2017/09/09(土) - 14:24
カナダで開催されたGPケベック(UCIワールドツアー)で、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がキャリア通算100勝目となる2年連続勝利を達成。日曜日に開催されるGPモンレアルとの連勝に向けても意欲を見せた。
オールラウンダーがブエルタ・ア・エスパーニャ終盤戦で激しく火花を散らすその頃、世界屈指のワンデーレーサーたちが集うのがカナダ・フランス語圏を舞台に繰り広げられるグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)と、その2日後に開催されるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)のワールドツアー2連戦。
8月のビンクバンクツアーから休息を取ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)や、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、セップ・ヴァンマルク(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・スコット)、エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)ら、世界選手権を見据えるビッグネームたちが北米の地でシーズン終盤に向けて動き出した。
日本からは世界選手権出場を決めている新城幸也(バーレーン・メリダ)と、2013年以来3度目の出場である別府史之(トレック・セガフレード)が出場。共にアシストとしての責務を負った。
セント・ローレンス川に面したケベック市内を周回するコースの全長は12.6km(獲得標高186m)。ここを16周回、合計201.6kmで争われるGPケベックの総獲得標高は2976mにものぼる。周回後半からは名称の付けられた登坂が4つ登場し、フィニッシュへの登り「グラン・ダリー」は登坂距離1000m、平均勾配4%。それぞれの難易度は低くないものの連続して登坂をこなすため、波状攻撃が掛かれば集団分断も起こりうる。過去大会は高い確率で登坂スプリントになっており、世界王者サガンは2年連続勝利を目指し、兄ユライとタッグを組んでスタートを切った。
この日逃げグループを形成したのは、フランス語を母国語とするカナダのピエールアンドレ・コート(カナダナショナルチーム)とトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)、バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)、そしてタイラー・ウィリアムズ(アメリカ、イスラエルサイクリングアカデミー)の4人。序盤に逃げを打つと差を広げ、4周目には9分半まで貯金を稼いでいった。
後半になってバーレーン・メリダやチームスカイ、サンウェブ、BMCレーシングら優勝候補を抱えるチームが共同作戦を展開すると、逃げグループのリードは徐々に切り崩されていく。先頭でも実力者ファンデルサンドとプランカールトの2名が残り、やがてプランカールト一人が逃げを続ける展開となった。
最終周回に達する頃にはオリカ・スコットとトレック・セガフレードもペースアップに加担したことで長時間粘り続けたプランカールトはお役御免に。各チームはエースのためのポジション争いを繰り広げながらラスト10kmに突入していった。
先頭を牽いていたダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)は直角コーナーの出口でスリップ落車したものの、優勝候補たちは影響から逃れることに成功。ヴァンアーヴェルマートを従えたBMCレーシング、キャノンデール・ドラパック、フランス王者アルノー・デマールをエースに臨むエフデジらが激しく位置取り争いの火花を散らしていく。
ゴール前の登坂区間で決定的な動きは生まれず、ペースが上がりきらない大集団のままフィニッシュのグラン・ダリーへ。すると均衡を破るように2015年の覇者、リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)が残り1kmで加速した。
しかしウランが逃げ切るには勾配が緩すぎた。オリカ・スコットが冷静にウランとの距離を詰め、残り300mで吸収。各チームの最終発射台が加速を始めるそのタイミングで、ウランの番手に付いたペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)がスプリントの口火を切った。
その後ろから状況を見極めていたのはサガン。右側からマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)が加速するのを確認したサガンは一気に先頭に立つと、追い込むヴァンアーヴェルマートを寄せ付けずにフィニッシュ。余裕すら感じさせる圧倒的な爆発力で2年連続勝利を収めた。
記念すべきキャリア100勝目をここケベックで打ち立てたサガンは、ウランのアタックとヴァンアーヴェルマートの2位を「最終的に去年とほとんど同じ展開になった」と評した。「最後は強い向かい風が吹いていたけれど、気にせず長い距離のスプリントを仕掛けたんだ。登りが続いていたのでスプリントは厳しかったけれど、チームメイトの仕事にも報いることができてよかった。100勝目には満足しているけれど、それで決して満足することはないよ。また日曜日にも勝利を狙っていく」と、100%のゴーグルを首にかけながら語ったサガン。大観衆を前に創業100周年迎えたイタリアのシリカ社から記念ポンプとツールセットが贈られ、100尽くしの表彰台を終えた。
サガンがGPモンレアルでも勝利すれば、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・スコット)に続く大会史上2度目の記録となる。
オールラウンダーがブエルタ・ア・エスパーニャ終盤戦で激しく火花を散らすその頃、世界屈指のワンデーレーサーたちが集うのがカナダ・フランス語圏を舞台に繰り広げられるグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)と、その2日後に開催されるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)のワールドツアー2連戦。
