2017/07/02(日) - 22:48
西日本ロードクラシック広島大会の2日目が行われ、JPTは序盤から逃げ切った8人でのスプリント勝負を入部正太朗(シマノレーシング)が制して優勝した。ジュニアユースチャンピオンシップは日野泰静(松山城南高等学校自転車競技部)が優勝した。
広島の県立中央森林公園で開催されている第51回JBCF西日本ロードクラシック広島大会。2日目はジュニアユースチャンピオンシップが行われ、Jプロツアーは初日の倍の距離でのレースとなる。
天気は雲が多めながらも晴れ。今年最高の気温を記録した前日に比べると風がある分すごしやすく感じる事もあったが、それでも30℃を上回る暑さは、梅雨時とは思えない1日となった。
スタートラインでホセ・ビセンテと安原監督に土井雪広が日傘をさす photo:Satoru Kato
会場は広島空港周辺のコース。先頭は地元VICTOIRE広島の西川昌宏 photo:Hideaki TAKAGI
広島空港の誘導灯をくぐる集団 photo:Satoru Kato
P1クラスタ 勝ち逃げ集団のスプリントを入部正太朗が制する
前日に続きJプロツアー第8戦となるP1クラスタは、1周12.3kmのコースを12周する147.6km。レースレーティングは最高ランクのAAAA(クアトロ・エー)に指定され、前日の第7戦と比べて2倍近いポイントがかかるレースだ。
3周目、入部正太郎(シマノレーシング)のアタックをきっかけに12人の逃げができる photo:Hideaki TAKAGI
12人の逃げ集団の先頭を行く馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
レースが動いたのは3周目。入部正太朗のアタックをきっかけに12人の逃げ集団が形成される。
メンバーは、馬渡伸弥、飯野智行(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗、秋田拓磨(シマノレーシング)、吉岡直哉、岸崇仁(那須ブラーゼン)、田窪賢次(マトリックスパワータグ)、早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、中西健児(キナンサイクリングチーム)、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、内野直也(ウォークライド・シクロアカデミア)、大前翔(東京ヴェントス)。メイン集団との差は最大で5分近くまで開く。
6周目 登り区間でキナンサイクリングチーム勢がペースアップ photo:Satoru Kato
7周目 登り区間でメイン集団を牽引するシマノレーシング勢 photo:Satoru Kato
6周目、登り区間でキナンサイクリングチームの阿曽圭佑と山本元喜の2人がメイン集団を牽引してペースアップ。「差が開きすぎたのと、集団をペースアップして追走できる人だけに絞りたかった。」とレース後に山本が話した通り、この動きをきっかけに集団が分裂。ルビーレッドジャージを着るホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)を含む15人程まで絞られる。
その後も西村大輝や横山航太らシマノレーシング勢が登り区間で集団を牽引。8周目には逃げ集団との差は2分まで縮まる。しかしそこから差が縮まらなくなり、2分前後の差のままレースは終盤へ向かう。
11周目の上りでペースを上げる馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki TAKAGI
11周目 馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)、吉岡直哉(那須ブラーゼン)、入部正太朗(シマノレーシング)の3人が抜け出す photo:Satoru Kato
10周目、逃げ集団では岸と秋田が遅れて10人になる。メイン集団とのタイム差が2分から3分に開き、再び4分まで開いた11周目、入部、馬渡、吉岡の3人が逃げ集団から抜け出す。3人は後続に10秒ほどの差をつけて最終周回の12周目へ。しかしこのまま逃げ切りとはならず、5人が追いついて残り1kmへ。勝負は序盤から逃げ続けた8人によるスプリント勝負に持ち込まれた。
ラスト3km、中西健児(キナンサイクリングチーム)のアタックに最終便で乗る入部正太郎(シマノレーシング) photo:Hideaki TAKAGI
入部正太朗(シマノレーシング)が先頭でホームストレートに姿を現す photo:Satoru Kato
入部正太朗(シマノレーシング)が優勝 後ろで吉岡直哉(那須ブラーゼン)がハンドルを叩いて悔しがる photo:Satoru Kato
最初に仕掛けたのは中西。しかし状況を見ていた入部が反応し、残り300mで中西をかわして先頭へ。吉岡、馬渡が続くが入部に追いつく勢いはなく「観客の声援と拍手が聞こえてきて勝ちを確信した」と言う入部がガッツポーズと共に先頭でゴールラインを越えた。
