岡が優勝し、開幕戦に次ぐ今季2勝目を挙げました。開幕後4戦で3勝を挙げた宇都宮ブリッツェンは、この後もシーズンを席巻していくことになります。
3月23日からの3日間、栃木県内を舞台とするUCIステージレース「ツール・ド・とちぎ」が開催されました。2017年に続き2回目の開催となる今年は、渡良瀬遊水池での個人タイムトライアルでスタートし、栃木県を南北に往復するコース設定でレースが行われました。
個人総合優勝は、オーストラリアの若手マイケル・ポッター(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)でした。初日の個人タイムトライアル、翌日の第2ステージを連勝。第3ステージでは後方に取り残される場面もありましたが、首位を守って初優勝しました。
日本勢では、地元レースでの優勝を目指した宇都宮ブリッツェンの増田成幸の個人総合3位が最高位。チーム右京が団体総合で優勝しました。
4月 窪木一茂が強さを見せたJプロツアー
伝統の大会「チャレンジサイクルロードレース」が、4月7日と8日に修善寺の日本CSCで開催されました。8日に行われた男子エリートに相当するA-Eクラスでは、シマノレーシングの入部正太朗が優勝しました。入部は2日前まで「ツアー・オブ・タイランド」に出場し、前日朝に帰国して出場するというハードスケジュールでしたが、タイでステージ優勝した勢いそのままに優勝して見せました
4月29日と30日、Jプロツアー第5戦・第6戦は群馬CSCでの「東日本ロードクラシック」が開催されました。初日は窪木一茂が優勝し、新生チームブリヂストンサイクリングに1勝目をもたらしました。翌日はマトリックスパワータグのアイラン・フェルナンデスと窪木が写真判定になるほど僅差の勝負を演じ、アイランがJプロツアー初優勝を挙げました。惜しくも2連勝を逃した窪木でしたが、岡篤志に渡っていたリーダージャージを奪回しました。
5月 ブリッツェンの快進撃が続くJプロツアー マルコス・ガルシアがTOJ初優勝
Jプロツアー第7戦、第8戦の宇都宮2連戦は、地元チームの宇都宮ブリッツェンが完勝しました。初日のクリテリウムは、集団スプリントを制した小野寺玲、翌日ジャパンカップコースで行われたロードレースは増田成幸が優勝しました。増田は前年にバセドウ病を発病し、長期の戦線離脱を余儀なくされていましたが、このレースでの優勝が復帰後初優勝となりました。
5月20日、8日間764kmを走る日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」が開幕しました。
前年まで個人総合2連覇していたチーム右京のオスカル・プジョルが大会直前に欠場を発表しましたが、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニからダミアーノ・クネゴが初出場。さらにバーレーン・メリダから新城幸也が2年ぶりに出場し、注目を集めました。
その新城は、第3ステージのいなべで落車して負傷してしまいます。チームメイトのグレガ・ボーレのステージ優勝をアシストして完走しましたが、翌日の第4ステージはスタート前にリタイアを発表しました。リタイア発表の速報記事がアクセス数トップになってしまったのは何とも皮肉な結果となりました。
一方で、第2ステージの京都では雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)がステージ優勝。鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、小石祐馬(チーム右京)、草場啓吾(日本ナショナルチーム・日本大学)ら、日本人3人の争いとなった山岳賞は鈴木譲が獲得。中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が個人総合9位に入るなど、日本人の活躍が目立ちました。
個人総合は、キナンサイクリングチームのマルコス・ガルシアが初優勝しました。第5ステージの南信州でチームメイトのトマ・ルバが獲得したリーダージャージを翌第6ステージの富士山で受け継ぎ、最終日まで守りきりました。ガルシアにとっては前年のツール・ド・北海道に続く国内ステージレース2勝目となり、キナンサイクリングチームのアジアツアーでの躍進の原動力となりました。
第2回は6月のツール・ド・熊野、全日本選手権、7月のニセコクラシック、8月のインターハイ、インカレをプレーバックします。
text:Satoru Kato
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