2018/11/01(木) - 14:38
秋の宇都宮を沸かせたジャパンカップ。優勝したロブ・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)のスコットFOILをはじめ、海外チームが駆ったバイクにフォーカスします。まずはワールドツアーチームを紹介する前編から。
ミッチェルトン・スコット/スコット FOIL、ADDICT
まず紹介するのは、アントワン・トールク(オランダ、ロットNLユンボ)とのマッチスプリントを制し、第27代ジャパンカップ覇者に輝いたロブ(ロバート)・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)のバイク。車体はエアロロードのFOIL RC PREMIUMで、身長184cmのパワーはLサイズを駆る。
ツール・ド・フランスではディスクブレーキ仕様のFOILを使ったミッチェルトン・スコットだが、ジャパンカップは全メンバーがリムブレーキ仕様のFOILを使用し、軽量オールラウンダーのADDICTはスペアバイクとして一台用意されるのみに留まった。また、ハンドルとステムは一体式のRR1.0 Carbonではなく、一般的なアルミステム+アルミハンドルを使う選手がほとんどで、選手供給専用の角度が深いステムをセットしたバイクもあった。
シマノサポートチームだけにコンポーネントはR9150系デュラエースDi2だが、研修生のブラヤン・チャベス(コロンビア)は旧型の6870系アルテグラDi2とインフォクランク+BBBのチェーンリングという組み合わせ。ホイールはクリテリウムに同C60、日曜日にC40と使い分けられていた。なおリアディレイラーハンガーは市販品には存在しないダイレクトマウントタイプだ。
タイヤは市販されていないチューブラー仕様のピレリP ZERO VELOだ。スヴェン・タフト(カナダ)とマシュー・ヘイマン(オーストラリア)のバイクにのみ、シートステーにピレリのステッカーが貼り付けられていた。ボトルケージは通常樹脂製のCannibal XCを用いるが、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)のみカーボン製の超軽量品「Leggero」を取り付けていた。
EFエデュケーションファースト・ドラパック/キャノンデール SUPERSIX EVO、SYSTEMSIX
EFエデュケーションファースト・ドラパックのメインバイクはオールラウンドモデルのSUPERSIX EVO Hi-MOD。ただしクリテリウムではローガン・オーウェン(アメリカ)が今年登場した新型エアロロードのSYSTEMSIX Hi-MODを使用し、サイラス・モンク(オーストラリア)は両日ともにディスクブレーキ仕様のSUPERSIX EVO Hi-MODを使用するなどバイク選びに違いが出た。
コンポーネントはR9150/R9170系デュラエースDi2で、クランクはSRM+キャノンデールSISL2クランク+FSAチェーンリングという3ブランドが入り混じる構成。ただしモンクのSUPERSIX EVO Discは旧型のST-R785レバーと9070系デュラエースのディレイラー、そしてPOWER2MAXのパワーメーターをセットしていたことが他と異なる。
FSA/ヴィジョンとの結びつきが強く、ハンドル周りやホイール、チェーンリングなどは全て同社製品で統一。ホイールはMETRON SLシリーズで、リムハイトは55mmと40mmの2種類。ディスクブレーキ用のチューブラーホイールは市販品として存在しない製品だ。ノーマルハンドルを使う選手が多い中、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)のみ一体式のMETRON 5DハンドルをSUPERSIXに取り付けていた。
ロットNLユンボ/ビアンキ Oltre XR4
ロットNLユンボの機材的な話題は、何と言ってもクーン・ボウマン(オランダ)が日の丸や富士山、ビアンキ創設の年である1885、桜などをあしらったスペシャルペイントのOltre XR4を使用したことだろう。ボウマンが逃げに乗ったことで一際輝きを放ったこのバイクは「ジャパンエディション」として限定販売がアナウンスされており、ビアンキファンにとっては見逃せないアイテムとなるだろう。
シマノサポートチームであるため、コンポーネントは当然R9150系デュラエースDi2。ホイールも同C40もしくはC60で、ロバート・ヘーシンク(オランダ)は日曜日のロードレースに向けて前C40/後C60という組み合わせを用いていた。なおロットNLユンボはまだディスクブレーキを投入していない。
タイヤはヴィットリアがテストしているCORSAの26c。バーテープやハンドル、サドルもチェレステがあしらわれているため、色味の統一感はプロトン随一。ヘーシンクやラース・ボーム(オランダ)はフレームやハンドルにお馴染み「餃子たん」シールを貼り付けていた。
