2017/05/27(土) - 20:46
ツアー・オブ・ジャパン7日目の伊豆ステージが行われ、残り2周を独走に持ち込んだマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)がステージ優勝した。個人総合首位はオスカル・プジョル(チーム右京)が守った。
ツアー・オブ・ジャパン第7ステージは、修善寺の日本サイクルスポーツセンター。おなじみの5kmサーキットに、施設内の道路などを組み込んだ1周12.2kmを10周する122kmだ。
2日ぶりに晴天が戻ったツアー・オブ・ジャパン。コースからは山頂に雪が残る富士山が良く見える1日。日差しは強いものの、大きな木がなびくほどの強めの風が吹く中でのレースとなった。
この日はパレードなしのスタート。1周目からレースが動く。山岳賞ジャージの初山翔、ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)、クリス・ハ―パー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)の4人が抜け出し、逃げ集団を形成する。
メイン集団はリーダーチームのチーム右京が先頭に立ち、逃げ集団との差を3分から4分の間でコントロールする。レース中盤を過ぎた6周目、NIPPOヴィーニファンティーニ勢が集団の前に出てペースアップ。この動きをきっかけに、マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)、ベンジャミ・プラデス(チーム右京)、ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)、クリストファー・ジョーンズ(ユナイテッドヘルスケア)の4人が追走集団を形成する。その後カノラ単独となって逃げを追走。7周目にフェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ)が合流し、新たに2人の追走集団が形成される。
4人の逃げ集団と追走集団の差は2分前後、追走集団とメイン集団との差は50秒前後の状態で迎えた8周目、追走するカノラがフェンを切り離して単独ペースアップ。逃げ集団との差をさらに詰める。この動きに呼応するかのように、残り2周となる9周目に入ったところで、逃げ集団からガルシアがアタック。ハーパーが反応するが差は一気に20秒以上まで開く。
ガルシアはその後も後続とのタイム差を広げながら独走。最終周回に入ってもペースが落ちる気配を見せず、ゴール前に集まる観客の前に1人で姿を現した。そして何度も後ろを確認し、誰も来ない事を確認してからガッツポーズを繰り出した。ガルシアはブエルタ・ア・エスパーニャでステージ4位などの経験はあるものの、これがプロ初勝利だという。
「昨日の富士山ステージはダメだったし、昨年も総合2位で満足していなかったから勝ちたかった」と、レース後に語るガルシア。「チームの作戦として最初から逃げる事を考えていた。4人の逃げが決まった後はNIPOOも追いかけてきたけれど、今日は逃げ切れたという一言に尽きるね。最後のアタックのタイミングは残り2周半か2周を考えていた。このコースはとてもハード。昨年は疲れた印象があったけれど、今日は良いペースで走る事が出来た。チームみんなで勝ち取った1勝だ」と、この日のレースを振り返った。
リーダージャージのオスカル・プジョル(チーム右京)は、メイン集団でゴール。チームメイトが相次いで落車したが、無事レースを終えて総合首位を守った。表彰式では「まだ自分のものじゃない」と言ったものの、これで2年連続の総合優勝をほぼ決めたと言っていいだろう。
明日は最終日の東京ステージ。スプリンターステージとなる事が予想されるが、最後に日本人選手のステージ優勝を強く期待したい。
ツアー・オブ・ジャパン2017第7ステージ 伊豆 結果
1位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) 3時間30分53秒
2位 クリス・ハ―パー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +1分39秒
3位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +1分51秒
4位 フェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ) +2分51秒
5位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー) +3分8秒
6位 初山翔(ブリヂストンアンカー) +3分54秒
7位 キャメロン・ベイリー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +4分17秒
8位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ)
9位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
10位 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア)
個人総合順位
1位 オスカル・プジョル(チーム右京) 16時間45分48秒
2位 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) +1分42秒
3位 ネイサン・アール(チーム右京) +1分52秒
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) +2分35秒
5位 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア) +2分58秒
6位 ティモシー・ロー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +3分8秒
7位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) +3分19秒
8位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京) +3分20秒
9位 ミルサマ・ポルセイエディコラホール(タブリーズ・シャハルダリ) +3分29秒
10位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +3分30秒
個人総合新人賞
1位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) 16時間49分7秒
ポイント賞
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 109p
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) 68p
3位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) 60p
山岳賞
1位 初山翔(ブリヂストンアンカー) 41p
2位 オスカル・プジョル(チーム右京) 15p
3位 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) 12p
チーム総合
1位 チーム右京 50時間22分39秒
2位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス +3分46秒
