2018/08/28(火) - 16:06
大会最初の集団スプリントに持ち込まれたブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ。「開幕前にフィニッシュを試走していたので問題なく勝負に挑めた」と語るステージ優勝者エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)をはじめ、選手たちのコメントを紹介します。
ステージ優勝 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
ニッツォーロを下したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
素晴らしいシーズンを印象付ける、美しく特別な勝利だ。ブエルタでのステージ初優勝、そしてイタリアチャンピオンジャージを着てのグランツールステージ初優勝。完璧な1日を完璧な形で締めくくることができた。とにかく言葉では表現できないほどチームメイトたちの走りは素晴らしかったよ。
今日は他のチームが積極的に集団を引かなかったので、レースをコントロールするのが難しい状況。ステージの約90%はクイックステップフロアーズが前を引いていたと思う。カスパー(アスグリーン)とピーター(セリー)が1日中ずっと集団を引いて、フィニッシュが近づくとドリス(デヴェナインス)が前に上がってスピードを維持。そして最後はミケル(モルコフ)のおかげで理想的なポジションをキープした。サガンが動くのを感じてスプリントを開始。ゆるい追い風が吹く中で正しいタイミングだったと思う。先週、開幕前にフィニッシュを試走していたので問題なく勝負に挑めたよ。
グランツールには簡単なステージが存在しない。特にブエルタでは、ロードブックでは平坦コースのように見えても、実際には登りが詰め込まれていることが多い。獲得標高差が3,000mに達する厳しいステージだったので勝利を確信していなかったものの、ウルフパック(狼の群れ)として一つの目標に向かってコミットしたんだ。
ステージ優勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
ステージ2位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)
ステージ優勝を狙える今のレベルまで復活したことを嬉しく思う。(3位に入った)ライド・ロンドン・サリー・クラシックの前後から調子の良さを取り戻し、今日の結果でその復調ぶりを改めて確認できたよ。ステージ優勝を逃したことはもちろん悔しいけど、信じられないほど勝ちまくっているヴィヴィアーニが今日は誰よりも速かった。
コースはタフだった。フィニッシュ手前にいくつもの登りが組み込まれていたので明確なスプリントステージではなかったし、残り40km地点から先は常に集団のスピードが速かった。チームメイトたちのおかげでポジションを守り、最後はヴィヴィアーニの番手を確保。彼より先に仕掛けようとしたけど、彼もほぼ同時にスプリントを開始した。肩を突き合わす一騎打ちになってステージ2位。チームとしてこの先のステージでリベンジを果たしたい。
ステージ3位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
今日も気温が高いハードなステージだった。まだまだベストには程遠い状態だけど、調子が上がってきているのを感じたのでスプリントに挑むことにしたんだ。チームの働きは素晴らしかったし、ルーカス(ペストルベルガー)のアタックも勇敢だった。最後はチームメイトたちに連れられて全力でスプリント。でも今日はヴィヴィアーニが最も速かった。
リラックスして走る世界チャンピオンのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ステージ4位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
ヴィヴィアーニの番手につけていたけど、残り600mでポジションを失ってしまった。勝利したヴィヴィアーニを心から祝福したい。
ステージ6位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)
高い気温も手伝ってとてもタフなステージだった。スプリント勝負に絡めたことに満足している。調子は良かったし、明日以降も調子は上向きになると思う。登りの多いタフなブエルタは自分向き。自分にとってもチームにとって、ステージ優勝のチャンスは残されている。
ステージ8位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
今日の作戦は、登りで集団に残ってスプリントに挑むこと。でも暑さの影響で一時的に登りで遅れてしまうシーンもあった。何とか回復して集団に戻ってスプリントへ。最後のラウンドアバウトで中切れが発生して、後ろに取り残されてしまったことが敗因。その時点でステージ優勝の可能性はなかった。少し作戦に調整を加えて引き続きステージ優勝を狙うよ。
