2017/06/17(土) - 08:22
ツール・ド・スイスの最難関山岳である標高2,780mの超級山岳ティーフェンバッハ氷河に向かってシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)が快走。急勾配の登りでライバルたちをふるい落とした2015年大会の総合優勝者が総合首位に立った。
ツール・ド・スイス第7ステージを締めくくるのは超級山岳ティーフェンバッハ氷河(登坂距離11.7km/平均10.5%)の山頂フィニッシュ。1年前にも登場した標高2,669mのフィニッシュ地点からさらに登った標高2,780mのティーフェンバッハ氷河は、あのイズラン峠(標高2,770m)やステルヴィオ峠(標高2,757m)よりも標高がある。フィニッシュ手前に登場するトンネル出口の標高は2,830mで、これはヨーロッパのロードレース史上最高地点とされる。
ただ標高があるだけではなく、空気の薄さに加えて平均勾配は10%オーバー。このヨーロッパを代表する難関山岳で総合成績に激震が走った。
総合争いに関係しないペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)、マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、オリカ・スコット)を含む18名の巨大な逃げグループが序盤に形成されたものの、イエロージャージ擁するアージェードゥーゼールやチームスカイ、CCCスプランディ・ポルコウィチェの集団牽引によってタイム差は4分以上に広がらず。2つのスプリントポイントで5ポイント獲得したサガンはポイント賞ジャージのリードを広げることに成功している。
オーストリア国内に入り、ゼルデンの町を通過すると残り15km地点からコースは上昇を開始する。超級山岳ティーフェンバッハ氷河の登りが始まると逃げグループは吸収され、そこからバーレーン・メリダとカチューシャ・アルペシンがペースメイクを始めると瞬く間にメイン集団は人数を減らした。
マトヴィ・マミキン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)やレイン・タラマエ(エストニア、カチューシャ・アルペシン)の強力なペースにマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール)やミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)、そしてイエロージャージのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)が早々に脱落してしまう。
続いてステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)、ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)といった総合上位陣が次々とカチューシャ・アルペシンの集団牽引の犠牲に。タラマエとスピラクの2人に食らいついたのはジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)だけだった。
残り9km地点でタラマエが離れてスピラクがペースを作り始めるとドンブロウスキーも脱落。こうして先頭で独走を開始したスピラクに対し、ライバルたちはタイムロスを最小限に抑える走りに徹さざるを得ない状況に。
リズムを取り戻したイサギレがドンブロウスキーを追い抜いて2番手に浮上したものの、先頭スピラクは25秒リードをもってトンネル内に設置された残り1kmアーチを通過。標高2,830mの最高地点を越え、短い下り区間に入っても踏み続けたスピラクが独走勝利した。
22秒差でスピラク、36秒差でドンブロウスキーがフィニッシュに飛び込み、総合成績がかかったカルーゾとクライスヴァイクは1分04秒遅れという結果に。イエロージャージは2分40秒遅れたポッツォヴィーヴォからスピラクの手に渡った。
今大会最難関山岳を制したスピラクは「気温が30度まで上がった昨日はコンディションを落としてしまったけど、今日は最高気温20度の涼しい天候が自分に味方した。チームメイト2人が序盤からの逃げに乗る理想的な展開で、他のチームメイトが風よけとして働き続け、最後はタラマエが素晴らしいペースを作ってくれたんだ。残り8kmからの独走は早すぎたかもしれないけど、イエロージャージを手にいれるために他に選択肢はなかった」とコメントする。
スピラクは2010年のツール・ド・ロマンディと2015年ツール・ド・スイスで総合優勝を飾っており、その他にも1週間のステージレースで好成績を残している。その一方でグランツールの経験は少なく、これまで5回出場して完走は3回。途中リタイアに終わった2014年のツール・ド・フランス以降グランツールに出場していない。イエロージャージを着て残る2ステージを走るスピラクは「総合でカルーゾと52秒差、クライスヴァイクと1分05秒差。明日はスプリンターのステージなので、最終日の個人TTで勝負が決まる。TTは決して苦手じゃないから問題ないと思う」と2度目の大会制覇に向けて意気込んだ。
ツール・ド・スイス第7ステージを締めくくるのは超級山岳ティーフェンバッハ氷河(登坂距離11.7km/平均10.5%)の山頂フィニッシュ。1年前にも登場した標高2,669mのフィニッシュ地点からさらに登った標高2,780mのティーフェンバッハ氷河は、あのイズラン峠(標高2,770m)やステルヴィオ峠(標高2,757m)よりも標高がある。フィニッシュ手前に登場するトンネル出口の標高は2,830mで、これはヨーロッパのロードレース史上最高地点とされる。
ただ標高があるだけではなく、空気の薄さに加えて平均勾配は10%オーバー。このヨーロッパを代表する難関山岳で総合成績に激震が走った。
総合争いに関係しないペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)、マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、オリカ・スコット)を含む18名の巨大な逃げグループが序盤に形成されたものの、イエロージャージ擁するアージェードゥーゼールやチームスカイ、CCCスプランディ・ポルコウィチェの集団牽引によってタイム差は4分以上に広がらず。2つのスプリントポイントで5ポイント獲得したサガンはポイント賞ジャージのリードを広げることに成功している。
オーストリア国内に入り、ゼルデンの町を通過すると残り15km地点からコースは上昇を開始する。超級山岳ティーフェンバッハ氷河の登りが始まると逃げグループは吸収され、そこからバーレーン・メリダとカチューシャ・アルペシンがペースメイクを始めると瞬く間にメイン集団は人数を減らした。
マトヴィ・マミキン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)やレイン・タラマエ(エストニア、カチューシャ・アルペシン)の強力なペースにマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール)やミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)、そしてイエロージャージのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)が早々に脱落してしまう。
続いてステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)、ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)といった総合上位陣が次々とカチューシャ・アルペシンの集団牽引の犠牲に。タラマエとスピラクの2人に食らいついたのはジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)だけだった。
残り9km地点でタラマエが離れてスピラクがペースを作り始めるとドンブロウスキーも脱落。こうして先頭で独走を開始したスピラクに対し、ライバルたちはタイムロスを最小限に抑える走りに徹さざるを得ない状況に。
リズムを取り戻したイサギレがドンブロウスキーを追い抜いて2番手に浮上したものの、先頭スピラクは25秒リードをもってトンネル内に設置された残り1kmアーチを通過。標高2,830mの最高地点を越え、短い下り区間に入っても踏み続けたスピラクが独走勝利した。
22秒差でスピラク、36秒差でドンブロウスキーがフィニッシュに飛び込み、総合成績がかかったカルーゾとクライスヴァイクは1分04秒遅れという結果に。イエロージャージは2分40秒遅れたポッツォヴィーヴォからスピラクの手に渡った。
今大会最難関山岳を制したスピラクは「気温が30度まで上がった昨日はコンディションを落としてしまったけど、今日は最高気温20度の涼しい天候が自分に味方した。チームメイト2人が序盤からの逃げに乗る理想的な展開で、他のチームメイトが風よけとして働き続け、最後はタラマエが素晴らしいペースを作ってくれたんだ。残り8kmからの独走は早すぎたかもしれないけど、イエロージャージを手にいれるために他に選択肢はなかった」とコメントする。
スピラクは2010年のツール・ド・ロマンディと2015年ツール・ド・スイスで総合優勝を飾っており、その他にも1週間のステージレースで好成績を残している。その一方でグランツールの経験は少なく、これまで5回出場して完走は3回。途中リタイアに終わった2014年のツール・ド・フランス以降グランツールに出場していない。イエロージャージを着て残る2ステージを走るスピラクは「総合でカルーゾと52秒差、クライスヴァイクと1分05秒差。明日はスプリンターのステージなので、最終日の個人TTで勝負が決まる。TTは決して苦手じゃないから問題ないと思う」と2度目の大会制覇に向けて意気込んだ。
H3
ツール・ド・スイス2017第7ステージ結果
ステージ成績
1位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 3:58:36 |
2位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:22 |
3位 | ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) | 0:00:36 |
4位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) | 0:01:04 |
5位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | |
6位 | ヤン・ヒルト(チェコ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 0:01:07 |
7位 | レイン・タラマエ(エストニア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:33 |
8位 | ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) | 0:01:47 |
9位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:01:53 |
10位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:02:40 |
11位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール) | |
12位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール) |
個人総合成績
1位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 26:02:16 |
2位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) | 0:00:52 |
3位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:05 |
4位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール) | 0:02:28 |
5位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:02:35 |
6位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール) | 0:02:51 |
7位 | ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) | 0:02:54 |
8位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:03:51 |
9位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:04:07 |
10位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:04:10 |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 27pts |
2位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) | 19pts |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 18pts |
山岳賞
1位 | ラーセ・ノーマンハンセン(デンマーク、アクアブルースポート) | 33pts |
2位 | ニック・ファンデルライク(オランダ、ルームポット) | 32pts |
3位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) | 31pts |
スイスライダー賞
1位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール) | 26:05:07 |
2位 | ミヒャエル・シェア(スイス、BMCレーシング) | 0:30:17 |
3位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:52:10 |
チーム総合成績
1位 | アージェードゥーゼール | 78:25:52 |
2位 | モビスター | 0:04:16 |
3位 | カチューシャ・アルペシン | 0:16:58 |
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