3位 タブリーズ・シャハルダリ +6分2秒
text&photo: Satoru.Kato
photo:Hideaki.Takagi
ツアー・オブ・ジャパン第7ステージは、修善寺の日本サイクルスポーツセンター。おなじみの5kmサーキットに、施設内の道路などを組み込んだ1周12.2kmを10周する122kmだ。
2日ぶりに晴天が戻ったツアー・オブ・ジャパン。コースからは山頂に雪が残る富士山が良く見える1日。日差しは強いものの、大きな木がなびくほどの強めの風が吹く中でのレースとなった。
この日はパレードなしのスタート。1周目からレースが動く。山岳賞ジャージの初山翔、ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)、クリス・ハ―パー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)の4人が抜け出し、逃げ集団を形成する。
メイン集団はリーダーチームのチーム右京が先頭に立ち、逃げ集団との差を3分から4分の間でコントロールする。レース中盤を過ぎた6周目、NIPPOヴィーニファンティーニ勢が集団の前に出てペースアップ。この動きをきっかけに、マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)、ベンジャミ・プラデス(チーム右京)、ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)、クリストファー・ジョーンズ(ユナイテッドヘルスケア)の4人が追走集団を形成する。その後カノラ単独となって逃げを追走。7周目にフェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ)が合流し、新たに2人の追走集団が形成される。
4人の逃げ集団と追走集団の差は2分前後、追走集団とメイン集団との差は50秒前後の状態で迎えた8周目、追走するカノラがフェンを切り離して単独ペースアップ。逃げ集団との差をさらに詰める。この動きに呼応するかのように、残り2周となる9周目に入ったところで、逃げ集団からガルシアがアタック。ハーパーが反応するが差は一気に20秒以上まで開く。
ガルシアはその後も後続とのタイム差を広げながら独走。最終周回に入ってもペースが落ちる気配を見せず、ゴール前に集まる観客の前に1人で姿を現した。そして何度も後ろを確認し、誰も来ない事を確認してからガッツポーズを繰り出した。ガルシアはブエルタ・ア・エスパーニャでステージ4位などの経験はあるものの、これがプロ初勝利だという。
「昨日の富士山ステージはダメだったし、昨年も総合2位で満足していなかったから勝ちたかった」と、レース後に語るガルシア。「チームの作戦として最初から逃げる事を考えていた。4人の逃げが決まった後はNIPOOも追いかけてきたけれど、今日は逃げ切れたという一言に尽きるね。最後のアタックのタイミングは残り2周半か2周を考えていた。このコースはとてもハード。昨年は疲れた印象があったけれど、今日は良いペースで走る事が出来た。チームみんなで勝ち取った1勝だ」と、この日のレースを振り返った。
リーダージャージのオスカル・プジョル(チーム右京)は、メイン集団でゴール。チームメイトが相次いで落車したが、無事レースを終えて総合首位を守った。表彰式では「まだ自分のものじゃない」と言ったものの、これで2年連続の総合優勝をほぼ決めたと言っていいだろう。
明日は最終日の東京ステージ。スプリンターステージとなる事が予想されるが、最後に日本人選手のステージ優勝を強く期待したい。
ツアー・オブ・ジャパン2017第7ステージ 伊豆 結果
1位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) 3時間30分53秒
2位 クリス・ハ―パー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +1分39秒
3位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +1分51秒
4位 フェン・チュンカイ(バーレーン・メリダ) +2分51秒
5位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー) +3分8秒
6位 初山翔(ブリヂストンアンカー) +3分54秒
7位 キャメロン・ベイリー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +4分17秒
8位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ)
9位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
10位 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア)
個人総合順位
1位 オスカル・プジョル(チーム右京) 16時間45分48秒
2位 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) +1分42秒
3位 ネイサン・アール(チーム右京) +1分52秒
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) +2分35秒
5位 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア) +2分58秒
6位 ティモシー・ロー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +3分8秒
7位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) +3分19秒
8位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京) +3分20秒
9位 ミルサマ・ポルセイエディコラホール(タブリーズ・シャハルダリ) +3分29秒
10位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +3分30秒
個人総合新人賞
1位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) 16時間49分7秒
ポイント賞
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 109p
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) 68p
3位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) 60p
山岳賞
1位 初山翔(ブリヂストンアンカー) 41p
2位 オスカル・プジョル(チーム右京) 15p
3位 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) 12p
チーム総合
1位 チーム右京 50時間22分39秒
2位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス +3分46秒
3位 タブリーズ・シャハルダリ +6分2秒
text&photo: Satoru.Kato
photo:Hideaki.Takagi
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