P1クラスタ 表彰式 photo:Satoru Kato「途中までは作戦通りでしたが補給を取っていても熱中症気味で、最終周回に吐いてしまって、その反動で左足がつって、一瞬集団から遅れてしまいました。でも集団が牽制して止まっていたので、なんとか復帰する事が出来ました。本当は最後の登りで独走に持ち込みたかったのですが」と、最終周回は満身創痍だったと言う入部。
「ラスト1周で吉岡選手と馬渡選手と3人で抜け出して、本当はそのまま行きたかったけれど出来ませんでした。結果としてはその3人で表彰台に乗れたのは、敵チームですが嬉しかったですね。でも今日は足だけだったら負けていました。ギリギリのところで踏んで行くべきところを見極められたのが良かったと思います。
チームとしては今日は逃げに自分と秋田が入って、後ろの集団でもきっちり残って備えていてくれたので、捕まっても次の展開が出来る形になっていました。全日本選手権でもチーム力がついている事を実感出来ていたので、今日のレースでも良い感触を得る事が出来ました。次のレースは2週間後なので、毎年恒例の川遊びとバーベキューをしてリフレッシュします」と、この日のレースを総括した。
シマノレーシングの野寺監督は、「全日本選手権から1週間というタイミングでしたが、入部キャプテンが過酷な暑さと長い距離のレースで集中力を切らさずに戦って勝てた事は良かったと思います。自分達が求めているところに向かうために、今回のようなレースが今後も出来るようになれば良いなと思います」と、今回の結果を評価する。
「全日本選手権ではこの上なく選手達がやった事が形になりましたが、やはりその後のレースで同じように出来る事が重要だと考えています。選手達は勝ちを渇望していて、それが実現できるところまで底上げが出来ていると感じていますので、今後が楽しみです」と、シーズン後半に向けての展望を語った。
十字をきってゴールするホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
ルビーレッドジャージはホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)、ピュアホワイトジャージは大前翔(東京ヴェントス)に photo:Satoru Kato
ジュニアユースチャンピオンシップは日野泰静が優勝
Yクラスタ 1周目から日野泰静(松山城南高等学校自転車競技部)と廣本凌也(松山聖陵高等学校)の愛媛県選手2名 photo:Hideaki TAKAGI
Yクラスタ メイン集団を引くジュニア全日本TTチャンピオンの津田悠義(EQADS) photo:Hideaki TAKAGI
ジュニア世代を対象としたYクラスタは、ジュニアユースチャンピオンシップとして開催された。レース距離は4周・49.2km。スタート直後から日野泰静(松山城南高等学校)と、廣本凌也(松山聖陵高等学校)の2人が抜け出して後続との差を広げていく。約2分の差をつけた最終周回、日野が独走に持ち込んでそのままゴール。同じ松山城南高等学校が3位、4位にも入り、上位4人を愛媛県勢が占める結果となった。
女子は唐見実世子が今季15勝目
Fクラスタ 独走する唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
唐見を追う中原恭恵(JBCF J-FEMININ)、合田祐美子(BH BIORACER)、野口佳子(FORCE)
Fクラスタ 表彰式 photo:Satoru Kato
3周36.9kmで行われた女子のFクラスタは、前日同様に序盤から独走に持ち込んだ唐見実世子が優勝。2位に中原恭恵(JBCF J-FEMININ)、3位に合田祐美子(BH BIORACER)と、表彰台も前日同様の結果となった。
広島の県立中央森林公園で開催されている第51回JBCF西日本ロードクラシック広島大会。2日目はジュニアユースチャンピオンシップが行われ、Jプロツアーは初日の倍の距離でのレースとなる。
天気は雲が多めながらも晴れ。今年最高の気温を記録した前日に比べると風がある分すごしやすく感じる事もあったが、それでも30℃を上回る暑さは、梅雨時とは思えない1日となった。
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P1クラスタ 勝ち逃げ集団のスプリントを入部正太朗が制する
前日に続きJプロツアー第8戦となるP1クラスタは、1周12.3kmのコースを12周する147.6km。レースレーティングは最高ランクのAAAA(クアトロ・エー)に指定され、前日の第7戦と比べて2倍近いポイントがかかるレースだ。
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レースが動いたのは3周目。入部正太朗のアタックをきっかけに12人の逃げ集団が形成される。
メンバーは、馬渡伸弥、飯野智行(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗、秋田拓磨(シマノレーシング)、吉岡直哉、岸崇仁(那須ブラーゼン)、田窪賢次(マトリックスパワータグ)、早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、中西健児(キナンサイクリングチーム)、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、内野直也(ウォークライド・シクロアカデミア)、大前翔(東京ヴェントス)。メイン集団との差は最大で5分近くまで開く。