トレック・セガフレード/トレック Madone SLR Disc、Emonda SLR Disc
ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)がクリテリウムで勝利したトレック・セガフレードは、デゲンコルプと別府史之、エウジェニオ・アラファチ(イタリア)、クーン・デコルト(オランダ)がエアロロードのMadone SLR Disc、ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)のみ軽量オールラウンダーのEmonda SLR Discというバイクチョイス。全バイクディスクブレーキ仕様だったことが特徴で、デゲンコルプのスペアバイクとしてツール・ド・フランスで使われた白いスペシャルペイントのMadoneの姿も。Madoneの振動吸収機構「IsoSpeed」は、おおよそ真ん中の位置にセットされていた。
また、通常Madoneは専用ハンドル/ステムを使うが、スペアバイクとして用意された一台はセッティングの自由度を向上させるためか、専用アダプターを使ってノーマルハンドル/ステムを取り付けていた。なお、デコルトとアラファチのステムは深いポジションを叶える-14度バージョンだ。
コンポーネントは全バイクがパワーメーター付きのR9170系デュラエースDi2で、ホイールはボントレガーのAEOLUSシリーズ。XXX4とXXX6を使い分けていたが、どちらも市販品には存在しないチューブラー仕様のディスクブレーキホイールだ。タイヤはヴィットリアのCORSA(25c)であり、ロットNLユンボとBMCレーシングが使ったテスト中の26cは確認できなかった。
BMCレーシング/BMC Teammachine SLR01
現体制ラストレースとなったBMCレーシングは、全メンバーがオールラウンドモデルのTeammachine SLR01で統一。ツール・ド・フランスで初投入された新型エアロロードTimemachine ROADは今回持ち込まれなかった。
全車リムブレーキバージョンだったため、コンポーネントはR9150デュラエースDi2。ホイールは同C40のみ持ち込まれた様子で、旧型のC50を使った選手も存在した。
BMCオリジナルのICSステムと3Tのカーボンハンドルと極めてオーソドックスなアッセンブルで、引退レースとなったサイモン・ゲランス(オーストラリア)のバイクには市販品には存在しない26cのCORSAタイヤが装着されていた。
text&photo:So.Isobe
ミッチェルトン・スコット/スコット FOIL、ADDICT
まず紹介するのは、アントワン・トールク(オランダ、ロットNLユンボ)とのマッチスプリントを制し、第27代ジャパンカップ覇者に輝いたロブ(ロバート)・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)のバイク。車体はエアロロードのFOIL RC PREMIUMで、身長184cmのパワーはLサイズを駆る。
ツール・ド・フランスではディスクブレーキ仕様のFOILを使ったミッチェルトン・スコットだが、ジャパンカップは全メンバーがリムブレーキ仕様のFOILを使用し、軽量オールラウンダーのADDICTはスペアバイクとして一台用意されるのみに留まった。また、ハンドルとステムは一体式のRR1.0 Carbonではなく、一般的なアルミステム+アルミハンドルを使う選手がほとんどで、選手供給専用の角度が深いステムをセットしたバイクもあった。
シマノサポートチームだけにコンポーネントはR9150系デュラエースDi2だが、研修生のブラヤン・チャベス(コロンビア)は旧型の6870系アルテグラDi2とインフォクランク+BBBのチェーンリングという組み合わせ。ホイールはクリテリウムに同C60、日曜日にC40と使い分けられていた。なおリアディレイラーハンガーは市販品には存在しないダイレクトマウントタイプだ。
タイヤは市販されていないチューブラー仕様のピレリP ZERO VELOだ。スヴェン・タフト(カナダ)とマシュー・ヘイマン(オーストラリア)のバイクにのみ、シートステーにピレリのステッカーが貼り付けられていた。ボトルケージは通常樹脂製のCannibal XCを用いるが、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)のみカーボン製の超軽量品「Leggero」を取り付けていた。
EFエデュケーションファースト・ドラパック/キャノンデール SUPERSIX EVO、SYSTEMSIX
EFエデュケーションファースト・ドラパックのメインバイクはオールラウンドモデルのSUPERSIX EVO Hi-MOD。ただしクリテリウムではローガン・オーウェン(アメリカ)が今年登場した新型エアロロードのSYSTEMSIX Hi-MODを使用し、サイラス・モンク(オーストラリア)は両日ともにディスクブレーキ仕様のSUPERSIX EVO Hi-MODを使用するなどバイク選びに違いが出た。