8月のビンクバンクツアーから休息を取ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)や、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、セップ・ヴァンマルク(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・スコット)、エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)ら、世界選手権を見据えるビッグネームたちが北米の地でシーズン終盤に向けて動き出した。
日本からは世界選手権出場を決めている新城幸也(バーレーン・メリダ)と、2013年以来3度目の出場である別府史之(トレック・セガフレード)が出場。共にアシストとしての責務を負った。
セント・ローレンス川に面したケベック市内を周回するコースの全長は12.6km(獲得標高186m)。ここを16周回、合計201.6kmで争われるGPケベックの総獲得標高は2976mにものぼる。周回後半からは名称の付けられた登坂が4つ登場し、フィニッシュへの登り「グラン・ダリー」は登坂距離1000m、平均勾配4%。それぞれの難易度は低くないものの連続して登坂をこなすため、波状攻撃が掛かれば集団分断も起こりうる。過去大会は高い確率で登坂スプリントになっており、世界王者サガンは2年連続勝利を目指し、兄ユライとタッグを組んでスタートを切った。
この日逃げグループを形成したのは、フランス語を母国語とするカナダのピエールアンドレ・コート(カナダナショナルチーム)とトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)、バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)、そしてタイラー・ウィリアムズ(アメリカ、イスラエルサイクリングアカデミー)の4人。序盤に逃げを打つと差を広げ、4周目には9分半まで貯金を稼いでいった。
後半になってバーレーン・メリダやチームスカイ、サンウェブ、BMCレーシングら優勝候補を抱えるチームが共同作戦を展開すると、逃げグループのリードは徐々に切り崩されていく。先頭でも実力者ファンデルサンドとプランカールトの2名が残り、やがてプランカールト一人が逃げを続ける展開となった。
最終周回に達する頃にはオリカ・スコットとトレック・セガフレードもペースアップに加担したことで長時間粘り続けたプランカールトはお役御免に。各チームはエースのためのポジション争いを繰り広げながらラスト10kmに突入していった。
先頭を牽いていたダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)は直角コーナーの出口でスリップ落車したものの、優勝候補たちは影響から逃れることに成功。ヴァンアーヴェルマートを従えたBMCレーシング、キャノンデール・ドラパック、フランス王者アルノー・デマールをエースに臨むエフデジらが激しく位置取り争いの火花を散らしていく。
ゴール前の登坂区間で決定的な動きは生まれず、ペースが上がりきらない大集団のままフィニッシュのグラン・ダリーへ。すると均衡を破るように2015年の覇者、リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)が残り1kmで加速した。
しかしウランが逃げ切るには勾配が緩すぎた。オリカ・スコットが冷静にウランとの距離を詰め、残り300mで吸収。各チームの最終発射台が加速を始めるそのタイミングで、ウランの番手に付いたペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)がスプリントの口火を切った。
その後ろから状況を見極めていたのはサガン。右側からマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)が加速するのを確認したサガンは一気に先頭に立つと、追い込むヴァンアーヴェルマートを寄せ付けずにフィニッシュ。余裕すら感じさせる圧倒的な爆発力で2年連続勝利を収めた。
記念すべきキャリア100勝目をここケベックで打ち立てたサガンは、ウランのアタックとヴァンアーヴェルマートの2位を「最終的に去年とほとんど同じ展開になった」と評した。「最後は強い向かい風が吹いていたけれど、気にせず長い距離のスプリントを仕掛けたんだ。登りが続いていたのでスプリントは厳しかったけれど、チームメイトの仕事にも報いることができてよかった。100勝目には満足しているけれど、それで決して満足することはないよ。また日曜日にも勝利を狙っていく」と、100%のゴーグルを首にかけながら語ったサガン。大観衆を前に創業100周年迎えたイタリアのシリカ社から記念ポンプとツールセットが贈られ、100尽くしの表彰台を終えた。
サガンがGPモンレアルでも勝利すれば、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・スコット)に続く大会史上2度目の記録となる。
H3
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2017
結果
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 5:00:31 |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
4位 | アレクシー・ヴュイエルモーズ (フランス、アージェードゥーゼール) | |
5位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
6位 | トムイェルト・スラフトール(オランダ、キャノンデール・ドラパック) | |
7位 | ペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ) | |
8位 | セップ・ヴァンマルク(ベルギー、キャノンデール・ドラパック) | |
9位 | トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) | |
10位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
96位 | 別府史之(トレック・セガフレード) | 2:08 |
114位 | 新城幸也(バーレーン・メリダ) | 3:26 |
txet:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp