2017/11/04(土) - 22:54
クリス・フルーム(チームスカイ)とワレン・バルギル(サンウェブ)の逃げを吸収してスプリント勝負に持ち込まれた今年のツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは、マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)が僅差で別府史之(トレック・セガフレード)を下して初優勝した。
今年5回目となるさいたまクリテリウム。今回はこれまでのコースを一新。2か所のヘアピンコーナーを含む1周3kmのコースが新たに設定された。
天気は朝から青空が広がる秋晴れ。動き回ると汗ばむほどの暑さだったものの、メインレースのクリテリウムのスタートと前後して雲が広がりはじめ、冷たい風が吹く肌寒さを感じるなかのレースとなった。
クリテリウムを前に、スプリントレース、個人タイムトライアル、チームタイムトライアルが行われた。
初めて採用された「スプリントレース」はケイリンを模したレースで、先導の後ろについてコースを1周し、残り500mで先導が離れたところからスプリント勝負をする。4組の予選を勝ち上がったマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)、マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)、ニキアス・アルント(サンウェブ)、大久保陣(ブリヂストンアンカー)の4人が決勝に進み、当代きってのスプリンター同士の勝負を、キッテルが制して優勝した。
個人タイムトライアルには、男子ジュニアの全日本TTチャンピオンの松田祥位(岐阜第一高校)や、女子ジュニアの全日本TTチャンピオンの下山美寿々(大阪教育大学付属高校天王寺校舎)らが出場。パラサイクリングのタイムトライアルには、リオデジャネイロパラリンピック銀メダリストの藤田征樹、パラサイクリングロード世界チャンピオンの野口佳子らが出場した。
出場チームによるチームタイムトライアルは、各チーム3人で出走。トッププロチームを抑えて優勝したのは、宇都宮ブリッツェンの増田成幸、阿部嵩之、小野寺玲の3人。2位のサンウェブを2秒上回る3分9秒39の堂々たるタイムでの優勝だ。
そしてメインレースのクリテリウムがスタート。
1周目からアタックがかかり、ロード全日本チャンピオンの畑中勇介(チーム右京)、窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)、別府史之(トレック・セガフレード)らが逃げに乗るが、いずれもレース中盤までに全て吸収される。新城幸也(バーレーンメリダ)も3度に渡り単独で逃げるが、レースの動きを変えるまでには至らない。
大きな動きがあったのは10周目。グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング)、リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)の2人が抜け出し、メイン集団に10秒差をつける。11周目、マイヨ・ジョーヌを着るクリス・フルーム(チームスカイ)と、山岳賞ジャージのワレン・バルギル(サンウェブ)の2人が追走。12周目には先行する2人に合流して4人の逃げ集団を形成する。
残り2周、フルームとバルギルが先行。直後に集団が迫る中、最終周回に入ってもバルギルがなお粘って単独で先行する。しかしスプリンターで勝負したいディメンションデータやクイックステップフロアーズらによりペースアップした集団からは逃げきれず、残り300mを前に吸収。最後のヘアピンカーブを折り返してのゴールスプリント勝負に。
残り100m、先行する別府にカヴェンディッシュが迫る。最後まで粘る別府だったが、カヴェンディッシュが僅差で先着し、さいたまクリテリウム初優勝を果たした。
カヴェンディッシュは「勝ててハッピーだね。最後の300mはアタックするには短すぎるし、スプリントするには長すぎるので難しかった。スプリントレースでは2位だったけれど、そこで感覚を掴めたのが良かったのかもしれないね。今日は観客の応援がすごくて、日本でのレースは素晴らしい体験だった。ぜひまた日本に来てレースに出たいと思っているよ」と、上機嫌にコメント。
一方、僅差で2位の別府は「2015年にも僅差で負けて2位になっているので、今回は勝ちたいと思っていた。スプリント勝負に向けてディメンションデータらがガチガチにコントロールしていたので早めに仕掛けてみたけれど、難しかった」とレースを振り返った。
フルームは山岳賞を獲得。記者会見で「第1回大会から出場していて、今年5回目の大会にも呼んでもらってとても嬉しく思っている」と話し、来る2018年シーズンの目標について聞かれると「来年はツール5勝目を目指したい」と、先人の偉大な記録に挑戦すると宣言した。
今年5回目となるさいたまクリテリウム。今回はこれまでのコースを一新。2か所のヘアピンコーナーを含む1周3kmのコースが新たに設定された。
天気は朝から青空が広がる秋晴れ。動き回ると汗ばむほどの暑さだったものの、メインレースのクリテリウムのスタートと前後して雲が広がりはじめ、冷たい風が吹く肌寒さを感じるなかのレースとなった。
クリテリウムを前に、スプリントレース、個人タイムトライアル、チームタイムトライアルが行われた。
初めて採用された「スプリントレース」はケイリンを模したレースで、先導の後ろについてコースを1周し、残り500mで先導が離れたところからスプリント勝負をする。4組の予選を勝ち上がったマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)、マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)、ニキアス・アルント(サンウェブ)、大久保陣(ブリヂストンアンカー)の4人が決勝に進み、当代きってのスプリンター同士の勝負を、キッテルが制して優勝した。
