2018/05/14(月) - 02:29
Jプロツアー第8戦のJBCF宇都宮ロードレースが開催され、宇都宮ブリッツェンの増田成幸が優勝。同チームの岡篤志が2位に入ってワン・ツーフィニッシュを達成した。女子は唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝した。
かつてジャパンカップのコースとして使用されていた鶴カントリー倶楽部前を通過する通称「鶴周回コース」を使用し、昨年初めて開催された「JBCF宇都宮ロードレース」。2回目となる今年は、ジャパンカップと同じホームストレートをスタート・フィニッシュとし、鶴周回を逆回りする設定に改められた。これにより、スタート直後がヘアピンコーナーとなり、ジャパンカップではチームピットとなる部分を走り、鶴カントリー倶楽部前を逆に登る1周6.7kmのコースとなった。
前日と打って変わり、朝から時折雨が降ってくる天気。午前中は小雨程度で済んでいたが、P1クラスタがスタートする午後は時間の経過と共に雨が強くなる中でのレースとなった。
不死鳥・増田成幸復活の勝利
14周93.8kmのレースは、パレード走行後のリアルスタート直後からアタック合戦が始まる。集団は縦長に伸びる時間が続いた5周目、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)の飛び出しに安原大貴(マトリックスパワータグ)が反応し、2人の逃げが容認される。
メイン集団との差は最大で50秒まで開くが、シマノレーシングが集団コントロールを開始すると差は40秒前後に維持される。レースが後半に入ると差は徐々に詰まり始め、逃げる2人は10周目に吸収される。
その後は再びアタック合戦となり、宇都宮ブリッツェンやマトリックスパワータグが集団の前に出てくる。特に佐野淳哉(マトリックスパワータグ)の強力なペースアップにより数十人いた集団は一気に10人ほどまで絞られる。残ったのは、佐野、アイラン・フェルナンデス、土井雪広(以上マトリックスパワータグ)、増田成幸、岡篤志、雨澤毅明、小野寺玲(以上宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシング)、山本元喜、新城雄大(以上キナンサイクリングチーム)。
最終周回に入り、鶴カントリー倶楽部への登りで入部がアタックするが決定打にはならない。残り3km付近で土井がアタックし、増田が反応。増田はさらに土井を置き去りにするアタックを決めて独走状態に入る。後続はまとまった追走にならず、差は一気に15秒まで開き、勝負は決まった。
ホームストレートに単独で現れた増田は、ジャージの前を閉めながら後ろを振り返り、勝利を確信すると右の拳を高く掲げてフィニッシュラインを越えた。2位争いの集団は岡篤志が先頭を獲り、宇都宮ブリッツェンが1-2フィニッシュを達成。前日の宇都宮クリテリウムと合わせ、地元開催の2連戦を連勝。岡がルビーレッドジャージを獲得するオマケまでついた。
昨年5月、増田はバセドウ病の療養のため選手活動の休止を余儀なくされた。一時は引退も考えたという増田だったが、9月から徐々にレースに復帰していった。休止発表からちょうど1年経った地元開催レースでの優勝は、増田が「不死鳥」と呼ばれる所以を改めて知らしめた。
地元栃木県の新聞社やテレビ局に囲まれた増田は、
「今日は終始前で展開し、最後の局面でライバルより多い人数を残せたことが勝利につながったと思います。ゴールスプリントなら岡選手か小野寺選手、逃げて勝つなら僕か雨澤選手と決めていたので、仮に僕が最後に捕まったとしても、ライバルが追走に足を使わせることで有利にスプリントに持ち込めると考えて動きました。
病気になってから長く苦しんだ1年間でしたが、この1勝で新たなスタートラインに立てたという気持ちです。この後にひかえる重要なレースに向けてしっかりやっていきたいと思います」と、語った。
かつてジャパンカップのコースとして使用されていた鶴カントリー倶楽部前を通過する通称「鶴周回コース」を使用し、昨年初めて開催された「JBCF宇都宮ロードレース」。2回目となる今年は、ジャパンカップと同じホームストレートをスタート・フィニッシュとし、鶴周回を逆回りする設定に改められた。これにより、スタート直後がヘアピンコーナーとなり、ジャパンカップではチームピットとなる部分を走り、鶴カントリー倶楽部前を逆に登る1周6.7kmのコースとなった。
前日と打って変わり、朝から時折雨が降ってくる天気。午前中は小雨程度で済んでいたが、P1クラスタがスタートする午後は時間の経過と共に雨が強くなる中でのレースとなった。
不死鳥・増田成幸復活の勝利
14周93.8kmのレースは、パレード走行後のリアルスタート直後からアタック合戦が始まる。集団は縦長に伸びる時間が続いた5周目、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)の飛び出しに安原大貴(マトリックスパワータグ)が反応し、2人の逃げが容認される。
メイン集団との差は最大で50秒まで開くが、シマノレーシングが集団コントロールを開始すると差は40秒前後に維持される。レースが後半に入ると差は徐々に詰まり始め、逃げる2人は10周目に吸収される。