マイヨロホ ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
今日はそこまでテクニカルなステージではなかったけど、トラブルに巻き込まれるのを避けるために常に集団前方で走った。最後は多くの選手が集団先頭でポジションを争い、しかもラウンドアバウトやコーナー、短い登りを含むとてもナーバスなフィニッシュだった。このレッドジャージを手に入れたいはずのアレハンドロ・バルベルデを常にマークしていたよ。彼の番手につけて、ボーナスタイムを奪われないように気を払っていた。
レッドジャージをキープできたことを嬉しく思う。このジャージをできる限り長く着続けたい。明日は、大会最初の本格的な試練である、とてもハードな山頂フィニッシュが待っている。ここ最近は登坂力の向上に取り組んでいるので、その成果が明日分かると思う。キンタナや他のライバルたちとどれだけ張り合えるかは正直まだ分からない。スペイン特有の暑さや脱水を考えると、最後まで力を温存することが重要。ジャージを守るためにスマート(賢明)に走る必要がある。
ステージ13位のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)がマイヨロホをキープ photo:CorVos
ステージ12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
落車を避けるために集団前方で走ることに徹した。トップスプリンター相手に勝負しようとは思っていなかったよ。暑さによってタフなステージだったけど何も問題なかった。明日の1級山岳フィニッシュは自分向きじゃないと思う。
ステージ敢闘賞 ジョルディ・シモン(スペイン、ブルゴスBH)
今日は最初から逃げに乗る作戦だった。風が強くてタイム差を思うように広げることができなかったけど、調子が良かったので目立つ走りができたと思う。終盤にタイム差が縮まったところで後続が合流。新たな力を得たものの、逃げ切ることはできなかった。昨日はパブロ(トレス)が逃げて今日は自分が逃げた。明日以降も逃げを狙いたい。
ジョルディ・シモン(スペイン、ブルゴスBH)を含む逃げグループ photo:CorVos
ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
ロット・スーダルの選手たちのアタックに反応することで、集団内のチームメイトたちの力を温存することができたと思う。終盤にかけて単独で抜け出して独走したけど、フィニッシュラインまで逃げ切るのは難しい展開だった。でも挑戦しなければ勝利のチャンスは巡ってこない。脚の調子はとても良いので、明日以降のステージで再びチャンスを狙うよ。
text:Kei Tsuji
ステージ優勝 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
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素晴らしいシーズンを印象付ける、美しく特別な勝利だ。ブエルタでのステージ初優勝、そしてイタリアチャンピオンジャージを着てのグランツールステージ初優勝。完璧な1日を完璧な形で締めくくることができた。とにかく言葉では表現できないほどチームメイトたちの走りは素晴らしかったよ。
今日は他のチームが積極的に集団を引かなかったので、レースをコントロールするのが難しい状況。ステージの約90%はクイックステップフロアーズが前を引いていたと思う。カスパー(アスグリーン)とピーター(セリー)が1日中ずっと集団を引いて、フィニッシュが近づくとドリス(デヴェナインス)が前に上がってスピードを維持。そして最後はミケル(モルコフ)のおかげで理想的なポジションをキープした。サガンが動くのを感じてスプリントを開始。ゆるい追い風が吹く中で正しいタイミングだったと思う。先週、開幕前にフィニッシュを試走していたので問題なく勝負に挑めたよ。
グランツールには簡単なステージが存在しない。特にブエルタでは、ロードブックでは平坦コースのように見えても、実際には登りが詰め込まれていることが多い。獲得標高差が3,000mに達する厳しいステージだったので勝利を確信していなかったものの、ウルフパック(狼の群れ)として一つの目標に向かってコミットしたんだ。
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ステージ2位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)
ステージ優勝を狙える今のレベルまで復活したことを嬉しく思う。(3位に入った)ライド・ロンドン・サリー・クラシックの前後から調子の良さを取り戻し、今日の結果でその復調ぶりを改めて確認できたよ。ステージ優勝を逃したことはもちろん悔しいけど、信じられないほど勝ちまくっているヴィヴィアーニが今日は誰よりも速かった。
