インカレトラック最終日は団抜きを中央大が、チームスプリントは日本大が制し他種目も併せて日本大が男子総合トップの82点を獲得。2位53点中央大に大差をつけ翌日のロードレースへ向かう。4年ぶりの総合優勝に王手をかけた。



9月2日(土)松本市美鈴湖競技場でのインカレ3日目トラック最終日、各種目の決勝などが行われた。日本大はチームスプリントとスプリントで優勝。チームパーシュートとケイリン、タンデムスプリントは2位となり大量に得点し実に82点を獲得。総合2位中央大は53点、3位朝日大は50点などで、仮にこれら2位以下の大学がロードレースで1位から3位まで(上位3人)独占した場合36点であり、逆転は不可能ではないが現実的には厳しい。

女子は日本体育大が42点を獲得し2位は鹿屋体育大の26点。仮に鹿屋体育大が1位2位を独占(女子は上位2名まで)した場合18点でこれも逆転は不可能ではないが厳しい。
男子は日本大が、女子は日本体育大が総合優勝へ向けて大きく前進した。

各種目のようすをフォトレポートでお届けしよう。

男子チームスプリント 333m×3

前日の予選で大会新・学連新記録を出した日本大がさらに記録を1秒3縮める1分00秒405を出し、ふたたび学連記録を更新して優勝。ベストメンバーでもあり当分破られることが無い記録だろう。2位の朝日大も予選記録を更新した。

男子チームスプリント 1位 日本大(坂井、照井、治田)1分00秒405 学連新男子チームスプリント 1位 日本大(坂井、照井、治田)1分00秒405 学連新 photo:Hideaki TAKAGI
男子チームスプリント 2位 朝日大(小原、栗山、志田)1分01秒579男子チームスプリント 2位 朝日大(小原、栗山、志田)1分01秒579 photo:Hideaki TAKAGI男子チームスプリント 表彰男子チームスプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGI

1位 日本大(坂井、照井、治田)1分00秒405 学連新
2位 朝日大(小原、栗山、志田)1分01秒579
3位 中央大(橋本、梶原、東矢)1分02秒075
4位 鹿屋体育大(堀、岸田、真鍋)1分02秒778
5位 明治大(板倉、隈園、荒川)1分02秒991
6位 早稲田大(後藤、中井、田中)1分03秒705
7位 日本体育大(松岡、桑名、松本)1分04秒480
8位 同志社大(宇佐美、島、末廣)1分04秒917

女子3kmインディヴィデュアルパーシュート

女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 梶原悠未(筑波大)3分46秒917(予選時)女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 梶原悠未(筑波大)3分46秒917(予選時) photo:Hideaki TAKAGI梶原悠未(筑波大)と中井彩子(鹿屋体育大)の決勝は中井が予選記録を1秒以上縮めたが結果1.1秒差で梶原がこの戦いを制した。3位には予選記録を更新した橋本優弥(鹿屋体育大)が入った。

1位 梶原悠未(筑波大)3分46秒917(予選時)
2位 中井彩子(鹿屋体育大)3分49秒120
3位 橋本優弥(鹿屋体育大)3分49秒348
4位 古山稀絵(日本体育大)3分50秒985(予選時)
5位 中村愛花(日本体育大)4分04秒551
6位 菅原朱音(八戸学院大)4分05秒405

女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 表彰女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 表彰 photo:Hideaki TAKAGI女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 優勝の梶原悠未(筑波大)女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 優勝の梶原悠未(筑波大) photo:Hideaki TAKAGI

男子4kmインディヴィデュアルパーシュート

男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 1位 松下綾馬(京都産業大)4分37秒884男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 1位 松下綾馬(京都産業大)4分37秒884 photo:Hideaki TAKAGI決勝は予選トップタイムの松下綾馬(京都産業大)が序盤からリードして今村駿介(中央大)を4秒差で下して優勝。京都産業大としては2002年以来15年ぶりの優勝で、前日のチームパーシュートでの失敗をはねのける快勝だ。松下は7月の学生個人選トラック同種目3-4位決定戦で同じ今村と対戦し下しているが、いままで全国大会の優勝はなかった。