その後は再びアタック合戦となり、宇都宮ブリッツェンやマトリックスパワータグが集団の前に出てくる。特に佐野淳哉(マトリックスパワータグ)の強力なペースアップにより数十人いた集団は一気に10人ほどまで絞られる。残ったのは、佐野、アイラン・フェルナンデス、土井雪広(以上マトリックスパワータグ)、増田成幸、岡篤志、雨澤毅明、小野寺玲(以上宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシング)、山本元喜、新城雄大(以上キナンサイクリングチーム)。
最終周回に入り、鶴カントリー倶楽部への登りで入部がアタックするが決定打にはならない。残り3km付近で土井がアタックし、増田が反応。増田はさらに土井を置き去りにするアタックを決めて独走状態に入る。後続はまとまった追走にならず、差は一気に15秒まで開き、勝負は決まった。
ホームストレートに単独で現れた増田は、ジャージの前を閉めながら後ろを振り返り、勝利を確信すると右の拳を高く掲げてフィニッシュラインを越えた。2位争いの集団は岡篤志が先頭を獲り、宇都宮ブリッツェンが1-2フィニッシュを達成。前日の宇都宮クリテリウムと合わせ、地元開催の2連戦を連勝。岡がルビーレッドジャージを獲得するオマケまでついた。
昨年5月、増田はバセドウ病の療養のため選手活動の休止を余儀なくされた。一時は引退も考えたという増田だったが、9月から徐々にレースに復帰していった。休止発表からちょうど1年経った地元開催レースでの優勝は、増田が「不死鳥」と呼ばれる所以を改めて知らしめた。
地元栃木県の新聞社やテレビ局に囲まれた増田は、
「今日は終始前で展開し、最後の局面でライバルより多い人数を残せたことが勝利につながったと思います。ゴールスプリントなら岡選手か小野寺選手、逃げて勝つなら僕か雨澤選手と決めていたので、仮に僕が最後に捕まったとしても、ライバルが追走に足を使わせることで有利にスプリントに持ち込めると考えて動きました。
病気になってから長く苦しんだ1年間でしたが、この1勝で新たなスタートラインに立てたという気持ちです。この後にひかえる重要なレースに向けてしっかりやっていきたいと思います」と、語った。
JBCF宇都宮ロードレース 結果(93.8km)
1位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | 2時間19分54秒 |
2位 | 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) | +15秒 |
3位 | 入部正太朗(シマノレーシング) | +17秒 |
4位 | アイラン・フェルナンデス・カサソラ(マトリックスパワータグ) | |
5位 | 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) | +19秒 |
6位 | 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) | +21秒 |
Fクラスタ 結果(26.8km)
1位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 48分17秒 |
2位 | 大岩明子(ブラウ・ブリッツェン) | +56秒 |
3位 | 望月美和子(フィッツ) | +56秒 |
E1(40.2km)
1位 | 平井光介(TEAM YOU CAN) | 1時間2分34秒 |
2位 | 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム) | + 0秒 |
3位 | 長田華山(ブラウ・ブリッツェン) | |
4位 | 塩澤 魁(SPADE・ACE) | |
5位 | 半澤雄高(LinkTOHOKU) | +1秒 |
6位 | 津田悠義(三好高校) |
E2(26.8km)
1位 | 今井大悟(VENTOS FRECCIA) | 42分45秒 |
2位 | 山之内壮真(横浜高校自転車競技部) | +1秒 |
3位 | 湯浅博貴(AutoBahnGotemba) | |
4位 | 鷲野向一(彩北ツブラーゼ) | |
5位 | 山田壮太朗(Team SHIDO) | |
6位 | 高橋史朗(サイタマサイクルプロジェクト) |
E3(20.1km)
1組 | 2組 | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 扇原勇二(あらかわZoo Racing) | 32分29秒 | 徳山見晴(横浜高校自転車競技部) | 32分4秒 |
2位 | 山田 翔(HIRAKO.mode) | +0秒 | 渡瀬義男(Leap Hamamatsu Cycling Team) | +0秒 |
3位 | 栗原佑弥(グランディヴェルレーシングチーム) | 上羽拓郎(TRAILBLAZER) | ||
4位 | 大城 奨(フィッツ) | 丸山英之(BREZZA-KAMIHAGI) | +2秒 | |
5位 | 加藤翔太(SQUADRA CORSE cicli HIIDE) | 佐々木友輔(サイクルフリーダム・レーシング) | +3秒 | |
6位 | 三角泰史(サイタマサイクルプロジェクト) | +3秒 | 渡辺耶斗(Team FITTE) | +4秒 |
text&photo:Satoru Kato
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