コンポーネントはR9150/R9170系デュラエースDi2で、クランクはSRM+キャノンデールSISL2クランク+FSAチェーンリングという3ブランドが入り混じる構成。ただしモンクのSUPERSIX EVO Discは旧型のST-R785レバーと9070系デュラエースのディレイラー、そしてPOWER2MAXのパワーメーターをセットしていたことが他と異なる。
FSA/ヴィジョンとの結びつきが強く、ハンドル周りやホイール、チェーンリングなどは全て同社製品で統一。ホイールはMETRON SLシリーズで、リムハイトは55mmと40mmの2種類。ディスクブレーキ用のチューブラーホイールは市販品として存在しない製品だ。ノーマルハンドルを使う選手が多い中、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)のみ一体式のMETRON 5DハンドルをSUPERSIXに取り付けていた。
ロットNLユンボ/ビアンキ Oltre XR4
ロットNLユンボの機材的な話題は、何と言ってもクーン・ボウマン(オランダ)が日の丸や富士山、ビアンキ創設の年である1885、桜などをあしらったスペシャルペイントのOltre XR4を使用したことだろう。ボウマンが逃げに乗ったことで一際輝きを放ったこのバイクは「ジャパンエディション」として限定販売がアナウンスされており、ビアンキファンにとっては見逃せないアイテムとなるだろう。
シマノサポートチームであるため、コンポーネントは当然R9150系デュラエースDi2。ホイールも同C40もしくはC60で、ロバート・ヘーシンク(オランダ)は日曜日のロードレースに向けて前C40/後C60という組み合わせを用いていた。なおロットNLユンボはまだディスクブレーキを投入していない。
タイヤはヴィットリアがテストしているCORSAの26c。バーテープやハンドル、サドルもチェレステがあしらわれているため、色味の統一感はプロトン随一。ヘーシンクやラース・ボーム(オランダ)はフレームやハンドルにお馴染み「餃子たん」シールを貼り付けていた。
トレック・セガフレード/トレック Madone SLR Disc、Emonda SLR Disc
ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)がクリテリウムで勝利したトレック・セガフレードは、デゲンコルプと別府史之、エウジェニオ・アラファチ(イタリア)、クーン・デコルト(オランダ)がエアロロードのMadone SLR Disc、ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)のみ軽量オールラウンダーのEmonda SLR Discというバイクチョイス。全バイクディスクブレーキ仕様だったことが特徴で、デゲンコルプのスペアバイクとしてツール・ド・フランスで使われた白いスペシャルペイントのMadoneの姿も。Madoneの振動吸収機構「IsoSpeed」は、おおよそ真ん中の位置にセットされていた。
また、通常Madoneは専用ハンドル/ステムを使うが、スペアバイクとして用意された一台はセッティングの自由度を向上させるためか、専用アダプターを使ってノーマルハンドル/ステムを取り付けていた。なお、デコルトとアラファチのステムは深いポジションを叶える-14度バージョンだ。
コンポーネントは全バイクがパワーメーター付きのR9170系デュラエースDi2で、ホイールはボントレガーのAEOLUSシリーズ。XXX4とXXX6を使い分けていたが、どちらも市販品には存在しないチューブラー仕様のディスクブレーキホイールだ。タイヤはヴィットリアのCORSA(25c)であり、ロットNLユンボとBMCレーシングが使ったテスト中の26cは確認できなかった。
BMCレーシング/BMC Teammachine SLR01
現体制ラストレースとなったBMCレーシングは、全メンバーがオールラウンドモデルのTeammachine SLR01で統一。ツール・ド・フランスで初投入された新型エアロロードTimemachine ROADは今回持ち込まれなかった。
全車リムブレーキバージョンだったため、コンポーネントはR9150デュラエースDi2。ホイールは同C40のみ持ち込まれた様子で、旧型のC50を使った選手も存在した。
BMCオリジナルのICSステムと3Tのカーボンハンドルと極めてオーソドックスなアッセンブルで、引退レースとなったサイモン・ゲランス(オーストラリア)のバイクには市販品には存在しない26cのCORSAタイヤが装着されていた。
text&photo:So.Isobe
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