2017/06/30(金) - 09:03
世界第2の規模を持つ台湾の総合自転車メーカー、メリダがエアロロード”REACTO”のフルモデルチェンジを発表した。レーシングバイクとして高い評価を得ていた前作から更なる進化を果たした新型バイクを紹介しよう。
メリダ 新型REACTO(バーレーン・メリダ選手仕様) photo:Makoto.AYANO
ステルス機を彷彿とさせるような直線的なデザインと、高いレーシング性能によって多くのファンを集めてきたメリダのエアロロード、REACTOが2度目となるフルモデルチェンジを果たした。同社初となるエアロロードとして2011年にデビューした初代、ワールドチームであったランプレ・メリダに供給を開始した2013年に発表された二代目に続き、今回発表された新型REACTOは、先代までのDNAを受け継ぎつつもより洗練されたバイクへと仕上げられた。
新型REACTOの開発にあたって掲げられた目標はエアロロードとして最も重要な空力性能の改善はもちろんのこと、剛性を失うことなく大幅な軽量化を果たすこと。平坦や下りといったハイスピードなシチュエーションだけでなく、登り区間でも活躍できるオールラウンドなレーシングバイクへと新たな一歩を踏み出した。
メリダ REACTO DISC TEAM (c)MERIDA
第二世代REACTOと比較して、フレーム単体で約19.2%、フレームとフォーク、シートポストとベアリングを含むフレームシステム重量で17.13%もの軽量化を達成した新型REACTO。従来1250gであったフレーム重量は240g削減され1010gに、2046gあったフレームシステム重量は1695.5gと、350gもの軽量化を果たした。
この軽量化の立役者となったのは、チューブの薄型化とカーボンレイアップスケジュールの最適化。また、BB386規格を採用することでBB部分の接合面積を広げ、より自由度の高い設計を実現していることで、大きなダイエットにも関わらず、プロユースのレースマシンとして重要な剛性は一切落とすことなく保たれていることも特筆すべき点だろう。
一気呵成に軽量化を成し遂げた新型REACTOだが、エアロロードの本分である空力性能の向上ももちろん忘れられてはいない。複雑なギミックによって空力性能を高めるエアロロードが巷に溢れる中で、メリダが目指したのは極力シンプルな設計で最高のエアロダイナミクスを実現する、スマートなエアロロードだった。
ダウンチューブからフレームに内蔵されるケーブルルーティングとなりメンテナンス性が向上 (c)MERIDA
300g から 206g へと大幅に軽量化された S-FLEX シートポスト (c)MERIDA
よりスリムになったシートステイ (c)MERIDA
結果から述べると、新型REACTOは第二世代と比較して時速45kmで走行時に8w分の空気抵抗を削減することに成功しているという。この空気抵抗の削減による効果は、100kmの距離を単独で走行した際に、伝統的な丸型チューブ形状のロードバイクで100kmのうち30km以上をドラフティングしながら走行した時に得られるエアロ効果よりも高い効果を得られる事を意味しているのだとメリダは説明している。
それほど目覚ましい進化の原動力となったのは、これまでチューブ形状に縛りをかけていたUCIの3:1規制の撤廃だ。この最新の環境の変化に合わせて、メリダは全体のチューブ形状の見直しを実施し、最適なエアロ形状へとチュービングをリファインした。合わせて、シートステイ接合部をより低くすることや、ヘッドチューブとインテグレートされたデザインのワンピースコックピットの採用によって、高いエアロダイナミクスを生み出した。
新型REACTO TEAM-Eに装備されるヴィジョン Metron 5Dに合わせて設計されるヘッド周辺部 (c)MERIDA
MERIDA 独自の DISC COOLER を前後に採用 (c)MERIDA
メリダ REACTO (c)MERIDA
3:1ルールの撤廃に合わせて再設計されたシートステイは、よりスリムな造形となったことで快適性の向上にも寄与している。カーボンレイアップの最適化と合わせて、フレーム全体の縦方向への柔軟性が改善されると同時に、衝撃吸収素材をインサートしたS-FLEXシートポストの性能向上によって、よりコンフォータブルな乗り味を実現した。
また、新型REACTOにはシリーズとして初となるディスクブレーキモデルも用意される。MTBで培ったノウハウをフィードバックした設計によって、ディスクブレーキの持つポテンシャルを100%発揮することが出来るエアロロードに仕上がっている。最も特徴的なテクノロジーが、アルミニウムの放熱フィンによって放熱性能を高める”DISC COLOR"。この仕組みによって、放熱時間を35%短縮し、安定した制動力を発揮している。