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6周目、登り区間でキナンサイクリングチームの阿曽圭佑と山本元喜の2人がメイン集団を牽引してペースアップ。「差が開きすぎたのと、集団をペースアップして追走できる人だけに絞りたかった。」とレース後に山本が話した通り、この動きをきっかけに集団が分裂。ルビーレッドジャージを着るホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)を含む15人程まで絞られる。
その後も西村大輝や横山航太らシマノレーシング勢が登り区間で集団を牽引。8周目には逃げ集団との差は2分まで縮まる。しかしそこから差が縮まらなくなり、2分前後の差のままレースは終盤へ向かう。
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10周目、逃げ集団では岸と秋田が遅れて10人になる。メイン集団とのタイム差が2分から3分に開き、再び4分まで開いた11周目、入部、馬渡、吉岡の3人が逃げ集団から抜け出す。3人は後続に10秒ほどの差をつけて最終周回の12周目へ。しかしこのまま逃げ切りとはならず、5人が追いついて残り1kmへ。勝負は序盤から逃げ続けた8人によるスプリント勝負に持ち込まれた。
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最初に仕掛けたのは中西。しかし状況を見ていた入部が反応し、残り300mで中西をかわして先頭へ。吉岡、馬渡が続くが入部に追いつく勢いはなく「観客の声援と拍手が聞こえてきて勝ちを確信した」と言う入部がガッツポーズと共に先頭でゴールラインを越えた。
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「ラスト1周で吉岡選手と馬渡選手と3人で抜け出して、本当はそのまま行きたかったけれど出来ませんでした。結果としてはその3人で表彰台に乗れたのは、敵チームですが嬉しかったですね。でも今日は足だけだったら負けていました。ギリギリのところで踏んで行くべきところを見極められたのが良かったと思います。
チームとしては今日は逃げに自分と秋田が入って、後ろの集団でもきっちり残って備えていてくれたので、捕まっても次の展開が出来る形になっていました。全日本選手権でもチーム力がついている事を実感出来ていたので、今日のレースでも良い感触を得る事が出来ました。次のレースは2週間後なので、毎年恒例の川遊びとバーベキューをしてリフレッシュします」と、この日のレースを総括した。
シマノレーシングの野寺監督は、「全日本選手権から1週間というタイミングでしたが、入部キャプテンが過酷な暑さと長い距離のレースで集中力を切らさずに戦って勝てた事は良かったと思います。自分達が求めているところに向かうために、今回のようなレースが今後も出来るようになれば良いなと思います」と、今回の結果を評価する。
「全日本選手権ではこの上なく選手達がやった事が形になりましたが、やはりその後のレースで同じように出来る事が重要だと考えています。選手達は勝ちを渇望していて、それが実現できるところまで底上げが出来ていると感じていますので、今後が楽しみです」と、シーズン後半に向けての展望を語った。
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ジュニアユースチャンピオンシップは日野泰静が優勝
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ジュニア世代を対象としたYクラスタは、ジュニアユースチャンピオンシップとして開催された。レース距離は4周・49.2km。スタート直後から日野泰静(松山城南高等学校)と、廣本凌也(松山聖陵高等学校)の2人が抜け出して後続との差を広げていく。約2分の差をつけた最終周回、日野が独走に持ち込んでそのままゴール。同じ松山城南高等学校が3位、4位にも入り、上位4人を愛媛県勢が占める結果となった。
女子は唐見実世子が今季15勝目
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3周36.9kmで行われた女子のFクラスタは、前日同様に序盤から独走に持ち込んだ唐見実世子が優勝。2位に中原恭恵(JBCF J-FEMININ)、3位に合田祐美子(BH BIORACER)と、表彰台も前日同様の結果となった。
H3
JBCF西日本ロードクラシック広島大会 結果
Pクラスタ(147.6km)
Yクラスタ(49.2km)
Fクラスタ(36.9km)
E1(49.2km)
E2(49.2km)
E3(36.9km)
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato,Hideaki TAKAGI
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