1位 松下綾馬(京都産業大)4分37秒884(予選時)
2位 今村駿介(中央大)4分39秒572(予選時)
3位 松本憲斗(鹿屋体育大)4分39秒231
4位 永田吏玖(朝日大)4分42秒180
5位 貝原涼太(日本大)4分44秒681
6位 眞砂英作(明治大)4分45秒559
7位 安田開(日本体育大)4分45秒864
8位 畑頌聡(慶應義塾大)4分47秒194

男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 表彰男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 表彰 photo:Hideaki TAKAGI男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 優勝の松下綾馬(京都産業大)男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 優勝の松下綾馬(京都産業大) photo:Hideaki TAKAGI

ケイリン

ケイリン決勝 小原佑太(朝日大)が優勝ケイリン決勝 小原佑太(朝日大)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI決勝は板倉玄京(明治大)、小原佑太(朝日大)の並びでペーサーにつける。優勝候補の坂井洋(日本大)は最後尾。ペーサーが外れて残り1周半で小原が板倉をかわし先行する。外側から山根将太(中央大)が並びにかかるが抜けず、最後尾だった坂井はさらに外側から前へ出ていく。小原は先行のままフィニッシュし優勝。坂井が2位に入った。小原は昨年のインカレ中に膝蓋骨を骨折する大けがを負ったが見事に復活優勝を遂げた。

1位 小原佑太(朝日大)
2位 坂井洋(日本大)
3位 板倉玄京(明治大)
4位 鈴木隼輔(東北学院大)
5位 鈴木玄人(法政大)
6位 山根将太(中央大)
7位 堀江省吾(信州大)
8位 松岡辰泰(日本体育大)

ケイリン 表彰ケイリン 表彰 photo:Hideaki TAKAGIケイリン優勝の小原佑太(朝日大)ケイリン優勝の小原佑太(朝日大) photo:Hideaki TAKAGI

タンデムスプリント

タンデムスプリント 法政大(鈴木、高橋)が優勝タンデムスプリント 法政大(鈴木、高橋)が優勝 photo:Hideaki TAKAGIいま日本でこのインカレにだけある種目がタンデムスプリントだ。予選でともに大会新を出した日本大と法政大の決勝は、1本目を法政大が先取し、2本目は日本大が違反を取られ降格となり法政大の優勝が決まった。

1位 法政大(鈴木、高橋)
2位 日本大(照井、山本)
3位 早稲田大(中井、安倍)
4位 東北学院大(中込、鈴木)
5位 朝日大(中村、畝木)
6位 中央大(村田、東矢)
7位 明治大(田川、甲斐)
8位 日本体育大(佐々木、桑名)

タンデムスプリント 表彰タンデムスプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGIタンデムスプリント優勝の法政大(鈴木、高橋)タンデムスプリント優勝の法政大(鈴木、高橋) photo:Hideaki TAKAGI

女子スプリント

女子スプリント 1位 岡本二菜(日本体育大)、2位 西島叶子(鹿屋体育大)女子スプリント 1位 岡本二菜(日本体育大)、2位 西島叶子(鹿屋体育大) photo:Hideaki TAKAGI予選で11秒442の大会記録を出した岡本二菜(日本体育大)の力が圧倒し、ひと踏みで勝負が決まるほどの差ですべてストレート勝ちで優勝した。

1位 岡本二菜(日本体育大)
2位 西島叶子(鹿屋体育大)
3位 松本詩乃(日本体育大)
4位 伊藤花歩(八戸学院大)
5位 平井杏奈(順天堂大)
6位 清水知美(八戸学院大)

女子スプリント 表彰女子スプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGI女子3冠達成の岡本二菜(日本体育大)女子3冠達成の岡本二菜(日本体育大) photo:Hideaki TAKAGI

