2018/08/10(金) - 09:10
12カ所のカテゴリー山岳を越えて、精鋭グループの中から下りロングスパートを成功させたゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ)が勝利。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)がツール・ド・ポローニュ初制覇に王手をかけた。
佳境を迎えるツール・ド・ポローニュの総合争い。最終日前日の第6ステージはザコパネからブコビナリゾートまでの129km。ポーランドとスロバキアの国境に位置する山岳地帯を走るコースの獲得標高差は2,800mに達する。
ステージ中盤にかけてカテゴリー1級、3級、2級の山岳が設定された24.2km周回コースを4周(つまり山岳が12カ所登場)。最後は標高941mの高原保養地ブコビナリゾートに向かって全長4km/平均5%の登りをこなし、残り1kmアーチからグッと下ってフィニッシュを迎える。山頂フィニッシュではないが、総合成績に変動をもたらすには十分な難易度だ。
レース序盤、アタックの末に先頭で形成されたのはパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)やルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)、ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)、カルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)という強者揃いの9名グループ。チームスカイ率いるメイン集団から2分のリードを築いた状態で9名は24.2km周回コースに入った。
カテゴリー山岳でコンラッドらと競り合いながらポイントを量産したのはルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)。UCIワールドチームの選手たちに挑み、8つのカテゴリー山岳を先頭通過したオウシアンが合計57ポイントを荒稼ぎした。オウシアンはチームメイトから山岳賞ジャージを引き継ぐことに成功している。
フィニッシュまで30kmを切ると総合逆転&大会連覇を狙うBMCレーシングがメイン集団のペースアップを開始。前日にバーレーン・メリダへの来季移籍を発表したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が先頭に立ってペースを上げると、それまで逃げていた選手たちは吸収される。長時間にわたるデニスの牽引が終わるとチームスカイのアシスト陣が集団前方に復帰。最後のカテゴリー山岳である2級山岳を駆け上がった。
フィニッシュまで12kmを残して、平均勾配10%の2級山岳でドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)とサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)がアタックすると、総合に関係しない動き(ライバルたちのボーナスタイム獲得を阻止する動き)だとしてチームスカイはこれを容認。デヴェナインスとオーメンのリードは25秒まで広がった。
フィニッシュ地点ブコビナリゾートに向かう全長4km/平均5%の登りが始まるとメイン集団の先頭にはロットNLユンボが上がり、そこから総合3位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)がアタック。ベネットの加速によってペースが上がったメイン集団は残り3km地点で逃げていたデヴェナインスとオーメンを飲み込んで行く。
執拗にチェックに入るセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)を3度目のアタックで振り切ったベネットだったが、独走は長くは続かなかった。集団からカウンターアタックした総合2位ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)がベネットの独走を阻止。ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)も動きを見せ、集団が9名に絞られた状態で登りの頂上を越えた。
残り1kmアーチ通過後の下りを利用してスルリと抜け出したのはゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ)だった。ピノが上手くライバルたちの追走を遅らせたことでプライドラーが独走を開始。遅れて反応したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)の追走は届かず、下りを高速で駆け抜けたプライドラーが勝利した。プライドラーが10秒、同タイムでステージ2位のエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が6秒、ステージ3位のクウィアトコウスキーが4秒のボーナスタイムを獲得している。
「ずっと集団内に息を潜めていて、終盤の正しいタイミングでアタックした。スプリント勝負では勝てると思っていたし、自信を持って先行したんだ。何度も惜しいところで勝利を逃していたので、このUCIワールドツアーレース初勝利を嬉しく思う」。オーストリアのTTチャンピオンに3度輝いている28歳のオールラウンダーはそう喜ぶ。この日の勝利でティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)と1秒差の総合7位に浮上したプライドラーは「明日のミーティングでチームがどう戦略的に戦うべきかを決めたい」とコメントしている。
ライバルたちのアタックを封じ込め、ボーナスタイムで再び総合リードを広げたクウィアトコウスキーは「今日は序盤から総合に関わるアタックが続発したけど、チームが上手くレースを運んでくれた。おかげで最後の登りまでずっと快適な強度で走ることができたし、その結果4秒のボーナスタイムを得ることができた。現状16秒の総合リードを得ているものの、まだまだパンクやトラブル一つでひっくり返るタイム差。明日も全力でイエロージャージを守るたい目に走りたい」とコメント。1級山岳が詰め込まれた翌日の最終ステージでは、イエロージャージ争いだけでなく、秒差の総合表彰台争いにも注目だ。
佳境を迎えるツール・ド・ポローニュの総合争い。最終日前日の第6ステージはザコパネからブコビナリゾートまでの129km。ポーランドとスロバキアの国境に位置する山岳地帯を走るコースの獲得標高差は2,800mに達する。
ステージ中盤にかけてカテゴリー1級、3級、2級の山岳が設定された24.2km周回コースを4周(つまり山岳が12カ所登場)。最後は標高941mの高原保養地ブコビナリゾートに向かって全長4km/平均5%の登りをこなし、残り1kmアーチからグッと下ってフィニッシュを迎える。山頂フィニッシュではないが、総合成績に変動をもたらすには十分な難易度だ。
レース序盤、アタックの末に先頭で形成されたのはパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)やルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)、ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)、カルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)という強者揃いの9名グループ。チームスカイ率いるメイン集団から2分のリードを築いた状態で9名は24.2km周回コースに入った。
カテゴリー山岳でコンラッドらと競り合いながらポイントを量産したのはルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)。UCIワールドチームの選手たちに挑み、8つのカテゴリー山岳を先頭通過したオウシアンが合計57ポイントを荒稼ぎした。オウシアンはチームメイトから山岳賞ジャージを引き継ぐことに成功している。
フィニッシュまで30kmを切ると総合逆転&大会連覇を狙うBMCレーシングがメイン集団のペースアップを開始。前日にバーレーン・メリダへの来季移籍を発表したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が先頭に立ってペースを上げると、それまで逃げていた選手たちは吸収される。長時間にわたるデニスの牽引が終わるとチームスカイのアシスト陣が集団前方に復帰。最後のカテゴリー山岳である2級山岳を駆け上がった。
フィニッシュまで12kmを残して、平均勾配10%の2級山岳でドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)とサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)がアタックすると、総合に関係しない動き(ライバルたちのボーナスタイム獲得を阻止する動き)だとしてチームスカイはこれを容認。デヴェナインスとオーメンのリードは25秒まで広がった。
フィニッシュ地点ブコビナリゾートに向かう全長4km/平均5%の登りが始まるとメイン集団の先頭にはロットNLユンボが上がり、そこから総合3位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)がアタック。ベネットの加速によってペースが上がったメイン集団は残り3km地点で逃げていたデヴェナインスとオーメンを飲み込んで行く。
執拗にチェックに入るセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)を3度目のアタックで振り切ったベネットだったが、独走は長くは続かなかった。集団からカウンターアタックした総合2位ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)がベネットの独走を阻止。ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)も動きを見せ、集団が9名に絞られた状態で登りの頂上を越えた。
残り1kmアーチ通過後の下りを利用してスルリと抜け出したのはゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ)だった。ピノが上手くライバルたちの追走を遅らせたことでプライドラーが独走を開始。遅れて反応したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)の追走は届かず、下りを高速で駆け抜けたプライドラーが勝利した。プライドラーが10秒、同タイムでステージ2位のエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が6秒、ステージ3位のクウィアトコウスキーが4秒のボーナスタイムを獲得している。
「ずっと集団内に息を潜めていて、終盤の正しいタイミングでアタックした。スプリント勝負では勝てると思っていたし、自信を持って先行したんだ。何度も惜しいところで勝利を逃していたので、このUCIワールドツアーレース初勝利を嬉しく思う」。オーストリアのTTチャンピオンに3度輝いている28歳のオールラウンダーはそう喜ぶ。この日の勝利でティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)と1秒差の総合7位に浮上したプライドラーは「明日のミーティングでチームがどう戦略的に戦うべきかを決めたい」とコメントしている。
ライバルたちのアタックを封じ込め、ボーナスタイムで再び総合リードを広げたクウィアトコウスキーは「今日は序盤から総合に関わるアタックが続発したけど、チームが上手くレースを運んでくれた。おかげで最後の登りまでずっと快適な強度で走ることができたし、その結果4秒のボーナスタイムを得ることができた。現状16秒の総合リードを得ているものの、まだまだパンクやトラブル一つでひっくり返るタイム差。明日も全力でイエロージャージを守るたい目に走りたい」とコメント。1級山岳が詰め込まれた翌日の最終ステージでは、イエロージャージ争いだけでなく、秒差の総合表彰台争いにも注目だ。
ツール・ド・ポローニュ2018第6ステージ結果
1位 | ゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ) | 3:16:01 |
2位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | |
4位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | |
6位 | セルゲイ・チェルネトスキー(ロシア、アスタナ) | |
7位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | |
8位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
9位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | 0:00:04 |
88位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:12:10 |
個人総合成績
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 20:46:23 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:16 |
3位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:00:24 |
4位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:25 |
5位 | セルゲイ・チェルネトスキー(ロシア、アスタナ) | 0:00:28 |
6位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | ゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ) | 0:00:29 |
8位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:00:31 |
9位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:39 |
10位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:42 |
ポイント賞
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 66pts |
2位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | 63pts |
3位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 58pts |
山岳賞
1位 | ルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 57pts |
2位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 50pts |
3位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 27pts |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 62:22:12 |
2位 | アージェードゥーゼール | 0:00:36 |
3位 | クイックステップフロアーズ | 0:00:42 |
text:Kei Tsuji
photo:Tour de Pologne
photo:Tour de Pologne
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