2010/02/26(金) - 10:50
ブエルタ・ア・アンダルシア最終ステージは、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)が逃げる白熱の展開。ライバルチームの攻撃を抑え込んだマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)が、7年ぶりのステージレース総合優勝に輝いた。
逃げに乗ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vos「ルタ・デル・ソル(太陽のレース)」の最後を飾るのは、4つのカテゴリー山岳が設定された161kmの山岳ステージ。ゴール46km手前には1級山岳トルカル峠がそびえており、充分に総合変動のチャンスは残されている。
生憎の雨に見舞われたこの日、序盤の4名の逃げに昨年のツール・ド・フランス総合4位ウィギンズや、同年ツール超級頂上ゴール制覇のブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)が乗った。
逃げグループに合流したホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール) photo:Cor Vosしかしメイン集団の関心は、総合で9分近く遅れているウィギンズではなく、同じ逃げに乗ったアンヘル・ビシオソ(スペイン、アンダルシア・カハスール)の存在だ。ビシオソは総合でロジャースから1分57秒遅れ。メイン集団はチームHTC・コロンビアがコントロールし、先頭4名のリードを5分以内に抑え込んだ。
地元のアンダルシア・カハスールは攻撃の手を緩めず、レース中盤にホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール)がチームメイトを引き連れて集団から飛び出し、2人で先頭4名に合流。6名が先行する展開で、最大の難所1級山岳トルカル峠に突入した。
メイン集団はチームHTC・コロンビアがコントロール、先頭はトニ・マルティン(ドイツ) photo:Cor Vos標高944mの上りで先頭はウィギンズ、ビシオソ、フェイユの3名に。リーダージャージを含むメイン集団は、30名弱に人数を減らしながら約1分遅れで頂上をクリア。ウィギンズらは結局ゴールまで20kmを残して集団に吸収された。
その後のアタックはどれも封じ込められ、最後は30名ほどの集団によるゴールスプリント勝負に。山岳でオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)を始めとする多くのスプリンターが脱落する中、集団に食らいついたベントソが勝利を収めた。
リーダージャージを着て走るマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vosサイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)を僅差で下したベントソは「最後の上りでフレイレを引き離すために、チームメイトはハイペースで集団を牽いてくれた。彼らの働きが無かったらこの勝利は有り得なかったと思う」と、今回の勝利のキーポイントを語る。
カルミオオーロ・NGCは初日のセルヒオ・パルディージャ(スペイン)に続くステージ2勝目。3日間リーダージャージを着続けたパルディージャは総合3位でフィニッシュした。ベントソは「初日と最終日で優勝するなんてバランスの良い結果だ。3日間総合リードを守ったし、チームとして素晴らしいシーズンスタートを迎えることが出来た」と、チームの成功を喜んだ。
最終スプリントバトルを制したフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオーロ・NGC) photo:Cor Vosチームメイトに守られて最終ステージを走ったロジャースは、アンダルシア・カハスール勢の攻撃を抑え込み、総合リードを守り抜いた。
2003年のドイツ・ツアー以来、7年ぶりのステージレース総合優勝を飾ったロジャースは「ライバルたちが攻撃を繰り返すタフなステージだった。でもチームメイトは今日もスーパーな活躍で、一度もパニックに陥ることは無かった。最後はステージ3位に入ることが出来たし、本当に嬉しい気持ちでいっぱいだ」とコメント。チームHTC・コロンビアはこれが今シーズン通算8勝目。リクイガスと並んで今シーズンの最多勝利数だ。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはマルカ紙、ならびにチームHTC・コロンビア公式サイトより。
ブエルタ・ア・アンダルシア2010第5ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオーロ・NGC) 4h20'05"
2位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) +02"
4位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
5位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
6位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
7位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)
8位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール)
9位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
10位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)
個人総合成績
1位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) 18h12'16"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +19"
3位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC) +30"
4位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク) +31"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +35"
6位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア) +38"
7位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク) +44"
8位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール) +46"
9位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) +50"
ポイント賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
山岳賞
ブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)
チーム総合成績
サクソバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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生憎の雨に見舞われたこの日、序盤の4名の逃げに昨年のツール・ド・フランス総合4位ウィギンズや、同年ツール超級頂上ゴール制覇のブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)が乗った。
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地元のアンダルシア・カハスールは攻撃の手を緩めず、レース中盤にホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール)がチームメイトを引き連れて集団から飛び出し、2人で先頭4名に合流。6名が先行する展開で、最大の難所1級山岳トルカル峠に突入した。
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その後のアタックはどれも封じ込められ、最後は30名ほどの集団によるゴールスプリント勝負に。山岳でオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)を始めとする多くのスプリンターが脱落する中、集団に食らいついたベントソが勝利を収めた。
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カルミオオーロ・NGCは初日のセルヒオ・パルディージャ(スペイン)に続くステージ2勝目。3日間リーダージャージを着続けたパルディージャは総合3位でフィニッシュした。ベントソは「初日と最終日で優勝するなんてバランスの良い結果だ。3日間総合リードを守ったし、チームとして素晴らしいシーズンスタートを迎えることが出来た」と、チームの成功を喜んだ。
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2003年のドイツ・ツアー以来、7年ぶりのステージレース総合優勝を飾ったロジャースは「ライバルたちが攻撃を繰り返すタフなステージだった。でもチームメイトは今日もスーパーな活躍で、一度もパニックに陥ることは無かった。最後はステージ3位に入ることが出来たし、本当に嬉しい気持ちでいっぱいだ」とコメント。チームHTC・コロンビアはこれが今シーズン通算8勝目。リクイガスと並んで今シーズンの最多勝利数だ。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはマルカ紙、ならびにチームHTC・コロンビア公式サイトより。
ブエルタ・ア・アンダルシア2010第5ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオーロ・NGC) 4h20'05"
2位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) +02"
4位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
5位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
6位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
7位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)
8位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール)
9位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
10位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)
個人総合成績
1位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) 18h12'16"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +19"
3位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC) +30"
4位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク) +31"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +35"
6位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア) +38"
7位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク) +44"
8位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール) +46"
9位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) +50"
ポイント賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
山岳賞
ブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)
チーム総合成績
サクソバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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