UCIワールドチームが16チーム揃うツアー・オブ・広西(UCIワールドツアー)が10月19日から24日まで6日間の日程で開催される。新城幸也(バーレーン・メリダ)の他、NIPPOヴィーニファンティーニの内間、窪木、伊藤も出場する初開催レースをプレビュー。


中国南部の広西チワン族自治区で初開催

ツアー・オブ・広西2017コース全体図ツアー・オブ・広西2017コース全体図 image:GREE-Tour of Guangxi2017年のUCIワールドツアーカレンダーに新たに加わったツアー・オブ・広西。中国大手家電メーカーのグリー社がタイトルスポンサーについており、正式な英語名は「GREE-Tour of Guangxi(グリー・ツアー・オブ・クワンシー)」。シーズンを締めくくるUCIワールドツアー最終戦であり、閉幕後にはUCIワールドツアー・ガラと呼ばれる式典も行われる。

その名の通りレースの舞台となるのは広西チワン族自治区で、開幕地は南シナ海に面した港湾都市の北海市。そこから内陸の桂林市に向かって6日間かけて北上するルートをとる。北海市の周回コースが設定された第1ステージと、勾配3%ほどの緩斜面フィニッシュが登場する第2ステージ、そして南寧市の周回コースを回る第3ステージはスプリンター向きだ。

個人タイムトライアルが設定されない6日間のステージレースの中で、総合成績に大きな影響を及ぼすのが第4ステージの山頂フィニッシュ。残り3km地点から高低差約200mの1級山岳を駆け上がり、弄拉(ノングラ)の展望エリアにフィニッシュする。距離は短いが総合タイム差をつけるには十分な難易度だ。

翌日の第5ステージは今大会最長212.2kmコースで、後半にかけて3級、2級、1級とカテゴリー山岳が連続。獲得標高差も2,474mあり、残り34kmに位置する最終山岳でアタックが繰り返されるだろう。最終日は後半に3級と2級山岳が設定されているものの、集団スプリントで締めくくられる可能性が高い。


ツアー・オブ・広西2017ステージリスト
10月19日(木)第1ステージ 北海(ベイハイ)〜北海(ベイハイ)107.4km
10月20日(金)第2ステージ 欽州(チンチョウ)〜南寧(ナンニン)156.7km
10月21日(土)第3ステージ 南寧(ナンニン)〜南寧(ナンニン)125.3km
10月22日(日)第4ステージ 南寧(ナンニン)〜弄拉(ノングラ)151km(山頂フィニッシュ)
10月23日(月)第5ステージ 柳州(リュウヂョウ)〜桂林(グイリン)212.2km
10月24日(火)第6ステージ 桂林(グイリン)〜桂林(グイリン)168km

ツアー・オブ・広西2017第4ステージツアー・オブ・広西2017第4ステージ image:GREE-Tour of Guangxi
ツアー・オブ・広西2017第1ステージツアー・オブ・広西2017第1ステージ image:GREE-Tour of Guangxiツアー・オブ・広西2017第6ステージツアー・オブ・広西2017第6ステージ image:GREE-Tour of Guangxi



16のUCIワールドチームが出場 新城、内間、伊藤、窪木も

出場するUCIワールドチームは、フランスのエフデジとアージェードゥーゼールを除く16チーム。UCIワールドツアーランキングを決める最終戦だけに、どのチームも一軍に近い布陣をはるばる中国に送り込んでいる。ワイルドカード枠で出場権を得たのはスペインのカハルーラルとイタリアのNIPPOヴィーニファンティーニで、直前まで江蘇省と浙江省で開催されていたツアー・オブ・タイフーレイクに出場していた内間康平、伊藤雅和、窪木一茂がスタートラインに並ぶ。

出場チームリスト(有力選手)
アスタナ(フルサング、カタルド、グリブコ)
バーレーン・メリダ(新城、コルブレッリ、ボニファツィオ)
BMCレーシング(ヘルマンス、ロッシュ、オス)
ボーラ・ハンスグローエ(ケニッグ、グレゴール、ペルッキ)
キャノンデール・ドラパック(ファンバーレ、ヴァンマルク、カーシー)
ディメンションデータ(モートン、アイゼル、テクレハイマノ)
ロット・ソウダル(ウェレンス、ホフランド、ハンセン)
モビスター(ドーセット、アマドール、エラーダ兄弟)
オリカ・スコット(ユアン、クークレール、ヘイグ)
クイックステップフロアーズ(アラフィリップ、ガビリア、リケーゼ)
カチューシャ・アルペシン(タラマエ、ハラー、モルコフ)
ロットNLユンボ(ボーム、フルーネウェーヘン、カンペナールツ)
チームスカイ(ランダ、プールス、ファンポッペル)
サンウェブ(マシューズ、ケルデルマン、スタムスナイデル)
トレック・セガフレード(モレマ、ニッツォーロ、ステティーナ)
UAEチームエミレーツ(デュラセック、グアルディーニ、モホリッチ)
カハルーラル(フェラーリ、プラデス、ペイジ)
NIPPOヴィーニファンティーニ(マリーニ、内間、窪木、伊藤)

総合争いにおいて注目はミケル・ランダ(スペイン)とワウト・プールス(オランダ)を擁するチームスカイ。オールラウンダーとしてはバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)やウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)も揃う。

山岳の難易度が高くないため、シーズン終盤に調子を上げているジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)といったパンチャー系選手にもチャンス有り。ニコラス・ロッシュ(アイルランド)とベン・ヘルマンス(ベルギー)を揃えるBMCレーシングも有力候補だ。

平坦ステージではカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)を中心に、ベテランというよりは比較的若いスプリンターたちが激突する。ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)らもスプリントに絡んでくるはずだ。

ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsportジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)

text:Kei Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)