男子スプリント

男子スプリント 坂井洋(日本大)が優勝、荒川仁(明治大)は2位男子スプリント 坂井洋(日本大)が優勝、荒川仁(明治大)は2位 photo:Hideaki TAKAGI予選4番時計だった坂井洋(日本大)がすべてストレート勝ちして優勝。力と技でライバルたちよりも完全に抜け出している強さを見せた。予選で学連記録を塗り替えた沢田桂太郎(日本大)はスプリント種目の経験の浅さから出た違反で4位となったが、今大会の随所で魅せた力は同年代で随一のもの。これからの成長に期待大だ。

1位 坂井洋(日本大)
2位 荒川仁(明治大)
3位 堀航輝(鹿屋体育大)
4位 沢田桂太郎(日本大)
5位 栗山和樹(朝日大)
6位 真鍋智寛(鹿屋体育大)
7位 山根将太(中央大)
8位 鈴木玄人(法政大)

男子スプリント 表彰男子スプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGI男子スプリント優勝の坂井洋(日本大)、母へ3つのメダルをプレゼント男子スプリント優勝の坂井洋(日本大)、母へ3つのメダルをプレゼント photo:Hideaki TAKAGI

4kmチームパーシュート

予選に続いてこの日も風の吹く中で行われたチームパーシュート。予選トップタイムを出していた日本大は序盤リードしたが中盤に中央大が逆転し若干リードする。ここで日本大の隊列が大きく乱れ、中央大の追抜き勝ちとなった。予選でも3チームの隊列が乱れたが決勝でも同じ場面が再現された。中央大の添田監督は「風が強かったので機材と交代のしかたを対策して臨んだ」と語る。得点が1.5倍となるこの種目は添田監督が最も力を注ぐもの。中央大は全日本選手権に続きこのインカレでも優勝し国内2冠を達成した。

男子4kmチームパーシュート 1位 中央大(原井、高橋、橋本、今村)追抜き勝ち(予選時4分16秒093)男子4kmチームパーシュート 1位 中央大(原井、高橋、橋本、今村)追抜き勝ち(予選時4分16秒093) photo:Hideaki TAKAGI
男子4kmチームパーシュート 表彰男子4kmチームパーシュート 表彰 photo:Hideaki TAKAGI男子4kmチームパーシュート 優勝の中央大(原井、高橋、橋本、今村)男子4kmチームパーシュート 優勝の中央大(原井、高橋、橋本、今村) photo:Hideaki TAKAGI

1位 中央大(原井、高橋、橋本、今村)追抜き勝ち(予選時4分16秒093)
2位 日本大(草場、坂本、沢田、貝原)4分15秒422 予選時
3位 法政大(荒井、白垣、近藤、渡部)4分16秒670
4位 日本体育大(安田、山下、古賀、村田)4分19秒401
5位 京都産業大(中井、松下、曽我部、吉岡)4分23秒843
6位 東北学院大(伊藤、久保田、風間、西塔)4分26秒973
7位 明治大(眞砂、池西、梅本、渡邉)4分27秒327
8位 慶應義塾大(荒川、畑、小野、宮本)4分30秒909

男子ポイントレース 表彰男子ポイントレース 表彰 photo:Hideaki TAKAGI男子ポイントレース優勝の永田吏玖(朝日大)男子ポイントレース優勝の永田吏玖(朝日大) photo:Hideaki TAKAGI
男子スクラッチ 表彰男子スクラッチ 表彰 photo:Hideaki TAKAGI男子スクラッチ優勝の近藤翔馬(法政大)男子スクラッチ優勝の近藤翔馬(法政大) photo:Hideaki TAKAGI

大学対抗総合成績 トラック終了時

男子
1位 日本大学 82点
2位 中央大学 53点
3位 朝日大学 50点
4位 法政大学 41点
5位 明治大学 38点
6位 鹿屋体育大学 35点
7位 東北学院大学 21点
8位 京都産業大学 16点

女子
1位 日本体育大学 42点
2位 鹿屋体育大学 26点
3位 八戸学院大学 20点
4位 筑波大学 17点
5位 順天堂大学 8点
6位 早稲田大学 6点

photo&text:高木秀彰

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