2018/09/06(木) - 11:21
「今大会最も厳しいステージ」との声が相次いだブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ。逃げ切りでステージ通算3勝目を飾ったアレッサンドロ・デマルキや、一騎打ちに敗れたヨナタン・レストレポ、敢闘賞を獲得したバウケ・モレマらのコメントを紹介します。
ステージ優勝 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)
今日は序盤からずっとアタックの応酬で、決定的に見える動きばかりだった。1秒も気が抜けないような展開。でもその度に先頭は一つに戻って、諦めずに自分も勝負しようと決めたんだ。逃げグループの中にディラン(トゥーンス)とニコ(ロッシュ)の2人が入っていたことも大きかった。自分が先行している時も彼らが後ろでチェックしてくれていると自信を持っていた。
もし(レストレポとの)スプリント勝負に持ち込まれていれば間違いなく2位だった。だから最後の登りを全開で走って彼を千切るしか方法はなかった。正直言うと絶好調とは言えない状態だけど、頭を使って勝ったんだ。5時間におよぶファイト。運が味方したことも大きいけど、とにかく今まで手にした勝利の中で最もハードなものだった。
この数シーズンはチャンスを逃し続けていた。自分の中に何かが足りないんじゃないかと感じ始めると、勝つイメージをできない悪循環に陥ってしまう。忍耐強く、正しいタイミングを待ち続けるしかなかった。今はどうすれば勝てるのかが理解できる。逃げで勝利を狙う自分のような選手は、逃げ切ってこそ評価されるんだ。この瞬間をずっと待ち続けていたので最後は解放された気持ちになった。自分自身を見つけた気がした。
ステージ2位 ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)
今日は自分よりもデマルキのほうが強かった。最後の登りで彼に食らいつこうとしたけど、身体のあちこちが攣ってしまってどうすることもできなかった。でもこのハイレベルなステージで勝負に絡んだことには満足しているよ。調子は良いのでこの先のステージで再びトライするよ。
実はこのステージのために力をセーブしながら大会1週目を走っていた。だから全力で勝負した。最初の2時間は本当にクレイジーだったよ。スタートして1時間でパンクしてしまったので、集団に復帰するのに余計な力を使ってしまったと思う。スタートからフィニッシュまでアクセル全開の1日だった。
ステージ3位 フランコ・ペリツォッティ(イタリア、バーレーン・メリダ)
強力な選手がずらりと揃った逃げグループ。その中に入ったBMCレーシングの3名を引き離すような動きができなかった。デマルキとレストレポがアタックした時、反応するタイミングが遅れてしまった。目の前を走る彼らを追いかけ続けたけど届かなかった。愛しているこのスポーツの第一線でまだ戦えるということを実感しながら、このシーズンの最後に現役を退くのは悪くない気持ちだ。
ステージ7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
終盤はもう疲れ切っていた。100kmにわたってアタック合戦が続き、逃げグループが形成されてからも協調体制を築けなかったので安定せず。常にアタックがかかるような状態だったので、終盤に向けて力を貯めることができなかった。終盤の登りも勾配が緩く、登りで一気にタイム差を詰めることもできず。トップ10に入ることができたけど、全く満足していない。
ステージ10位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
ポーカーゲームのようだった。結果的に総合ジャンプアップは果たせなかったけどまた挑戦したい。楽しみながらこのブエルタを走れているし調子も良い。今日は力を使い果たしたよ。この先のステージのことを考えながら疲労度を計算しようとは思わない。計算なんてしたくないんだ。
ステージ敢闘賞 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
全力を尽くした。逃げグループに入って、残り50kmでアタックしたけど、今日はステージ優勝を果たせるような脚の状態ではなかった。ステージ敢闘賞はせめてもの報い。今日はブエルタの中で最も魅力的なステージであり、同時に1年の中で最もハードな1日だったと思う。逃げグループ形成まで時間がかかったし、逃げグループの選手は誰もが鼻息荒くステージ優勝を狙っていたし、コースも予想以上にアップダウンが連続するトリッキーなもの。とにかくスタートからフィニッシュまでスーパーハードだった。
ステージ12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
コースの難易度も高く、ハイスピードな展開のおかげで極めてハードな1日だった。何回か雨が降っただけで天候は問題なかったけど、とにかくペースが速かった。105km地点で逃げグループが形成されるまで激しいバトルが続いていたし、逃げが決まってからも、逃げにチームメイトを1名送り込んでいたにもかかわらず、メイン集団を牽引せざるを得ない状況だった。他のチームはどこも集団を引こうとしなかった。いつも通り、モビスターしか引くチームがいなかった。
マイヨロホ サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
レッドジャージを失ってしまうんじゃないかとは思わなかった。前半の100kmはアタックが連発する高強度な展開で、集団内は混沌としていた。ミッチェルトン・スコットには集団を牽引する力が残っていないので、集団コントロールをモビスターに一任することになった。もちろん逃げに乗ったピノは危険な存在だったものの、チームとして全てをコントロールすることはできない。少しリスクを伴ったけど、結果的に今日のステージを終えてまだレッドジャージを着ている。脚は問題なく回っているし、この先の本当の山岳ステージが楽しみだ。
ステージ17位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
過酷なステージだった。レース序盤、集団が割れた時にメカトラが発生して、バイクを交換する必要があった。そこから集団に復帰するまで永遠のように感じたよ。常に自分の周りで走り続けてくれたチームのおかげで、40km以上の追走の末に集団復帰。追走に力を使いながらも、最後までトップ選手との戦いに残ることができた。コンディションは良いのでこれからも戦い続ける。今日はチームの結束を確認する良い1日だった。
ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
日を追うごとに調子が上がっている。今日は逃げに乗ってステージ優勝したかった。でも集団は自分の逃げを容認せず。これで諦めたわけじゃないし、またトライしたい。
text:Kei Tsuji
ステージ優勝 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)
今日は序盤からずっとアタックの応酬で、決定的に見える動きばかりだった。1秒も気が抜けないような展開。でもその度に先頭は一つに戻って、諦めずに自分も勝負しようと決めたんだ。逃げグループの中にディラン(トゥーンス)とニコ(ロッシュ)の2人が入っていたことも大きかった。自分が先行している時も彼らが後ろでチェックしてくれていると自信を持っていた。
もし(レストレポとの)スプリント勝負に持ち込まれていれば間違いなく2位だった。だから最後の登りを全開で走って彼を千切るしか方法はなかった。正直言うと絶好調とは言えない状態だけど、頭を使って勝ったんだ。5時間におよぶファイト。運が味方したことも大きいけど、とにかく今まで手にした勝利の中で最もハードなものだった。
この数シーズンはチャンスを逃し続けていた。自分の中に何かが足りないんじゃないかと感じ始めると、勝つイメージをできない悪循環に陥ってしまう。忍耐強く、正しいタイミングを待ち続けるしかなかった。今はどうすれば勝てるのかが理解できる。逃げで勝利を狙う自分のような選手は、逃げ切ってこそ評価されるんだ。この瞬間をずっと待ち続けていたので最後は解放された気持ちになった。自分自身を見つけた気がした。
ステージ2位 ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)
今日は自分よりもデマルキのほうが強かった。最後の登りで彼に食らいつこうとしたけど、身体のあちこちが攣ってしまってどうすることもできなかった。でもこのハイレベルなステージで勝負に絡んだことには満足しているよ。調子は良いのでこの先のステージで再びトライするよ。
実はこのステージのために力をセーブしながら大会1週目を走っていた。だから全力で勝負した。最初の2時間は本当にクレイジーだったよ。スタートして1時間でパンクしてしまったので、集団に復帰するのに余計な力を使ってしまったと思う。スタートからフィニッシュまでアクセル全開の1日だった。
ステージ3位 フランコ・ペリツォッティ(イタリア、バーレーン・メリダ)
強力な選手がずらりと揃った逃げグループ。その中に入ったBMCレーシングの3名を引き離すような動きができなかった。デマルキとレストレポがアタックした時、反応するタイミングが遅れてしまった。目の前を走る彼らを追いかけ続けたけど届かなかった。愛しているこのスポーツの第一線でまだ戦えるということを実感しながら、このシーズンの最後に現役を退くのは悪くない気持ちだ。
ステージ7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
終盤はもう疲れ切っていた。100kmにわたってアタック合戦が続き、逃げグループが形成されてからも協調体制を築けなかったので安定せず。常にアタックがかかるような状態だったので、終盤に向けて力を貯めることができなかった。終盤の登りも勾配が緩く、登りで一気にタイム差を詰めることもできず。トップ10に入ることができたけど、全く満足していない。
ステージ10位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
ポーカーゲームのようだった。結果的に総合ジャンプアップは果たせなかったけどまた挑戦したい。楽しみながらこのブエルタを走れているし調子も良い。今日は力を使い果たしたよ。この先のステージのことを考えながら疲労度を計算しようとは思わない。計算なんてしたくないんだ。
ステージ敢闘賞 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
全力を尽くした。逃げグループに入って、残り50kmでアタックしたけど、今日はステージ優勝を果たせるような脚の状態ではなかった。ステージ敢闘賞はせめてもの報い。今日はブエルタの中で最も魅力的なステージであり、同時に1年の中で最もハードな1日だったと思う。逃げグループ形成まで時間がかかったし、逃げグループの選手は誰もが鼻息荒くステージ優勝を狙っていたし、コースも予想以上にアップダウンが連続するトリッキーなもの。とにかくスタートからフィニッシュまでスーパーハードだった。
ステージ12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
コースの難易度も高く、ハイスピードな展開のおかげで極めてハードな1日だった。何回か雨が降っただけで天候は問題なかったけど、とにかくペースが速かった。105km地点で逃げグループが形成されるまで激しいバトルが続いていたし、逃げが決まってからも、逃げにチームメイトを1名送り込んでいたにもかかわらず、メイン集団を牽引せざるを得ない状況だった。他のチームはどこも集団を引こうとしなかった。いつも通り、モビスターしか引くチームがいなかった。
マイヨロホ サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
レッドジャージを失ってしまうんじゃないかとは思わなかった。前半の100kmはアタックが連発する高強度な展開で、集団内は混沌としていた。ミッチェルトン・スコットには集団を牽引する力が残っていないので、集団コントロールをモビスターに一任することになった。もちろん逃げに乗ったピノは危険な存在だったものの、チームとして全てをコントロールすることはできない。少しリスクを伴ったけど、結果的に今日のステージを終えてまだレッドジャージを着ている。脚は問題なく回っているし、この先の本当の山岳ステージが楽しみだ。
ステージ17位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
過酷なステージだった。レース序盤、集団が割れた時にメカトラが発生して、バイクを交換する必要があった。そこから集団に復帰するまで永遠のように感じたよ。常に自分の周りで走り続けてくれたチームのおかげで、40km以上の追走の末に集団復帰。追走に力を使いながらも、最後までトップ選手との戦いに残ることができた。コンディションは良いのでこれからも戦い続ける。今日はチームの結束を確認する良い1日だった。
ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
日を追うごとに調子が上がっている。今日は逃げに乗ってステージ優勝したかった。でも集団は自分の逃げを容認せず。これで諦めたわけじゃないし、またトライしたい。
text:Kei Tsuji
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