オランダはファルケンブルクで開催されているシクロクロス世界選手権初日、第一種目の男子ジュニアでイギリスのベン・トゥレットが初戴冠。キャンバーや下りで互角に渡り合った村上功太郎(松山工業高校)は45位、泥に苦しんだ積田連(Team CHAINRING)の完走はならなかった。
男子ジュニアレースがスタート。ストレート直後の森林区間を走る先頭集団 photo:So.Isobe
トラブルなく隊列中盤で駒を進める村上功太郎(松山工業高校) photo:So.Isobe
集団後方からの滑り出しとなった積田連(Team CHAINRING) photo:So.Isobe
前日まで会場を湿らせ続けた雨は夜に降り止み、代わりに吹いた風が地面の水分を飛ばした。コースを埋め尽くした泥は身体やバイクに重く粘り着くやっかいなものへと姿を変え、乗車・ランニングを問わず選手たちの足元をすくい続けた。
74名がスタートした第一種目、男子ジュニア。序盤からロリス・ルイエ(スイス)が飛ばし、ここにトマス・コペツキー(チェコ)やメース・ヘンドリクス(オランダ)、ベン・トゥレット(イギリス)らが続く展開で1周回を完了する。
ルイエとコペツキーが積極的に6名ほどの先頭グループを牽き続ける中、それまで息を潜めていたトゥレットが2周目にするすると抜け出した。一気に10秒程度の差を稼いだトゥレットに対して後続も追いかけたが、大人数であることが災いして距離は縮まらない。序盤から積極的な走りが光ったコペツキーが合流したのはレースが後半に入る頃だった。
序盤に二人で飛び出したトマス・コペツキー(チェコ)とロリス・ルイエ(スイス) photo:So.Isobe
超スリッピーなオフキャンバーを走る選手たち photo:So.Isobe
コペツキーを引き離して独走態勢を築いたベン・トゥレット(イギリス) photo:So.Isobe
最終周回に激しく2人が競り合うが、コペツキーのアタックを封じたトゥレットがカウンターアタック。パワフルな走りで泥海を進むトゥレットは徐々にコペツキーを突き放し、勢いを崩さずフィニッシュしてイギリスに1枚目のアルカンシエルをもたらした。
2歳上の兄ダンと共に、MTBやロードレースはもちろん、トラックレースでもキャリアを重ねてきたトゥレットにとって、ジュニアカテゴリー初年度にして得たアルカンシエル。11月のヨーロッパ選手権で敗北したルイエ(優勝)とコペツキー(2位)を下しての勝利に、会場のイギリス人サポーターは一気に湧き上がった。
シクロクロス世界選手権2018男子ジュニア表彰台 photo:So.Isobe
また、村上功太郎(松山工業高校)は誰もが手を焼く下りで上位選手にひけを取らないスピードを披露し、5分23秒遅れの45位でフィニッシュ。「ヨーロッパ選手の泥の走りに対応できなかった」と悔やむ積田連(Team CHAINRING)は完走まで一つ順位が届かず途中足切りとなった。以下にそれぞれのコメントを紹介。
村上功太郎(松山工業高校):45位
前の選手を追いかける村上功太郎(松山工業高校) photo:So.Isobe
平地と登りで上手くトラクションを掛けられず、ヨーロッパ選手と水を空けられてしまいました。パワーもさることながら、自転車の進ませ方が違うのでそこが反省点だと感じます。ただしキャンバーの下りをスムーズにこなせたりと良い部分もありました。昨年の自分だったら走りきれていないでしょうし、欧州遠征を含めて1年間積み重ねてきたことが味方になりました。順位は去年よりも下がっているのですが、内容としてはずっと良いものでした。当然悔しい気持ちはありますが、もっとスキルアップしてこの場所へと戻ってきたいと感じています。
積田連(Team CHAINRING):DNF
泥コースに手こずった積田連(Team CHAINRING) photo:So.Isobe
最低限の目標として掲げていた完走にも届かず、今は悔しい気持ちでいっぱいです。いざレースになってみれば、泥での踏み方や轍の捌き方、ランニングの速さなど、全てと言って過言でないほどにスキル不足でした。シクロクロスで結果を出すために、今年は実業団ロードにも参戦を予定しています。フィジカルレベルを上げないことには何も始まらないので、ここから立て直していきたいです。



