2010/02/09(火) - 12:13
強風が吹き付けたツアー・オブ・カタール第2ステージは、序盤の2km地点で飛び出した2名がゴールまで逃げ切った。ステージ優勝はヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)。一緒に逃げたワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)が総合リーダーの座に就いた。
前日に亡くなったバッレリーニ元イタリア代表監督に黙祷が捧げられた photo:A.S.O.第2ステージは、キャメル・レーストラックからドーハのカタール・ファンデーションまでの147kmで行なわれた。前半は強い向かい風の中を北上し、横風区間を経て南下。最後は追い風に乗ってゴールに突入する。
前日にラリーカーで事故死したフランコ・バッレリーニ元イタリア代表監督に捧げる1分間の黙祷の後、今大会最長147kmのレースはスタート。正式なスタートが切られる前に落車が発生し、ナショナルチャンピオンジャージを着るクルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー、チームスカイ)が鎖骨骨折によってレースを去った。
落車で鎖骨を骨折したクルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー、チームスカイ) photo:A.S.O.レース開始後2kmでアタックを仕掛けたのはステウルスとモルの2人。強い向かい風の中、果敢に飛び出したこの2人をメイン集団が見送ると、36km地点でタイム差は22分40秒まで拡大した。
やがてコースが針路を変更し、横風区間に突入すると、サーヴェロ・テストチームやクイックステップがメイン集団のペースアップを開始。この攻撃により、メイン集団は小さなグループに分裂した。
逃げを成功させたヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)とワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) photo:A.S.O.第1集団に入ったのは、ディフェンディングチャンピオンのトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)やハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)を含む28名。リーダージャージを着るエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)は後方に取り残された。
逃げる2人と第1集団のタイム差は、ゴールまで50kmを残して9分。ボアッソンを含む第2集団はチームスカイのチームメイトが牽き続けたが、第1集団とのタイム差は広がるばかり。やがてチームスカイの戦力が落ちると、タイム差の拡大は加速した。
果てしなく続く砂漠を貫く平坦コース photo:A.S.O.ゴールまで25kmを残してリードを5分30秒に保った先頭のステウルスとモルは、後続集団を2分近く引き離してドーハの街に突入。後続の第1集団では、前日に1分のペナルティーを受けたサーヴェロ・テストチームが波状攻撃を仕掛け、ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ)やロジャー・ハモンド(イギリス)らがアタック。
しかし追走グループは逃げを捕らえきれず、スプリント勝負でモルを下したステウルスが天を指差してゴール。昨年の大会期間中に急死したチームメイトのフレデリック・ノルフに捧げる逃げ切り勝利を飾った。ステウルスは2008年までサイレンス・ロットに所属していた28歳の長身選手(身長192cm)だ。
一緒に逃げたモルをスプリントで下したヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)が優勝 photo:Cor Vos後続は1分51秒遅れでロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)が3位、ボーネンを含む集団は1分55秒遅れでゴール。総合リーダーのボアッソンが9分43秒遅れでゴールしたため、リーダージャージはステージ2位のモルの手に渡った。
この日の結果を受け、逃げ切りを成功させたモルとステウルスが完全に総合争いで抜け出した。今後、より大きなタイム差での逃げが決まらない限り、モルとステウルスが総合優勝をかけて闘うことになる。ボーネンの大会連覇の夢は早くも潰えた。
レース展開はレース公式サイト(www.letour.fr)より。
ツアー・オブ・カタール2010第2ステージ結果
1位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) 3h31'00"
2位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +1'51"
4位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム) +1'54"
5位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +1'55"
6位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ・テストチーム)
7位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
8位 ジェレミー・ハント(イギリス、サーヴェロ・テストチーム)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
10位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)
個人総合成績
1位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) 3h40'51"
2位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +09"
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +2'02"
4位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +2'05"
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +2'06"
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +2'18"
7位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
8位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +2'40"
9位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) +2'41"
10位 マルコ・ヴェーロ(イタリア、クイックステップ) +2'47"
ポイント賞
ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
新人賞
ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
チーム総合成績
トップスポート・フラーンデレン
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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前日にラリーカーで事故死したフランコ・バッレリーニ元イタリア代表監督に捧げる1分間の黙祷の後、今大会最長147kmのレースはスタート。正式なスタートが切られる前に落車が発生し、ナショナルチャンピオンジャージを着るクルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー、チームスカイ)が鎖骨骨折によってレースを去った。
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やがてコースが針路を変更し、横風区間に突入すると、サーヴェロ・テストチームやクイックステップがメイン集団のペースアップを開始。この攻撃により、メイン集団は小さなグループに分裂した。
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逃げる2人と第1集団のタイム差は、ゴールまで50kmを残して9分。ボアッソンを含む第2集団はチームスカイのチームメイトが牽き続けたが、第1集団とのタイム差は広がるばかり。やがてチームスカイの戦力が落ちると、タイム差の拡大は加速した。
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しかし追走グループは逃げを捕らえきれず、スプリント勝負でモルを下したステウルスが天を指差してゴール。昨年の大会期間中に急死したチームメイトのフレデリック・ノルフに捧げる逃げ切り勝利を飾った。ステウルスは2008年までサイレンス・ロットに所属していた28歳の長身選手(身長192cm)だ。
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この日の結果を受け、逃げ切りを成功させたモルとステウルスが完全に総合争いで抜け出した。今後、より大きなタイム差での逃げが決まらない限り、モルとステウルスが総合優勝をかけて闘うことになる。ボーネンの大会連覇の夢は早くも潰えた。
レース展開はレース公式サイト(www.letour.fr)より。
ツアー・オブ・カタール2010第2ステージ結果
1位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) 3h31'00"
2位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ)
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +1'51"
4位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム) +1'54"
5位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +1'55"
6位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ・テストチーム)
7位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
8位 ジェレミー・ハント(イギリス、サーヴェロ・テストチーム)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
10位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)
個人総合成績
1位 ワウテル・モル(オランダ、ヴァカンソレイユ) 3h40'51"
2位 ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +09"
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム) +2'02"
4位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +2'05"
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +2'06"
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +2'18"
7位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
8位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +2'40"
9位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) +2'41"
10位 マルコ・ヴェーロ(イタリア、クイックステップ) +2'47"
ポイント賞
ヘールト・ステウルス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
新人賞
ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
チーム総合成績
トップスポート・フラーンデレン
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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