個人タイムトライアルには、男子ジュニアの全日本TTチャンピオンの松田祥位(岐阜第一高校)や、女子ジュニアの全日本TTチャンピオンの下山美寿々(大阪教育大学付属高校天王寺校舎)らが出場。パラサイクリングのタイムトライアルには、リオデジャネイロパラリンピック銀メダリストの藤田征樹、パラサイクリングロード世界チャンピオンの野口佳子らが出場した。
出場チームによるチームタイムトライアルは、各チーム3人で出走。トッププロチームを抑えて優勝したのは、宇都宮ブリッツェンの増田成幸、阿部嵩之、小野寺玲の3人。2位のサンウェブを2秒上回る3分9秒39の堂々たるタイムでの優勝だ。
そしてメインレースのクリテリウムがスタート。
1周目からアタックがかかり、ロード全日本チャンピオンの畑中勇介(チーム右京)、窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)、別府史之(トレック・セガフレード)らが逃げに乗るが、いずれもレース中盤までに全て吸収される。新城幸也(バーレーンメリダ)も3度に渡り単独で逃げるが、レースの動きを変えるまでには至らない。
大きな動きがあったのは10周目。グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング)、リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)の2人が抜け出し、メイン集団に10秒差をつける。11周目、マイヨ・ジョーヌを着るクリス・フルーム(チームスカイ)と、山岳賞ジャージのワレン・バルギル(サンウェブ)の2人が追走。12周目には先行する2人に合流して4人の逃げ集団を形成する。
残り2周、フルームとバルギルが先行。直後に集団が迫る中、最終周回に入ってもバルギルがなお粘って単独で先行する。しかしスプリンターで勝負したいディメンションデータやクイックステップフロアーズらによりペースアップした集団からは逃げきれず、残り300mを前に吸収。最後のヘアピンカーブを折り返してのゴールスプリント勝負に。
残り100m、先行する別府にカヴェンディッシュが迫る。最後まで粘る別府だったが、カヴェンディッシュが僅差で先着し、さいたまクリテリウム初優勝を果たした。
カヴェンディッシュは「勝ててハッピーだね。最後の300mはアタックするには短すぎるし、スプリントするには長すぎるので難しかった。スプリントレースでは2位だったけれど、そこで感覚を掴めたのが良かったのかもしれないね。今日は観客の応援がすごくて、日本でのレースは素晴らしい体験だった。ぜひまた日本に来てレースに出たいと思っているよ」と、上機嫌にコメント。
一方、僅差で2位の別府は「2015年にも僅差で負けて2位になっているので、今回は勝ちたいと思っていた。スプリント勝負に向けてディメンションデータらがガチガチにコントロールしていたので早めに仕掛けてみたけれど、難しかった」とレースを振り返った。
フルームは山岳賞を獲得。記者会見で「第1回大会から出場していて、今年5回目の大会にも呼んでもらってとても嬉しく思っている」と話し、来る2018年シーズンの目標について聞かれると「来年はツール5勝目を目指したい」と、先人の偉大な記録に挑戦すると宣言した。
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2017 結果
1位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス・ディメンションデータ) |
2位 | 別府史之(日本・トレック・セガフレード) |
3位 | 畑中勇介(日本・チーム右京) |
4位 | ワレン・バルギル(フランス・サンウェブ) |
5位 | アルベルト・ベッティオ(イタリア・キャノンデールドラパック) |
6位 | ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド・チームスカイ) |
ベストチーム
BMCレーシング
ベストヤングライダー
アルベルト・ベッティオ(イタリア・キャノンデールドラパック)
ポイント賞
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー・BMCレーシング)
山岳賞
クリストファー・フルーム(イギリス・チームスカイ)
敢闘賞
ワレン・バルギル(フランス・サンウェブ)
ベスト日本チーム
愛三工業レーシングチーム
タイムトライアル優勝
宇都宮ブリッツェン
パラサイクリング・タイムトライアル
優勝・藤田征樹
個人タイムトライアル・男子ジュニア
優勝・山本哲央(山梨県立韮崎高校)
個人タイムトライアル・女子
優勝・下山美寿々(大阪教育大付属高校天王寺校舎)
Photo:Kei Tsuji / TDWsport,Makoto AYANO,Satoru Kato
text:Satoru Kato
BMCレーシング
ベストヤングライダー
アルベルト・ベッティオ(イタリア・キャノンデールドラパック)
ポイント賞
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー・BMCレーシング)
山岳賞
クリストファー・フルーム(イギリス・チームスカイ)
敢闘賞
ワレン・バルギル(フランス・サンウェブ)
ベスト日本チーム
愛三工業レーシングチーム
タイムトライアル優勝
宇都宮ブリッツェン
パラサイクリング・タイムトライアル
優勝・藤田征樹
個人タイムトライアル・男子ジュニア
優勝・山本哲央(山梨県立韮崎高校)
個人タイムトライアル・女子
優勝・下山美寿々(大阪教育大付属高校天王寺校舎)
Photo:Kei Tsuji / TDWsport,Makoto AYANO,Satoru Kato
text:Satoru Kato
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