ツール・ド・フランスに出場する新城幸也も新型REACTOを駆る photo:Makoto.AYANO
複雑な機構を採用することなく、シンプルでメンテナンス性に優れたデザインながら過去モデルを凌駕する空力性能と、エアロロードらしからぬ軽量性と快適性、プロ選手を満足させる剛性をあわせ持つ、新型REACTO。これから開幕するツール・ド・フランスでバーレーン・メリダの選手たちと共に活躍するはずだ。
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ステルス機を彷彿とさせるような直線的なデザインと、高いレーシング性能によって多くのファンを集めてきたメリダのエアロロード、REACTOが2度目となるフルモデルチェンジを果たした。同社初となるエアロロードとして2011年にデビューした初代、ワールドチームであったランプレ・メリダに供給を開始した2013年に発表された二代目に続き、今回発表された新型REACTOは、先代までのDNAを受け継ぎつつもより洗練されたバイクへと仕上げられた。
新型REACTOの開発にあたって掲げられた目標はエアロロードとして最も重要な空力性能の改善はもちろんのこと、剛性を失うことなく大幅な軽量化を果たすこと。平坦や下りといったハイスピードなシチュエーションだけでなく、登り区間でも活躍できるオールラウンドなレーシングバイクへと新たな一歩を踏み出した。
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第二世代REACTOと比較して、フレーム単体で約19.2%、フレームとフォーク、シートポストとベアリングを含むフレームシステム重量で17.13%もの軽量化を達成した新型REACTO。従来1250gであったフレーム重量は240g削減され1010gに、2046gあったフレームシステム重量は1695.5gと、350gもの軽量化を果たした。
この軽量化の立役者となったのは、チューブの薄型化とカーボンレイアップスケジュールの最適化。また、BB386規格を採用することでBB部分の接合面積を広げ、より自由度の高い設計を実現していることで、大きなダイエットにも関わらず、プロユースのレースマシンとして重要な剛性は一切落とすことなく保たれていることも特筆すべき点だろう。
一気呵成に軽量化を成し遂げた新型REACTOだが、エアロロードの本分である空力性能の向上ももちろん忘れられてはいない。複雑なギミックによって空力性能を高めるエアロロードが巷に溢れる中で、メリダが目指したのは極力シンプルな設計で最高のエアロダイナミクスを実現する、スマートなエアロロードだった。
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結果から述べると、新型REACTOは第二世代と比較して時速45kmで走行時に8w分の空気抵抗を削減することに成功しているという。この空気抵抗の削減による効果は、100kmの距離を単独で走行した際に、伝統的な丸型チューブ形状のロードバイクで100kmのうち30km以上をドラフティングしながら走行した時に得られるエアロ効果よりも高い効果を得られる事を意味しているのだとメリダは説明している。
それほど目覚ましい進化の原動力となったのは、これまでチューブ形状に縛りをかけていたUCIの3:1規制の撤廃だ。この最新の環境の変化に合わせて、メリダは全体のチューブ形状の見直しを実施し、最適なエアロ形状へとチュービングをリファインした。合わせて、シートステイ接合部をより低くすることや、ヘッドチューブとインテグレートされたデザインのワンピースコックピットの採用によって、高いエアロダイナミクスを生み出した。
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また、新型REACTOにはシリーズとして初となるディスクブレーキモデルも用意される。MTBで培ったノウハウをフィードバックした設計によって、ディスクブレーキの持つポテンシャルを100%発揮することが出来るエアロロードに仕上がっている。最も特徴的なテクノロジーが、アルミニウムの放熱フィンによって放熱性能を高める”DISC COLOR"。この仕組みによって、放熱時間を35%短縮し、安定した制動力を発揮している。
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