前日まで会場を湿らせ続けた雨は夜に降り止み、代わりに吹いた風が地面の水分を飛ばした。コースを埋め尽くした泥は身体やバイクに重く粘り着くやっかいなものへと姿を変え、乗車・ランニングを問わず選手たちの足元をすくい続けた。
74名がスタートした第一種目、男子ジュニア。序盤からロリス・ルイエ(スイス)が飛ばし、ここにトマス・コペツキー(チェコ)やメース・ヘンドリクス(オランダ)、ベン・トゥレット(イギリス)らが続く展開で1周回を完了する。
ルイエとコペツキーが積極的に6名ほどの先頭グループを牽き続ける中、それまで息を潜めていたトゥレットが2周目にするすると抜け出した。一気に10秒程度の差を稼いだトゥレットに対して後続も追いかけたが、大人数であることが災いして距離は縮まらない。序盤から積極的な走りが光ったコペツキーが合流したのはレースが後半に入る頃だった。



最終周回に激しく2人が競り合うが、コペツキーのアタックを封じたトゥレットがカウンターアタック。パワフルな走りで泥海を進むトゥレットは徐々にコペツキーを突き放し、勢いを崩さずフィニッシュしてイギリスに1枚目のアルカンシエルをもたらした。
2歳上の兄ダンと共に、MTBやロードレースはもちろん、トラックレースでもキャリアを重ねてきたトゥレットにとって、ジュニアカテゴリー初年度にして得たアルカンシエル。11月のヨーロッパ選手権で敗北したルイエ(優勝)とコペツキー(2位)を下しての勝利に、会場のイギリス人サポーターは一気に湧き上がった。

また、村上功太郎(松山工業高校)は誰もが手を焼く下りで上位選手にひけを取らないスピードを披露し、5分23秒遅れの45位でフィニッシュ。「ヨーロッパ選手の泥の走りに対応できなかった」と悔やむ積田連(Team CHAINRING)は完走まで一つ順位が届かず途中足切りとなった。以下にそれぞれのコメントを紹介。
村上功太郎(松山工業高校):45位

平地と登りで上手くトラクションを掛けられず、ヨーロッパ選手と水を空けられてしまいました。パワーもさることながら、自転車の進ませ方が違うのでそこが反省点だと感じます。ただしキャンバーの下りをスムーズにこなせたりと良い部分もありました。昨年の自分だったら走りきれていないでしょうし、欧州遠征を含めて1年間積み重ねてきたことが味方になりました。順位は去年よりも下がっているのですが、内容としてはずっと良いものでした。当然悔しい気持ちはありますが、もっとスキルアップしてこの場所へと戻ってきたいと感じています。
積田連(Team CHAINRING):DNF

最低限の目標として掲げていた完走にも届かず、今は悔しい気持ちでいっぱいです。いざレースになってみれば、泥での踏み方や轍の捌き方、ランニングの速さなど、全てと言って過言でないほどにスキル不足でした。シクロクロスで結果を出すために、今年は実業団ロードにも参戦を予定しています。フィジカルレベルを上げないことには何も始まらないので、ここから立て直していきたいです。
シクロクロス世界選手権2018男子ジュニア結果
1位 | ベン・トゥレット(イギリス) | 41’19” |
2位 | トマス・コペツキー(チェコ) | +22’ |
3位 | ライアン・カンプ(オランダ) | +30” |
4位 | トム・リンドナー(ドイツ) | +34” |
5位 | レーン・マエル(アメリカ) | +35” |
6位 | ピム・ロンハール(オランダ) | +36” |
7位 | メース・ヘンドリクス(オランダ) | +48” |
8位 | ガーベン・クイペルス(ベルギー) | +55” |
9位 | ライアン・コルテンス(ベルギー) | +59” |
10位 | ティボー・ヴァローニュ(フランス) | +1’10” |
45位 | 村上功太郎(松山工業高校) | +5’23” |
DNF | 積田連(Team CHAINRING) |
text:So.Isobe
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