コースはタフだった。フィニッシュ手前にいくつもの登りが組み込まれていたので明確なスプリントステージではなかったし、残り40km地点から先は常に集団のスピードが速かった。チームメイトたちのおかげでポジションを守り、最後はヴィヴィアーニの番手を確保。彼より先に仕掛けようとしたけど、彼もほぼ同時にスプリントを開始した。肩を突き合わす一騎打ちになってステージ2位。チームとしてこの先のステージでリベンジを果たしたい。
ステージ3位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
今日も気温が高いハードなステージだった。まだまだベストには程遠い状態だけど、調子が上がってきているのを感じたのでスプリントに挑むことにしたんだ。チームの働きは素晴らしかったし、ルーカス(ペストルベルガー)のアタックも勇敢だった。最後はチームメイトたちに連れられて全力でスプリント。でも今日はヴィヴィアーニが最も速かった。
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ステージ4位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
ヴィヴィアーニの番手につけていたけど、残り600mでポジションを失ってしまった。勝利したヴィヴィアーニを心から祝福したい。
ステージ6位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)
高い気温も手伝ってとてもタフなステージだった。スプリント勝負に絡めたことに満足している。調子は良かったし、明日以降も調子は上向きになると思う。登りの多いタフなブエルタは自分向き。自分にとってもチームにとって、ステージ優勝のチャンスは残されている。
ステージ8位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
今日の作戦は、登りで集団に残ってスプリントに挑むこと。でも暑さの影響で一時的に登りで遅れてしまうシーンもあった。何とか回復して集団に戻ってスプリントへ。最後のラウンドアバウトで中切れが発生して、後ろに取り残されてしまったことが敗因。その時点でステージ優勝の可能性はなかった。少し作戦に調整を加えて引き続きステージ優勝を狙うよ。
マイヨロホ ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
今日はそこまでテクニカルなステージではなかったけど、トラブルに巻き込まれるのを避けるために常に集団前方で走った。最後は多くの選手が集団先頭でポジションを争い、しかもラウンドアバウトやコーナー、短い登りを含むとてもナーバスなフィニッシュだった。このレッドジャージを手に入れたいはずのアレハンドロ・バルベルデを常にマークしていたよ。彼の番手につけて、ボーナスタイムを奪われないように気を払っていた。
レッドジャージをキープできたことを嬉しく思う。このジャージをできる限り長く着続けたい。明日は、大会最初の本格的な試練である、とてもハードな山頂フィニッシュが待っている。ここ最近は登坂力の向上に取り組んでいるので、その成果が明日分かると思う。キンタナや他のライバルたちとどれだけ張り合えるかは正直まだ分からない。スペイン特有の暑さや脱水を考えると、最後まで力を温存することが重要。ジャージを守るためにスマート(賢明)に走る必要がある。
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ステージ12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
落車を避けるために集団前方で走ることに徹した。トップスプリンター相手に勝負しようとは思っていなかったよ。暑さによってタフなステージだったけど何も問題なかった。明日の1級山岳フィニッシュは自分向きじゃないと思う。
ステージ敢闘賞 ジョルディ・シモン(スペイン、ブルゴスBH)
今日は最初から逃げに乗る作戦だった。風が強くてタイム差を思うように広げることができなかったけど、調子が良かったので目立つ走りができたと思う。終盤にタイム差が縮まったところで後続が合流。新たな力を得たものの、逃げ切ることはできなかった。昨日はパブロ(トレス)が逃げて今日は自分が逃げた。明日以降も逃げを狙いたい。
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ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
ロット・スーダルの選手たちのアタックに反応することで、集団内のチームメイトたちの力を温存することができたと思う。終盤にかけて単独で抜け出して独走したけど、フィニッシュラインまで逃げ切るのは難しい展開だった。でも挑戦しなければ勝利のチャンスは巡ってこない。脚の調子はとても良いので、明日以降のステージで再びチャンスを狙うよ。
text:Kei Tsuji
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